太陽光発電は雨の日に発電できない?晴天や曇りの日との違い
2024/01/16
「太陽光発電は雨の日に発電しないって本当?」、「太陽光発電は雨以外でも発電量が下がるって聞いたけど本当?」、「雨の日に少しでも発電量が確保できる方法を教えて下さい。」など雨の日の発電量に関する問い合わせが増えています。
太陽光発電システムは、晴れていればしっかり発電できるため電気代節約や売電収入を得られます。
ですが、雨の日が続くと発電量が減ったりして経済効果が得られくくなります。
「太陽光発電は天候に左右されやすいから仕方ない。」と考えている人もいるはずです。
実は、太陽光パネルの種類や設置場所・角度などを工夫すれば、発電量の低下を抑えられる可能性があります。
そこで今回は、「天候別の発電量。」や「発電量が雨以外で落ちる理由。」、「雨でも発電量が確保できる方法。」について詳しくお話しします。
目次
太陽光発電の天候別の発電量の違い
家庭用太陽光発電システムは、天候によって発電量が増えたり減ったりします。
4つの天候で発電量が違うかを説明します。
晴天時
家庭用太陽光発電システムは、晴天時に最も発電量が多いです。
常に晴れている場合、太陽光パネル性能の70%~80%で発電します。
太陽光発電システムは、太陽光パネルに日光が当たって発電します。
「太陽光が最も当たる夏場が発電量が増える。」と考えている人も多いと思います。
実は家庭用太陽光発電システムが最も多いのは、太陽光が当たりやすい7月~8月ではなく4月~5月です。
その理由は、「気温」です。
各太陽光パネルメーカーの太陽光パネルは、気温が25℃の時に発電効率が最も良くなるように作られています。
また、2024(令和6)年現在、販売されている太陽光パネルの素材として最も使われているシリコンは、暑さに弱い特性を持っているため気温が30℃を超える夏場は発電量が落ちます。
25℃を1℃超えるたびに発電効率は約0.4%低下すると言われています。
反対に気温が25℃に近づく4月~5月は発電量が増えます。
参考資料:一般社団法人太陽光発電協会HP
曇天時
曇天時は、晴天時と比べると発電量が落ちます。
曇天時の発電量は、太陽光パネル性能の40%~60%程度で発電します。
晴天時と比べると、太陽光がパネルに日光が当たらないため発電量は落ちます。
気温が25℃近くになる季節で、曇っている時は発電量が増える可能性もあります。
雨天時
雨天時は、晴天時・曇天時と比べて発電量は落ちます。
雨天時の発電量は、太陽光パネル性能の10%~20%程度で発電します。
日光が当たらないため発電量が落ちます。
小雨程度であれば、太陽光パネルの汚れは洗い流されて発電効率が上がるため発電量が増える可能性もあります。
雨の日以外でも太陽光発電の発電量が下がる原因は?
雨天時は、発電量は減ります。
雨天時以外でも発電量が下がることがあります。
発電量が下がる理由は、全部で4つあるので詳しく説明します。
気温が低い
気温が低ければ発電量は落ちます。
「気温が低い=日光が当たっていない」ということになります。
2024(令和6)年現在、太陽光パネルに使われているシリコンの特性上、各メーカーは気温が25℃の時に発電効率が良くなるように設計しています。
そのため、気温が低すぎると発電効率が下がり発電量が減ります。
日照時間が短い
日照時間は、季節や時期・立地条件によって変わります。
太陽光発電システムは、日照時間によって発電量が変わります。
1年の中で日照時間が長いのが4月~9月頃です。
10月以降は少しずつ日照時間が短くなって、12月~2月が最も短くなります。
発電量が多いのが4・5月頃と比べると12月~2月頃の発電量は、約30%~約50%下がります。
季節だけでなく、自宅周辺に高いビルやマンションがある場合は、日照時間が短くなるため発電量が落ちます。
日照時間に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光の1日の発電量はどれくらい?期間や時間について解説!
<長州産業の年間発電量シミュレーション>
太陽光パネルの位置が悪い
太陽光パネル設置場所・位置によって発電量が増えたり減ったりします。
太陽光パネルの設置場所として最も適しているのが南面と言われています。
それ以外になると発電効率は悪くなります。
南面を発電効率を「100%」とするとその他の方角の発電効率は次の通りです。
・南・・・100%
・東・・・85%
・西・・・85%
・北・・・63%
・南西・・・96%
・南東・・・96%
南面が最も発電しますが、立地条件によっては設置できない可能性もあります。
その場合は、東面や西面の両方にすることによって発電量が確保できます。
ですが、太陽光パネルを北面に設置することはできません。
北面に設置できない理由は、「発電量が確保できない。」ことと「近隣住民とのトラブル。」になるためです。
北面に太陽光パネルを設置すると日光はほとんど当たらないため発電量が確保できませんし、入射角が低くなってしまうため「反射光」のトラブルが発生する可能性もあります。
設置角度は重要なので設置業者と打ち合わせをしましょう。
太陽光パネルが汚れている
太陽光パネルが汚れていると発電量は落ちます。
屋外に設置されているため、風の影響で砂などが太陽光パネルに付着します。
砂などは雨で洗い流されるため、発電量が落ちることはほとんどありません。
ですが、落ち葉が降り積もるとその分が影になって発電量が落ちます。
落ち葉だけでなく鳥の糞も付着すると発電量が落ちます。
太陽パネルの組み合わせによっては、影ができることによって組み合わせた太陽光パネルが全て発電しなくなる可能性もあります。
また、太陽光パネルの汚れというのは、発電量が落ちるだけでなく太陽光パネルを故障させてしまう場合もあります。
汚れが原因で太陽光パネルを故障してしまう現象として挙げられるのが、「ホットスポット」です。
ホットスポットとは、太陽光パネル内部の1部もしくは全体が発熱してしまう現象を指します。
太陽光パネルに鳥の糞や落ち葉が付着すると、影ができます。
影ができると1枚の太陽光パネルのなかでも発電量に差ができます。
発電量に差ができると発電量が大きいセルの電気を流し切れず電気抵抗が上昇します。
電気抵抗が上昇するとホットスポットができやすくなるため注意が必要です。
※セルとは、太陽光パネルの中で最も小さな単位で1つが10cm四方の物を指します。
雨の日を想定して効率よく発電するためには
雨の日を想定して効率よく太陽光パネルを発電させるための方法は、全部で2つあるので詳しく説明します。
定期的にメンテナンスを行う
家庭用太陽光発電システムは、販売された頃から「メンテナンスフリー」と呼ばれるほど高寿命な製品です。
太陽光パネルは屋外に設置されているため、日常的に砂やホコリ・鳥の糞などが付着します。
砂やホコリなどは雨で洗い流されるため発電量が落ちることはほとんどありませんが、鳥の糞や落ち葉が降り積もるとその場所が影になって発電量が落ちます。
それだけなく、太陽光発電システムの売電などを決めているFIT法が2017(平成29)年に改正されてからは、今まで産業用太陽光発電システム(総発電量が10kW以上)だけに義務付けられていたメンテナンスを家庭用太陽光発電システム(総発電量が10kW未満)でも義務付けられました。
定期メンテナンス・点検を怠ると売電に必要な経済産業者が出している設備認定が取り消される可能性があります。
「メンテナンスや点検に費用が掛かるから自分でしよう。」と考えている人も多いはずです。
定期メンテナンス・点検は、絶対に自分で行わないようにして下さい。
その理由は、「怪我をしてしまう可能性がある。」、「発電量が落ちる。」ためです。
太陽光パネルの汚れを雑巾などで拭き取ろうとすると雑巾とパネルの間に小石などが挟まると表面に傷が入って発電量が落ちます。
表面に入った傷から水が染み込んで太陽光パネルが故障する可能性があります。
太陽光パネルの汚れを水道水で洗い流そうとしても乾いたあとにカルキが白く残って発電量が落ちます。
メンテナンスに関しては、専門業者に頼むのが一番です。
太陽光パネルのメンテナンスに関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電はメンテナンスしないといけない?その理由と長持ちさせる方法
発電効率に優れた太陽光パネルを選ぶ
太陽光パネルはメーカーや種類によって発電量が変わります。
2024(令和6)年現在販売されている太陽光パネルの種類は次の通りです。
・単結晶
・多結晶
・アモルファスシリコン(薄膜シリコン)
・ヘテロ結合
があります。それぞれの特徴は次の通りです。
太陽光パネルの種類に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電の効率って?発電効率と計算方法を解説!
雨の日でまったく発電できない場合の対処法
雨の日で全く発電しないときの対処法で最も良いのが家庭用蓄電池を活用です。
家庭用蓄電池の充電に使われる電気は、家庭用太陽光発電システムの余剰電力と電気代が安い深夜電力(23時~翌朝7時)です。
雨の日で全く発電していないときに家庭用蓄電池に貯められている電気を放電すれば家庭用太陽光発電システムが発電出来なかった分を補えます。
また災害時でも発電しなくなった夕方以降や雨の日で発電量が確保できない時に、貯められている電気を放電すれば1日を通して電気に自給自足ができますし、家中の電気をバックアップできる全負荷型であれば、エアコンやIHといった200V電源を必要とする電化製品も使えます。
家庭用蓄電池があれば家庭用太陽後発電のデメリット消しくれる製品と言えます。
雨の日でも太陽光発電の発電量を上げられる
雨の日でも発電量を上げるためには、太陽光パネルの素材から選ぶことが重要です。
雨や積雪の多い地域では、気温差に強い太陽光パネルを選べば晴れの人比べて発電量は落ちますが、ある程度の発電量は確保できます。
また、事前に雨を想定してストリングスを工夫しておくのも1つの方法です。
太陽光発電システムにおけるストリングスとは、太陽光パネルを直列に結んだ組み合わせを指します。
1つのストリングスを多くの太陽光パネルで構成しておけば雨の日でも発電量を確保できる可能性があります。
ですが、太陽光パネル1枚でも故障してしてしまうと1列全部が発電しなくなるため注意が必要です。
まとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
今回は、太陽光発電システムの雨の日に発電について詳しくお話しさせて頂きました。
天候や気温によって発電量が大きく変わります。
雨の日は晴れの日と比べると発電量は落ちますが、太陽光パネルの種類・設置場所・方角を工夫し、定期的にメンテナンスを行うことによって発電量の低下を必要最低限に抑えられます。
太陽光パネルの設置は、自分たちではできないため専門業者に依頼するのが一般的です。
設置前に、販売業者と太陽光パネルの種類・設置場所・角度などを相談しておくと雨の日でも発電量は確保できます。
エコの王様では、太陽光発電システムに詳しいスタッフが数多く在籍しておりますし、各種の太陽光パネルを取り扱っておりますので、今から太陽光発電システムの設置を検討されている人は、是非一度エコの王様に問い合わせ下さい!
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