太陽光発電やらなきゃよかったは間違い?失敗しないために知っておくこと
2023/12/19
「太陽光発電を設置したあとにやらなきゃよかったと近所の人に言われたけど設置しないほうがいいの?」、「太陽光発電を設置して良かったと言われたこともあるけどその理由は何ですか?」、「設置したあとに後悔しない方法を教えて欲しいです。」など、2023年も多くのお客様から家庭用太陽光発電システムの質問を頂きました。
そのなかでも、「家庭用太陽光発電をやらなきゃ良かった理由」や「反対にやって良かったと言われている理由」、「設置して後悔しないための対策方法」について詳しくお話しします。
目次
太陽光発電をやらなきゃよかったの理由は?
家庭用太陽光発電システムを「やらなきゃよかった。」と言われている理由は、全部で5つあるので詳しくお話しします。
初期費用が高すぎる
家庭用太陽光発電システムが本格的に販売され始めた2009(平成21)年頃の販売価格は、販売店・メーカー・太陽光パネルの種類などによって異なりますが、1kWあたり50万円~60万円で販売されていました。
5kW発電できるシステムを設置した場合、250万円~300万円ほどの費用が掛かっていました。
各メーカーの技術革新や海外メーカーの進出などもあって、設置費用は年々下がり始めました。
2023(令和5)年12月現在の平均販売価格は、1kWあたり25万9,600円で販売されています。
約15年前と比べると設置費用は安くなりましたが、100万円を超える場合も少なくありません。
家庭用太陽光発電システム先進国であるドイツの1kWあたりの設置費用は20万6,800円で販売されているため、日本よりも安く設置可能です。
そのため、家庭用太陽光発電システムはやめときゃよかったと言われています。
参考資料:公益財団法人自然エネルギー財団HP
売電価格がかなり安くなっている
日本で売電制度が本格的にスタートしたのは、2009(平成21)年です。
その当時の売電価格は、1kWhあたり48円で買い取られていました。
2012(平成24)年に売電価格が42円に再設定されてから毎年1円~2円程度値下がりしています。
2023(令和5)年度の売電価格は、16円になっていて始まった頃と比較すると3分の1程度にまで下がっています。
売電収入を副収入と考えている人たちから「これでは儲からない。」という意見もあって、家庭用太陽光発電システムをやらなきゃよかったと言われています。
過去4年間の売電価格の推移は次の通りです。
参考資料:経済産業書HP
発電量が思ったより少ない
太陽光発電システムは、気候条件や立地条件によって思っていたより発電量が少ない場合はあります。
太陽光発電システムの発電量が少なくなる理由は次の通りです。
・気温が高過ぎる
・曇りや雨の日が続いている
・太陽光パネルが汚れていて発電効率が悪くなる
・パワーコンディショナーの故障
など
「曇りや雨の日が続いて発電量が少なくなるのは分かるけど、気温が高くなる季節も何で発電量が減るの?」と感じている人もいるはずです。
2023(令和5)年現在、日本国内で最も多く販売されている単結晶型と呼ばれるシリコン系の太陽光パネルは、「暑さに弱い。」という特性を持っています。
各メーカーの太陽光パネルは、気温が25℃を超えると発電効率が下がりはじめるため、気温が30℃を超える真夏は逆に発電効率が下がります。
メーカーによって異なりますが、気温25℃を超えると1℃につき0.5%ずつ下がると言われています。
そのため、真夏になる7月~8月よりも気温25℃に近くなる5月あたりが発電量としては最も多くなると言われています。
気温だけでなく太陽光パネルのメンテナンス不足が原因で影が増えて発電量が減るというケースもあります。
発電量が少なくなってしまうため太陽光発電システムはやめときゃよかったと言われています。
<発電量シミュレーション結果>
太陽光パネルの種類に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電はどんな素材でできているの?その特徴を解説!
近隣住民とトラブルにつながってしまった
家庭用太陽光発電システムを設置して近隣住民とトラブルになるケースで最も多いのが「反射光」です。
反射光トラブルとは、太陽光パネルに当たった光が近隣住宅に当たるトラブルを言います。
トラブルの一番の原因は、「太陽光パネルを北面設置」した場合です。
光の反射というのは、「反射の法則」によって入射角と同じ反射角で光が出ます。
入射角が高ければ反射角も高くなりますし、入射角が低くなれば反射角も低くなります。
太陽光パネルを北面に設置すれば、入射角が低くなるため反射角も低くなり近隣住宅に当たり室内に温度が上がったり眩しくなったりします。
反射光トラブルは、裁判になって太陽光パネルを取り外すことがあり、遮光カーテンの費用を負担しなければならないこともあります。
そもそも発電量が見込めない北面には太陽光パネルを設置しないほうがいいです。
<反射光のイメージ図>
太陽光発電はやってよかったの意見が圧倒的に多い?
家庭用太陽光発電システムは、設置費用が高額だったり売電価格が下がったりしていることから、「やらきゃよかった。」と言われています。
その反面は、家庭用太陽光発電システムは設置して良かったと言われているのも事実です。
設置して良かったと言われている理由は、全部で4つあるので詳しく説明します。
電気代の負担が減る
2021(令和3)年頃から断続的に日本全国で電気代の高騰が続いています。
家庭用太陽光発電システムが発電している間は、電力会社から電気を買う必要がなくなるため電気代が節約できます。
例えば、1年間で5,000kWh発電する家庭用太陽光発電システムを設置、関西電力はぴeタイムRを利用していて年間電気使用量が5,500kWh(デイタイム 3,000kWh リビングタイム1,500kWh ナイトタイム1,000kWh)の電気代節約額は次の通りです。
・5,000kWh×0.3=1,500kWh
・1,500kWh×26.24円=39,360円・・・(1)
・1.40円×1,500kWh=2,100円・・・・・(2)
・(1)+(2)=41,460円(年間節約電気代)
※語句説明:0.3・・・年間平均自家消費量
1.40円・・・2023(令和5)年5月~2024(令和6)年4月までの1kWhあたりの再エネ賦課金
26.24円・・・はぴeタイムRのデイタイム(平日午前10時~17時)までの1kWあたりの電気代
この家庭の場合だと1年間で約4万円、10年間で約40万円の電気代が節約できます。
そのため、家庭用太陽光発電システムは設置しておいたほうが良いと言われています。
※税込価格で表記しています。
※燃料調整額に関しては、変動が大きいため計算していません。
再エネ賦課金に関する詳しい動画はこちら⇒【知らないと絶対損する】再エネ賦課金って何?これから電気代はもっと高くなる?
参考資料:関西電力HP
参考資料:経済産業省HP
売電できるから生活の足しになる
家庭用太陽光発電システムのメリットは、電気代節約と売電収入を得られることです。
売電制度が始まった2009(平成21)年の売電価格は、1kWhあたり48円で買い取られていました。
そこから毎年1円~2円ずつ売電価格は値下がりしていて2023(令和5)年度の売電価格は1kWhあたり16円です。
2009年と比べると3分の1程度にまで下がったため「全然売電収入がないじゃないか。」と考えている人も多いはずです。
金額だけをみると値下がりしていますが、太陽光パネルの性能は10年以上前とくらべると格段に良くなっているので売電収入は得られやすくなっています。
そのため、今からでも家庭用太陽光発電システムは設置しておいたほうが良いと言われています。
売電に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光の売電は11年目以降どうなる?卒FITの問題や対応について
災害でも電気が使える
家庭用太陽光発電システムがあれば災害で停電が発生したとしても電気が使えます。
発電している日中であれば冷蔵庫やテレビ、照明・携帯電話やスマートフォンの充電などができます。
必要最低限の電気が使えるため、情報取得や安否確認などもしやすくなります。
ですが、家庭用太陽光発電システムのパワーコンディショナーの性能上、1度に1,500Wまでしか出力できないため停電時にどの電化製品を優先的に使うかを事前に考えておく必要があります。
太陽光発電をやらなきゃよかったにならないための対策
家庭用太陽光発電システムを設置したあとに「やらなきゃよかった。」と思わないための対策は、全部で4つあるので詳しく説明します。
売電だけの目的で設置しないようにする
家庭用の太陽光発電システムの売電価格は、2012(平成24)年を最後に毎年1円~2円ずつ値下がりしており約10年前より売電収入は得られなくなりました。
2023(令和5)年度の売電価格1kWhあたり16円は、各電力会社から買う電気代も高くなっています。
そのため、家庭用太陽光発電システムで発電された電気の使い方は、「売電」よりも「自家消費」を優先したほうが経済効果は見えやすいです。
発電してた電気を自家消費すれば電力会社から電気を買う必要が無くなるため、電気代を節約できます。
自家消費を最優先にして余った電気を売電する流れにすればさらに経済効果は見えます。
余った電気のために蓄電池を導入する
家庭用太陽光発電システムは電気を発電できても蓄電できません。
蓄電できないため発電した余った電気が無駄になってしまう可能性があります。
発電して余った電気を効率良く活用するためには、家庭用蓄電池が必要です。
家庭用蓄電池があれば、自家消費して余った家庭用太陽光発電システムの余剰電力と電気代の安い深夜電力(23時~翌朝7時)を貯められるので、電気の自給自足が可能です。
災害時にも貯められている電気が使えますので、1日を通して電気が使えますし停電時に家中の電気がバックアップできる全負荷対応の家庭用蓄電池を設置しておけば、IHやエアコンといった200V電源を必要とする電化製品も使えます。
また、雨や曇りの日が続いて発電量が不十分な時や発電しなくなった夕方以降に放電すれば買電量を減らせるため、電気代も節約できます。
家庭用太陽光発電システムと家庭用蓄電池の相性が良いため設置したほうが良いです。
災害時に蓄電池の活用方法に関する詳しい記事はこちら⇒災害時に蓄電池があれば安心?停電時でも電気が使える理由
補助金を活用して負担を減らす
「太陽光発電が良いものだと分かっているが設置費用が気になるから設置を見送っている。」という話を良く頂きます。
少しでも設置費用を安くするためには、補助金を活用すると良いでしょう。
2012(平成24)年に国からの家庭用太陽光発電システム単体の補助金は、終了していますが各自治体で補助金を出しているところもあります。
今回は、補助額が最も多い東京都の例を紹介します。
自治体によって補助金額も条件も異なりますが少しでも設置費用を抑えたい人は、各自治体に問い合わせ見ると良いでしょう。
参考資料:クールネット東京HP
相見積もりをとる
家庭用太陽光発電システムをやらなきゃよかったと思わないためには、相見積もりを必ず取りましょう。
相見積もりを取ることによって設置費用の比較だけでなく保証内容やメンテナンスなども比較できます。
家庭用太陽光発電システムは設置してしまえば修理やメンテナンスの必要がないほど高寿命な製品です。
ですが、屋外に設置されているため定期的にメンテナンスしないと発電効率が落ちてしまったり太陽光パネルを破損させてしまったりするなどのトラブルが起きたりする可能性があります。
また、定期点検やメンテナンスしなければ売電するために必要な「設備認定」が取り下げられる可能性もあります。
業者によっては、メンテナンス費用が別途掛かるところもあります。
メンテナンス費用と言っても安価ではなく33,000円~121,000円程度は必要になります。
良い業者のなかには、メンテナンス費用が設置費用が含まれている場合もあるので少なくも3社以上から相見積もりを取って比較すると良いでしょう。
家庭用太陽光発電システムのメンテナンスに関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電はメンテナンスしないといけない?その理由と長持ちさせる方法
まとめ
みなさんいかがだったいかがでしたでしょうか?
今回は「太陽光発電をやらなきゃよかった」について詳しくお話ししさせて頂きました。
家庭用太陽光発電システムは、設置費用が高かったり売電価格が下がってきたなどが理由で「設置しなきゃよかった。」と言われている反面、近年の電気代高騰や災害の多発などの理由で再度注目されています。
設置してから「やらなきゃ良かった。」と思わないためには、「使い道を自家消費中心。」にしたり「蓄電池を導入して電気の自給自足。」にしたりすることや「相見積もりを取る。」ことが重要です。
エコの王様では、各太陽光パネルメーカーの取り扱っているだけでなく、各家庭に合わせた枚数や用途についても詳しく説明させて頂いておりますのでこれから家庭用太陽光発電システムの導入を検討されている人は、是非1度エコの王様にお問い合わせ下さい!
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