深夜電力とエコキュートの関係性は?適用される時間や賢く使う方法
2023/04/24
こんにちは!エコの大臣です。
「給湯にかかるコストを安く抑えるためにはエコキュートが一番!」、「初期費用は他の給湯器よりもかかるけれど、ランニングコストが安いので長い目で見ると結局エコキュートがお得になる!」エコキュートに対してそういうイメージをお持ちの方も多いと思います。
そう、今までは本当にその通りだったのです。ですが…。
実は今、エコキュートの電気代に関する認識は大きく変わりつつあります。そのカギを握るのは「深夜電力」です。この深夜電力の電気代の変動がエコキュートを取り巻く環境に大きな変化をもたらしています。
そこで、深夜電力とはどういうもので、どのように変わってきているのか。エコキュートで光熱費を節約するためにはどういうところに気を付ければ良いのかなどについてお伝えしていきます。
目次
エコキュートと深夜電力について
エコキュートは電気を使ってお湯を沸かす給湯器です。エアコンや冷蔵庫にも使われている「ヒートポンプ」という機械を熱源に利用しているおり、消費エネルギーが少なくて済む省エネ効率の高い給湯器として推奨されています。それでも「お湯を電気で沸かすのとガスで沸かすのも同じことだから、そんなに光熱費が変わらないでしょ?」と不思議に思う方もいるでしょう。
エコキュートが光熱費を安くしてくれる秘密はヒートポンプ以外にもう1つあります。それが、「深夜電力」なのです。2011年以前の日本は、原子力発電所が盛んに運転しており、総発電量の約20%を原子力発電が占めていました。エネルギー資源の乏しい日本にとって、原子力発電は低コストで大規模な発電が可能ということで非常に期待されていました。ただし、原子力発電は常にフル稼働させる方が運転効率が良いという性質があり、一度稼働し始めると運転を止めることが非常に難しいという欠点があるため昼夜を問わず運転させておく必要があります。そのため、日中と比べて電力需要の少ない深夜の時間帯には電力が余り、垂れ流しになってしまうという問題を抱えていました。
この余った電力の有効な活用方法として開発されたのが、エコキュートや蓄熱暖房などの機械です。これらの機械は深夜電力の余った電気を活用して運転するように設計されたので、電力会社としては願ったり叶ったりですよね。そのため、深夜電力を活用してくれるこれらの機器を設置した家庭には特別な料金プランや割引の優遇を設けて普及を促進していきました。
ところが、2011年の東日本大震災以降、一転して原子力発電所の運転は大幅に制限され、電力供給の大部分は火力発電に依存するかたちになりました。そのため、深夜電力制度の存続自体が危ぶまれていますが、現在に至るまで何とか維持されているというのが現状です。
深夜電力が適用される時間帯
基本的には23時から翌朝の7時までの時間帯に設定されています。電力会社によっては開始時刻と終了時刻を1時間ずらすことが出来るようになっているところもあります。(中部電力のスマートライフプランなど)
深夜電力の種類
深夜電力のプランの中でもさらにいくつかのプランが選べる場合がございます。関西電力の電力プランを例として見ていきましょう。
関西電力には現在でも加入可能な深夜電力プランとして、「eスマート10」と「はぴeタイムR」の2つが用意されています。
2つのプランの違いを比較してみましょう。まずは、「eスマート10」の料金プランをご紹介します。
単位 | 料金単価 | |||
基本料金 | 最初の6kWまで | 1契約 | 1,302.40 | |
6kWをこえる1kWにつき | 1kW | 416.94 | ||
電力量料金 | デイタイム(昼間時間) | 1kwh | 38.53 | |
リビングタイム(生活時間) | 夏季 | 1kWh | 30.11 | |
その他季 | 27.36 | |||
ナイトタイム(夜間時間) | 15.53 |
※「デイタイム」とは夏季の平日午後1時~午後4時の時間をいいます。
※「リビングタイム」とは毎日午前8時~午後10時の時間をいいます。ただし、夏季における平日は、午前8時~午後1時および午後4時~午後10時の時間をいいます。
※「ナイトタイム」とは毎日午後10時~翌日午前8時の時間をいいます。
※「夏季」とは毎年7月1日~9月30日の期間をいい、その他の期間を「その他季」といいます。
続けて「はぴeタイムR」の方も確認していきましょう!
単位 | 料金単価 | |||
基本料金 | 最初の10kWまで | 1契約 | 2,409.40 | |
10kWをこえる1kWにつき | 1kW | 416.94 | ||
電力量料金 | デイタイム(昼間時間) | 夏季 | 1kWh | 28.87 |
その他季 | 26.24 | |||
リビングタイム(生活時間) | 22.80 | |||
ナイトタイム(夜間時間) | 15.37 |
※「デイタイム」とは平日午前10時~午後5時の時間をいいます。
※「リビングタイム」とは平日午前7時~午前10時および午後5時~午後11時の時間ならびに休日扱い日の午前7時~午後11時の時間をいいます。
なお、休日扱い日とは、土曜日、日曜日、「国民の祝日に関する法律」に規定する休日、1月2日、1月3日、4月30日、5月1日、5月2日、12月30日および12月31日をいいます。
※「ナイトタイム」とは毎日午後11時~翌日午前7時の時間をいいます。
※「夏季」とは毎年7月1日~9月30日の期間をいい、その他の期間を「その他季」といいます。
「eスマート10」には加入制限はありませんが、「はぴeタイムR」はご自宅にエコキュートや蓄熱暖房器などが設置されていないと加入することが出来ません。また、IHクッキングヒーターも合わせて使用していると5%の電気代割引があるので、オール電化の場合は「はぴeタイムR」の方がお得に利用できるでしょう。
太陽光発電や蓄電池を設置しているけど、給湯などはガスを使いたいという方は「eスマート10」がおススメです。
深夜電力を活かすために電気料金プランを変更しよう!
エコキュートや蓄熱暖房器は電気の使用量が多くなるため、電気を使う時間帯によって電気の単価が決まっている料金プランがおススメです。
各地域の大手電力会社がエコキュート向けに深夜電力が安くなるプランを用意しているので、そちらにプラン変更をしましょう。主な各電力会社の深夜料金プランをご紹介しておきます。
北海道電力:エネとくスマートプラン、eスマート3プラス
東北電力:よりそう+スマートタイム
東京電力:スマートライフプラン
中部電力:スマートライフプラン
北陸電力:くつろぎナイト12
中国電力:電化Styleコース
四国電力:でんかeプラン
九州電力:電化でナイト・セレクト
はじめてエコキュートなどの機器を設置する場合には、電力会社に機器を設置したことの申請が必要になります。ほとんどの業者が施工時に代行してくれますが、業者によっては申請料が発生する場合があります。事前に確認しておいた方が良いでしょう。
エコキュートの深夜電力割引は将来的に廃止されるの?
震災以降の日本では、原子力発電の稼働が大幅に縮小され、総発電量の大半を火力発電が占めています。火力発電は発電量の調整が容易なので、かつての原子力発電のように「深夜に電力が余る」ということが起きにくくなっています。そのため、電力会社にとっては深夜時間帯の電気を安く販売する理由が無いというのが現状です。そういう意味ではいつ深夜割引がなくなってもおかしくないと言えるでしょう。
ただし、電力会社としてもこれまで積極的にオール電化やエコキュートを推進してきた手前、一方的に深夜割引を打ち切れないのでしょう、今のところ深夜電力の割引を廃止するという話は出てきていません。電気代の高騰の影響を受けて徐々に値上がりはしていますが…。
深夜電力への新規加入ができない電力会社もある
一部の電力会社では、かつて存在した深夜電力プランへの新規加入を停止していることがあります。既にそのプランを契約している場合は継続して利用することが出来ますが、一度プランや電力会社を変更してしまうと再加入することが出来ないのでご注意ください。
深夜電力と太陽光発電・蓄電池の組み合わせでもっとお得に!
深夜電力の電力プランに切り替えると、夜間の電気代は安くなるのですが、平日昼間の電気代が少し割高になります。その欠点を補ってくれるのが太陽光発電や蓄電池といった家庭用の創蓄エネルギーシステムです。自宅に太陽光発電があれば、昼間はパネルが発電した電気を使って生活することが出来るので、割高な電気を買わずに生活することが出来ます。
また、蓄電池を設置すれば、昼間に発電して余った電気をためておくだけではなく、安い時間帯の電気で充電しておき、電気代が高い時間帯に蓄電池の電気を放電するように設定することで電気代を節約することも可能です。
太陽光や蓄電池は電気代の節約というメリットだけでなく、災害などで停電したときにも自宅で電気を使えるというのも大きなメリットになります。
エコキュートで深夜電力を活用するということであれば、合わせて太陽光発電や蓄電池も検討してみてはいかがでしょうか。
エコキュート深夜電力のまとめ
今回はエコキュートと深夜電力の関係性、深夜電力の割引プランなどについてまとめていきました。
エコキュートを導入する場合には、深夜電力の料金プランを併用するようにしましょう。
⇓⇓⇓エコキュートに関するお問い合わせは下のバナーをクリック!⇓⇓⇓