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エネファームとは?仕組みやメリット・デメリットを完全網羅!

2021/07/19

こんにちは!エコの大臣です。

普段はエコキュートのことを中心にお伝えしていますが、今回は給湯器も出来てしかも電気も作れるという何だかすごそうな「エネファーム」についてその仕様やメリット・デメリットなどの気になる情報をお伝えします。

最近改めてその性能が注目されているエネファームの最新事情について見ていきましょう。

 

エネファームとは?

エネファームは「エネルギー」と「ファーム(農場)」を組み合わせて名付けられた家庭用の燃料電池コージェネレーションシステムです。

燃料電池と給湯器の組み合わせで、「発電」と「給湯」を一台の機械でまかなえる設備になっています。発電機能が付いているので家庭の電気代の削減が見込めるだけでなく、燃料電池が発電するときに出る排熱を利用してお湯を沸かすような仕組みになっているので、エネルギーの無駄が少なくなり、非常に高いエネルギー効率を誇っています。

給湯と発電が1台で補えるという点や、停電時にも自立運転で発電を継続して電気を使うことが出来るなど、災害に強いところが高く評価されています。

 

エネファームはどれくらい普及しているの?

一般家庭への販売が開始されたのは2009年とエネファームの歴史はまだ浅いですが、年々導入件数を伸ばしており、現在では約35万世帯に導入されています。

現在、国が導入を進めている新築ZEH、ZEH+を採用している住宅の給湯設備としては、エコキュートに次いで採用率が高くなっています。

エネファーム本体自体がここ数年大幅にスリム化が図られています。最新のエネファームはマンションにも設置が出来るようになっており、新築マンションへのエネファームの採用件数も増加傾向にあります。

エネファームであれば、省エネ性能の高い給湯器とパワーの強いガスの暖房器具を併用することが可能という点でも人気が高いです。

 

エネファームの仕組みを知っておこう!

エネファームは水素と酸素を反応させたときのエネルギーで発電する燃料電池と、発電の際に発生する熱を利用してお湯を沸かすための貯湯ユニットが一体となっています。

エネファームは、都市ガスやLPガスから変質器と呼ばれる機械を利用して水素を取り出します。発生させた水素を酸素と反応させると水が出来るとともに大きなエネルギーが発生します。そのエネルギーを利用して発電をします。

水に電流を流すと水素と酸素に分解されます。中学校の実験でもよく行なわれる水の電気分解ですが、燃料電池ではこの逆の反応が行なわれています。

水素と酸素が反応したときに出る熱を給湯にも利用することでエネルギーの無駄を少なくし、エネファーム一台で給湯と発電の両方が出来るような仕組みになっています。

 

エネファームは6つの装置で成り立っている

エネファームは燃料電池の他にも様々な部品で成り立っています。

エネファームが運転する際の流れに沿って、各パーツの働きを説明していきます。

改質器:燃料電池の発電に必要な水素ガスは直接各家庭に送り届けることは難しいため、一般的に供給されている都市ガス・LPガス・灯油などの燃料から水素を取り出す役割を果たしています。

燃料電池スタック:改質器で取り出した水素と酸素を反応させて発電します。ここがエネファームのメイン装置です。

インバータ:燃料電池で発電した電気は直流なので、家庭でも利用できるように交流電流に変換します。

熱回収装置:発電の過程で発生した熱を回収して、貯湯タンク内のお湯を沸かすのに使います。

貯湯ユニット:エネファームで沸かしたお湯を貯めておくためのタンクです。メーカーによって大きさの違いはありますが、100L前後の水が常時貯められています。

バックアップ熱源:貯湯タンクのお湯が足りなくなった場合にはガスを使ってお湯を沸かします。温水式床暖房の温水はこのバックアップ熱源を使って温めます。

エネファームは燃料電池と貯湯タンクが一体型になっているので、通常のガス給湯器と比べると大きいので設置するためには広めのスペースが必要です。

バックアップ熱源は通常のガスの給湯器と同じくらいのパワーの物が設置されています。エコキュートの場合はお湯が沸くまでに時間がかかりますが、エネファームの場合は通常のガス給湯器と同じですぐにお湯が使えるので、お湯切れの心配もなく、利便性は高いと言えるでしょう。

また、エネファームは発電の際に水素を発生させるような仕組みになっています。水素は少量でも引火すると爆発して大きな被害が出ます。そのため、数年に1度のメンテナンスが義務付けられています。

 

エネファームの環境性について

エネファームは一般的に普及しているガス給湯器と比較すると、CO2の排出量やエネルギー効率の面で非常に優れています。

エネファームは発電のときに出る排気熱を利用してお湯を沸かすので、今までのガス給湯器と比べてガスを燃焼させる量が減るというのが理由の1つです。発電の際には二酸化炭素を排出しないので、とても環境に優しいです。

もう1つの大きな理由としては、エネファームを導入すると作った電気を作った場所で使えるようになります。各地方の発電所で作った電気をご家庭まで送るまでの間に送電のロスが起きます。実際に各家庭に届けられるのは発電所で発電したときの約40%のエネルギーしか残っていないそうです。

ところがエネファームであれば、生み出したエネルギーのうちの約87%を発電や給湯に活用できるように設計されています。そのためエネルギーを無駄なく効率良く使ってくれます。

そのため、一般的なガス給湯器からエネファームに切り替えるとCO2の排出量が約1.5トンも削減できると言われています。

 

エネファームを取り扱っている主要メーカー

エネファームを取り扱っている主要なメーカーをご紹介します。主な製造メーカーは「パナソニック」、「アイシン電機」、「京セラ」の3社です。

 

パナソニック

パナソニックはエネファームの老舗製造メーカーの1つです。

パナソニックのエネファームの特徴は貯湯タンクが大きく、130Lもの容量がありますので、災害で断水してしまったとしてもしばらくの間は生活用水として水を取り出して使うことが出来ます。

最新のパナソニックエネファームはHEMSやスマートフォンのアプリと連携することが出来るので、外出先からでもお風呂のお湯張りや床暖房のON/OFFの切り替えなどを行なうことが出来るようになっています。

太陽光発電との連携機能もあり、太陽光が発電している間にはエネファームでは発電しないようにするなど、省エネ機能がさらに強化されています。

 

アイシン精機

アイシン精機は大阪ガスなどとエネファームを共同開発しています。最新型の「typeS」と呼ばれるエネファームは従来の製品と比べても小型化されており、設置スペースが狭くても設置が出来るようになっています。

大阪ガスはこちらの「typeS」を推奨しているので、関西圏にお住まいの方はこちらのタイプのエネファームの導入件数が多くなっています。

アイシン精機のエネファームは発電の最大出力が700Wと他メーカーのエネファームと比べても出力が高くなっています。高い発電効率をお求めの方にはおススメのメーカーです。

 

京セラ

京セラのエネファームは世界最小サイズとなっており、エアコンの室外機と同等のサイズにまで縮小することに成功しました。これまでスペースがなくてエネファームを導入できなかったご家庭様でも、安心して設置が出来るようになりました。

燃料電池の最大出力はその分控えめになっていますが、今までスペースの問題でエネファームが導入できなかった方にとっては嬉しい商品ラインナップですね。

 

メーカー毎の出荷台数比率

エネファームのシェア率としてはアイシン精機が全体の約50%超を占めておりTOPメーカーとなっています。

続いてパナソニック、京セラと続いていきます。

大手のガス会社とタイアップしているので、その点でもアイシン精機のエネファームが強いのかなというイメージです。

 

エネファームのデメリット

エネファームの仕組みなど一通り整理してきました。ところで、エネファームを導入すると具体的にはどのようなメリットやデメリットがあるのかについて見ていきましょう。

まずは、エネファームを導入した場合のデメリットからお伝えしていきましょう。

 

初期費用がかなり高い

エネファームは機器本体の導入費用がかなり高いです。一般的には150万円~200万円ほどが設置費用の相場と言われています。

発売当初は300万円近い導入費用がかかっていたことを考えると随分値段は安くなってきていますが…。

通常のガス給湯器でも20万円前後で最新タイプの給湯器が設置できますし、オール電化で採用されているエコキュートでも40~60万円で設置することが可能です。他の給湯器の数倍の導入費用がかかるエネファームは非常に高額だと言えるでしょう。

もちろん、給湯だけでなく発電の機能も付いているので他の給湯設備と同列に比較するのは難しいですが、安い買い物ではないのは事実です。

エネファームは災害時にも強いという特徴があったり、光熱費の削減にも大きく貢献してくれる機械ですがその設置費用の高さがネックとなっています。

ガス給湯器の設置費用の相場に関しての詳しい記事はこちら⇒ガス給湯器の交換時期や費用はいくらくらい?絶対に役に立つ情報を公開中

 

エコキュートの設置費用の相場に関しての詳しい記事はこちら⇒給湯器(エコキュート)の本体と設置価格はいくら?メーカー別で公開

 

メンテナンス費用が高額

エネファームに使われている燃料電池ユニットは定期的にメンテナンスをしないと自動的に「使用停止」状態になります。

発電の機能が全く使えなくなってしまうので、普通のガスの給湯器と同じ使い方しかできなくなってしまいます。

エネファームには、購入時に無償のメンテナンスサービスが10年間は付いています。そのため、設置後10年間は販売店が全面的にバックアップしてくれます。それ以降、使用し続ける場合のメンテナンス費用は有償になります。(一応2年間の保証期間の延長が可能ですが、5万円ほどかかります。2年で5万て…。)

それ以降は数年に一度はメンテナンスを受けないと継続使用が出来ないです。メンテナンス費用も1回で10万円程度かかることもあります。

導入の際にはイニシャルコストに加えて、こちらのメンテナンスコストも含めてシミュレーションしておかないと、後々高額なメンテナンス費用に悩まされるということもあるでしょう。

なお、メンテナンスをして使い続けてもエネファームは最長20年で撤去しないといけないのでご注意ください。

 

ガス料金がかかる

エネファームはガスを使って発電するので、毎月のガス使用量は高くなります。もちろん発電した電気を使って生活するので、電気代は安くなります。

都市ガスとプロパンガスではガス料金の単価も違います。特に料金単価が高くなりがちなプロパンガスでエネファームをご利用されている方は要注意です。

また、エネファームはあくまでも給湯メインで動作をするので、発電する際に出る熱を利用してお湯を作るので、お湯を使う量が少ないと発電効率も悪くなります。

ある程度は普段からお湯を使うご家庭でないと元が取りづらくなっています。

 

大きな設置スペースが必要

エネファームは発電するための燃料電池ユニットと、沸かしたお湯をためておくための貯湯ユニットがセットになっています。エネファームは100cm×50cm程度のスペースが必要になります。

一般的なガス給湯器と比べるとサイズが大きいので、設置場所がかなり狭くてエネファームが設置出来ない可能性があります。

設置には基礎工事を含む専用の取り付け工事が必要になりますので、一度設置すると簡単には動かせないというのも頭に入れておきましょう。

 

お湯を使わないと発電の効率が落ちる

エネファームはお湯を作るときに合わせて発電をするように設計されています。貯湯タンク内にお湯が満タンの状態で発電すると排気熱が無駄になってしまい「エコ」ではなくなってしまうからです。

ですので、普段からお湯を使う量が少ない1人暮らしのご家庭様や、お湯張りせずにシャワーだけで済ませることが多いご家庭ではすぐに発電が止まってしまい、思ったように発電してくれないということもございます。

また、水温の高い夏場になるとすぐにお湯が沸いてしまい、発電がすぐに止まってしまったりするなど季節によっても発電量にばらつきがあります。

ですので、エネファームを効率よく使うためには少なくとも3人以上の世帯でご利用することが推奨されています。

 

騒音トラブルになる可能性がある

エネファームは運転する際に低周波音と呼ばれる音が発生すると言われています。

低周波音とは、通常の人間の聴覚では感知できないレベルの低い音のことです。通常の音の大きさであれば聞こえることはないのですが、音圧(音の持つエネルギーの大きさ)が高いと「ブゥーン」という低く唸るような音が聞こえることがあります。

一般的にトラブルになりやすい「騒音」とは違い、大きな音が出て誰が聞いても「うるさい!」という音が出るわけではありません。

しかし、低周波音に長時間さらされ続けると、めまいや不眠などの健康被害があらわれると報告されています。

症状の発生には個人差が大きく、しかも人間の耳では低周波音を感知しにくいので、低周波音と健康被害との因果関係の特定が難しいという問題点があります。

「隣家の寝室に向けてエコキュートを設置している」、「エネファームの設置場所が狭くなっていて、音が反響しやすい」などの場合には、設置前にご近所に説明するなどの配慮、注意が必要です。

 

エネファームのメリット

続いて、エネファームを設置することのメリットについてお伝えしていきましょう!

 

お得なガス料金プランが利用可能

一部のガス会社では、エネファームを導入したご家庭にガス代が安くなるサービスを提供しています。

エネファームを設置するだけでガス料金が安くなるので、エネファームと組み合わせて使うことで毎月の光熱費をさらに抑えることが出来るようになります。

また、ガスコンロや、床暖房などの他のガス器具をセットで使うことで、毎月のガス代から数%の割引が受けられるプランもございます。「家の住宅設備はガス機器を中心に使っていきたい」という方はエネファームを導入することのメリットが大きいと思います。

 

エネルギー効率が高い

エネファームは発電した電力をそのまま設置したご家庭で使用することが出来ます。そのため、電気を送電する際のロスがほとんどなく、生み出した電気の利用効率が非常に高いです。

また、発電のときに出る熱を無駄にせずに給湯にも利用するのでエネルギーの無駄がないです。

そのため、エネファームが発電した電気を使う方が、発電所で作った電気を家庭で使うよりも二酸化炭素の排出量も少なくてすみますので、環境にもやさしいエコな給湯器だと言われています。

 

災害に強い

一部のエネファームは自立運転機能が付いていますので、もし停電してしまったとしても、ガスが止まっていなければエネファームで発電した電気を使うことが出来ます。

自立運転機能が付いていないタイプでも、停電時にエネファームが発電していたり、蓄電池などの他の電源とエネファームを接続すれば発電を続けることが出来ます。

また、エネファームには作ったお湯を貯めておくためのタンクが付いています。常に100L前後の水やお湯がタンクの中に貯められています。そのため、断水などの非常時にもタンクに貯まっているお湯を取り出して使うことが出来ます。

 

補助金が出る

エネファームはまだまだ導入費用が高額なので、補助金が交付されています。

2021年度は国からの補助金はなくなりましたが、都道府県や市町村単位では補助金を受け取れるところもございます。エネファームの導入を検討している場合にはお住まいの地域の補助金情報に関しても確認をしておきましょう。

新築でお家を建てる際に、ZEH基準を満たすような住宅を建てられる場合には、補助金を多く受け取ることが出来ます。ZEH住宅の設置基準を満たすためにエネファームを導入されているご家庭も多いです。

 

エネファームはダブル発電が可能

エネファームは発電機能の付いている給湯器です。大阪ガスや一部のガス会社では余剰電力の買取サービスを実施しているところもありますが、本来エネファームで発電した電気はお家の中で使われるのが前提ですので、太陽光発電のように余った電気を電力会社に売電することは出来ません。

そもそもお家の電気の使用量に合わせて発電するようになっているので、エネファームで発電した電気が余るということはほとんどなく、太陽光発電ほどの売電収入は見込めません。

エネファームだけでは売電が出来ない地域でも、太陽光発電とエネファームを組み合わせることで電力会社にエネファームで作った電気も売電することが出来ます。

その場合、エネファームと太陽光発電という2種類の発電装置を使って売電することになりますので、太陽光発電単体で売電するのと区別して、「ダブル発電」とされています。

画像は大阪ガスHPより引用

 

ダブル発電とは

太陽光発電とエネファームのような燃料電池や蓄電池を組み合わせた一連の発電システムをダブル発電と呼びます。

ダブル発電になると太陽光発電とエネファームの両方で発電するので、売電に回せる電気が増えます。そのため、太陽光発電単体で設置する場合と比べて、FIT期間中の買取価格は低く設定されていました。(2012年度は太陽光発電のみのシステムの場合は42円/kWなのに対して、ダブル発電の場合は34円/kWとダブル発電の方が8円も安かった)

エネファームで発電した電気は90%以上が自宅で消費する電気に充てられるので、余剰電力が売電できるようになったとしても、この売電単価の差額を埋めるほどの発電量は見込めません。そのため、太陽光発電とエネファームはあまり相性が良くないと言われていました。

しかし、FIT制度が導入されて以降、売電単価は年々下がり続けていき、2019年度からはシングル発電もダブル発電でも区別なく同じ売電単価が設定されるようになりました。(2019年度は24円/kW)

そのため、エネファームや蓄電池と太陽光発電をセットで導入するデメリットがなくなったので、新築でのエネファームの採用率も高くなりつつあります。

最近では「太陽光発電+エネファーム」や「太陽光発電+蓄電池」をセットで導入するご家庭も増えてきています。

 

エネファームとはのまとめ

今回はエネファームの仕組みやメリット・デメリットについての情報をまとめていきました。

エネファームは発電機能の付いた給湯器ということで、省エネや二酸化炭素の削減に大きく貢献してくれるだけでなく、災害時のレジリエンス性が高く評価されています。

停電時の自立発電機能やタンクの貯水機能などがあるので、災害時のエネファームのレジリエンス性が非常に高く評価されています。

給湯器の買い替えの際にはエネファームの導入に関してもぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

監修:中尾信一
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