初心者必見!太陽光発電の仕組みと電気の作りかたについて詳しく解説!
2021/07/17
最近、みなさんから「色々なところで太陽光パネルを見かける。」「売電って今どのなの?」など太陽光発電のご質問を受けることが増えてきました。
太陽光発電と言えば「太陽光パネル」で発電した電気を使ったり、売ったり出来ると思っている方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、太陽光発電の仕組みついて分かりやすくご説明して行きます。
目次
太陽光発電とは?
世界で初めて太陽光発電が行われたのは、1958年にアメリカが打ち上げた人工衛星「ヴァンガード1号」でした。地球から燃料の届かない宇宙空間では初めてのケースということもあり、世界中より注目を集めました。
化石燃料(石炭、石油)を燃やして作る火力発電や原子力発電など、世界中で現在も様々な形で電気が作られています。
石炭や石油は無限にあるものではなく、約100年もすれば世界中から無くなると言われています。
原子力発電は二酸化炭素を出さないクリーンな発電方法ですが、1986年チェルノブイリ原発事故や2011年に起きた東日本大震災での福島第一原発の事故はみなさんの記憶にも残っているはずです。
福島の事故以来、再生可能エネルギーによる発電が注目されています。
水力、波力、風力、地熱発電などの発電方法がありますが、発電量も少ない上に設置するための費用が高いです。
そこで注目されているのが太陽光発電です。
ソーラーパネルとは?
ソーラーパネルは、セルと呼ばれる1枚10cm四方の物が板状に集まった物のことを言います。
セルの中には、太陽電池と呼ばれるn型半導体とp型半導体という半導体で構成されています。
n型半導体はマイナス電子、p型半導体はプラス電子の正孔に集まって、導線を通って動くことによって電気が発生させる仕組みになっています。
分かりやすく表にしていますので、参考にしてください。
一般家庭用と産業用の違いについて
みなさんは、工場や広い土地などにソーラーパネルが設置されているのをみなさんは、ご覧になられたことはないでしょうか?
工場や広い土地などに設置されるているのが「産業用ソーラーパネル」です。
産業用太陽光パネルと一般家庭用太陽光発電は、一見見分けがつかないのですが違いがありますので皆さんにご紹介しておきましょう!
発電容量
発電量が10KW未満。
〇産業用太陽光発電
発電量が10KW以上。
発電された電気の使い方
自家消費、売電(余剰買取)、蓄電
※余剰買取とは、太陽光発電で発電された電気を自宅で使い、余った電気を電力会社に売る方法。
〇産業用太陽光発電
自家消費なし。売電のみ(全量買取)
※全量買取とは、太陽光発電で発電された電気を全て電力会社に売る方法。
設備
どの家も設置方法が一緒なので、太陽光パネル開発メーカーが用意した架台部品を使っての設置が可能。
海に近い場所には設置が出来ない。(塩害でソーラーパネルや架台などの部品が錆びてしまうため)
パワーコンディショナーの容量が、約2~5kWが一般的。
〇産業用太陽光発電
海に近い場所や風が強いビルの屋上にも設置可能。(特殊な加工を施すため費用が掛かる)
使用するパワーコンディショナーは、10KWの物を使う。
一番注目すべき点は、発電量です。
一般家庭用太陽光発電も家の屋根だけでなく、カーポートなどにソーラーパネルを設置して、総発電量が10KWを超えると産業用太陽光発電に変わります。
売電方法は、一般家庭用太陽光発電なら全量買取か余剰買取が選択できますが、産業用太陽光発電は全量買取になるという違いがあります。
これから一般家庭用太陽光発電をご検討されている方は、発電量を「10KW未満」にするか発電量を「10KW以上」に以上にするかによって売電方法も変わるので注意が必要です。
太陽光発電の仕組みについて
太陽光発電は、ソーラーパネルで作った電気をそのまま使える訳ではありません。
3つの製品を通って普段使っている電気として使えるようになっています。
太陽光発電に欠かせない3つの製品について見ていきましょう!
モジュール
セルを集めて、樹脂や強化ガラスで保護し屋外で使えるようになった物を指します。
別名「太陽光パネル」ともいいます。
モジュールを大きく分けると、「シリコン系」「化合物系」の2種類です。
シリコン系は、結晶型、薄膜シリコン、ハイブリッドに分けることができ、さらに結晶型は「単結晶」「多結晶」に分けることができます。
結晶型シリコンのモジュールは、他のモジュールよりも変換効率が12~20%違いますし、耐久性も高くなっています。
日本で販売されているモジュールの全体の約9割を、単結晶、多結晶、ハイブリッドで占めています。
日本で約9割を占めるシリコン系について詳しく見ていきましょう!
結晶シリコン
メリット | デメリット | |
単結晶 | 変換効率が良い | ・多結晶比べてパネルの費用が高い。 ・温度が高くなると変換効率が下がる。 |
多結晶 | パネルの購入費用が安い。 | ・単結晶に比べて変換効率が落ちる。 ・温度が高くなると変換効率が落ちる。 |
薄膜シリコン
メリット | デメリット |
温度変化に強いので、高温の地域や冬場でも充分発電できる。 | 変換効率が10%以下 |
ハイブリッド(単結晶型と薄膜シリコンを合わせたモジュール)
メリット | デメリット |
気温が高い夏でも、変換効率が落ちることなく発電できる。 | 他のパネルと比べてモジュールの価格が高い。 |
パワーコンディショナー
太陽光発電を設置しただけだけでは、電気を自宅で使ったり電力会社に売ったりすることはできません。
太陽光発電で出来た電気を使ったり、売ったり出来るのはパワーコンディショナーがあるからです!
パワーコンディショナーの役割についてご紹介しましょう!
役割1 電気の変換
太陽光発電で出来た電気は、直接一般家庭用電気として使うことはできません。
私たち普段使っている電気は、各電力会社から送られてくる交流電流を使用しています。
太陽光発電で発電された電気は直流電流なので、パワーコンディショナーで交流電力に変換して、分電盤を通って各電化製品に電気が行くような流れになっています。
役割2 発電量の最大化
太陽光発電の発電量は、天候や気温、影などの影響で発電量は変化します。
天候不良などが続いて充分な発電が出来ない場合は、パワーコンディショナーが太陽光パネルから、出来るだけ多くの電気を取り出して電気を安定して供給できるようにします。
役割3 電圧の調整
一般家庭用発電は、発電した電気を各電力会社に売ることが出来ます。
売電する場合は、太陽光発電で発電された電気をパワーコンディショナーから電線を通って電力会社に送られます。
電気の性質上、電圧が高いところから低いの方にしか流れないので、売電する場合はパワーコンディショナー側の電圧を電線よりも高くする必要です。これを「逆潮流」といいます。
電圧を調整してくれるのがパワーコンディショナーです。
役割4 自立運転機能
太陽光発電のパワーコンディショナーは、停電で電気が止まった時も太陽光発電で、発電された電気を家庭用電気として供給してくれる役割を担っています。
パワーコンディショナーが太陽光発電は機能しないことがお分かり頂けたと思います。
様々な役割を持っている分、太陽光パネルの寿命が約20~30年に対して、パワーコンディショナーの寿命が約10~15年と言われて言われていますので、長期保証や定期的なメンテナンスをしてくれるメーカーのパワーコンディショナーをおすすめします。
分電盤(ブレーカー)
どの家にも電力会社から送られてきた電気を電化製品に送る、分電盤(ブレーカー)があります。
太陽光発電を設置した場合は、太陽光発電用のブレーカーが必要です。なぜなら、一般用分電盤とは違い「売電用」だからです。
太陽光のパワーコンディショナーと太陽光用分電盤の設置場所は近い方が良いです。
その理由は、
・ケーブルが長いとその分電気ロスが発生する。
・ケーブルが長いと抵抗値が大きくなるため電流が流れにくいため。
各メーカーも太陽光用分電盤とパワーコンディショナーの設置位置は近い位置にするように推奨しています。
パワーコンディショナー、分電盤を設置するにはスペースが必要になります。
室内に設置するスペースが無い方は屋外に設置することが多いです。
太陽光でどれだけ発電できるのか
どれだけ発電出来るかは、屋根に載せるパネル1枚の発電量(公称最大出力)とパネル枚数によって決まります。
例えば、パネル1枚で200Wを発電する太陽光パネルを、15枚載せたとすると総発電量は3kWになります。
注)公称最大出力は、各メーカーによって違います。
太陽光パネルは、パネルを構成しているシリコンや化合物の特性上、経年劣化により設置した頃よりも少しずつ発電量は減っていきます。
太陽光パネルの素材によって、劣化するスピードが多少違いますのでご案内しておきましょう。
パネルの種類 | 5年後 | 10年後 |
単結晶 | 約3.2~3.9% | 約6.4~7.8% |
多結晶 | 約2.3~2.8% | 約4.6~5.7% |
薄膜シリコン | 約5.5~5.7% | 約11.4~12.4% |
CIS(化合物) | 約1.5% | 約2.8% |
太陽光パネルの発電効率を落とさない方法としては、定期的にメンテナンス来てもらって、パネル表面の汚れや鳥の糞などをふき取るなどをすれば発電効率も大幅に下がることなく発電してくれます。
太陽光発電で売電できるのって本当?
太陽光発電のメリットは、発電した電気を自分の家で使うことが出来ることと、作った電気を電力会社に売ること(売電)が出来るので経済的にメリットの出やすい発電方法です。
売電する方法は、発電した電気を家では全く使わず電力会社に売る全量買取という方法と発電した電気を家で使って余った電気を売る余剰買取があります。
日本の売電制度は、2009年に「固定買取制度」として始まりました。
固定買取制度とは、太陽光発電を設置してから10年間は、1kWあたり売電価格を下げないで買い取ってくれる制度です。
2009年以降は、売電価格は年々下がって来ています。
現在では、太陽光パネルの価格が下がり、発電効率が上がっているので売電は充分にできますのでご安心下さい。
下の表は、売電価格の推移表になりますのでご参考にしてください。
太陽光発電の仕組みのまとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
太陽光発電は、設置すると20~30年と長い付き合いになる物になります。
太陽光パネルは、使われている素材によって価格、発電量は変わってきます。その他にも、発電された電気を家庭用に変換してくれるパワーコンディショナーや売電時に電圧を調整してくれる分電盤など太陽光発電には大切な機械たくさんあります。
パワーコンディショナーは、寿命が太陽光パネルより短くなっているので、パネル選びと共にパワーコンディショナー選びも重要です。
昔と比べると売電価格も下がっていますが、その変わりに太陽光パネル代金も下がり、発電効率も上がっているので売電はしっかり出来るのでご安心してください。
この記事を読んで少しでも、太陽光発電に興味を持って貰えたら嬉しいです。
⇓⇓⇓太陽光発電に関するお問い合わせは下のバナーをクリック!⇓⇓⇓