
エコキュートとは?メリットやデメリット・メーカー・種類を完全網羅!
2021/06/05
こんにちは!エコの大臣です。
ここ数年、電化製品の省エネ化が進み、冷蔵庫やエアコン、洗濯機など様々な商品がどんどん「エコ」になっていますね。
ご家庭の消費エネルギーの約3分の1を占めると言われる給湯。お家のお湯をつくる給湯器も省エネ化が進んでいます。
ただ、この業界の人は、環境にやさしいことをアピールした過ぎて、新商品に何でも「エコ」って付けたがるところがあり、名前が非常にややこしい。
「エコ○○」という名前の給湯器多すぎ問題!
今回はその数あるエコな給湯器の1つである「エコキュート」に関して、その特徴や他の給湯器との違い、メリット・デメリットなどをしっかりとお伝えしていきます。
目次
エコキュートとは?
エコキュートとは、電気のエネルギーでお湯を沸かす給湯器です。
正式名称は「家庭用自然冷媒ヒートポンプ給湯器」と言いますが、知らなくても損しないので大丈夫です。
2001年にコロナ社から世界で初めて発売されました。発売された当初は日本国内の原子力発電所も盛んに稼働していました。原子力発電は発電量の制御が難しく、夜間の電力が余りまくっていたんですね。
そのため、夜間の余剰電力を有効に活用できる仕組みをもったエコキュートは多方面から注目されました。
給湯をエコキュート、調理にはIHクッキングヒーターを導入しお家の熱源を電気に一本化する「オール電化住宅」に切り替えることで、家庭の光熱費の負担が大幅に削減でき、お家の安全性も高まるということで都市ガスの通っていない地域で爆発的に広まっていきました。
2021年現在では年間で約50万台が販売されるほどの人気商品になっています。
エコキュートの仕組みについて
エコキュートは水や沸かしたお湯を貯めておくための貯湯タンクユニットと、水を温めてお湯を沸かすヒートポンプユニットと呼ばれる2つの部品で構成されています。
ヒートポンプユニットでは、空気中に存在する「熱」を集めて取り込みます。取り込んだ熱を内部のコンプレッサーで圧縮して高温にします。そうして作った熱を水に伝えてお湯を作ります。
熱を0から生み出すのは非常に大きなエネルギーが必要です。原始人が木の摩擦で火を起こす作業なんてものすごく労力が要りますよね。
ヒートポンプでは、熱を生み出すのではなく、空気中に自然に存在する熱を「集める」だけなので、消費するエネルギーもかなり少なくて済みます。
ヒートポンプを使うことで、1の電気エネルギーから3~4倍もの熱エネルギーを生み出すことが出来るのです。そのため、従来の電気温水器と比較しても3分の1~4分の1の電気代でお湯を沸かすことが出来るようになっています。
エコキュートと電気温水器は何が違うの?
さて、エコキュートは電気のエネルギーを使ってお湯を沸かす給湯器だということはご理解頂けたかと思います。
従来の電気温水器とエコキュートの違う部分について整理しておきましょう。
電気温水器
電気温水器は、大きな電気ポットと同じだという認識を持っていただくのが一番近いと思います。
貯湯タンクの中に電熱線のヒーターが付いており、そこから発生する熱を利用してお湯を沸かします。
電気温水器の場合はヒーターで電気エネルギーを熱エネルギーに変換する際に、エネルギーのロスもありますので熱効率が悪く電気代が高くなります。
お湯張りの機能などはエコキュートと全く同じです。
エコキュート
エコキュートは先ほどもお伝えした通り、貯湯タンクとは別にヒートポンプユニットと呼ばれる装置を使ってお湯を沸かします。
熱源にヒートポンプを利用することで、熱効率が高くなり、同じ量のお湯を沸かすのにも少ない電気で済むようになったのは先ほどもお話しした通りです。
貯湯タンクとは別にヒートポンプユニットがセットになっているので、その分の設置スペースが必要になります。
エコキュートのデメリット
省エネ効率が非常に高いと言われるエコキュートですが、どんなデメリットがあるのでしょうか。
何かと良い面ばかりに目が行きがちですが、デメリットの部分もきちんと知っておきましょう。
ガス給湯器より高い
エコキュートはガスや灯油の給湯器と比べて給湯器本体の費用が高額です。
標準的な4人家族用のエコキュートで35万円~50万円ほどが相場です。
一般的なガス給湯器であれば15~25万円が相場ですから、イニシャルコストが全然違います。
その分、ランニングコストは安く抑えられますので、10年使用した時点でのトータルコストはエコキュートの方が安くなることも多いですが、初期費用を安く抑えたいという方にはあまり向いていませんね。
また、エコキュートはランニングコストが安くなるところで元が取れるように設計されている通り、長期間の使用が前提となっています。
数年のうちに引っ越しや建て替えの予定がある場合など、短い期間では元を取るのが難しい場合もございます。
エコキュートを新規で導入する場合には、その点も十分考慮しておいてください。
騒音トラブルの可能性がある
エコキュートのヒートポンプはエアコンの室外機と同じような仕組みになっているので、運転中はファンの回る音や「ブーーン」というモーター音がします。
エコキュートの運転音はエアコンの室外機から出る音と同じくらいですので、騒音というほどの大きさではないのですが、エコキュートは深夜電力を活用してお湯を沸かすので、運転するのは主に23時から明け方の5時頃の時間帯までになります。
もちろんこの時間帯にはお休みになられている方が多いので、わずかな音でも気になるかもしれません。
エコキュートを設置する場合には、寝室の近くや、音の跳ね返りやすい狭い場所に設置するのはやめておきましょう。
また、運転音とは別に、エコキュートから発生する低周波音が問題になることがございます。
低周波音は一般には人間の聴覚では聞き取れないレベルの低音とされており、耳では聞き取れないのですが長時間さらされると健康被害が出ることもあると報告されています。
ご自身がこういったものに敏感な場合には、特にご注意下さい。
エコキュートの騒音に関する詳しい記事はこちら⇒エコキュートの騒音って気になるレベル?近所トラブルにならないために
お湯切れの心配がある
エコキュートや電気温水器は貯湯式といって、沸かしたお湯をタンクの中に一度ためておき、そのお湯を一日を通して使っていくような仕組みになっています。
水道水を瞬間的に加熱して出湯するガスや灯油の給湯器とは違い、一度に使えるお湯の量が限られています。
細かいことを気にせず、どんどんお湯を使いたいという方や、普段からお湯を使う量が多い、一日に二度三度お風呂にお湯張りをするというご家庭様では途中でお湯が足りなくなることがありますのでご注意ください。
エコキュートのお湯切れ対策に関する記事はこちら⇒エコキュートはお湯切れするって本当?お湯切れしないための方法
サイズが大きい
標準的なエコキュートの貯湯タンクは幅と奥行きが630×760(mm)ほど、狭小地用の薄型エコキュートでも1120×430(mm)ほどの大きさになります。
ガス給湯器と比べてもかなり大きいものになりますので、事前に設置に問題がないかということをきちんと確認しておきましょう。
昼間の電気代が割高になる
エコキュートを導入する場合、深夜電力の割引が使えるプランに切り替えをするのが基本です。エコキュートに限らず、深夜~早朝にかけての時間帯で電気が非常に安く使えるようになるのですが、その代わり平日の日中は電気代が少し割高になります。
割高になると言っても、従量電灯契約の一番高いところの電気代よりは少し安いくらいの料金設定になっていますので、エコキュートを導入して逆に電気代がすごく高くなるということはほとんどありません。
ただ、電気を使う時間帯や使う量によっては、「エコキュートにしたのに思ったほど電気代が安くならない」と不満に感じる方もいらっしゃいます。
エコキュートを導入した際には電気の使い方や、電気を使う時間帯には少し気を付けて下さい。
エコキュートのメリット
今度はエコキュートを設置することのメリットについて見ていきましょう。
メリット・デメリットに関しては必ず両方知っておいて、その上で当てはまる項目が多いか少ないかで判断するのが一番賢明と言えるでしょう。
光熱費が削減できる
これがエコキュートが支持されている一番大きな理由でしょう。エコキュートの毎月の給湯にかかる電気代はかなり安いです。
一般的な4人家族で関西電力エリアにお住まいの方の場合、エコキュートの毎月の電気代は平均すると約1,800円ほどと言われています。
光熱費を安く抑えて少しでも節約に努めたいという方にはエコキュートは大変おススメです。
非常時にタンクのお湯が使える
エコキュートの大きな貯湯タンクの中には常に水やお湯が満タンに蓄えられています。エコキュートは、タンクの中から直接水を取り出して使うことが出来るので、万が一の災害時には役に立つこと間違いなしです。
タンクの中の水を直接飲むことはあまり推奨できませんが、トイレの水を流すのに使うなど生活用水として使えるのでお家の安全性は高まること間違いなしです。
環境に優しい
エコキュートは従来の電気温水器と比べて約3分の1の消費電力でお湯を沸かすことが出来ます。
少しの電気でお湯を沸かすことが出来るということは、それだけ環境にも優しいエコな給湯器ということですね。
ただ、2021年現在、日本ではほとんどの原子力発電所が停止しているので、深夜電力も火力発電の電気で補っていますから、エコキュートのCO2排出量はそこまで低くはないというデータも出ています。
メーカーと商品数が豊富
エコキュートはメーカーも多く、しかもパナソニックや三菱、日立といった日本を代表するような大手の家電メーカーが生産しているので安心して選ぶことが出来るのが特徴です。
今もエコキュートを生産し続けているメーカーの製品は耐久性や性能面でも甲乙つけがたく、逆に様々な特徴がありすぎてどれが一番良いのか悩んでしまうこともあるかもしれません…。
太陽光発電との相性が良い
エコキュートに切り替えて深夜電力を活用する場合、昼間の電気代は少し高くなります。しかし、太陽光発電システムをご自宅に導入することで、昼間はパネルで発電した電気を使うことが出来るようになります。
そうすると、昼間の割高な電気を電力会社から買わなくてよくなりますので、エコキュートの光熱費のメリットを最大限引き出すことが出来ます。
最新のエコキュートには、太陽光発電との連携機能も付いており、太陽光発電の固定買取期間が満了になった後の余剰電力の活用先としてもエコキュートは注目されています。
エコキュートのメーカーについて
エコキュートを製造しているのは三菱、パナソニック、コロナ、日立、ダイキンといったメーカーです。
エコキュートが発売されてから20年ほどが経ちますが、現在に至るまでエコキュートを製造し続けているメーカーは実績も確かですし、初期に発売されたモノと比べても様々な改良が加えられており、品質もかなり向上しています。
代表的なエコキュートのメーカーの大まかな特徴をいくつかお伝えしていきます。
三菱
三菱は現在エコキュートの国内シェアナンバーワンのメーカーです。
三菱エコキュートは、配管をマイクロバブルで協力に洗浄する「バブルおそうじ」や、浴槽のお湯を清潔なままに保つ「キラリユキープ」の機能などエコキュートを長く清潔に使うための機能が充実しています。
女性の方からの支持も多くエコの王様でも人気のあるメーカーの1つです。
パナソニック
パナソニックは日本のエコキュート業界を三菱と二分するメーカーです。
パナソニックのエコキュートはハイテクな機能が多数搭載されており、その技術力の高さが伺えます。
浴室リモコンに搭載された「ひとセンサー」が浴室への入室を感知すると同時にお湯を適温に温める「エコナビ」。スマホアプリとの連携機能により、外出先からでもお湯張りやお湯の沸き増しが出来るようにもなっています。
日立
日立は「水道直圧式」という独自の給湯方式を採用しており、タンクの中のお湯を熱源として利用し、水道水を瞬時に加熱して出湯するような仕組みになっています。
この方式を採用したことで、日立のエコキュートは業界でもナンバーワンの水圧を誇っています。今まで幾度となく言われてきた「電気の給湯器は水圧が弱い」という弱点を見事に克服した製品になっています。
今まで使用できなかった井戸水の地域にも対応できるようになっており、対応エリアをどんどん拡大していっています。
ダイキン
エコキュートに使われているヒートポンプの技術はエアコンにも使われています。空調機器では世界的にも有名なダイキンの製品も根強い人気があります。
ダイキンのエコキュートは派手さはないですが、シャワーの水圧や熱効率など平均よりも上の水準の製品を安定して供給しています。
価格次第で候補に挙がってくるメーカーの1つです。
コロナ
コロナは世界で初めてエコキュートを製造・販売したメーカーで、業界では第3位のシェアを誇っています。
コロナのエコキュートもスマホアプリと連携しての遠隔操作が可能です。
戸建て用よりも分譲マンション向けの300Lのタイプのエコキュートが人気があってよく売れています。
東芝
意外と知られていないようですが、東芝もエコキュートの製造メーカーの1つです。
東芝エコキュートは他メーカーの同等品と比べると、金額も安いですし、メーカー保証の期間も他メーカーよりも長く5年間も付いています。
「安さ」をお求めになる方が多いネット通には親和性が高く、人気があります。
ご紹介した通り、色々なメーカーからエコキュートが販売されています。
価格で選ぶも良し、便利な機能で選ぶも良し、お気に入りのメーカーがあればそれを基準に選んでも良しです!
さらに細かいエコキュートのメーカーごとの特徴やおススメの機種などを知りたい方はこちらの記事をご覧ください⇒【2021年完全版】エコキュートのおすすめメーカーを性能・機能別で徹底調査!
エコキュートの種類について
エコキュートは給湯の性能に応じて3つのタイプが用意されています。ご自宅のお湯のご利用状況に合わせて最適なエコキュートを選びましょう。
給湯専用
給湯専用タイプは給湯器としては最もシンプルなタイプです。浴槽にお湯を張るのも、お湯を止めるのもすべて手動です。ボーっとしていてお湯を止めるのを忘れると、浴槽からお湯がどんどん溢れていくのはこのタイプです。
その分、他のタイプと比べて本体価格も安く設定されています。
「普段から湯船につかることもない」、「少しでも費用を抑えて給湯器を購入したい」、「配管の増設など余計な工事をしたくない」、「浴槽の素材が特殊で浴槽に穴を開ける工事が出来ない」などの場合には給湯専用タイプのエコキュートがおススメです。
オートタイプ
オートタイプ(セミオートタイプ)のエコキュートは浴槽へのお湯張りは自動で出来ますが、追い炊きや自動保温は出来ず、高温の足し湯の機能だけが付いているタイプのエコキュートです。
電気温水器は結構このタイプもまだまだ多く使われているようですが、エコキュートに交換する際にほとんどの方がフルオートタイプに切り替えされるので、ますます影が薄くなっていますね。
フルオートタイプは配管の長さが15m以内に制限されているので、距離が遠すぎてフルオートに出来なかったり、追加の配管工事をあまりしたくないという方にはこちらのオートタイプが選ばれたりします。
生産台数が少ないので、納期に関しては要注意です。
フルオートタイプ
フルオートタイプはお湯張りやその後のお湯の保温まで全て自動で行ってくれるタイプです。もちろん、追い炊きの機能も付いています。
こちらのタイプが今の主流になっており、一番人気のあるタイプです。
フルオートタイプのエコキュートは、湯沸かしやお湯張り以外の便利機能が色々搭載されています。
最新型のエコキュートであれば、浴槽内にマイクロバブルの泡を発生させる機能が付いていて、手軽にお家で泡入浴が出来たり、浴槽の中で雑菌が繁殖するのを防ぐために銀イオンを発生させる機能が付いていたりして毎日の入浴をより快適で便利なものにしてくれます。
もちろん、そういった機能の付いていないお湯張りと湯沸かしが自動でできるだけのシンプルなものまでラインナップも豊富に取り揃えられています。
給湯器の買い替えも10年に1度あるかないかのことですので、色々な機種の中からご自身の要望にマッチしたものを選ぶのが良いでしょう。
エコキュートのメンテナンス方法
エコキュートは基本的にはメンテナンスフリーでお使い頂くことが可能ですが、定期的にメンテナンスをしてあげることで、寿命が長くなり、買い替えまでのサイクルを延ばすことが出来ます。
ここでは、エコキュートのメンテナンス方法やお手入れの頻度についてお答えしていきます。
フィルター
浴槽内のお湯の出る循環口のフィルターには、湯垢や皮脂などの汚れがたまっていきます。放っておくとフィルターが詰まってしまい、お湯張りのときにエラーが出たり、追い炊きの効率が悪くなったりする等の不具合が見られるようになります。
1週間~2週間に1度くらいはフィルターを取り外して、古くなった歯ブラシなどで汚れを取り除きましょう。
配管
浴槽とエコキュート本体を繋ぐ配管も長い間の使用で汚れがたまっていきます。エコキュートには配管の自動洗浄の機能が付いていますので、普段はそちらを活用しておけば問題ありません。
それでも2~3か月に1度は洗浄剤を使って本格的に配管の洗浄を行なえば良いとされています。
また、入浴剤を使うと配管に汚れが溜まりやすくなります。その場合には、1か月に1度は配管洗浄をすることをおススメします。
具体的なエコキュートの配管洗浄の手順に関してはこちらの記事をご覧ください⇒エコキュートをジャバで洗浄できるのって本当?お風呂をキレイにするためには
エコキュートで使える入浴剤の種類についての詳しい記事はこちら⇒エコキュートで入浴剤を使ってはダメ?その理由についてを詳しく公開
貯湯タンクの水抜き
水道水の中にもごくわずかですが不純物が含まれています。通常使用している分には全く問題ないですが、長年使用していく中でエコキュートの貯湯タンクの底にも徐々に汚れがたまっていきます。
放置しておくとお湯の中に汚れが混ざってしまったりすることもありますので、定期的に貯湯タンクの中も清掃する必要があります。
タンクの底から水を抜くことで、水圧でタンクの中の水と一緒に汚れも洗い流すことが出来るようになっています。
半年~1年間に1度はタンクの水抜きを行ないましょう。
貯湯タンクの水抜きの詳しい方法などはこちら⇒エコキュートの水抜きで寿命がのびるって本当?その理由とは
エコキュートとはのまとめ
今回は電気で動く省エネ給湯器「エコキュート」がお湯を沸かす仕組みや、エコキュートにかかる毎月の電気代など、エコキュートに関するいろいろな情報をまとめていきました。
「エコキュートにして光熱費が安くなった!」というお客様も数多くいらっしゃいます。でないと、ここまで導入が伸びることはありませんからね。
特に都市ガスの通っていない地域にお住まいのお客様にとって、エコキュートの導入はメリットも大きいと思います。給湯器が古くなって交換時期に近づいてきているという方は、エコキュートのことも1度検討してみることをおススメします。
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