太陽光パネルは自分で洗浄できる?汚れる原因や注意点について
2021/11/29
「太陽光パネルは、洗浄した方が良いの?」、「洗浄することによって何が変わるの?」、「自分で洗浄した方が費用も安くできるけど専門業者に頼んだ方が良いの?」など太陽光パネルを設置されている方からのお問い合わせが増えています。
太陽光パネルは販売され始めた頃からメンテナンスフリーと呼ばれてきました。
ですが、太陽光パネルこそ洗浄をしないと発電量が落ちたり、寿命を縮めたりすることがあります。
そこで今回は、太陽光パネルの洗浄に関する詳しいお話をします!
目次
そもそも太陽光パネルの洗浄は必要なの?
太陽光発電システムは、販売され始めた頃から「メンテナンスフリー」と言われてきました。
簡単にいうと設置してからは、点検やメンテナンスの必要がないという意味です。
実際のところは、メンテナンスや点検をしないと発電効率が下がったり寿命を縮めたりする可能性が高くなります。
メンテナンスだけではなく、太陽光パネルは定期的に洗浄しないと発電効率が下がり発電量が落ちます。
太陽光パネルはメンテナンスをしないと、思っていた経済効果が得られない可能性が高くなるので、太陽光パネルの洗浄は絶対に必要です。
太陽光パネルの発電効率に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電の効率を知って少しでもオトクに活用するための方法
太陽光パネルのメンテナンスに関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電はメンテナンスしないといけない?その理由と長持ちさせる方法
太陽光パネルが汚れる原因を知っておこう!
太陽光パネルはなぜ汚れてしまうのでしょうか?
そもそも太陽光パネルは屋外に設置されているので、普段から砂やホコリが風で運ばれてきます。
砂やホコリだけでなく花粉や落ち葉、鳥の糞、火山灰なども太陽光パネルを汚す原因になります。
花粉・砂やホコリ・火山灰などは、雨で洗い流されるので発電効率をそこまで落とすことはありませんが、鳥の糞や落ち場が堆積して固まると雨で洗い流されることがないので、その部分が影になって太陽光が当たらず発電効率を落とします。
洗浄してもなかなか落ちない汚れがある
太陽光パネルの洗浄をすることによって大部分の汚れは落ちるのですが、場合によっては落ちない汚れもあります。
では、太陽光パネルの洗浄をしても落ちない汚れにはどのようなものがあるかが気になりますよね?
太陽光パネルの洗浄をしても落ちない汚れは、全部で2つあるのでご紹介します。
鳥の糞
太陽光パネルを洗浄しても落ちない汚れの1つ目は、鳥の糞です。
鳥の糞は洗浄することによって落ちますが、跡が残っている場合は、太陽光パネルの強化ガラスに侵食している可能性が高いです。
太陽光パネルの発電量が落ちることは無いとされていますが、発電量の低下が確認された場合は、施工店に連絡しましょう。
セメントや塗料
太陽光パネルを洗浄しても落ちない汚れの2つ目は、セメントや塗料です。
自分の家をリフォームや外壁塗装、屋根塗装をする時に跳んだセメントや塗料などが、太陽光パネルに付着するケースや近くの工事現場などから飛んできて付着するケースもあります。
セメントや塗料などは専門業者が洗浄しても落ちないケースが多いです。
太陽光パネルを洗浄するメリット
太陽光パネルを洗浄することによって、得られるメリットは全部で3つあるのでそれぞれご紹介します。
発電量が維持できる
太陽光パネルを洗浄することによって得られるメリットの1つ目は、発電量が維持できることです。
太陽光パネルは、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに換える仕組みになっています。
太陽光パネルが綺麗な状態であれば、経年劣化によって発電効率が若干落ちますが設置した時と同じぐらいの発電量を維持することができます。
低下した発電量がもとに戻る
太陽光パネルを洗浄することによって得られるメリットの2つ目は、低下した発電量が戻ることです。
太陽光パネルに付いた砂やホコリなどは、雨で洗い流されるので発電効率や発電量に大きな影響はありません。
ですが、鳥の糞や落ち葉が降り積もって太陽光パネルに付着するとその部分が影になって発電量が落ちます。
太陽光パネルを洗浄することによって、影になっていた部分が無くなるので低下していた発電量を元に戻すことができます。
ホットスポットの発生を阻止できる
太陽光パネルを洗浄することによって得られるメリットの3つ目は、ホットスポットの発生を阻止できることです。
ホットスポットとは、太陽光パネルが局所的に発熱して高温になる不具合、または発熱した部分のことを指します。
発電している時の太陽光パネルの表面温度は、季節によって多少の違いはありますが約50~70℃、30℃を超える夏場で約70℃~80℃です。
80℃という数字を見ると「高いじゃないか!」と感じられている方も多いはずです。
エコの王様でも人気のCanadian Solar太陽光パネルCS3L-375MSの動作温度は、-40℃~85℃になっているので80℃でも動作範囲内です。
ですが、ホットスポットが発生すると太陽光パネルの表面温度は、100℃を超えます。
100℃を超えると太陽光パネルが不具合が起こし、火災になったりパネルが故障したりするので発電量が落ちます。
ホットスポットが発生する原因の中に太陽光パネルの汚れがあります。
鳥の糞や落ち葉などが降り積もるとその部分は影になり、太陽光が当たらないため発電できません。
発電しなくなると太陽光パネルの最小単位であるセル(1つ10cm四方の太陽電池)の電気抵抗が大きくなるためホットスポットが発生します。
鳥の糞や落ち葉などを洗浄で落とすことによって、ホットスポットの発生を阻止することができます。
太陽光パネルの仕組みに関する詳しい記事はこちら⇒初心者必見!太陽光発電の仕組みと電気の作りかたについて詳しく解説!
参考資料:Canadian Solar HP
太陽光パネルを洗浄する方法
太陽光パネルを洗浄は誰に頼めば良いかが分からないですよね?
太陽光パネルの洗浄は、プロに任せる方法と自分自身で行う方法の2種類です。
どちらもメリット・デメリットがあるのでそれぞれご説明します。
プロの業者に任せる
太陽光パネルの洗浄は、プロの業者に頼む方が良いです。
その理由は、リスクを回避できるためです。
平地などに設置されている産業用太陽光発電システム(総発電量10kW以上)の洗浄をする時は、落下して怪我するリスクは低いですが家庭用太陽光発電システムは、自宅の屋根に設置されています。
自分自身で太陽光パネルを洗浄を行うと落下して怪我をするリスクが高くなりますし、知識の無い人が太陽光パネルの洗浄をすると洗浄方法を間違えてしまい、逆に太陽光パネルの発電量を落とすリスクがあるためです。
個人で対応する
太陽光パネルの洗浄は、個人ではしない方が良いです。
その理由は、落下して怪我をしてしまうや発電量を落としてしまう可能性があるからです。
太陽光パネルの洗浄には、特殊な洗浄剤を使用するので個人では用意することができません。
どうしても個人で太陽光パネルを洗浄しないといけない場合は、ガラス洗浄剤を水で薄めて使うようにしましょう。
太陽光パネルの洗浄方法
専門業者が行う太陽光パネルを洗浄方法は、全部で2つあるのでそれぞれご紹介します。
洗浄機器
洗浄機器とは、高圧洗浄機の水圧でブラシを回転させたもので、太陽光パネルの表面を洗っていく形のものを言います。
大きさは、女性でも持てる小型の物から大型のものまであり、太陽光パネル枚数や面積によって使い分けられます。
洗浄機器を使って行うメリットは、「手作業で行うよりも時間が短縮できる。」や「手作業で行うよりも汚れが落ちやすい。」などがあります。
その反面、「手作業より洗浄機器を使う分費用が掛かる。」や大量の水を使うので「水源が確保できない。」などのデメリットもあります。
マイクロファイバー
洗浄機器を使った方法以外にも、マイクロファイバーを使った手作業で行う洗浄方法もあります。
マイクロファイバーとは、合成繊維の一種でポリエステルやナイロンなどを原料としています。
マイクロファイバーの繊維は1本ずつが細く柔らかいため、太陽光パネルを洗浄するときに使ってもパネルが傷つかないです。この洗浄方法のメリットは、手作業のため洗浄コストを抑えることできます。
デメリットとしては、手作業のため時間が掛かってしまうなどがあります。
家庭用太陽光パネルや総発電量が50kW未満の産業用太陽光発電システムを洗浄する時にマイクロファイバーが良く使われています。
太陽光パネルの洗浄タイミング
太陽光パネルの洗浄はどのタイミングで行えば良いかが分からないですよね?
太陽光パネルの洗浄のタイミングは、「梅雨明けの暑くなる前」が良いと言われています。
その理由は、1~3月頃だと花粉や黄砂が舞っていることがあるので、太陽光パネルを洗浄してもすぐに汚れてしまう可能性が高いからです。
太陽光パネルの汚れは、雨で洗い流されるように設計されています。
梅雨を挟むことで、太陽光パネルが綺麗な状態で洗浄を依頼することができるので洗浄費用を抑えることができます。
太陽光パネルの洗浄にかかる費用について
太陽光パネルの洗浄費用は、枚数や面積・自宅の高さによって変わりますが、一般的には基本料金5万円とパネル1枚あたり数百円となっているところが多いです。
また、手作業か洗浄機器を使って洗浄するかによっても金額は変わりますし、屋根までの高さによっては足場を組むこともあるので別途料金が掛かることもあります。
※太陽光パネル1枚の洗浄費用は各業者によって変わります。
太陽光パネルの洗浄の注意事項やポイント
どうしても自分で太陽光パネルを洗浄しないといけなくなった場合には、いくつか注意するべき点があるので4つあるので詳しくご説明します。
パネルを傷つけないこと
太陽光パネルを洗浄するときに一番注意しないといけないことは、パネルを傷つけないことです。
太陽光パネルの表面は強化ガラスで出来ています。
強化ガラスを雑巾で汚れを拭き取ろうとした時に、雑巾と太陽光パネルの間に砂や異物がある状態で強くこすったりするとパネルを傷つけてしまう可能性があります。
水道水の取り扱いには気をつけること
水道水の中には、カルキが含まれています。
水道水が乾くとカルキが白くなって固まったり水垢が残ったりするとその部分影になって発電量を落とす原因になります。
水道水を使って洗浄をするときは、ガラス用洗剤か弱アルカリ性の洗剤を薄めて使うようにしましょう。
高圧洗浄機をむやみに使わないこと
太陽光パネル洗浄専門業者が高圧洗浄機を使って洗浄することが多いので、自分で洗浄する時も高圧洗浄機を使えば良いと思って居られる方も多いはずです。
専門業者は高圧洗浄機の水を直接、太陽光パネルに拭きかけているわけではなく、高水圧でブラシを動かしているだけです。
高圧洗浄機の水を直接太陽光パネルに拭き掛けると、パネルが損傷したりパネルの表面と強化ガラスの間に水が入り込んだりして寿命を縮めてしまうことがあります。
高圧洗浄機の水を直接、太陽光パネルに拭き掛けることは、絶対にやめましょう。
太陽光パネルの洗浄のまとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
今回のお話をまとめると、
・太陽光パネルの洗浄は絶対に必要!
・太陽光パネルを洗浄するメリットは全部で3つ!
発電量を維持できる・低下した発電量を元に戻すことできる・ホットスポットの発生を未然に防ぐことができる。
・太陽光パネルの洗浄は、専門業者に任せる方が安心・安全!
自分で洗浄すると逆に太陽光パネルを傷つけて発電量を低下させます。
・太陽光パネルを洗浄するを依頼するタイミングは、梅雨明けが良い!
基本的に太陽光パネルの洗浄は、雨で洗い流される設計になっているので梅雨を挟むことで、ある程度綺麗な状態で洗浄を依頼することができるので洗浄費用を抑えることができます。
・太陽光パネルを自分でする時のポイントは全部で3つある!
太陽光パネルは、洗浄すれば設置した時と同じぐらいの発電量を維持することができます。
また、洗浄することによって故障なども未然に防ぐことができるので太陽光パネルの洗浄は、絶対にした方が良いです!
ですが、個人でやるよりも専門業者に依頼した方が落下して怪我をするリスクや寿命などを縮めてしまうリスクも回避できます。
自分で分からないことは、詳しい人に任せるのが1番です!
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