
オール電化とは?メリットデメリットと節約方法を解説!
2022/09/29
こんにちは!エコの大臣です。
お家の中のエネルギーをすべて電気でまかなってしまうオール電化。最近では一戸建てだけではなく、マンションでも採用率が高くなってきています。お家からガスの設備をなくしてすべて電気に切り替えることで火事になる危険性が減ったり、光熱費が節約できるというメリットもあります。
そこで、今回はオール電化住宅にすることのメリットやお得に活用する方法などについてお伝えしていきます。
オール電化とは?
まず初めにオール電化住宅とはいったい何?ということから説明していきますね。
オール電化住宅とは、お家の中の照明、空調、調理、給湯などのエネルギー源をすべて電気になっている住宅のことを言います。
2000年頃からオール電化住宅に適した商品が発売され始めたこともあり、普及が進んでいきました。新築の際にオール電化にすることでガス管を引き込む工事が必要なくなったり、都市ガスのない地域でも割高なプロパンガスを契約しなくても済むので、結果的に光熱費が安く済むということで広まっていきました。
毎年約27万戸のオール電化住宅が建てられており、2030年には全世帯数の約20%がオール電化住宅になるだろうと予測されています。
オール電化のよくある設備
オール電化住宅に良く採用される住宅設備もいくつかあります。それぞれの製品がどんな場面で活躍するのか詳しく見ていきましょう。
IHクッキングヒーター
オール電化の調理器具と言えばこれ!IHクッキングヒーターです。IHクッキングヒーターはガラスで出来たトッププレートの下に渦巻き状のコイルが張り巡らされており、そこに電流を流した時に発生する磁力線を利用して金属鍋を発熱させる仕組みになっています。
鍋を加熱させるときに火を燃やさないので、火事になる可能性も低く空気も汚れにくいです。また、調理器具に直接熱を伝えるので、周囲も暑くなりにくく、熱効率も良いので、最新のIHクッキングヒーターはガスコンロよりもお湯を早く沸かすことが出来るなど非常に高火力です。
エコキュート
お家の中で消費するエネルギーの約3分の1は給湯にかかると言われています。オール電化に切り替える場合は、給湯器も電気式のものに切り替えないといけません。
エコキュートは火を燃やさずに電気の力でお湯を沸かす給湯器です。熱源には「ヒートポンプ」と呼ばれる仕組みが使われており、空気中の熱を集めて圧縮して高温にし、その熱でお湯を沸かしています。
ガスや灯油などの燃料を使わないので、燃料漏れすることもなく、火事になる危険性も低いというメリットがあります。
床暖房
床暖房は、ガス式のものだけでなく電気式のものもございます。オール電化住宅では、後者の電気式の床暖房装置が採用されます。
電気式の床暖房は電熱線のヒーター式のものと、熱源で温めた専用の液体を床下に流して温める温水式の2種類があります。
それぞれ室内の暖まり方や初期費用、ランニングコストなどが違いますので、導入する前に比較してみて下さい。
太陽光発電
オール電化住宅の場合は、すべての設備が電気で動くので太陽光発電システムとの相性が良いです。
オール電化住宅は夜間の電気代が安くなる代わりに、昼間の電気代が割高になるように設定されています。太陽光発電で発電した電気は、優先して自宅で消費されますので、太陽光が発電している日中は電気を購入しなくて良くなります。毎月の電気代の削減に大きく貢献してくれます。
もちろん、災害などで停電してしまった場合にも太陽光発電があれば電気を使うことが出来ます。
最近は火力発電に必要な燃料費が高騰しているので電気代も上昇傾向にあります。今後、一戸建て住宅への太陽光発電の設置を義務化するような動きも出てきています。
オール電化のメリット
オール電化住宅がこれだけ広まっているのは、導入することで得られるメリットが大きいからです。オール電化住宅に切り替えることで得られるメリットについて、まずは確認しておきましょう。
光熱費の削減
オール電化にすると、ガスを全く使わなくなるので基本料金からガス代が必要なくなります。新築の場合はガス管の引き込み工事なども必要なくなるので初期費用を安くすませることも可能です。
オール電化に切り替えた場合には深夜電力を利用するご家庭がほとんどです。ご家庭の生活スタイルによっても変わりますが、安くなる時間帯に合わせて使用すれば電気代を安く抑えることも可能です。
特に都市ガスよりも利用料金が割高なプロパンガスを使用している地域では、光熱費のメリットが出やすくなっています。ガスの使用料金が高くて悩んでいるという場合には、オール電化を検討してみるのをおススメします。
火事になりにくい
オール電化住宅では、基本的には火を使わないので火事になりにくいという特徴があります。特に台所のIHクッキングヒーターはガスコンロと比べても高い安全性を備えています。
また、火事になりにくいというだけでなくガス漏れや不完全燃焼などが原因の一酸化炭素中毒などの事故が起こることもありません。特に小さいお子様や高齢者と一緒にお住まいの場合は安心ですよね。
もちろん、タバコの火の不始末や放火など他の原因での火事が発生する可能性がありますので、「オール電化=全く火事にならない」というわけではないので過信は禁物です。それでも、ガスと併用している場合と比べると火事の危険性は大きく抑えられるでしょう。
オール電化と火事に関する詳しい記事はこちら⇒オール電化は火事にならないって本当?その真実に迫る!
台所の手入れのしやすさがバツグン
IHクッキングヒーターは表面の凹凸もないので、もし汚れてしまっても布巾でさっと拭いてしまえば汚れが落ちます。ガスコンロは五徳に油汚れがこびりついたり、焦げ付いたりすると掃除が大変ですよね。
お手入れが簡単ですし、毎日のように使うキッチンを清潔に保ちやすいというのはありがたいですよね。
災害時に活躍する
エコキュートは屋外に設置したタンクにお湯をためておく「貯湯式」の給湯器です。自然災害などで、停電や断水になってしまっても、中にたまっているお湯を取り出して使うことが出来ます。
タンク内の水は飲用には適していませんが、生活用水としては十分活用できます。
タンクの中には常に数百リットルの水やお湯がたまっています。バケツでいうと約20杯分もの量になりますので、生活用水として使うのは十分です。
日頃からこれだけの量の水を備えておくのは難しいですが、エコキュートにするだけで簡単に出来てしまうのが便利ですよね!
電気は自給自足が可能
オール電化とセットで太陽光発電や蓄電池を導入することで、停電時にも自宅に必要な電気を供給できるようにすることが出来るようになりました。
地震や台風などで長期間の停電が発生しても、避難所に行かずに自宅で生活することが出来るのは助かりますよね。
最近では、停電時に電気自動車から自宅に電気を供給することが出来るV2Hシステムを導入する方も増えてきています。もちろん、災害時以外には電気代の削減効果も期待できます。
蓄電池に関する詳しい記事はこちら⇒災害時で蓄電池が大活躍!?停電しても安心して暮らせる方法
V2Hに関する詳しい記事はこちら⇒V2Hは停電時に役立つ非常用のシステム!災害対策をするなら必須
オール電化のデメリット
オール電化にメリットしかなければ、既にすべてのご家庭でオール電化が導入されていてもおかしくはないですよね。そうなっていないということは、オール電化住宅にもまたデメリット、欠点と呼べるものがあるのです。ここからはオール電化住宅のデメリットの部分について確認していきましょう。
昼の電気代が割高
オール電化住宅の給湯設備である電気温水器やエコキュートは、電気の使用量自体は決して少なくありませんが、深夜電力の安い電気を利用することで、電気代を安く抑えるという仕組みになっています。
オール電化向けの電力プランは、基本的には夜間23~7時までの時間帯が安くなっていますが、10時~17時までの時間帯が少し高めの料金設定になっています。
電気の安い深夜の時間帯に合わせて生活すれば、お家全体の電気代も安く抑えられますが、反対に昼間中心の生活をしていれば、逆に電気代が高くなってしまう可能性があります。
要するにオール電化に切り替えて光熱費が安くなるかどうかというのは、昼間の時間帯と夜の時間帯の電気の使い方によって左右されるということなのです。
オール電化にすると無条件で光熱費が安くなるというわけではありませんので、ご注意ください。
停電すると何も使えない
オール電化住宅は、設備のほとんどを電気で動かしているので停電すると手も足も出なくなります。台所のIHクッキングヒーターや電子レンジなどの調理器具は全く使えなくなります。
電気・ガス・灯油などエネルギー源が分散している方が災害時には有利でしょう。
オール電化住宅でも災害時に備えて、カセットコンロと燃料のガスボンベは用意しておいた方が良いでしょう。
キッチンで火が使えない
台所のIHクッキングヒーターは調理器具に直接熱を伝えて温める仕組みになっています。調理の際にも火が出ないので、火事に対する安全性が高いというメリットはあるのですが、反面、食材を直火であぶったりすることは出来ません。
IHクッキングヒーターは調理器具とガラス面が触れていないと加熱することが出来ないので、鍋を傾けたり、フライパンを振ろうとすると加熱が止まってしまいます。
調理方法に制限があるので、台所だけはどうしてもガスが良いという方も多いです。こだわりをお持ちの方はご注意ください。
コストがかかる
オール電化に必要なエコキュートやIHクッキングヒーターなどの設備は、ガス器具と比べると導入費用が高いので切り替え時に費用がかかります。
オール電化の導入費用の相場は60~80万円ほどとなっています。
オール電化の場合は機器そのものの値段が高額なので、導入費用だけでなく機器更新の際にかかる費用も高くなります。
ガス給湯器の場合は20~35万程度あれば最新のガス給湯器に交換することが出来ますが、エコキュートを導入するとなると40~60万円程度の交換費用がかかります。
また、コンロも同様でIHクッキングヒーターの方が5~10万円程度割高になります。
耐用年数が長かったり、ランニングコストがガスと比べて安くなるというメリットはありますが、どちらも「長く住む」ことではじめてメリットが出てくる商品になります。
「この先いつまで住むかわからない」という考えがある場合には、オール電化のメリットを十分に受けられない可能性もあります。
エコキュートの設置場所が必要
ガスや灯油の給湯器と比べて、エコキュートはお湯をためておくためのタンクが必要になります。数百リットルのお湯を貯めておけるほどの大きさですので、設置場所として80cm四方のスペースが必要になりますし、設置場所までの搬入経路も必要です。
「そもそも設置するスペースが無い」、「置くと通路が通れなくなる」などの理由でエコキュートが置けないケースも多々あります。
玄関先などにしか設置する場所がなく、見た目が良くないという理由で設置をやめる方もいらっしゃいます。
設置する前にわかることではありますが、設置できるご家庭が限られるというのはデメリットになりますね。
オール電化で節約する方法は?
様々なオール電化のメリット・デメリットについて触れていきました。その中で、オール電化を導入することに決めたきっかけはやはり「光熱費が安くなるから」という方が非常に多いです。メリットにもデメリットにもなり得るのがオール電化を導入した後の電気代。どうせ使うなら安くできた方が良いですよね!
そこで、オール電化で電気代を節約する方法をお伝えしていきます!
夜間に電気を使う
オール電化は給湯器にエコキュートを使用するので、電力プランは深夜電力を利用します。深夜電力は基本的には23時~7時までの電気料金が安くなります。同じように電気を使っても時間帯によって料金が変わるので、安い時間帯に集中して電気を使用することで電気代を節約することが出来ます。
エコキュート以外にもお家の中で消費電力の多い家電。例えば、洗濯機や炊飯器、掃除機やアイロンなどの家電もその時間帯に使用すればお得に生活することが出来ます。
特に洗濯機や炊飯器などはタイマー機能を活用すれば、時間設定も簡単です。今まで全く気にしていなかったという場合には、電気を使う時間帯を意識して家電を使用するようにしましょう。
電気代が高くなる機器をなるべく使わない
住宅家電の中には、大変便利ですがコストパフォーマンスが悪い機器というのが存在します。卓上のIHクッキングヒーター、浴室乾燥機、床暖房などは手軽に使えて便利ですが、電気代は決して安くはありません。また、エコキュートの追い炊き機能もお湯の使用量が多くなるので、電気代が高くなりやすいです。
浴室乾燥機や床暖房などはとても便利ですが、使いすぎると電気代も高くなりますので、使い方には気を付けた方が良いでしょう。
エコキュートの設定を見直す
エコキュートには学習機能がついており、日頃使用するお湯の量に合わせて自動でお湯を沸き増しするように設計されています。
そのままでも十分電気代は安くおさえられるのですが、季節に合わせてエコキュートの設定を見直せばもっと電気代を安くすることも出来ます。例えば、お湯を使う量の少ない夏場には、更に沸きあげる量を減らす設定に切り替えることも出来ます。
エコキュートは夜間以外の時間帯に沸き上げをしてしまうと、少し電気代が割高になってしまいます。冬にお湯を使う量が多くなってしまい、使っている途中で沸き増しをしてしまっては電気代がもったいないです。お湯切れを防ぐために、深夜の時間帯の沸き上げ量を増やすように設定しておけば、結果的に電気代の節約につながります。
季節の変わり目にはエコキュートの設定を見直してみることをおススメします。
電気料金プランを見直す
オール電化の場合は、基本的には大手電力会社が提供している深夜電力の料金プランに加入されていると思います。2016年から一般家庭向けの電力契約も自由化され、多くの新電力会社が生まれました。
新電力会社の中には、オール電化向けの電力プランを販売している会社もありますので、定期的に今の電力プランが適切なのかを見直してみるのも良いでしょう。
太陽光発電と組み合わせる
自宅の屋根やカーポートなどに太陽光パネルを設置すれば、そこで発電した電気を自宅で使うことが出来ます。
特にオール電化の場合は昼間の割高な料金の電気を購入せずに済むので毎月の電気代の大幅な削減には貢献してくれます。また、電力会社から購入する電気には「再エネ賦課金」と呼ばれる料金が電気代と別途課金されます。
これは、電気の使用量に応じて課される料金で、2022年5月から2023名年4月までは全国一律で1キロワットあたり3.45円と設定されています。再エネ賦課金に関しては毎年上昇し続けており、最終的には1キロワットあたり5円前後になるのではと言われています。
太陽光が発電した電気には再エネ賦課金は課金されませんので、その分の料金も節約することが出来ます。
10年ほど前は太陽光発電を導入するために400~500万円ほどの費用がかかっていました。しかし、太陽光発電が徐々に認知され、生産体制も確立されたため、太陽光発電の導入費用も年々下がってきています。ご家庭で使う電気をまかなうためなら100~150万円もあれば十分設置することが出来ます。
一方で、燃料費の高騰や原子力発電の稼働停止などの影響で家計における電気代の負担は徐々に大きくなってきています。東京都ではすべての新築一戸建てに太陽光発電の設置を義務化するような動きも出てきています。
電気代の削減のために太陽光発電を導入するのは悪くない選択肢の1つです。
オール電化とはのまとめ
今回はオール電化とはどんなものなのか。そのメリット・デメリットやオール電化にした後の電気代の節約方法についてお伝えしていきました。
オール電化は火事や災害にも強く、お家の安全性を高めるのに役立つだけでなく、上手に使えば毎月の光熱費の節約にもなります。
詳しく知れば知るほどオール電化に向いているというご家庭もまだまだ数多くあると思います。
オール電化への切り替えや、機器の交換に関するご相談はぜひエコの王様までご連絡下さい!
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