オール電化とは?メリット・デメリットと電気代が安くなるのかを解説
2023/11/22
こんにちは!エコの大臣です。
2018年ごろから住宅リフォーム市場は右肩上がりに成長しています。「withコロナ」で外出を控え自宅で過ごす時間が長くなったことも影響しているようです。おうち時間が長くなったことで光熱費が気になる方が増えたのか、古い設備の更新と合わせてオール電化への切り替えを検討している方も増えています。「オール電化にすると光熱費が安くなると聞いたから」という方も多いですが、果たして本当にそうなのでしょうか?
今回はオール電化のメリット・デメリットや本当に光熱費が安くなるのかということについて核心に迫っていきます。
目次
オール電化とは?
オール電化住宅とは、住宅で必要な給湯・照明・空調などのエネルギー源のすべてを電気でまかなう仕組みになっている住宅のことを言います。主に台所のコンロとお湯を沸かすための給湯器、暖房にガスや灯油などを使用されているご家庭がほとんどだと思いますが、オール電化の場合は台所のコンロは「IHクッキングヒーター」に、給湯器は「エコキュート」などの電気給湯器、空調はエアコンを主に使用します。
20年ほど前から普及し始め、「光熱費が安くなる」、「火を使わないから安全性が高い」などの理由から人気が出始め、現在では新築住宅の90%以上がオール電化になっている地域もあるほどに支持されています。
オール電化で使用されるもの
オール電化住宅に欠かせない設備として代表的なものを紹介しておきます。
エコキュート
オール電化のカギを握るのがこのエコキュートです。エコキュートは電気式の給湯器になっており、ガスや灯油のように燃料を燃やしてその熱でお湯を沸かすのではなく、ヒートポンプと呼ばれる機械を使って空気中に存在する熱を集めて圧縮し、その熱でお湯を沸かします。
同量のお湯を沸かすために必要な消費電力が従来の電気温水器と比べると約3分の1で済みます。そのため、ガスや灯油など他の種類の給湯器と比較しても光熱費が安くなるということで設置台数が増えていっています。年間で約50万台以上が販売されています。
IHクッキングヒーター
IHクッキングヒーターは電熱線のコイルに電流を流し、加熱する器具です。燃料を燃やすわけではないので炎が出ません。そのため、ガスコンロと比べて火事になる危険性が低くなり、空気も汚れにくいですく、不完全燃焼によるガス中毒を起こす危険性もないというメリットがあります。
一部使用できない調理器具があるなど、直火で炙れないなどガスコンロと比べると使い勝手には好みの差が出ますが、オール電化の場合はこちらをチョイスする形になります。
暖房機
オール電化の場合は暖房器具も電気式の物を使用します。一般的にはエアコンやこたつ、電気カーペットなどでしょうか。新築の場合は電気式の床暖房を導入するご家庭もあります。
10年ほど前は深夜電力を利用した蓄熱暖房機が流行していましたが、温度調整の難しさや撤去、修理が高額になることから最近ではあまり設置されなくなっています。
オール電化のメリットについて
新築戸建て住宅の約3分の1ほどがオール電化を採用しています。これだけ導入が進んでいるからにはオール電化住宅にする大きなメリットがあるはず・・・!改めてオール電化住宅ならではのメリットについて確認しておきましょう。
ガスの基本料金や使用料が不要
オール電化にするとガスは不要になりますので、ガス代は基本料金から0円になります。光熱費の管理は電気代だけを気にすればよくなりますので、管理が楽になります。また、多くの場合でオール電化の方が光熱費が安くなるということもメリットの1つとして挙げられています。
火を使わないから安全
オール電化にすると家の中で火を使う機会が格段に少なくなるので、火事になる危険性が大幅に下がります。特に小さなお子様やご年配の方と一緒にお住まいの場合でも、火の不始末などの心配もなくなるので安心だということて大変喜ばれています。
災害時にエコキュートが活躍する
エコキュートは貯湯式の給湯器になっています。大きなタンクの中には常に数百リットル、バケツ換算で約20杯分もの水やお湯が蓄えられています。大規模災害などで停電や断水の被害にあったとしてもタンクの中の水を取り出して使用することが出来ます。飲用にはあまり適してはいませんが、生活用水としては十分に使って頂けます。災害時にも活躍が期待できるという点もエコキュートが評価される理由の1つになっています。
オール電化のデメリットについて
オール電化も良いところばかりではありません。導入前にはデメリットの部分もきちんと理解しておかないと後悔することになります。オール電化住宅のデメリットについてもお伝えしていきます。
電気代の価格に左右される
オール電化はエネルギー源が電気一本に絞られます。そのため、光熱費の増減は電気料金に大きく左右されます。電気代が安いうちは良いですが、電気代が高くなれば家計に与えるダメージはガスと併用している住宅と比べて大きいです。
特に2022年は2021年までと比べて電気代が全国平均で約3割高騰したということもあり、電気代の請求が過去最高だったという方も多かったようです。
電気代の高騰に関する詳しい記事はこちら→オール電化の電気代値上げがキツイ!いつまで続くのかや節約方法を解説 | エコの王様
昼間の電気代は高め
オール電化で利用される電力契約の多くは、時間帯別に電気代の単価が決まっています。東京電力のスマートライフプラン」や関西電力の「はぴeタイムR」などのプランがそれに該当します。
深夜の時間帯の電気代が安くなっているため、その時間帯にエコキュートや蓄熱暖房機などを運転させることで安いランニングコストを実現しています。しかし、その反面昼間の電気代は高く設定されているため日中に電気を使うことが多い家庭ではオール電化にすることで逆に電気代が高くなってしまうこともあります。
オール電化にするだけで電気代が単純に安くなると勘違いしている方も多いです。生活スタイルや電気の使い方を少し工夫する必要があるので注意が必要です。
エコキュートの設置場所が必要
エコキュートはガスや灯油の給湯器と比べると大きく、設置するためには専用のスペースが必要です。通常の角形エコキュートでは80cm四方のスペース、お隣との間隔が狭い薄型エコキュートでも50cmの幅が必要になります。また、設置した後は簡単に動かすことは出来ないので、設置状況によっては通路の通り抜けなどが出来なくなることもあります。
オール電化へのリフォーム工事の場合は、事前にエコキュートが設置できるかの確認もしておきましょう。
オール電化にすれば電気代は安くなるの?
「オール電化にすると光熱費が安くなる」という理由でオール電化を選択したという方は半数近くに上ります。実際にオール電化にすると電気代は安くなるのでしょうか。
オール電化にすると電気代が安くなる根拠の1つとして、お家に占める光熱費の内「給湯」にかかるコストが大幅に抑えられるからとされています。毎月の光熱費の約3分の1は給湯にかかるコストとして支払っています。オール電化で導入されるエコキュートは省エネ効率のかなり高い給湯器ですので、ガスや灯油の給湯器と比べて低コストでお湯を沸かすことが出来ます。
パナソニックの試算によるとエコキュートにかかる年間の光熱費はガス給湯器と比べて約4分の1、石油給湯器と比べても約3分の1になるようです。この給湯コストの差がオール電化が光熱費が安いと言われる大きな理由になっています。
また、オール電化に切り替えると時間帯別に電気代が変わるプランになります。ほとんどのプランで23時から翌朝の7時までの電気代が安く使えるように設定されています。電気を使う時間帯に気を付けて上手に活用すれば、電気代を抑えることが出来ます。昼間は家にほとんどいない学生や会社員の方にとっては節約効果が高いです。ただし、昼間に家にいることが多い生活スタイルの場合は切り替えてもあまり安くならなかったり、逆に電気気代が高くなってしまう可能性もあります。
すべての家で電気代が安くなるわけではないのでそこは注意しておきましょう。
オール電化とはのまとめ
今回はオール電化のメリットやデメリット、上手な活用方法についてお伝えしていきました。
オール電化にすると火事になる危険性が減ったり、災害への備えが出来るのでお家の安全性が高まります。光熱費に関しても電化製品の使い方や時間帯にさえ気を付ければ安く抑えることが可能です。
オール電化は最近一部の都道府県で義務化が決定されたりして、各地で導入が進んでいる太陽光発電との相性も良く、今後更に普及していくことが予想されています。
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