蓄電池の正しい選びかたとは? 失敗しない方法とシーン別の選び方を解説!
2024/01/07
「近所の人で蓄電池を設置したけど失敗した。」、「蓄電池の正しい選び方を知りたい。」など家庭用蓄電池の選び方についての問い合わせが増えています。
選びかたを間違えると、設置費用が高くなったり自分たちが思っていた以上の経済効果が得られなかったりします。
そこで今回はプロが教える家庭用蓄電池の正しい選び方について詳しくお話しします!
目次
蓄電池の正しい選びかたは?
家庭用蓄電池は、選びかたを間違えると思っていた効果が得られなくなってしまいます。
家庭用蓄電池の正しい選びかたは全部で3つあるので詳しく説明します。
※税込価格で表記しています。
高性能の蓄電池を選ぶ
今から家庭用蓄電池を選ぶなかで、高性能の製品を選ぶことは重要です。
家庭用蓄電池における高性能とは次の製品を指します。
・ハイブリッド型か単機能型
・全負荷か特定負荷型
それぞれについて詳しく説明します。
ハイブリッド型と単機能型
ハイブリッド型は、家庭用太陽光発電システムと蓄電池用のパワーコンディショナーが一体化したシステムです。
この一体型の設計は、太陽光発電システムと蓄電池を同時に導入するか、太陽光発電システムが10年以上前に設置された家庭に最適です。
ハイブリッド型は、これらの条件に合致するユーザーにとって主流の選択肢です[
一方で、単機能型は太陽光発電システムと蓄電池用のパワーコンディショナーが分かれているシステムです。
単機能型は、太陽光パネルメーカーや設置年数に関係なく設置可能です。
特に太陽光発電システムを導入していない、または10年未満の自宅においておすすめされます。
高性能の家庭用蓄電池を選ぶ際には、ハイブリッド型か単機能型かを検討し、自宅の条件に合わせて最適な製品を選ぶことが重要です。
全負荷対応型と特定負荷型
2024(令和6)年現在販売されている家庭用蓄電池は、全負荷対応か特定負荷対応の2種類があります。
全負荷対応とは、停電時に家中の電気をバックアップできるシステムを指します。
全負荷対応の家庭用蓄電池を設置すればエアコンやIHといった200V電源を必要とする電化製品も使えます。
停電時に普段と変わらない生活を送りたい人におすすめです。
もう1つの特定負荷型とは、停電時にあらかじめ決められた部屋の電気しか使えないシステムを指します。
停電時に必要最低限の電化製品が使えれば良い人におすすめです。
高寿命の蓄電池を選ぶ
家庭用蓄電池の寿命は、購入する時に重要な点になります。
2024(令和6)年1月現在販売されている家庭用蓄電池の寿命は、サイクル数で記載されていることが多いです。
サイクル数とは、充電量が0の状態から満充電になって使い切るまでの期間を指します。
1日1回充電量が0の状態から満充電になって使い切れば1サイクル、2回同じことをすれば2サイクルになります。
現在販売されている家庭用蓄電池の寿命は、メーカーなどによって異なりますが3,000サイクル~12,000サイクルです。
「サイクル数は分かったけど寿命年数も知りたい。」と思っている人もいるはずです。
サイクル数を寿命年数に直す式は次の通りになります。
寿命年数=サイクル数÷365/1年
12,000サイクルの家庭用蓄電池を1日2サイクルで使った場合の寿命年数は、
12,000÷730≒16.4
この家庭用蓄電池の寿命年数は16年になります。
サイクル数が多い製品ほど、長寿命であると言えます。
購入時にはこのサイクル数を確認し、自宅の使用頻度に合わせて最適な製品を選ぶことが重要です。
<カタログ内の寿命サイクル数の表示形式>
※寿命は、設置場所などによっても変わります。
引用画像:オムロン蓄電池HP
家庭用蓄電池の寿命に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の寿命・耐用年数は?メーカー別・長期間使用するための5つのポイント
保証の厚いメーカーや蓄電池を選ぶ
家庭用蓄電池は、一度設置すると故障なども少ない丈夫な製品です。
万が一故障してしまうと修理代が場所によって変わりますが、55,000円~165,000円程度掛かったり本体ごと交換しない行けなかったりする場合もあります。
本体ごと交換する場合は、1,100,000円以上掛かる可能性が高いため購入する前に、必ず「保証内容」を見ておく必要があります。
家庭用蓄電池の保証内容は次の通りです。
・商品保証(メーカー保証)
・工事保証(施工店側の保証)
・自然災害補償
商品保証とは、各蓄電池メーカーが付けている保証です。
各メーカーとも基準を設けており基準以下になるとメーカーが無償で修理・交換してくれます。
工事保証とは、家庭用蓄電池本体以外の工事に使用した部材が原因で故障もしくはトラブルがあった場合は、施工店が無償で修理します。
工事保証がなければ修理の度に交通費+修理代が掛かります。
修理費用は、各施工店によって異なりますが5,500円~88,000円程度掛かる必要があるため工事保証は、重要です。
「設置費用が高い販売店はだめ!」と考えている人も多いですが、費用が高いところは長期間の工事保証が付いている可能性もあるため、一概に悪いとは言えません。
そのため、家庭用蓄電池を購入する場合は、3者以上から相見積もりを取って保証内容も含めて比較しましょう。
自然災害補償とは、地震や台風、津波、落雷といった災害で家庭用蓄電池が故障した場合、メーカーが無償で修理・交換してくれます。
従来は、自然災害で故障した場合は保証対象外になりますが自然災害補償があれば、費用負担が無くなります。
最初から無償で自然災害補償災害がついているメーカーもあれば有償で付けられるところもあります。
万が一に備えたい人は、自然災害補償に加入しましょう。
<自然災害補償が付いている家庭用蓄電池のカタログ>
引用画像:ニチコン蓄電池HP
蓄電池選びに失敗した!その理由は?
家庭用蓄電池を設置したあとに「失敗した。」と思ってしまった人が少なからず居ます。
家庭用蓄電池を設置して「失敗した。」と思ってしまった理由は、全部で2つあるので詳しく説明します。
売電メインになっていた
家庭用蓄電池には、さまざまな運転モードがあります。
運転モードを間違えると家庭用蓄電池への充電が少なくなったり充電しなくなったりします。
家庭用蓄電池の充電に使う電気は、家庭用太陽光発電システムの余剰電力と電気代が安い深夜電力(23時~翌朝7時)です。
家庭用蓄電池の運転モードを売電優先モードにすると家庭用太陽光発電システムの余剰電力が売電に回ってしまうため充電量が減ります。
余剰電力を使った充電量が減ると深夜電力の充電量が増えるため電気代が高くなります。
運転モードは、家庭用太陽光発電システムの設置年数に応じて簡単に変更できるため、「現状はどの運転モードが良いか。」を考えておきましょう。
家庭用蓄電池の運転モードに関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の運転モードのおすすめな使いかたは?各種モードの違いを解説!
適当に製品を選んでしまった
家庭用蓄電池を適当に選んでしまうと、「思っていたより経済効果が得られない。」や「停電時に早く電気が無くなってしまった。」といった現象が起きます。
家庭用蓄電池を選ぶ中で重要なのが「容量」です。
家庭用蓄電池の容量を適当に選んでしまうと設置したあとに失敗したと感じやすいです。
容量を選ぶ時にエコの王様で聞かせて頂くのが、「家庭用太陽光発電システムの総発電量」です。
発電量が多い場合は、蓄電容量が小さい製品を選ぶと余剰電力がしっかり貯められません。
逆に発電量が少なく蓄電容量が大きな製品を選ぶと電気が余ります。
効率良く貯められた電気を使うためには、適切な容量を選ぶが重要です。
自分で容量選びが難しい場合は、専門店に相談しましょう。
家庭用蓄電池の容量に関する詳しい記事⇒蓄電池の容量はどれにするべき?目安や計算方法・選びかたのポイント
蓄電池選びで失敗しないようにするためには
家庭用蓄電池を設置する場合、価格が143万円から220万円程度の費用が掛かります。
高額な買い物したあとに「失敗した。」と思いたくないですよね?
家庭用蓄電池選びで失敗しないための方法は、全部で2つありますので説明します。
※税込価格で表記しています。
設置場所はあるのか
家庭用蓄電池の大きさは、エアコンの室外機1台~2台分程度の大きさがあります。
また、重量も100kgを超える製品も多いため、設置場所は屋外です。
この記事を読んでいる人のなかには、「屋外なら設置場所がある。」と思っている人も多いはずです。
家庭用蓄電池に内蔵されているリチウムイオン電池というのは、熱に弱いという特性を持っているため気温が上がりやすい場所には設置できません。
推奨されている設置場所は次の通りです。
・自宅の北面
・1日を通して影になる時間が長い場所
・風通しがいい
2024(令和6)年1月現在販売されている家庭用蓄電池のなかには、屋内設置ができる製品もありますが電気を変換する時に音が出るため寝室などには設置できません。
設置場所については、自分で判断せずに専門店のアドバイザーと相談しましょう。
<屋外設置された家庭用蓄電池の施工事例>
<屋内設置した家庭用蓄電池の施工事例>
補助金対象になっているか
家庭用蓄電池の購入費用は、容量や性能によって異なりますが、143万円~220万円程度掛かります。
少しでも設置費用を抑えるために有効なのが補助金を活用です。
ですが、2024(令和6)年現在販売されている家庭用蓄電池のなかには、補助金対象外になっている製品もあります。
補助金対象か対象外かを調べずに購入すると、あと後悔します。
ほとんどの国内メーカーの家庭用蓄電池は、補助金対象機種になっていますが海外メーカーの製品は補助金対象外になっているケースが多いです。
そのため、家庭用蓄電池の補助金を使って購入する場合は、国内メーカーをおすすめします。
事前に補助金対象機種を知りたい場合は、「一般社団法人環境共創イニシアチブ」のHPを見るか各販売店に問い合わせ下さい。
家庭用蓄電池の補助金に関する詳しい記事はこちら⇒【2023年最新版】蓄電池の補助金はでる?国・自治体からの発表内容や申請方法を解説
参考資料:一般社団法人環境共創イニシアチブHP
シーン別蓄電池の選び方
家庭用蓄電池は使い方によって選ぶ機種が変わります。
使い方は、3種類あるので詳しく説明します。
すでに太陽光発電を設置している
すでに家庭用太陽光発電システムを設置している人は、家庭用蓄電池を設置したほうがいいです。
家庭用太陽光発電システムを設置して10年以上が経過すると高額な売電価格で電気を買い取ってくれる固定価格買取(FIT)制度が終了します。
10年以上が経過すると売電価格が電力会社によって異なりますが1kWhあたり7円~9円程度に下がります。
売電価格が下がると電力会社から買う電気のほうが高くなります。
そのため、家庭用太陽光発電システムを設置して10年以上が経過している自宅では、家庭用蓄電池に余剰電力を貯めて自家消費するほうが経済効果が得られやすいです。
災害時でも困らないようにしたい
災害が起きたとしても、家庭用太陽光発電システムを設置していれば発電している日中は非常用電源として使えます
発電しなくなる朝方や夕方以降は停電状態になることや、家庭用太陽光発電システムのパワーコンディショナーの性能上1,500Wまで出力できません。
また、200V電源を必要とするエアコンやHといった電化製品も使えません。
家庭用蓄電池があれば停電時でも生活に困らなくなります。
停電時に家中の電気をバックアップできる全負荷対応の家庭用蓄電池であれば、エアコンやIHなども使えます。
普段と変わらない生活を送りたいと考えている人は、「大容量」で「全負荷型」の家庭用蓄電池をおすすめします。
停電時に必要最低限度の電化製品が使えれば良いと考えている人は、「特定負荷型」をおすすめします。
あらかじめ決められた場所でしか電気が使えないため、全負荷型よりも貯められている電気が長く使えます。
電気代を少しでも安くしたい
家庭用蓄電池を設置していれば電気代を少し安くできる可能性があります。
家庭用蓄電池に貯められている電気は、家庭用太陽光発電システムの余剰電力と電気代が安い深夜電力(23時~翌朝7時)です。
貯められている電気を電気使用量が多い時間帯や家庭用太陽光発電システムの発電量が少ない時に放電すれば、電力会社から買電量が減らせますので、電気代が節約できます。
家庭用太陽光発電システムと家庭用蓄電池を併用すれば電気代を大幅に削減できる可能性もあります。
まとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
今回は、失敗しない家庭用蓄電池の選び方についてお話しさせていただきました。
家庭用蓄電池は選び方を間違えると設置費用が高額になってしまったり修理代が掛かってしまったり、思っていた効果が得られなかったりします。
その反面、正しい選び方をすれば設置費用以上の効果が得られる可能性が高くなります。
ですが、「自分たちにはどの製品が合っているかが分からない。」と感じている人がほとんどだと思います。
分からないことは、専門のスタッフがいる販売店に任せるのが一番です。
エコの王様には、家庭用蓄電池の専門知識を持ったスタッフが多く在籍しておりますので、分からないことがあればお気軽に問い合わせ下さい!
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