パワーコンディショナーって何?
2019/10/20
目次
パワコンに関するお問い合わせ、増えています。
みなさん、こんにちは。エコの大臣です。最近、エコの王様でも太陽光パネルに関するお問い合わせや卒FITを間近に控えておられるお客様などから蓄電池のお問い合わせなんかを頂くことが増えてきています。
そんな中で、過去にパネルをご購入いただいた方からよくお問い合わせされるのが「設置から10年目になるのでパワコンのメンテナンスをしてもらいたいんだけど。」とか「パワコンが故障して発電量が落ちていて困っている!修理できるの?もし交換するとしたら費用ってどれくらいかかるの?」という内容。
今回はそんなパワーコンディショナー、通称「パワコン」の正体やメンテナンス、交換にかかる費用などをお伝えしていこうと思います。
発電した電気をお家で使えるようにするのがパワコンの役目です。
「太陽光発電システム」というのは大きく分けて2つのパーツで構成されています。
1つは皆様もよくご存じのお屋根の上に載せる「太陽光パネル」です。パネルは太陽の光を電気の力に変換する働きをしています。
もう1つが今回お伝えしている「パワーコンディショナー」です。
「パワコンはどうして必要なの?」って言われると、ちょっと中学校の理科の授業みたいなお話になります。苦手な方はちょっと飛ばしてもらって結構です。
電気には「直流」と「交流」の2種類があります。太陽光パネルで発電された電気や乾電池などは「直流」です。ただ、送電線を伝って家庭のコンセントに送られてくるのは「交流」で種類が異なります。ですので、パネルで作った電気をお家で使うためには「直流」を「交流」に変換する必要があるんですね。その役割を果たしているのがパワーコンディショナーなのです。
太陽光パネルで発電された電気はパワーコンディショナーを通ってお家で使える状態に変換されたあと、家の中の配線を通って家じゅうの家電製品に送られます。そこで余った電気が電力会社に送られて売電されます。
つまり、パワーコンディショナーがないとどんなにパネルで電気を作っても全然使えないし、売電もできなくなってしまうので、太陽光発電システムには非常に重要な部分になります。
新設時は基本パワコンは選ばなくて大丈夫です。
そんな重要なパワーコンディショナーですが、基本的にはパネルのメーカーと同じものを選ぶのでパワーコンディショナー単体で選んで買うということは必要ないことが多いです。エコの王様でも基本的にはパネルとパワコンで同じメーカーのものでご提案しています。
また、メーカーによってはパネルとセットで設置しないと、メーカーからの機器保証が受けられなくなってしまうケースもあるので注意が必要です。
どうしてもパワーコンディショナーにもこだわりたいという方は「自己責任」で!となってしまうことが多いので、そういったリスクを考慮したうえでご判断いただければと思います。
パワーコンディショナーの性能は「最大定格出力」と「変換効率」で決まる!
パワーコンディショナーの性能を比較するように見て頂きたいポイントとしては、「最大定格出力」と「変換効率」の2点になります。
「最大定格出力」というのは太陽光パネルで発電した電気をどれだけ同時に変換できるのかという能力を表しています。
例えば、太陽光パネルが5kw分発電しても、パワーコンディショナーの出力が3kwのものであれば、2kw分の電気が処理できなくて溢れてしまうことになります。電気はその場で貯めておくことが出来ないので、せっかくお金をかけてパネルをたくさん載せたのに思うように発電量が得られなくなってしまうことになります。ですので、お屋根に載せた太陽光パネルに見合った大きさのパワーコンディショナーを設置するようにしないといけません。
「変換効率」はパネルから来た「直流電流」を「交流電流」に変換するときのロスの少なさを表しています。
こちらに関しては、三菱の4.4kwのパワコンが業界最高の98%と高い数値を誇っていますが、それ以外のものに関してはどこのメーカーでも95%~96%とほとんど変わらない性能になっています。ただ、この数%の違いでも年間で計算すると数千円の違いが生まれてくるかもしれませんので馬鹿にならないと感じられる方もいらっしゃるかと思います。ただ、先ほどもお伝えしたように、パネルメーカーと違うメーカーのパワーコンディショナーを設置するとなると故障の際の保証が受けられなくなったりすることもあるのでご注意を!
設置場所や運転音には注意。
もう1つ、パワーコンディショナーを設置する際に考えないといけないのが設置スペースです。パワーコンディショナーの大きさは横幅約60cm、高さが約30cm前後のものが一般的です。写真で見ると小さく感じますが、実物は思ったより大きいです。結構屋内に置くとなると場所を取ります。
あと、パワーコンディショナーも精密機械ですのでホコリや湿気の多いところにおくと劣化が早まってしまいます。太陽光発電システムでもっとも不具合・故障が発生するのが多いのはこのパワーコンディショナーですから、ベストな状態で長く稼働させるためにも設置場所はよく考えておいた方が良いでしょう。
パワーコンディショナーは各パネルメーカーで「屋内設置用」と「屋外設置用」の2種類用意されていることがほとんどです。パワーコンディショナーも1度設置してしまうと後から場所を変えるとなるとかなりの費用がかかってしまいます。
屋内型と屋外型のメリット・デメリットについて考えていきたいと思います。
屋内設置のメリット・デメリット
屋内設置のメリットとしては、雨風にさらされることが少ないので、劣化を抑えることが出来るというのが一番大きなメリットとして挙げられます。先ほどもお伝えしましたが、パネルと比べてパワーコンディショナーは精密機械の固まりですのでホコリや湿気などにはあまり強くないです。また、冷却ファンの部分などのすきまから虫が入ってしまったりするのも故障の原因になりますので、そういった可能性を少しでも減らせるというのは大きいメリットになると思います。
パワーコンディショナーが故障してしまうと、発電量が少なくなったり、場合によっては全く発電できなくなってしまうので、故障の原因になることは少しでも減らせるほうが良いですね。
他のメリットとしては、価格が屋外型と比べると安価です。同じ出力の屋外型と比べると約4~5万円違います。太陽光発電システムも決して安いものではないので、少しでも導入費用を抑えたいなと思われている方には屋内型の価格というのも1つメリットとして感じられるかと思います。
逆にデメリットとしてまず考えられるのは設置スペースです。パワーコンディショナーは配線の都合上、お家のブレーカーの付近に設置することが多いのですが、多くのご家庭ではブレーカーはお風呂や台所の周辺に付いていることが多いと思うのですが、その近くに高さ30cm、横幅60cmほどのスペースが確保するのが難しいご家庭もあるかと思います。
また、運転時の音や、発熱が気になるという方も避けた方が良いでしょう。
屋内型のメリット・デメリットを簡単にまとめると
メリットとしては、
・経年劣化を抑えられる。
・値段も屋外型と比べると安価で導入費用を抑えられる。
デメリットとしては、
・設置スペースの確保が難しい
・動作音などが気になりやすい
という点が挙げられるかと思います。
屋外設置のメリット・デメリット
次に屋外型のメリット・デメリットにも触れていきたいと思います。
屋外型のメリットとしては、設置スペースの確保が容易だという点です。分電盤の近くの直射日光の当たらないところであれば基本的にはOKですから。設置業者の方で最低限の雨風をしのげるような工事ははしてもらえることが多いです。
また、お家の外なので、パワーコンディショナーの運転音なども気になりにくいでしょう。
逆にデメリットとしては、劣化が早まるというところでしょう。野ざらしとまではいかないまでも屋内と比べると雨風にさらされるので致し方ないところではあります。あと、冷却ファンの隙間などから虫が入ってそれが故障の原因になってしまうこともあります。
次に価格が屋内型と比べると割高になります。加えて、停電時の自立運転のコンセントの引き込み工事をする場合にはまた別で工事費用がかかってしまうので注意してください。
簡単に屋外型のメリット・デメリットをまとめると
メリットとしては
・設置スペースの確保が容易
・運転音も気にならない
デメリットとしては
・劣化が早まりやすく、故障の原因が多くなってしまう。
・費用が割高
・停電時の自立運転用のコンセントの引き込みには別途工事が必要
パワーコンディショナーの保証は?
太陽光パネルだけでなく、パワーコンディショナーにもメーカーの保証があります。
最近ではほとんどのメーカーで無料で10年~15年のシステム保証が付いていることが多いです。10年のところでも有償で15年に延ばすことが出来るメーカーがほとんどです。
三菱やパナソニックでは保証期間後にパワーコンディショナーを交換した場合にはそこからさらに15年の保証が受けられるようになっています。保証もどんどん充実していますので、万が一の時にも安心してご利用いただけますね。
保証の適用にあたってはメーカーによって条件が設けられているので、ご契約前に十分すぎるほど確認しておくのがベストです!
まとめ
太陽光発電システムを導入するとなるとパネルの枚数や発電量に目が行きがちですが、パワーコンディショナーも発電するうえで非常に重要な設備の1つです。
設置場所や出力など十分比較検討したうえで選んでいただければと思います。
パワーコンディショナー単体の交換のお見積も受け付けております。より詳しい説明が聞きたい!と思われた方はエコの王様までお問い合わせ頂ければと思います。