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蓄電池と消防法って関係あるの?設置する際の注意事項を解説!

2022/10/17

「消防法ってなんですか?」、「蓄電池と消防法は深く関係していると聞いたんですが、本当ですか?」、「消防法に書かれている蓄電池の決まりとはなんですか?」など家庭用蓄電池と消防法に関する問い合わせが増えています。

消防法は、私たちの生活に深く関係している法律の1つです。

2022(令和4)年現在販売されている家庭用蓄電池は、消防法の規定に合わせた製品ばかりです。

今回は、消防法とは何かや家庭用蓄電池と消防法の関係、注意事項について詳しくお話しします。

 

消防法とは?

消防法とは、1948(昭和23)年にできた火災を警戒・予防して国民の生命・身体・財産を保護するために全46条から成り立っている法律です。

第1条では「この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。」と書かれています。

消防車で行う消火活動や日頃の火災予防や消防設備・点検など火災が起きないようにするための規定が書かれています。

日本全国にあるビルやマンション・大型商業施設などは全ての消防法の基準を満たした建造物ばかりです。

消防法の基準を満たしていない商業施設は、営業してはいけないことになっていますし、無断で営業すると罰せられるほど私の生活に密接に関係している法律です。

参考資料:総務省HP

 

蓄電池は火事になる可能性がある?

2022(令和4)年現在販売されている家庭用蓄電池には、何千回~何万回の充放電に耐えられるようにリチウムイオン電池が使われています。

リチウムイオン電池は、温度変化や高温に弱いという特性を持っています。

一日中日光があたる場所や高温になりやすい場所に設置するとリチウムイオン電池が熱で膨張して爆発する可能性があります。

実際に家庭用蓄電池と同じリチウムイオン電池が使われている携帯電話やスマートフォンが爆発した事案も発生しています。

蓄電池の種類に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の種類は?特徴や用途・家庭用産業用についてを比較!

 

蓄電池に消防法は適用されているの?

家庭用蓄電池には、電解液と呼ばれる液体が使われています。

電解液が使われることによって家庭用蓄電池は充放電ができます。

家庭用蓄電池にとって欠かせない電解液ですが、電解液には危険物(第4類第2石油類)が使われており、火災等が発生した場合には、電解液や可燃性ガスがセルの外部に噴出・着火し、激しく火炎を噴き出す可能性があります。

そのため、家庭用蓄電池は消防法が適用されています。

参考資料:消防庁「リチウムイオン蓄電池に係る消防法上の規制及び要望への対応方針について」

 

蓄電池の設置に関する消防法

 

家庭用蓄電池の設置に関する消防法は、全部で9つあるのでそれぞれ説明します。

 

4800Ah未満の蓄電池

2022(令和4)年現在販売されている家庭用蓄電池の容量は、4kWh~16.6kWhの容量が主流です。

消防法では、17.76kWh以上の家庭用蓄電池は設置する場合は、住んでいる地域の消防署に届け出をし、許可を得る必要があります。

なぜ17.76kWh以上の家庭用蓄電池を設置する場合には、届け出が必要なのかが気になりますよね?

その答えは、電流の大きさです。

2022年10月現在の消防法の規制では、4,800Ah(アンペアアワー)以上の電流が流れる家庭用蓄電池は、火災になる可能性が高いためです。

Ah(アンペアアワー)とは、1時間に流れる電流の大きさを指します。

アンペアアワーを求める式は次の通りです。

17.76kWh(17760Wh)÷3.7V=4,800Ah

日本の一般的な家庭では、1日の消費電力は約10kWhと言われています。

そのため17.76kWh未満の家庭用蓄電池でも1日の消費電力を賄えるため、現在販売されている一般家庭で使われている家庭用蓄電池は消防法の規制対象外です。

4,800Ah以上の家庭用蓄電池を消防署に届け出をしたとしても認可されることはほとんどなく、一般家庭に設置するのは困難です。

※蓄電容量が17.76kWh未満家庭用蓄電池であっても4,800Ahを超えている製品もあります。

※3.7Vは、リチウムイオン家庭用蓄電池の公称電圧です。

蓄電池の容量に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の容量はどれくらいが適切?失敗しない蓄電池の選びかた

 

金属製の床材は通気性を重視

家庭用蓄電池は、重量があるためコンクリートで土台を作って設置したり金属製の土台の上に設置したりする必要があります。

家庭用蓄電池は、電気を貯めるときや電気を変換する時に熱を持ちます。

家庭用蓄電池から出た熱は逃がさないと故障に繋がりますし、爆発する可能性が高くなります。

金属製の土台に設置した場合、熱を逃がせずに逆に熱を貯めてしまいます。

家庭用蓄電池を金属製の土台に設置する時は、熱が逃げやすいように通気性を良くしておく必要があります。

家庭用蓄電池の土台に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の工事費用は?手順や時間・業者選びについて解説!

 

燃えにくい床材に設置

家庭用蓄電池は、燃えにくい土台に設置してなければならないと消防法で定められています。

木製の床のように燃えやすい素材を使った場合は、発火して家庭用蓄電池が破損したときに延焼する危険性があるためです。

さらにリチウムイオン家庭用蓄電池は、耐酸性のある床材の上に設置しなければならないとも消防法には規定されています。

リチウムイオン家庭用蓄電池は、希硫酸と水素ガスを発生させやすいため、このような措置が取られています。

※アルカリ家庭用蓄電池は対象外になります。

 

換気しやすい場所に設置

家庭用蓄電池を屋内でも屋外でも換気しやすい場所に設置するように消防法で定められています。

特に屋内設置する場合は注意が必要です。

家庭用蓄電池は、電気を変換したり充電する時に熱が出ます。

屋内設置した時は、屋外に設置するよりも家庭用蓄電池から発生した熱がこもりやすくなります。

通気性が悪いに設置した場合は、浮遊しているほこりなどが、家庭用蓄電池から出た熱で引火して火災が起きる可能性があります。

室内に家庭用蓄電池を設置する場合、換気設備を設ける必要があります。

家庭用蓄電池を室内に設置する場合は、窓や換気扇の近くに設置していつでも換気できるような状態にしておくと良いでしょう。

 

ダクトや配線も燃えにくくする

家庭用蓄電池は、設置場所や家庭用太陽光発電システムとの関係で自宅の壁に穴を開けて配線工事しなければならない時があります。

消防法では、自宅の壁に穴を開けて配線工事する時に、空けられた穴を不燃性がある素材を使って埋める必要があると規定しています。

家庭用蓄電池の部品と自宅の壁が直に設置している場合は、壁を貫通している部材が熱を持った時に延焼して火災になる可能性があるためです。

工事当日に施工業者に不燃性の高い素材で穴を埋めているかを確認しておく良いでしょう。

 

屋外設置は建物から3m以上離す(10kW未満は除く)

消防法では、10kWhを超える家庭用蓄電池を設置する場合は、自宅の壁から3m以上離して設置しないといけないと定められています。

家庭用蓄電池は熱を持ちやすいため、設置する時に3m以上の距離を保って設置しないと発火したときに延焼してしまう可能性があります。

距離を保って設置だけでなく家庭用蓄電池の近くに可燃性のある物を置かないことも大切です。

10kWh未満の家庭用蓄電池を設置する時は、3m以上の距離保って設置する決まりありません。

屋外に壁から3m以上離したところに設置スペースが場合は、10kWh未満の家庭用蓄電池を設置するといいでしょう。

家庭用蓄電池の大きさに関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の大きさはどれくらいが理想?目安についてを解説!

 

蓄電池にはむやみに触らない・近づかない

消防法では、設置したあとに家庭用蓄電池に近づいたり・触れたりしていけないという決まりはありません。

ですが、家庭用蓄電池は精密機械だけでなく危険物して定義されている電解液が内蔵されています。

特に小さな子どもやペットは近づけさせないように注意しておくと良いでしょう。

基本的には、施工業者かメンテナンス担当者以外は触れないほうが良いでしょう。

近づいたり触れたからといってすぐに故障するわけではありませんが、リスクを回避するという意味で近づかないほうがよいでしょう。

 

転倒しない場所に設置

消防法では、家庭用蓄電池は転倒しないところに設置しなければならないと定められています。

家庭用蓄電池は、外部からの衝撃に弱いという特性を持っています。

そのため、土台にアンカーと呼ばれる家庭用蓄電池を固定するボルトを打ち込みます。

消防法の蓄電池設備に関わる規定では、「振動又は衝撃により、容易に転倒し、落下し、破損し、又は亀裂が生じず、かつ、その配線、配管等の接続部が容易に緩まない構造としなければならない。」と記載されています。

家庭用蓄電池は、故障して本体を交換すると負担額が大きくなります。

故障を防ぐためにも転倒や落下の防止対策はしっかりしておきましょう。

 

浸水しない場所に設置

消防法では、家庭用蓄電池を設置する場所は浸水しないところに設置しなければならないと定めています。

家庭用蓄電池は、浸水すると漏電する可能性があります。

浸水が発生すると本来電気が流れない場所に電気が流れてしまうため、近づいた時に感電して大変危険です。

家庭用蓄電池には、漏電ブレーカーが設置されていますが、浸水して漏電しないようにすることが一番です。

家庭用蓄電池を設置する場合は、事前に住んでいる地域のハザードマップを見て、どの場所なら浸水しないかや浸水しない場所に設置したとしても家庭用蓄電池本体のかさ上げが必要です。

参考資料:消防庁HP

 

蓄電池の消防法における注意事項

家庭用蓄電池を消防法の基準に合わせて設置するためのポイントは全部で2つあるので説明します。

 

蓄電池の設置は業者に任せる

施工業者は、各家庭用蓄電池メーカーの施工研修を受けて施工IDを取得しています。

各メーカーの施工IDを持っている施工業者は、家庭用蓄電池に関する消防法に関しても理解しているので工事に間違いはありません。

施工IDを持っていない施工業者や個人が工事すると、消防法に抵触するかどうかに関わらず、故障した時のメーカーからの保証を受けられません。

家庭用蓄電池の設置は、自分でするのではなく専門業者に任せるのが一番です。

施工IDに関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の工事費用は?手順や時間・業者選びについて解説!

 

蓄電池は定期的な点検をしなければならない

消防法よる家庭用蓄電池の既定のなかには、所有者は定期的に保守点検を実施する必要があります。

点検や報告義務を怠ると罰則を与えられる可能性があります。

家庭用蓄電池の保守的は半年に1度が目安とされています。

主な点検項目は次の通りです。

1 設置状況

2 表示

3 自家発電設置

4 始動装置

5 制御装置

6 保護装置

7 計器類

8 燃料容器類

9 冷却水タンク

10 排気筒

11 配線

12 結線接続

13 接地抵抗

14 始動性能

15 運転性能

16 停止性能

17 耐震措置

18 予備品など

 

蓄電池の消防法のまとめ

みなさんいかがだったでしょうか?

今回のお話をまとめると、

消防法とは、私たちの生活に密接に関係している法律の1つ!

消防法のなかには、家庭用蓄電池に関する記載もあります!

家庭用蓄電池に関する消防法の決まりは全部で9つある!

家庭用蓄電池を消防法に適応するための注意事項は全部で2つある!

消防法は、私たちの生命・財産を守るための法律です。

そのため、火災に危険性がある家庭用蓄電池にも消防法によってさまざまな規制があります。

各家庭用蓄電池メーカーが2022(令和4)年10月現在販売している家庭用蓄電池は、消防法に適応している製品ばかりです。

ですが、定期的に保守点検しなければならなかったり、設置場所や設置方法などの規定は私たちや施工業者が守らなければなりません。

一般の人が消防法のなかに書いてある家庭用蓄電池の規定を見ても分からないことばかりです。

各施工業者は、消防法のことを理解し各メーカーの施工研修を受けた人たちばかりです。

もちろん、エコの王様にも消防法ことや各メーカーの施工IDを持った職人を何十人います。

分からないことは専門家に任せるのが一番です!

家庭用蓄電池のことで分からないことがあれば、エコの王様にお問い合わせ下さい!

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この記事を書いた人: 清家 和馬
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