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エコキュートをやめたい?ガス給湯器に変更するべきではない理由

2023/04/13

こんにちは!エコの大臣です。

「昔、勧められる前にオール電化にしたけれど、電気代も高いし実は後悔している。」という方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。

オール電化やエコキュートなどの高額な住宅設備商品は、飛び込み営業や訪問販売などで販売されることも多いため、場合によっては商品のことをあまりよく知らないまま購入してしまった人もいるようです。「今はエコキュートが付いているけど、もし次壊れたら違う給湯器にしたい…。」そういう思いをもっている方も少なくないようです。果たして、エコキュートをやめるという選択肢は正しいのでしょうか?また、エコキュートをやめるとしたら代わりの給湯器は何がおススメなのでしょうか?

今回はエコキュートのネガティブな話題についてしっかりと検証していきたいと思います。

 

エコキュートをやめたい!その理由は?

「エコキュートに切り替えたけど何だかいまいち…。」と感じている方から頂いているご意見をご紹介します。これからエコキュートを導入しようと考えている方はぜひともご一読ください。

 

電気代の高騰

エコキュートにして失敗したと考えている方の一番の理由が、今回の電気代の高騰によるものだと思います。エコキュートは電気の力でお湯を沸かす給湯器です。基本的には深夜の電力単価の安い時間帯の電気でお湯を沸かすので、給湯にかかるランニングコストがガスや灯油よりも安くなるというのがエコキュートの特徴なのです。ところが、今年に入りオール電化でも電気代が5万円以上もかかるという報道がなされています。この原因の1つとなっているのがエコキュートなのです。

この度の電気代の高騰の原因は電気代の中に含まれている「燃料調整費」という名目です。燃料調整費は火力発電で使用する天然ガスや原油などの化石燃料の調達にかかる費用を調整するためのものです。日本は原油などのほとんどを輸入に頼っているので、市場価格の変動による影響を受けやすくなっています。そのため、電力会社は化石燃料の購入費用の上下を一定の範囲内で電気代に反映しても良いという決まりになっています。

2022年当初より、ウクライナ危機や円安の影響を受けて、燃料費がかなり高騰しており、設定していた燃料調整費が上限に達し、その後も一部の電力会社では上限が引き上げられるほど燃料費が高騰するという状況になっています。

しかも、この燃料調整費は電気の使用量に対して課金されます。つまり、電気使用量が多い家庭ほど電気代が高くなるような仕組みになっています。そのため、一般家庭よりも電気を使うことが多いオール電化住宅ではその影響をモロに受けてしまっています。

普段は深夜の安い電気でしか動かさないので、あまり気にならないと思いますが、実はエコキュート自体の消費電力は決して少なくはありません。燃料調整費の影響で、深夜時間帯の電気代は3~4割値上がっています。「光熱費が安くなる」と言われてエコキュートを購入した人は、思っていたほどの効果が出ていないと感じてしまうかもしれませんね…。

 

お湯切れする

エコキュートはガスの給湯器と違い「貯湯式」の給湯器となっています。そのため、一度に使用できるお湯の量がある程度決まっており、限度を超えると次にお湯が沸きあがるまでの間しばらく待つ必要があります。最初に選ぶタンクの大きさを間違えてしまったり、1日に何度もお風呂のお湯を張り替えたりするとお湯が足りなくなってしまうのでご注意ください。

 

水圧が弱い

エコキュートの貯湯タンクには、中の水圧でタンクが破裂してしまわないように減圧弁という水圧を抑える装置が付いています。そのため、エコキュートから出るお湯、特にシャワーに関してはガス給湯器と比べると水圧が弱く物足りないと感じることがあります。

価格や他の機能についてはしっかり確認される方でも水圧に関しては見落とされる方も多く、使ってみてがっかりされる方も多いので、余計に不満に感じるのかもしれませんね。

エコキュートの水圧に関する詳しい記事はこちら→エコキュートの水圧が弱いのはなぜ?原因や対策法

 

騒音問題

エコキュートはエアコンや自動販売機などにも使われている「ヒートポンプ」という機械を使ってお湯を沸かします。見た目はエアコンの室外機と同じような形をしており、運転音も似たようなものです。エコキュートは深夜電力を利用して安い電気でお湯を沸かすので、ヒートポンプが運転するのも深夜~明け方の時間帯になります。そのため、ヒートポンプの設置状況によっては運転音が気になって眠れないという騒音トラブルが発生することがあります。

また、ヒートポンプからは「低周波音」という人体では通常聞き取れないほどの周波数の音が出ていると言われています。聞き取れないほどの音では何も問題なさそうに思いますが、音としては聞き取れなくても建物を介して「振動」として伝わり、圧迫感やめまいなどの健康被害を及ぼすことがあると言われています。ご家族に音や振動などに敏感な方がいらっしゃる場合はご注意ください。

 

エコキュートからガス給湯器に変更はできるの?

「いろいろ検討したけれど、やっぱりエコキュートをやめてガス給湯器に戻したい。」と思われる方もいるでしょう。結論から言えば、エコキュートをやめてガス給湯器に切り替えることは出来ます。

エコキュートにする前はガス給湯器を使っていたという場合は、もともと使っていた配管などを再利用することが出来るので、比較的安くガス給湯器に戻すことが出来ます。

ただ、新築でエコキュートをした場合などで敷地内にガス管が引き込まれていない場合などは、ガス管の引き込み工事も必要になります。そうなると、給湯器の交換費用に追加して10~20万円の費用がかかりますし、引き込み工事が終わるまでは給湯器の切替が出来ないので、給湯器の購入を決めてから1か月程度待つ必要があります。

 

エコキュートからガス給湯器に変更する費用は?

ガス給湯器の購入費用の相場としては15~25万円程度です。これに配管のつなぎ直しなどの費用が別でかかりますので、相場よりも5~10万円ほど高くなる可能性があります。また、ガス給湯器の業者にエコキュートの撤去を依頼する場合は。撤去費用が発生することが多く、2万円ほど追加費用がかかります。

ガス給湯器を初めて設置する場合には、敷地内へのガス管の引き込み工事が必要になる場合があります。その場合は、15~20万円ほどの費用がかかります。

 

エコキュートからガス給湯器に変更するメリット

思い切ってガス給湯器に変更した場合に得られるメリットについて確認しておきましょう。

 

交換費用が安い

エコキュートとガス給湯器の交換費用を比べるとガス給湯器の方が圧倒的に安いです。

エコキュートの本体+工事費用の相場が35~60万円程度なのに対し、ガス給湯器の場合は15~25万円程度で交換することが出来ます。エコキュートの半額以下で交換できてしまいます。

10~15年に1回これぐらいの費用がかかることを考えると大きな負担になりますよね。

 

水圧が強くなる

ガス給湯器は水道水を直接加熱して蛇口から出湯する水道直圧式になっています。シャワーや洗面所などでもたっぷりのお湯を勢いよく使うことが出来ます。

エコキュートの水圧に不満を感じていた場合は改善されて快適に使用できるようになるでしょう。

 

騒音トラブルが避けられる

エコキュートのヒートポンプから出る運転音や低周波音が原因での騒音トラブルも少なからず確認されています。ガス給湯器であれば騒音問題になることはないので、安心して使えます。

 

お湯切れしない

ガス給湯器は必要な分のお湯をすぐに沸かせる水道直圧式になっているので、使っている途中でお湯が足りなくなることはありません。急な来客があるなどで、お湯を使う量が増えるときでもお湯の残量を気にすることなく使えます。

 

エコキュートからガス給湯器に変更するべきではない理由

さまざまな理由でエコキュートに対する不満がたまっている場合でも、ガス給湯器に戻さない方が良い理由もあります。エコキュートをやめてガス給湯器に戻した場合のデメリットについても確認しておきましょう。

 

長い目で見てコストがかかる

エコキュートがガスと比べて優れているのはそのランニングコストの安さにあります。メーカーや設置するエコキュートの性能によって多少の差はありますが、平均すると年間で約4~5万円程度エコキュートの方が光熱費を安く抑えられます。

10年間使い続けることを考えると40~50万円の差になるので、トータルで見るとガス給湯器の方がコストが高くなる計算になります。

また、エコキュートからガス給湯器に戻す場合はガス配管の復旧工事や配管のやり直しなどの付帯工事で費用がかさみます。そういった費用も含めて本当に安くなるのかの見極めが必要になります。

 

電気代の割引がなくなる

オール電化でエコキュートを使用している場合は、電気代を5%割引している電力会社が多くあります。エコキュートをやめてしまうと割引が受けられなくなってしまいます。オール電化の場合はその点も忘れずに検討した方が良いでしょう。

 

災害時の復旧が遅い

地震などの大規模災害が発生してライフラインがストップしてしまった場合、ガスよりも電気の方が復旧が早いと言われています。特にガス給湯器の場合はガスが復旧しても停電していると使えないということもありますのでご注意ください。

また、エコキュートの場合は貯湯タンク内に常に数百リットルの水やお湯がたまっているので、断水時にも非常用コックから水を取り出して使用することが出来ます。

災害時に強いのはエコキュートの方だと言えるでしょう。

 

電気代の高騰は一時的なもの

今回、電気代が高騰している要因は、燃料調整費が高くなっているからです。円安やロシアによるウクライナ侵攻などの国際情勢の影響を受け、燃料費の高騰が続いています。

電気代も現在高騰していますが、同じようにガス代も燃料費の高騰の影響を受け以前よりも高くなっています。エコキュートをやめてガス給湯器に戻したとしても、思ったほどの節約効果は得られない可能性もあります。今は負担が大きく苦しい状況かもしれませんが、それはガスでも同じことです。節電の努力をするなどして苦しい状況を打破していくことが理想かもしれません。

 

将来的にエコキュートが得をする可能性は高い

給湯器の本体費用や工事費用、ランニングコストなどをすべて考慮するとエコキュートの方がお得になることが多いです。

エコキュートに対する不満点が水圧やお湯切れにある場合、買い替えのときに水圧の強いタイプの「高圧力」タイプのエコキュートを選んだり、1つ大きいサイズのエコキュートに交換することで解決することも多いです。

どうしても音が気になるという場合には、そのことを販売店に伝えて、交換の際に他の場所に移設できないかを確認してもらったり、何か防音対策になる工事をお願いしてみてはどうでしょうか。

電気代の高騰も最近騒がれていますが、その裏でガス代もしっかりと値上げされています。長い目で見たときにどうなるかを考えて決断した方が良いでしょう。

変更すると約10年間はそのまま使い続ける必要があるということも忘れずに。

 

エコキュートやめたいのまとめ

今回はエコキュートをやめて、ガス給湯器に切り替えたときのメリット・デメリットについてまとめていきました。

簡単にまとめますと・・・

・エコキュートのデメリットの部分が不満に直結しているのは間違いない。事前に調査してデメリットの部分に関してもきちんと知っておきましょう

・エコキュートをやめて、ガス給湯器に戻せる。配管のやり直しやガスの開栓工事が必要な場合があるので、通常のガス給湯器の交換工事よりも費用がかかる

・水圧やお湯切れなど、エコキュートの性能に不満がある場合、最新のものに買い替えることで、不満点が改善される場合もあります

エコキュートをやめる、そのまま使い続ける、どちらも選択可能です。総合的に判断してメリットが大きいと感じる方を選択するのが良いでしょう。

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この記事を監修した人: 清家 和馬
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