エコキュートとエネファームの違いって何?プロが徹底解説!
2021/05/11
こんにちは!エコの大臣です!
遂にこの記事を書く日がやってきたようですね…。
その圧倒的な省エネ性能で従来型の給湯器からの置き換えが積極的に進められている「エコキュート」と「エネファーム」。
今回はその最新の省エネ給湯器2つの特徴や性能の違い、「ぶっちゃけ、本当にお買い得なのか!?」というところまでご紹介していきます。
それでは、参りましょうか。
目次
エコキュートとは?
エコキュートは電気の力でお湯を作る給湯器です。エコキュートにはエアコンなどにも使われているのと同じ「ヒートポンプ」という技術が使われています。
従来の電気温水器では電熱線のヒーターを使って、電気エネルギーを熱エネルギーに変換していました。
ヒートポンプは空気中に存在する熱エネルギーを集めて、圧縮して高温にし、その熱でお湯を作るはたらきをしています。
電気エネルギーを直接熱エネルギーに変換するよりも、ヒートポンプを活用する方がはるかに効率が良く、1の電気エネルギーで3~4倍もの熱エネルギーを産み出すことが出来るようになりました。
そのため、従来の電気温水器と比べても毎月の電気代は約3分の1で済むようになりました。
発売から約20年が経過したエコキュートは、都心部よりも郊外の都市ガスの通っていない地域で爆発的に導入が広まり、今では年間の販売台数も50万台近くなっています。
既築住宅のリフォームだけでなく、新築のオール電化住宅や戸建てZEH住宅の給湯器として幅広く採用されています。
エネファームとは?
エネファームとは、家庭用燃料電池コージェネレーションシステムの愛称で販売されているガス給湯器です。
名前が長いのと、説明がややこしくなるので、ざっくりとお伝えすると、「お湯を沸かしながら同時に発電も出来る」設備というのがエネファームです。
発売されてから10年が経過し、徐々にシェアを拡大し、年間の販売台数は約5万台にもなるエネファーム。
近年では、自家発電による電気の自給自足が可能ということで災害にも強く、お家の安全性が高まるということで戸建てやタワーマンションなどにも導入が進んでいます。
発電も給湯も暖房も一台で出来てしまうのがエネファームです。
エネファームは、ガスの中から専用の器具を用いて水素を取り出し、その水素と酸素を化学反応させることで電気を取り出します。中学校の理科の実験でやった水の電気分解と逆の流れです。
水素と酸素の反応によって生じた熱を給湯や床暖房などの暖房設備に利用することで、本来無駄にしていた排熱を有効に活用することが出来ます。
また、発電した電気は自宅ですぐに使えるので送電の際のロスも少なく、非常に高いエネルギー効率を誇っています。
エコキュートのデメリット
さて、ここからはエコキュートとエネファームのメリット・デメリットについてお伝えしていきます。
まずは、エコキュートのデメリットから!
エコキュートは電気の給湯器の方です!オール電化をご利用中・ご検討中の方はこちらですよ!
お湯切れする
エコキュートは深夜の安い電気を使ってお湯を沸かして、その沸かしたお湯をタンクにためておき、一日を通してそのお湯を使っていく貯湯式の給湯器です。
タンクの中にためられている量のお湯を使い切ってしまうと、「お湯切れ」となってしまい、次にお湯が沸きあがるまでの間はしばらくお湯が使えなくなります。
一度に使えるお湯の量に限りがあるのがエコキュートの弱点です。
お湯が飲めない
エコキュートから出てくるお湯は一度タンクの中にためられたお湯なので、飲用には適していません。
沸き上げの際に消毒用の塩素も抜けてますし、積極的にお湯を飲まないようにご注意ください。
もし、どうしても飲用にする場合には、一度煮沸してからご利用ください。
騒音トラブルになることがある
エコキュートは主に23時~翌朝の5時頃までにかけて沸き上げをおこないます。
基本的には、みなさんがお休みになられている時間に運転しますので、就寝時に運転音が気になるというトラブルが生じることがございます。
隣家との距離が近い、音が反射しやすいような狭い空間などには設置しないようにしましょう。
エコキュートの騒音に関する詳しい記事はこちら⇒エコキュートの騒音って気になるレベル?近所トラブルにならないために
エコキュートのメリット
続けてエコキュートのメリットについてお伝えしていきますね!
電気代の節約
エコキュートはヒートポンプを活用することで、毎月の電気代をかなり安く抑えられます。関西電力エリアでのエコキュートにかかる電気代は、4人家族で1か月あたり約1,900円と言われています。
上手に活用することで、お家の光熱費を大幅に削減することが可能です。
多数のメーカーから販売されている
エコキュートは三菱や東芝、パナソニックといった日本を代表するような大手の電機メーカーによって製造されています。メーカーごとに特徴も様々なので、好みのエコキュートを選んで設置するという楽しみもありますね。
火を使わないので安全性が高い
エコキュートはお湯を作るのに物を燃やさないので、火事になる危険性が他の給湯器よりも低いのでお家の安全性が高まります。
台所もガスのコンロからIHクッキングヒーターに切り替えてオール電化にしてしまえば、よりお家の安全性が高まりますね。
非常時にタンクの水を使える
エコキュートには常にタンクの中に300~500Lもの水が入っています。地震などの災害時に断水が発生したとしても、タンクの中の水を取り出して生活用水として使うことが出来ます。
常にペットボトル数百本分の水がためられていると思うと、大変心強いですよね。
エネファームのデメリット
続いてエネファームのデメリットについても見ていきましょう。
エネファームはガスの給湯器です!くどいようですが、お間違いなきよう…。
本体が高額
エネファームは給湯・発電・暖房と色々な機能を1台でまかなうことが出来るので、非常に高性能です。
その性能の高さ故に、値段が非常に高額です。
設置工事費用も含めると150~200万円ほどの導入費用がかかります。
普通のガスの給湯器だと20万円前後もあれば十分な性能の給湯器が付けられるので、物が良いのはわかっていてもなかなか手が出ないというのが現状ですね。
お湯を使わないと発電しない
エネファームはお湯を作るときに発電するので、お湯をあまり使わない場合には発電量も少なくなります。
あまった電気を電力会社に売電することも出来ますが、太陽光パネルと比べると発電量もわずかなので、あくまでもおまけ程度と考えておいた方が良いでしょう。
10年後からはメンテナンスが有償になる
エネファームは発電回数や発電量が一定の値に達すると部品の交換と正常に動作しているかの点検を受けないと、停止して止まってしまいます。
停止してしまう半年ほど前にリモコンにお知らせが出るので、メンテナンスをお願いしましょう。
このメンテナンスがなかなか曲者で、設置後の10年間は無償で点検してくれるのですが、それ以降は有償でのメンテナンス対応になります。
メンテナンスしないと運転が止まってしまい完全に使えなくなるのが困りどころ。「最近ちょっと調子が悪いけど、まだ使えてるからなー」といって使い続けるということが出来ません。
有償になったメンテナンスには1回10万円くらいかかることもあるので、その費用も初期費用として計算しておくことをおススメします。
エネファームのメリット
続いてエネファームのメリットについても見ていきたいと思います。
省エネができる
エネファームは給湯だけでなく、発電も出来るので、ガス代、電気代の両方を削減することが可能です。
ガスの床暖房やファンヒーターなど、ガスの暖房器具を多く使うご家庭様では特にメリットが出やすくなっています。
非常用の水として利用できる
エネファームも発電した際に出る排熱でお湯を作るための貯湯タンクが備わっています。
大きい物でも100Lほどですので、エコキュートと比べると小さいですが、それでも万が一のときの災害に備えて水が蓄えられているのは安心できて良いですよね。
災害時にも自立運転できる
停電時にも自立運転して家でも電気が使えるようになっています。
エネファームがあれば停電しても冷蔵庫や扇風機などを使うことが出来ますので、台風や地震などの災害の時にも助かったという実績がございます。
エコキュートとエネファームどちらがオトク?
「エコキュートとエネファームは結局どちらが良いの?」というご質問もよく頂きます。
導入費用とランニングコストも含めて考えるとエコキュートの方が断然お得になります。
エネファームはやはりその導入費用の高さと10年目以降のメンテナンス費用などがネックとなって、完全に元を取るのはまだまだ難しいでしょう。
ただ、エネファームがガスの給湯器ですから、床暖房や浴室暖房などのガスの暖房器具を多く使いたいという場合にはエネファームを導入するメリットは大きいです。
オール電化にしたい⇒エコキュート
ガス器具も使いたいものがある⇒エネファーム
といった具合にコスト面以外のお家の設備も含めてどちらがご自宅にあっているのかを考えて決断しましょう。
エコキュートとエネファームのまとめ
今回は省エネ給湯器のエコキュートとエネファームの違いについてまとめていきました。
お互いに得意とする分野が違いますから、どちらが一方的に優れているということはないです。
お家の中にガスの暖房器具を残しつつ、省エネな給湯器を導入したいということになればエネファームも十分活躍できると思います。
単体で見たときのトータルコストや、オール電化住宅をご希望の場合にはエコキュートの方に軍配が上がるでしょう。
大きな金額の買い物になりますし、どちらの機器も設置してから10年以上はお使い頂くものになりますので、その特性をしっかりと理解して判断しましょう。
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