
オール電化のメリットとデメリットはあるの?絶対に後悔しないためにできることとは
2021/09/14
こんにちは!エコの大臣です!
エコキュートやIHクッキングヒーターが普及し始めてから約20年が経ちました。
それまでは、電気とガスを併用するのが一般的でしたが、お家の熱源を電気に一本化するオール電化住宅が新しく登場しました。
最近では、新築のときからオール電化を採用する住宅も増えてきましたね。
お家の購入やリフォームを考えている方にとってオール電化を選択すると、ガス併用住宅と比べてどんなメリットやデメリットがあるのかというのは気になるところですよね。
毎日使うものなので、切り替えた後に後悔だけはしたくないですよね。
そこで、今回はオール電化住宅とはいったいどんなものなのか。何が必要?費用は?デメリットはないの?といった種々の疑問にお答えしていきます!
目次
オール電化住宅とは?
そもそもオール電化住宅とは、給湯、照明、冷暖房などのお家で必要になるエネルギーをすべて電気に一本化している住宅のことです。
「ガスや灯油などの燃料を置かないので、火災になる危険性も低くなり家の安全性が高くなる。」、「深夜電力を使えるので光熱費が安くなる」という点で人気があり、この20年ほどで新たな住宅のスタイルとして市民権を得ています。
後述しますが、熱源を電気に一本化することで、光熱費の管理や支払いが容易でわかりやすくなるという点も好評なです。
プロパンガスと比べると毎月の光熱費を安く抑えられるということで話題になり、都市ガスの通っていない地方から導入が進んでいきました。中国地方や四国では特に普及率が高くなっています。
オール電化でよく使われる設備
オール電化に切り替える場合には、照明以外の器具もすべて電気で動く設備を用意する必要があります。オール電化にリフォームするときに導入するべき設備をまとめておきましょう。
給湯器(エコキュート)
お家で消費するエネルギーの約3分の1を占めると言われている給湯。オール電化に切り替える場合には、給湯器を電気温水器やエコキュートといった物に切り替えます。
エコキュートはお湯を作るのに、エアコンなどにも利用されているヒートポンプと呼ばれる仕組みを採用しています。空気中の熱を集めて圧縮し、その熱でお湯を作るので従来の電熱線のヒーターを使ってお湯を沸かすタイプの給湯器と比べても省エネ効率が高く、電気代も約3分の1で抑えられるようになっています。
現在新規でオール電化を導入する場合にはこちらのエコキュートを設置することがほとんどです。既存の電気温水器からの置き換えも進んでいっています。
エコキュートについての詳しい記事はこちら⇒エコキュートとは?メリットやデメリット・メーカー・種類を完全網羅!
キッチン(IHクッキングヒーター)
IHクッキングヒーターは。コイルに電流を流した時に発生する磁力を利用した調理機です。難しい説明はここでは省きますが、要は電気のエネルギーで高温調理が可能な器具です。
ガスコンロと違って、ガスを燃焼させた熱を使うのではなく、調理器具に直接熱を伝えて高温にするので、効率良く鍋やフライパンを温めてくれます。また、調理場の空気も暑くなりにくいので、夏でも快適に調理することが出来ます。
直火を使わないので、火事になる心配も少なく、加熱しすぎや空焚きを検知して自動で停止する機能も付いており安全性も高いです。
最新のIHクッキングヒーターはガスと比べても火力も強くなっており、温度調節も10段階以上の設定が可能になっているものも珍しくないので、利便性がかなり向上しています。
暖房(床暖房)
オール電化住宅の暖房設備としては、エアコンや電気こたつなどが一般的ですね。
新築でオール電化住宅を導入する場合には、電気式の床暖房を導入する方もいらっしゃいます。
エコキュートと同じように深夜電力を利用して熱を貯めておく蓄熱暖房機というものもあります。
予算や、お家の希望に合わせて最適な暖房器具をチョイスしましょう。
オール電化のメリット
オール電化住宅にお住まいの方は全体の約15%と着々と件数を増やしてきています。
これだけ着工件数を伸ばしている理由は一体どこにあるのでしょうか?オール電化住宅をチョイスした場合のメリットについてまずは見ていきましょう。
光熱費を削減できる
オール電化住宅にすることで、ガス代は基本料金から支払わなくてよくなります。
また、エコキュートは毎月の平均で2,000円ほどとかなりの低コストでお湯を沸かすことが出来ます。プロパンガスと比べると毎月のランニングコストはオール電化の方が安くなることが多く、導入されたご家庭様では喜ばれていることが多いです。
ガスを使わないため火事の心配が少ない
IHクッキングヒーターやエコキュートはガスや灯油の給湯器などと違い、直火が出ないので火事になる危険性が少なく安全性が高いです。
特にIHクッキングヒーターは、火を使わずに調理できるだけではなく、加熱しすぎを検知して自動停止する機能や、チャイルドロック機能など安全に利用するための機能も豊富です。
火事の危険性がないだけでなく、ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒になる危険性もありません。最新のガス機器は安全性能も高くなっていますが、そもそもガスを引いていないオール電化住宅の安全性の高さには敵いませんね。
オール電化住宅と火事に関する詳しい記事はこちら⇒オール電化はガスを使わないから火事にならないって本当?その真実に迫る!
IHクッキングヒーターになるから掃除がしやすい
IHクッキングヒーターは表面に凹凸もなく、平らになっていますので、お手入れが簡単ということで非常に喜ばれます。調理が終われば布巾さっと一吹きで済むというのは大変便利ですよね。
最近のガスコンロも以前と比べると作りもシンプルになり、五徳を取り外して掃除しやすくはなっていますが、それでもIHクッキングヒーターの掃除の楽さは偉大ですよね。
ガスコンロとIHクッキングヒーターのメリット・デメリットに関する詳しい記事はこちら⇒徹底比較!IHとガスコンロどちらがおすすめなのかを公開!
災害時の復旧がはやい
万が一、大規模な災害が起こって電気・ガスのライフラインが止まってしまった場合、復旧するのはガスよりも電気の方が早いというデータが出ています。
大規模な自然災害の多い日本では、普段から災害時の対策というのも意識しておきたいところ。特に「終の棲家」として住宅の購入を検討している方にとっては、お家の安全性というのも真剣に考えている方も多いと思います。
ただ、オール電化は停電に弱いとよく言われます。お家のエネルギーをすべて電気でまかなっているので、当たり前ですが…。
しかし、最近では光熱費の節約と停電対策を兼ねて、太陽光発電や蓄電池、電気自動車などを導入する方も多くいらっしゃいます。
ガスはライフラインが断たれてしまえばどうしようもない(プロパンガスの場合はボンベがあればガス使えます)ですが、オール電化の場合はご自身で対策をすることが出来るので、その点を考慮しても災害時の安全性は高いと言えるでしょう。
非常時にタンクの中のお湯を取り出して使える
エコキュートは貯湯式の給湯器になっていますので、タンクの中には常時数百リットルのお湯や水が蓄えられています。停電や断水の際に、ガスの給湯器では全く水もお湯も出ませんが、エコキュートの場合は、停電してもタンクの中にたまっている分のお湯は取り出して使うことが出来ます。
タンクの中のお湯は飲用として使うことは出来ませんが、その他の生活用水として使うことは出来るようになっています。お風呂の浴槽2杯分以上の水を普通に確保するのは難しいですが、エコキュートならそれが出来てしまうのも嬉しいポイントです。
非常時のお湯の取り出し方についての詳しい記事はこちら⇒【三菱エコキュート】災害時の取水方法
オール電化のデメリット
まぁ、どんなものにもメリットばかりがあるという訳ではありません。当たり前ですが、オール電化にもデメリットはございます。オール電化を検討する際に知っておきたいデメリットを5つご紹介します。
停電するとあらゆるものが使えなくなる
オール電化住宅の場合、停電してしまうとお家の中の設備が全く機能しなくなってしまうので、不便とよく言われます。
ガスと併用している住宅と比較しても大きな違いがあるのは台所のコンロと給湯器。
ちなみに給湯器はガスでも電気でも停電時には使えません。
唯一、台所のIHクッキングヒーターは停電時には全く使えなくなってしまいます。ガスコンロは電池式の物が多いので、停電しても使用できることが多いです。
そのため、オール電化住宅では停電に備えて卓上のカセットコンロなどを必ず用意しておくようにしましょう。
ただ、停電すると冷蔵庫や電子レンジ、照明などはオール電化に限らず使えなくなるのでどっちにしても不便なことには変わりないんですよ…。
どうしても停電が不安だという場合には、太陽光発電や蓄電池などの創エネ設備を導入しておくのも良いでしょう。
オール電化の停電対策に関する詳しい記事はこちら⇒オール電化なのに停電してしまった!慌てないために事前に対策をしておこう
ガス火で調理ができない
IHクッキングヒーターで調理する際には、フライパンや鍋をコンロから離してしまうと加熱が出来ないので、鍋振りをしたり、フライパンを傾けて調理したりすることが出来ません。
また、直火が使えないので海苔を焙ったりすることが出来ません。
調理方法にもこだわりをお持ちの方にとっては使いづらさを感じるかもしれません。
一応、「火を使わない生活をしていると、子供たちが火の怖さや使い方がわからないだろ!」という意見もありますが、全く意味のない反論だとは思います。ガス会社の営業マンがよく使うらしいですが…。
それを言い出したら「お金使ったことない人はいないけど、正しいお金の使い方を出来る人は少ない」のはどうするんでしょうね?
エコキュートの音によるトラブルの可能性
エコキュートはヒートポンプと呼ばれるエアコンの室外機に似た形状の機械を使ってお湯を沸かします。
ヒートポンプは空気中の熱を取り込んでお湯を沸かす仕組みになっています。そのため空気を取り込むためにファンを回します。エコキュートの沸き上げの際には、約50dbほどの運転音が出ます。
また、エコキュートのヒートポンプからは低周波音という、通常人間の耳では聞き取れないような音も出ていると言われています。
低周波音はいわゆる「騒音」による被害とは少し違っています。まず、低周波音を感じる・感じないというところから個人差があり、同じように生活していても、健康被害が出る出ないの個人差が大きいです。もし低周波音が原因で健康被害に遭っても、因果関係の証明が難しいという問題点があります。
低周波音は、一般的な騒音対策に使われる防音シートや防振ゴムなどではあまり効果がなく、防音措置を取ることが難しいです。一旦問題になると低周波音の発生源となっている機器を撤去するくらいしか有効な解決方法がありません。
「寝室の近くに設置するのは避ける」、「ヒートポンプの周囲を囲ったり、音が反響する狭い場所には置かない」というところは注意しておきましょう。設置した後に移設するのは費用もかかりますので、事前の注意やご近所への配慮を忘れないようにしましょう。
エコキュートの騒音に関する詳しい記事はこちら⇒エコキュートの騒音って気になるレベル?近所トラブルにならないために
初期費用がかかる
オール電化への切り替えに必要なエコキュートとIHクッキングヒーターは、ガス器具と比べると本体費用が高額です。また、エコキュートやIHの設置には電気工事や基礎工事など、専門の工事も必要になります。
オール電化へのリフォーム費用(商品+工事費用)の相場は50万円~80万円ほどとなっています。
ランニングコストに関してはガスと併用するよりも安くなることが多いので、トータルコストで考えるとオール電化の方が安くなるというご家庭も多いです。
ただ、それでも元を取るまでには7~10年と長い期間がかかります。
今の家に長く住むかわからない、という場合には注意が必要でしょう。
昼間の電気代は高い
オール電化にすると電灯契約を時間帯別に電気代がわかれているプランに変更します。いわゆる「深夜電力」の料金が安く使えるプランとなっており、そのおかげでエコキュートや蓄熱暖房機などを使っても光熱費を安く抑られるようになっています。
その反面、昼間の電気代は少し高くなるように設計されているので、オール電化にしたからと言って昼間にじゃんじゃん電気を使うと逆に光熱費が高くなります。
「昼間の在宅率が高く、昼間に電気を使って生活するのが基本になっている。」、「電気を使う時間など気にして生活したくない。」という方には不向きですね。
深夜電力に関する詳しい記事はこちら⇒オール電化で安い時間帯はあるの?効率よく電気代を下げる方法【関西編】
オール電化のデメリットは太陽光発電で対応できる
「停電時に何もできない」、「昼間の電気代が高い」というデメリットが気になって、オール電化の導入にイマイチ踏み切れない…。という方も多いです。
そんな方にはオール電化と合わせて太陽光発電システムを導入することも1つの手段です。自宅に太陽光発電があれば、太陽光パネルが発電している間は電力会社から電気を買わなくて良くなるので、電気代の節約になります。
特にオール電化の場合は昼間の電気代が高いので、その時間帯の電気を買わなくて良くなるだけでもかなり電気代の削減に貢献してくれます。
また、停電してしまったとしても、日中、太陽光が発電している間には電気を使った生活が出来ます。停電対策をもっと万全にしたい場合には、蓄電池も合わせて導入することも検討してみて下さい。
導入費用もここ数年かなり値下がりしており、100万円以下でも十分な量の太陽光パネルを屋根に載せることが出来ます。
初期費用は少しかかってしまいますが、オール電化と太陽光発電は相性が良いので、同時に導入することも検討してみるのが良いでしょう。
太陽光発電を導入するメリットやデメリットについての詳しい記事はこちら⇒【2021年】太陽光発電にデメリット・メリットはある?設置するべき?その真実に迫る!
オール電化を後悔せず最大限活用するためにやるべきこと
オール電化にはやっぱりデメリットもあるので、使い方を間違えると「やっぱりオール電化やめたい…。」となってしまいます…。
一番大切なのは、導入する前にオール電化にどんなデメリットがあるのかを事前に理解しておくことです。
と言っても、どうせ使うなら少しでも上手に活用してメリットの部分を多く引き出したいですよね。
そこで、ここからはオール電化の持つデメリットの部分を抑えつつ、メリットのみを活用するためにはどうしたら良いのかということについて解説していきます。
エコキュートの設定を季節ごとに変更する
エコキュートは夜の間に1日で必要になる量のお湯をタンクに沸かしておき、そのお湯を使うようになっています。設置してから2週間くらいの期間で、ご家庭でどれくらいお湯が必要なのかを学習する機能が付いていて、学習した量に合わせてお湯を沸かしてくれるようになります。これが「おまかせ」というエコキュートの基本の湯沸かしの設定になります。
エコキュートは以前の電気温水器と比べると、省エネ効率も高くなっていますが、消費する電力量はそこまで小さくはありません。あくまでも、深夜電力を使ってお湯を沸かすから値段が安く済んでいるので、昼間などの電気代が高い時間帯にエコキュートを運転させると電気代が高くなってしまいます。
気温も高く、お湯を使う量も少ない夏場は「おまかせ」でも問題ないですが、お湯を使う量の多くなる冬の時期には「おまかせ」設定のままではお湯切れして途中でお湯が使えなくなってしまう可能性もあります。
冬にはエコキュートのお湯を毎日「満タン」に沸かすようにして、昼間にお湯が足りなくならないように設定を変更しておきましょう。
お湯を使う量が少なくなれば、満タンまで沸かすのは電気代がもったいないので、使用量のピークが過ぎれば、「おまかせ」の設定に直しておくのを忘れずにしておきましょう。
また、エコキュートには昼間の沸き上げを防止する機能も付いています。お湯切れのリスクは高くなりますが、電気代を節約効果は高くなります。少し大きめのタンクを使っていたり、お湯が毎日余っているという場合には試してみる価値はあるでしょう。
エコキュートのお湯切れに関する詳しい記事はこちら⇒エコキュートのタンクが空でお湯が出ない?お湯切れを防ぐためにやるべきこと
深夜電力をフル活用する
オール電化住宅で契約する深夜電力の電力プランは夜の電気代が安くなるように設定されています。
昼と夜では同じ洗濯機で同じように洗濯をしても、電気代は2倍近い値段の差が出ます。
逆に言えば、電気の安い時間帯と高い時間帯がはっきりわかれているので、使い方次第で電気代も大きく変わってきます。
オール電化で電気代を節約するための方法をいくつかご紹介しておきます。
・一番電気代の高い昼間の時間帯に電気を使うのを避ける。
・エアコンは使い始めてから設定温度に調整するまでに電気代が一番かかるので、朝や夜の間から付けておき、昼間の時間は付けっ放し運転にしておいた方が節約になる。電気代が高い時間帯のエアコンのON/OFFは極力避ける
・アイロン、洗濯機、炊飯器などの消費電力の高い電化製品はタイマー機能を活用するなどして、電気代が安い時に使うように工夫する。
・充電式の電化製品も夜間に充電するようにすると節約効果が高い。掃除機は消費電力も大きいので、買い替えの際に充電式のものを購入するのがおススメ。
すべて完璧に実践すればかなり電気代を節約できます。あまりやり過ぎると「ケチケチするなよ!」と言われそうなので、ご家族で相談しながら出来る範囲の節約に努めてみましょう。
住まいの断熱効果を高める
オール電化の場合、実は夏のエアコン代よりもが冬の暖房代の方が高くなりがちなんですよね。
冷房や暖房もお家の断熱性能を高くすれば、電気代の削減にもつながります。
高断熱の住宅であれば、エアコンの設定温度も少し緩めて使用することが出来ます。逆にお家の気密性や断熱性能の低い住宅だとエアコンもフルパワーで稼働させたりするので、交換が必要になるまでのサイクルも短くなり出費もかさみます。
新築でオール電化を検討している場合には、お家の断熱性にも少しこだわってみてはいかがでしょうか。
オール電化のデメリットのまとめ
今回はオール電化住宅のメリットやデメリット、導入した後にどのように活用すれば電気代が削減できるのかという点について解説していきました。
オール電化の代表的なメリットとしては、「安い光熱費」と「火を使わないことによる安全性の高さ」が挙げられます。
電気代に関しては使い方によってもメリットの大きい家庭とそうでない家庭がございます。導入前には電気の使い方などを見直してみて、上手に活用できるか相談しておくのが良いでしょう。
「今、使っているガス代が高くて何とかしたい。」、「火を使うのをやめて安全に暮らしたい」という方にはオール電化はぴったりの住宅設備です。
太陽光発電や蓄電池との相性も良いので、組み合わせて導入するという方も数多くいらっしゃいます。
オール電化を上手に活用して、みなさんの生活をより快適でお得なものにしてみませんか。
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