エコキュートとエネファームの違いとは?それぞれのメリット・デメリットを紹介!
2024/09/08
「給湯器も古くなって来たし、エコキュートかエネファームのどちらかにしようと思ってるんですが「どっちがいいですか?」や「エコキュートのエネファームのメリットとデメリットを教えて下さい。」、「結局、エコキュートとエネファームどちらがお得なんなですか?」などエコキュート、エネファームに関する問い合わせが増えています。
エコキュートもエネファームもメリットもあればデメリットもあるのが現実です。
そこで今回は、エコキュートとエネファームのメリットとデメリットについて詳しく説明いたします!
目次
エコキュートとは
エコキュートの正式名称は、「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」と言います。
従来のガス給湯器や灯油ボイラーとは違い、空気中の熱をヒートポンプ技術を使って集めて圧縮し、水を90℃にして貯湯タンクに貯めて使う給湯器を言います。
ヒートポンプ技術は、エコキュートのみに使われているわけではなく自動販売機やエアコンなどにも使われており私たちの生活に密接に関わっています。
2001(平成13)年に給湯器メーカーのコロナが電子部品メーカーであるDENSO(デンソー)のヒートポンプ技術を基に世界ではじめて家庭用エコキュートの販売を開始しました。
その後、2023(令和5)年8月には国内出荷台数900万台を超えるなど日本全国に普及しています。
<エコキュートの国内出荷台数推移>
エコキュートの仕組みに関する詳しい記事はこちら⇒エコキュートの寿命は何年!?少しでも寿命を伸ばすための方法を詳しく解説!
エネファームとは
エネファームとは、自宅で電気を作りお湯も同時に作り出す家庭用燃料電池のことを指していて、「エネ=エネルギー」と「農場=ファーム」の文字を取って名付けられました。
エネファームの仕組みは、都市ガスとLPガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて電気を作り、発生した熱で給湯も行います。
発電された電気は、エネファームシステム内の燃料電池に貯められて自家消費や災害時の非常用電源として活用されます。
エネファームの販売は、2009(平成21)年からで現在ではPanasonic、AISEN(アイシン精機)、KYOCERAが販売しており2023(令和5)年11月末には国内出荷台数50万台を超えました。
これからも導入が進むと見られている新しい給湯器です。
参考資料:日本ガス協会HP
エコキュートのメリット
ガス給湯器や灯油ボイラーなどからエコキュートに交換しようとしている人たちから多い質問が「エコキュートのメリット。」に関することです。
エコキュートのメリットは全部で3つあるので詳しく説明します!
光熱費の削減ができる
エコキュート最大のメリットは、「光熱費の削減」です。
従来の電気温水器は、夜間に通電して貯湯タンク内の電熱線を使ってお湯を温めます。
それに対して、エコキュートは空気中の熱を集めて圧縮し水を温めます。
ヒートポンプユニットを動かすために電気代は掛かっていますが、水を温める熱源が0円です。
電気代の安い深夜電力(23時~翌朝7時)を使ってお湯をわかすこともあって電気温水器と比べてエコキュートの電気代は約3分の1程度抑えられると言われています。
ガス給湯器や灯油ボイラーからエコキュートに交換する人たちも光熱費を下げられる可能性が高くなります。
統計によればガス代や灯油代の約8割は給湯に使われていると言われています。
エコキュートに交換することによって給湯に使われていたガスや灯油が無くなり、お湯を電気代の安い深夜電力で沸かすことによって光熱費全体が3割~4割程度安くなると言われています。
光熱費対策としてエコキュートが良いと言われている理由が分かりますね。
災害時に水やお湯が使える
エコキュートは深夜に作ったお湯を貯めて1日を通して使う貯湯タンク式の給湯器です。
貯湯タンクに貯められたお湯や水は災害時に飲料水としては使用できませんが、生活用水として利用可能です。
貯められてるお湯や水はメーカーや容量によって異なりますが、2リットルペットボトルにすると約185本~約225本分に相当します。
また、メーカーによっては断水していなければ災害時でも沸き増しや炊き上げもできますので自然災害対策にエコキュートは有効です。
地球環境に優しい
エコキュートは、空気中の熱を集めてお湯を沸かすため、ガスや灯油のような燃料は使わないで済みます。
そのため、ガスや灯油と比べると地球温暖化の原因となる二酸化炭素排出量を20%削減できるようになりました。
エネファームのメリット
エネファームのメリットは全部で4つあるので詳しく説明します!
電気代が削減できる
エネファームは、お湯を沸かしているあれば電気を作ってくれます。
作った電気を自家消費すれば電力会社から電気を買う必要がなくなるため電気代を抑えられます。
※発電量は、エネファームの稼働時間によって変わります。
災害に強い
エネファーム稼働中に作られた電気は燃料電池ユニットに蓄電されます。
蓄電された電気は、災害時に使えます。
エネファームの非常時に最大500Wまで出力できます。
500W出力できるということは、「携帯電話やスマートフォンの充電。」や「照明器具の利用。」、「冷蔵庫」などの電化製品も使えるので、電気が復旧するまでの間生活できます。
停電時は、エネファームにある「非常電源コンセント」に繋いで使用します。
停電時にエネファームが稼働していれば24時間好きな時に電化製品が使えます。
※停電してしまうとエネファームの再起動するのに電気が必要なため使用できません。
ガスの大幅な割引が受けられる
「エネファームはガスを使うからガス代が高くなりそう。」と感じている人も多いはずです。
エネファームを設置している家庭の多くは、給湯・浴室乾燥機・床暖房もガスで行っている可能性が高いためガス代の大幅な割引を受けられる可能性がありますし料金プランによっては、電気代の割引も受けられる可能性あります。
大阪ガスの資料を見てみると割引を受けずに年間630立方メートルを使った場合のガス代が125,000円に対して、エネファームを設置して受けられる「スマート発電料金」を適用した場合のガス代は、1,760立方メートル使っても年間のガス代は160,000円です。
通常の約3倍ガスを使っても35,000円しか変わらないところ見ると割引額が大きいのが分かります。
<スマート発電料金>
参考資料:大阪ガスHP
※税込価格で表記しています。
売電できる
売電とは、家庭用太陽光発電システムなどで発電された電気を各電力会社が買い取ってくれる固定価格買取(FIT)制度を指します。
家庭用太陽光発電システムなど以外で発電された電気を買い取ってくれるのはエネファームで発電された電気だけです。
2024(令和6)年度の売電価格は1kWhあたり16円です。
年間で3,125kWh売電すれば50,000円の売電収入が得られることになります。
このようにして、副収入も得られるのもエネファームのメリットです。
※税込価格で表記しています。
エコキュートのデメリット
エコキュートは光熱費が削減できるというメリットがありますが、その反面デメリットもあります。
エコキュートのデメリットは全部で3つあるので詳しく説明します!
湯切れする可能性がある
エコキュートは、貯湯タンク式給湯器のため使い過ぎたり、蛇口を閉め忘れたりするとタンクのお湯が無くなってしまう可能性があります。
家族人数やお湯の使用量によっては、メーカーは推奨しているタンク容量よりも1サイズ大きくすることによって湯切れの心配は無くなります。
販売価格にしてもメーカーやタンク形状によって異なりますが22,000円~33,000円程度の差なので湯切れを心配している人は1サイズ大きくすることをおすすめします。
※税込価格で表記しています。
水圧が弱い
エコキュートは、ガス給湯器や灯油ボイラーのように水を直接温めて出湯する「水道直圧給湯方式」を採用していないため、蛇口やシャワーから出る水圧は弱いです。
一般的なガス給湯器の水圧が500kPs(キロパスカル)に対して、エコキュートの一般的な水圧は180kPsと言われているためその差は歴然ですよね。
ですが、安心してください。
2024(令和6)年9月現在販売されているエコキュートの中には「高圧タイプ」と言われている商品も多く販売されています。
高圧タイプと呼ばれる機種の水圧は、メーカーによって異なりますが290kPs~330kPs程度まであるのでガス給湯器の水圧に近づけることも可能です。
ガス給湯器や灯油ボイラー、既にエコキュートや電気温水器を使っていて水圧が物足らなかった人たちには高圧タイプをおすすめします。
※日立のみ水道直圧給湯方式を採用しています。
水圧の強いエコキュートに関する詳しい記事はこちら⇒【2024年最新版】エコキュート5大メーカーの特徴を徹底比較!
設置スペースが必要
エコキュートの最大のデメリットと「設置スペース」が必要なことです。
貯湯タンク式給湯器のためどうしても設置するためスペースが必要になります。
最も小さいな370Lの貯湯タンクの大きさはメーカーやに若干の違いはありますが、幅630mm×高さ1,820mm×奥行760mm程度、狭小地域にも設置可能な薄型サイズの370Lでもメーカーによって若干の違いはありますが、幅1,075mm×高さ1,813mm×奥行438mm程度です。
エコキュートを設置する場合は角型で80cm四方、薄型は50cm四方の設置スペースが必要だということが分かります。
既にエコキュートを設置している人は問題ありませんが、これからエコキュートの設置するを検討している人は、設置スペースを測ったり販売店の現地調査を依頼したりして設置スペースを確認するようにしましょう。
エネファームのデメリット
エネファームは、電気代を節約できたり災害に強かったりするなどのメリットがある反面、デメリットもあります。
エネファームのデメリットは全部で4つあるので詳しく説明します!
設置費用が高額
一般的なガス給湯器の販売価格は号数などによっても異なりますが、20万円~30万円程度で設置可能です。
最新モデルでも販売店や購入方法によっては20万円前後でも設置可能です。
エコキュートは、ガス給湯器よりも少し高くメーカー・容量・タンク形状によって異なりますが、40万円~60万円程度で設置できます。
その一方でエネファームは、150万円~180万円程度で設置できます。販売当初は300万円を超えることもあったため、随分安くなりましたがガス給湯器にすると約9台分、エコキュートにすると4台~6台分の価格です。
そういったこと考えるとなかなか手を出しづらい給湯器ですよね。
エコキュートの価格に関する詳しい記事はこちら⇒【2024年最新版】エコキュートの価格っていくら?価格相場とおすすめを徹底解説!
メンテナンス費用が高額
エネファームは、ガスで電気を作るという特性上、定期的にメンテナンスをしなければ機能(発電機能)が自動停止します。
そのため、購入した時から10年間の無償メンテナンスが付いています。
10年目以降は、エネファームを利用し続ける場合は、メンテナンスは有償になります。
費用を払えば2年間保証期間を延長できますが、掛かる費用は5万円です。
2年で5万円と聞けば高く感じますよね。
定期的にメンテナンスを有償で行うと修理などを行うと10万円以上の費用が掛かることもあります。
エネファームを購入する時は、メンテナンス費用も考慮して検討することが必要です。
ガス代が高い
エネファームは主な燃料はガスです。
エネファームは、お湯を作っていると同時に電気を作り出します。
ということは、お湯を使う量が少ない場合は発電効率が悪くなり発電量は落ちます。
エネファームで発電した電気を自宅で使うためには多くのガスが必要になるため割引を受けていたとしてもガス代は高くなります。
特に都市ガスではなくプロパンガスを使っていてエネファームを導入しようとしている人は、ガス代が都市ガスよりも高くなる傾向にあるので注意が必要です。
使い方によっては電気が安くならない可能性がある
エネファームはエコキュートと同じ貯湯タンク式給湯器の1つです。
そのため、貯湯タンク内が満水状態だと発電はしなくなります。
発電しなくなると、各電力会社から電気を買うことになるので電気代は高くなります。
エネファームを購入する際は、お湯の使用量を計算しておくことも重要です。
エコキュートとエネファームはどっちがお得?
結論からいうとエコキュートです。
その理由は次の通りです。
・エコキュートの方が設置費用が安い
・エコキュートの方がメンテナンス費用が掛からない
・エコキュートの方が光熱費全体が安くなる可能性が高い
「湯切れの可能性がある」「水圧が弱い」「設置スペースが必要」というデメリットがありますが、商品選びで解消できることもたくさんありますし、デメリットを超えるメリットを得られるのがエコキュートです。
エネファームの全てが悪いという訳ではありませんが、「将来」を考えるとエコキュートをおすすめします。
まとめ
今回は、エネファームとエコキュートの違いとそれぞれのメリット・デメリットについてお話ししさせて頂きました。
エコキュートは、光熱費全体が安くなったり災害時にお湯や水が使えるとメリットがある反面、設置スペースが必要であることや湯切れしてしまう可能性があるメリットがあります。
エネファームは、電気代が安くなることや災害時に強いとメリットがある反面、設置費用やメンテナンス費用が高額であることやガス代が高いといったデメリットもあります。
総合的に考えると、エコキュートの方が将来の投資としては良いと思います。
エコの王様では、各メーカーのエコキュートを取り扱っておりますし、毎月の完工件数も100件を超えております。
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