太陽光パネルの耐用年数とは?寿命との違いは?少しでも長持ちさせる方法
2021/11/15
「太陽光パネルの耐用年数は何年ぐらい?」、「太陽光パネルの耐用年数と寿命の違いは?」、「太陽光パネルを少しでも長持ちさせる方法を知りたい!」などのお問い合わせが増えています。
太陽光パネルは、1度設置すると20~30年の付き合いになる商品です。
ですが、手入れを怠ると劣化が早くなり耐用年数が縮まります。
そこで今回は、耐用年数と寿命の違いや太陽光パネルの耐用年数を縮める理由、少しでも太陽光パネルを長持ちさせる方法について詳しくお話します。
目次
耐用年数とは?
太陽光パネルには、寿命と耐用年数の2つがあります。
耐用年数とは、太陽光パネルを設置してから使えなくなるまでの年数のことを指します。簡単にいうと太陽光パネルの寿命と同じ意味です。
ですが、耐用年数には色々な意味があるのでご紹介します。
耐用年数と寿命は厳密に言えば違う
基本的には、耐用年数と寿命は同じ意味ですが、太陽光パネルの耐用年数のなかには法定耐用年数があります。
法定耐用年数とは、税法上定められた一定の年数の事を言います。
太陽光パネルの法定耐用年数は17年です。
太陽光パネルの耐用年数が使われるのは、主に産業太陽光発電システム用の太陽光パネルなので、家庭用太陽光パネルは適応外になりますのでご安心下さい。
太陽光パネルの耐用年数について
太陽光パネルの耐用年数は、20~30年と言われています。
耐用年数が20~30年と言われている太陽光パネルですが、実際のところは家庭用太陽光発電システムが普及し始めて20年も経っていないので、正確なデータが無いのが現状です。
ですが、各太陽光パネルメーカーの太陽光パネルだけの保証を25年にしていることなどを考えると、おおむね耐用年数は20~30年と考えておくと良いでしょう。
1980年代に設置された太陽光パネルが30年以上経った今でも発電しているケースもあります。
今販売されている太陽光パネルの方が性能が良くなっているので、耐用年数は伸びている可能性があります。
※太陽光パネルの耐用年数は、パネルの種類によって変わります。
太陽光パネルの耐用年数(寿命)が縮んでしまう原因
太陽光パネルを1度設置すると、20~30年の付き合いになる製品ではありますが、さまざまな理由で耐用年数(寿命)が縮まることがあります。
耐用年数を縮めてしまう理由は全部で3つあるのでそれぞれご説明します。
配線不備
太陽光パネルの耐用年数(寿命)が縮んでしまう原因の1つ目は、配線不備です。
太陽光パネルで発電された電気は、ケーブルを通ってパワーコンディショナーにいきます。
パネルとパワーコンディショナーを繋ぐケーブルは思った以上に重要なので配線に不備が起きると太陽光パネルの耐用年数を縮めてしまうことがあります。
特に太陽光パネルとケーブルの接続部分に不具合があると、火災が発生して太陽光パネルが使えなくなります。
パネルのひび割れ
太陽光パネルの耐用年数(寿命)が縮んでしまう原因の2つ目は、パネルのひび割れです。
太陽光パネルのひび割れが起きると、割れた場所から雨などがパネルの中に入り込み劣化を早めたり故障して発電しなくなったりします。
パネルのひび割れは、耐用年数を縮めるためだけなく発電効率も落とします。
表面の汚れ
太陽光パネルの表面に付いた汚れは、耐用年数を縮めるものではありませんが、パネルの発電効率を落ちてしまう原因になります。
太陽光パネルに付いたホコリや砂は、雨で洗いされるので大幅に発電効率が落ちることはありませんが、鳥の糞や落ち葉が降り積もってその場所が影になって発電効率を落とします。
今の太陽光パネルは、雨も貯まりにくいようにコーティングが施されているので、雨が侵食して太陽光パネルの寿命を縮めることは無いのでご安心下さい。
層間剥離
太陽光パネルの耐用年数(寿命)が縮んでしまう原因の3つ目は、層間剝離です。
太陽光パネルに一番付いてはいけないものは水分です。
その理由は、水分が付いてしまうと太陽光パネルを支えるフレームが酸化、腐食し太陽電池そのものを劣化させるので発電量が落ちてしまうかれです。
太陽光パネルは、水が中に入り込まないように設計されていますが、水よりも粒子が小さい湿気などは太陽光パネルの中に入り込みやすくなっています。
長時間、太陽光パネルに水分が付くことによって、パネルの表面ガラスと太陽光パネルを構成するセル(1つが10cm四方の太陽電池)の周りにある合成樹脂が剥がれます。剥がれた場所から空気が入ることで電気抵抗が発生して出力低下に繋がります。これが層間剝離と呼ばれるものです。
これから太陽光発電システムの導入されている方のなかで、周りに太陽光発電システムを導入している住宅があれば屋根を見るだけで、お住まいの地域が層間剝離が起きやすい地域であるかどうかを見極めることができます。
簡単に見極める方法は、近所で太陽光発電システムを設置している住宅あれば太陽光パネルを見ることです。
太陽光パネルの表面を見ると稀に白くなっている部分があります。白くなっている部分は、汚れではなく層間剝離が起きている箇所になるので、発電量は低下しています。
層間剝離は、産業用(総発電量が10kW以上)・家庭用ともに起きる可能性があります。
家庭用と産業用太陽光発電システムに関する詳しい記事はこちら⇒【2021年】太陽光発電の買取価格はいくらくらい?年々下がり続けている理由について
太陽光パネルの発電効率に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電の効率を知って少しでもオトクに活用するための方法
太陽光パネルに欠かせないパワーコンディショナーの耐用年数
太陽光発電システムの中で太陽光パネルの次に重要なのがパワーコンディショナーです。
私たち普段良く使っている電気は交流電流なのに対して、太陽光パネルで発電された電気は直流電流のため、直接各電化製品で使うことはできません。
太陽光発電システムのパワーコンディショナーが、直流電流を各電化製品で使えるように交流電流に変換します。
また、太陽光パネルで発電された電気は各電力会社に売ることができます。電気の性質上、電気は電圧の高いところから低いところにしか流れないため、売電する時は、パワーコンディショナー側の電圧を電線側よりも高くする逆潮流を起こすのもパワーコンディショナーの役割です。
この他にもパワーコンディショナーは、雨や曇りの日が続いて発電量が不十分な時は、太陽光パネルから少しでも多くの電気を取り出す役目も担っています。
パワーコンディショナーの耐用年数は、役割が多い分太陽光パネルよりも短く設置場所などによって多少の違いはありますが、約10~15年と言われています。
パワーコンディショナーの役割に関する詳しい記事はこちら⇒初心者必見!太陽光発電の仕組みと電気の作りかたについて詳しく解説!
太陽光パネルで塩害や積雪により劣化が早まる
太陽光パネルは、お住まいの地域や設置する場所に劣化の早さが違います。
塩害地域とは、海岸から200~500m以内を「重塩害地域」、海岸から2km以内を「塩害地域」に分類されます。
塩害地域における家庭用太陽光パネルの設置は、メーカーの設置基準によって違いはありますが基本的には許可されていません。
塩害地域に太陽光発電システムが主に設置されているのは、産業用です。
では、なぜ産業用だけなのでしょうか?
太陽光パネルをはじめ全ての製品を塩害地域仕様に変更しないといけないため、費用が高額になるためです。
ですが、塩害地仕様にしたとしても年数ともにコーティングなどは落ちていき、潮風や波しぶきによって太陽光を支える架台やフレームなどは錆び、太陽光パネル自体も錆びてしまうため、劣化を早めます。
一方で、積雪によっても太陽光パネルの劣化を早めます。
雪は降り積もると重くなります。
太陽光パネルの周りのフレームが歪んでしまい、パネル全体が大きなダメージを受けてしまい劣化を早めます。
太陽光パネルを長持ちさせるためには
太陽光パネルが本格的に販売され始めた頃と比べると設置費用は安くはなりましたが、以前として100万円を超える場合がほとんどです。
どんな電化製品と同じで太陽光パネルも少しでも長く使いたいですよね?
太陽光パネルを少しでも長持ちさせるための方法が3つあるのでそれぞれ紹介します。
定期的なメンテナンスを行う
太陽光パネルは、販売され始めた頃からメンテナンスフリーと言われてきました。
簡単にいうと設置後は何もしなくても良いということです。
ですが、実際はメンテナンスをしないと発電効率が落ちたり、太陽光パネルの耐用年数前に使えなくなります。
太陽光パネルのメンテナンスは、主にはパネルの洗浄です。
太陽光パネルは定期的に洗浄しないと発電効率が落ちます。
太陽光パネルの洗浄は、自分ですると落下する可能性が高くなります。
また、水道水でパネルの汚れを落とそうとすると、カルキが白くなって固まりその分が影になって発電効率が落ちます。雑巾などで拭き取ろうした時に雑巾の繊維や雑巾とパネルの間に小石が入っていると傷が入り、発電効率が落ちます。
太陽光パネルの洗浄は、専門業者・施工店・販売店に依頼するのが良いでしょう。
発電量をこまめにチェックする
今は、自宅に設置されている発電モニター以外でもスマートフォンやパソコン・タブレットなど家の外からでも発電量をチェックすることができます。
発電量を小まめにチェックすることによって太陽光パネルの異常に早く気付くことができます。
発電量が著しく落ちている場合は、メーカーの保証を使って太陽光パネルの交換や修理することによって太陽光パネルを少しでも長く使うことができるでしょう。
※太陽光パネルの保証は、各メーカーによって違いますので事前に確認が必要です。
パワーコンディショナーをメンテナンスする
太陽光パネルとメンテナンスと同様にパワーコンディショナーのメンテナンスも重要です。
パワーコンディショナーは、太陽光パネルで発電された直流電流を私たちが普段から使っている交流電流に変換する時に熱が出ます。
パワーコンディショナーは熱に弱い特徴があります。
そのためパワーコンディショナーの熱を逃がすために換気フィルターが付いているのですが、換気フィルターにホコリやゴミなどが詰まって目詰まりが起こると、発生した熱を逃がすことができません。
熱を逃がすことができなくなるとパワーコンディショナーが大きなダメージを受けて発電量が著しく落ちたり故障して発電しなくなったりがあります。
換気フィルターの掃除などもご自分できるので、定期的に換気フィルターの状態を見てホコリやゴミなどが溜まっていたら掃除しましょう。
太陽光発電システムのメンテナンスに関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電はメンテナンスしないといけない?その理由と長持ちさせる方法
太陽光パネルの耐用年数のまとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
今回のお話をまとめると、
・太陽光パネルには、耐用年数がある!
太陽光パネルの耐用年数は、約20~30年です。
・太陽光パネルの耐用年数を縮めてしまう理由は全部で3つ!
配線不備・層間剝離・パネルのひび割れです。
・パワーコンディショナーの耐用年数は、約10~15年です。
・太陽光パネルは、設置場所や住んでいる地域によって劣化の早さが違う!
・太陽光パネルを少しでも長く使うためのポイントは全部で3つ!
パネルの洗浄・発電量のチェック・パワーコンディショナーのメンテナンスです。
太陽光パネルは、1度設置すると20~30年は発電し続けます。ですが、メンテナンスなどを定期的にしないと耐用年数よりも早く故障してしまったり、発電量が大きく落ちます。
メンテナンスをしていたとしても台風などの自然災害によって太陽光パネルが故障してしまうこともあります。
太陽光パネルは以前と比べると安くなったとはいえ、100万円以上する製品です。高い買い物をしたからこそ少しでも長く太陽光パネルを使いたいですよね?
少しでも長く使うためには、定期的なメンテナンスと発電量のチェックが大切です。
エコの王様では、太陽光発電システムを設置してから2年に1回、メンテナンスにお伺いさせて頂いております。
太陽光発電システムをご検討中のお客様は、是非1度エコの王様にお問い合わせ下さい。
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