オール電化のメリットって何?初心者が知るべき7つのメリット
2021/06/19
こんにちは!エコの大臣です!
最近ではあまり珍しくなくなってきたオール電化。戸建て住宅のみならず、オール電化のマンションも増えてきています。
「オール電化」という言葉を聞いたことがあっても、「オール電化はいったい何がそんなに良いの?」と不思議に思う方もまだまだ多いと思います。
そこで、今回はオール電化にするメリットや、あなたのご家庭がオール電化に向いているかどうかのチェックポイントなどをお伝えしていこうと思います!
目次
オール電化住宅とは?
オール電化住宅とはお家の中の照明や給湯、冷暖房などの設備のエネルギー源をすべて電気でまかなうようにしている住宅のことです。
例えば、台所にはガスコンロではなくIHクッキングヒーターを設置したり、給湯器も電気の力でお湯を沸かすエコキュートを導入するといったように、お家の中のガス器具をなくして、電気で動く器具だけを設置するのがオール電化住宅の仕組みです。
20年ほど前から新築住宅へのオール電化採用率も高くなり、当時まだ日本でもほとんどの原子力発電所が稼働していたこともあり、余った深夜電力を家庭で有効に活用する手段としてもオール電化は注目されました。
特に北陸や山陰地方などの都市ガスの普及していない地域では、オール電化を導入することで光熱費が安くなるということが評判になったことで、急速に採用率が高まりました。
東日本大震災の後には普及の勢いが少し弱まりましたが、堅調に導入件数を伸ばしており、2020年時点で700万戸以上がオール電化になっています。
オール電化の7つのメリット
オール電化にすることで何かしらのメリットがないと、ここまで普及することはありませんよね。オール電化住宅に切り替えることの主なメリットを7つご紹介します!
ガスの基本料金が不要
オール電化はお家の熱源を電気に一本化するので、ガス代は基本料金から0円になります。
ガスの基本料金だけでも1,000円くらいの削減が可能なので、少なくともその分の費用は光熱費が安くなりますね。
支払いが電気一本になることで、光熱費の管理もしやすくなります。前月や前年と比べて電気の使い過ぎか節約できているのかを比較することも容易になりますね。
ガスの配管工事が不要
新築でオール電化住宅を建てられる場合には、ご自宅の敷地内にガス管の引き込み工事が必要になります。配管工事費用は10万円~15万円ほどかかります。オール電化の場合はガス管の引き込み工事も不要ですので、その分の初期費用は節約することが出来ます。
もちろん、ガス漏れの心配もありません。
夜間の電気が安く使える
「オール電化にしたら家の中全部が電気になるんだから、電気代は高くなるんじゃないの?」と思われる方も多いでしょう。
オール電化に切り替えると、時間帯別に電気代が分かれているプランに変更になります。電気を使う時間帯を調整して、安い単価の時に電気を使うようにすればかえって電気代が安くなることもあるようです。
エコキュートや蓄熱暖房機はこの夜間の安い電気を利用してお湯を沸かしたり、熱を溜め込むような仕組みになっています。そのため、オール電化に切り替えて電気の使用量が増えるのに電気代が安く済むような設計になっています。
火事の心配が減る
オール電化の設備は直火を発生させることがないので、ガスや灯油の設備と比べると火事の危険性が相対的に低くなります。
IHクッキングヒーターの安全性は非常に高く、高齢者や小さなお子様のいらっしゃるご家庭様では特に喜ばれています。台所をIHにしたいから、ついでにオール電化にしてしまうという方も数多くいらっしゃいます。
また、加熱の際に物を燃焼させないので、不完全燃焼が起きる心配もなく、一酸化炭素中毒などのガス中毒の危険性も下がります。
オール電化の安全性を重視してガスから切り替えをされる方も多くいらっしゃいます。
オール電化の火事に対する安全性に関する詳しい記事はこちら⇒オール電化はガスを使わないから火事にならないって本当?その真実に迫る!
災害時にタンクのお湯が使える
エコキュートの貯湯タンクの中には常に数百リットルものお湯や水が溜められています。
タンクの中の水は断水や停電になったとしても、タンクから直接取り出して使うことが出来るようになっています。そのため、エコキュートの水を非常用水として災害時や断水時に活用することも出来ます。
タンクの中の水を直接飲むことはあまりお勧めできませんが、トイレの水を流したり、洗濯に使うことは出来ます。
これだけの量の水を普段から確保することはなかなか難しいです。これは貯湯式の給湯器だからこそのメリットと言えるでしょう。
エネルギーの自給自足が目指せる
オール電化と合わせて太陽光発電や蓄電池を導入することで、ご自宅で使う電気を自宅に設置してある太陽光発電でまかない、電気の自給自足を目指すことが出来ます。
条件さえ整えば実質電気代0円の生活を目指せるだけでなく、停電時にも自力で電気を供給することも出来るので、災害対策にもなります。
太陽光発電との相性はガスよりもオール電化の方が良いので、太陽光発電と合わせてオール電化を導入するのはおススメです。
太陽光発電で発電した電気を蓄電池にためておいて、夜や朝の時間帯に電気を使うことで電力会社から電気を購入することなくことが出来ます。
もちろん、屋根の大きさや日当たりなどの条件によってメリットの有無も変わってきますので、事前に発電量のシミュレーションなどをしたうえで検討を進めましょう。
オール電化と太陽光発電に関する詳しい記事はこちら⇒オール電化と太陽光は相性が良いって本当?その知られざる理由とは
蓄電池に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池とは一体何?蓄電池が予想以上に便利な理由とは
IHクッキングヒーターは掃除がしやすい
台所のIHクッキングヒーターは表面の凹凸がなく平らなので、汚れが付いてもお手入れが簡単なので非常に喜ばれています。
最近のIHクッキングヒーターは200V電源に対応しており、火力もガスのコンロと比べても遜色なくなっています。
食材の加熱しすぎを防止する機能や、チャイルドロック機能など安全性も高く作られています。掃除がしやすいだけでなく、安全性も高いので台所だけをIHクッキングヒーターに切り替える方も多いですね。
ガスコンロとIHクッキングヒーターの比較に関してはこちら⇒徹底比較!IHとガスコンロどちらがおすすめなのかを公開!
オール電化はデメリットもある
オール電化には多くのメリットがございますが、もちろんデメリットもございます。ここではオール電化のデメリットをご紹介していきます。オール電化の良い面も悪い面も知ったうえで、判断をしてもらいたいですね。
ガスが使えない
お家のエネルギー源を電気に一本化するということは、暖房器具などにもガスを使うことが出来なくなります。
新築でオール電化を採用する場合にはあまり問題になりませんが、リフォームでガスと併用している状態からオール電化にする場合には、床暖房などのガスの暖房器具も使えなくなってしまいます。
浴室乾燥機や床暖房はガスと電気では、暖まるまでの速度など使い勝手が違うと感じる方も多いです。ガスと比べると電気式の方がパワーが落ちるので、物足りなく感じるのではないでしょうか。
ガスの暖房器具を継続して利用したいという場合には、オール電化はあまり向いていないと言えるでしょう。
騒音問題になる可能性がある
オール電化で使用するエコキュートという給湯器は、「ヒートポンプ」というエアコンの室外機に似た機械を使ってお湯を沸かします。
このヒートポンプから発生する運転音が原因の近隣住民との騒音トラブルが問題になっています。
エコキュートは深夜電力を使ってお湯を沸かすのが基本になっているので、主に運転するのは23時から翌朝にかけての時間帯になります。
運転音自体はエアコンの室外機とほとんど同じなのですが、夜間のほとんどの方がお休みになられている時間帯に動作するので小さな音でも問題になる可能性があります。
中には訴訟問題にまで発展して、エコキュートの撤去が命じられたケースもございます。
特に住宅密集地で、隣家との隙間のギリギリにエコキュートが設置する場合にはご注意ください。
また、ヒートポンプからは低周波音というのも発生しています。
低周波音とは通常人間の聴覚では認識できないくらいの低い音なのですが、長時間さらされ続けるとめまいや吐き気などの症状が出る方もいると報告されています。
症状には個人差が大きく、また耳では聞こえないので症状の原因の特定が難しく、「気のせい」で片づけられてしまうことも多いようです。
エコキュートの騒音トラブルに関する詳しい記事はこちら⇒エコキュートの騒音って気になるレベル?近所トラブルにならないために
昼間の電気代が高い
オール電化に切り替えた場合には、電力プランもオール電化向けの契約に切り替えるのが一般的です。
いわゆる深夜電力が安く使えるようになるのが特徴で、住んでいる地域の電力会社によっても多少の違いはありますが、概ね23時から翌朝の7時までの電気代が安くなります。オール電化にすると消費する電力は多くなるのに、電気代が安くなるというのは、こういう料金体系があっての賜物です。
もちろん、この深夜電力のプランには裏の側面もあり、夜間が安い代わりに平日の昼の時間帯の電気代は割高になるように設定されています。残念ながら、ただただ電気代が安くなるばっかりじゃないんです。そんなに世の中甘くない。
平日の昼間にもどんどん電気を使うという場合には、かえって光熱費が高くなってしまう可能性もあります。
一般的な従量電灯と呼ばれる電力プランの場合は、使った量に応じて電気代が課金されるので、電気を使う時間帯に関しては制限はないですが、オール電化に切り替えた場合には時間帯によって電気代が変わるので、上手に活用しないと思ったほど電気代が安くならないケースもございます。
オール電化で電気代を節約する方法に関しての詳しい記事はこちら⇒オール電化で電気代が超高い!少しでも安くするための方法
オール電化がおすすめできる3つのケース
オール電化のメリット・デメリットについてお伝えしていきました。「両方見比べてみたけど、結局自分の家がオール電化に向いているのかよくわからない」という方ももちろんいらっしゃると思います。
「オール電化にしてよかった!」と感じておられる方からのお話をもとに、オール電化の導入をプラスに感じやすいご家庭をケース毎に紹介していきます!
安全に暮らしたい
オール電化に切り替えると火事になる危険性が低くなります。特に高齢になるとガスの青い炎が見えづらくなってくるそうです。自分でも気が付かないうちに、コンロの火が袖に燃え移って火傷やボヤになってしまうこともあるようです。
お留守の間にお子様が勝手に火を使ってしまうということもありませんし、IHクッキングヒーターの安全性は非常に高く設計されています。
給湯器に関しても物を燃やすことがないので、ガスや灯油漏れの心配や不完全燃焼などの心配もありません。
オール電化にするとガスの火の不始末がなくなるだけでなく、不完全燃焼によるガス中毒などの心配もないですから、一緒に暮らすご家族の安全を第一に考えてオール電化を採用される方も多いです。
光熱費を抑えたい
オール電化への切り替え理由で最も多いのが、「毎月の光熱費を少しでも安くしたいから!」というものです。
オール電化にするとガス代は基本料金から支払わなくてよくなりますから、光熱費が安くなる可能性は高いです。
もちろん電気を使う時間帯や、高額な初期費用を抑えるなどの工夫は必要になります。オール電化にしたからと言って、何も気にせず電気をばんばん使い続ければ当然電気代も高くなります。
それでも、LPガスをご利用の地域ではオール電化の方が光熱費が安くなる可能性が高いです。都市ガスの場合は、電気の使い方次第でどちらが安くなるかの判断が必要という感じですね。
日中家にいない
オール電化で光熱費を削減するための一番良い方法は「平日昼間に電気を使わない」ということです。10時~17時の間の時間にほとんど電気を使わずに生活すれば、他と比較しても圧倒的なコストパフォーマンスを発揮してくれます。
極端な話、この先ずっと夜間の時間帯の電気だけを使い続けたら、今までよりも格段に安い電気代で生活することが出来ます。
それくらいオール電化向けの電力プランは強力なので、上手に活用して光熱費を節約して下さい。
オール電化にすると必ず後悔する3ケース
逆にオール電化の導入がデメリットでしかないというご家庭様もございます。
「さすがにこの場合はオール電化を導入するのは自殺行為だろ!」と思われるケースを3つご紹介します。
ガスの暖房器具を多用している
床暖房や浴室の乾燥機など、ガスを熱源とする暖房器具を多用しているご家庭様が、リフォームや建て替えでオール電化にする場合、絶対に後悔します。
電気の暖房器具はガスと比べると適温に暖まるまでにかかる時間も長く、パワーも弱いというのが一般的です。かといって、光熱費も安いかというのも正直微妙なところです。
最初から電気の暖房器具であれば違和感なく使っていただけると思いますが、ガスから電気に熱源を切り替えた場合には、間違いなく不満に感じるでしょう。
どうしても床暖房を使いたいという場合には、エコキュートとIHクッキングヒーターを導入したとしても床暖房用のガス給湯器は残しておくようにお伝えしています。
とにかく昼間に電気を使う
オール電化向けの電力プランは「平日昼間」には電気代が割高になります。この時間帯に電気を使えば使うほど「損」をします。
そのため、
・在宅ワークがメインで日頃誰かが常に家に居る
・お家に要介護の方がいて空調や、その他医療器具などを使うので昼間の電気を節約出来ない
・ペットが居るので、家人が外出していても一日中冷暖房を付けっ放しにしている
などの場合にはオール電化にすることで電気代がかえって高くついてしまうということもよくあります。
もちろん、「電気代が高くなっても、家の安全のためにオール電化にしたい」という方は良いでしょうが、高い初期費用をランニングコストを抑えて回収していくというのがオール電化の仕組みですから、電気の使い方には注意が必要ですね。
元々の光熱費が安い
オール電化にすると光熱費は安くなる可能性が高いですが、もともと支払っている光熱費が安い場合には、切り替えたときの差額が小さいので光熱費のメリットが出にくいです。
一般的なオール電化のシミュレーションでは、今使っているガス代が年間平均で8,000円~10,000円程度はないと光熱費の削減金額が小さいです。
そのため、オール電化への切り替えにかかる初期費用も含めると、トータルコストでメリットが出てくるまでに時間がかなりかかってしまいます。
エコキュートやIHクッキングヒーターも10年~15年程度の期間を目安に交換が必要になる製品です。メーカーの延長保証が最長でも10年に設定されているので、10年以内に初期費用をペイ出来るような条件が望ましいです。
オール電化のメリットを活かせればオトクに使い続けられる
オール電化特有のメリットは裏を返せばデメリットにもつながります。ちょっとした工夫と意識づけでメリットの部分を多く引き出して、便利でオトクに活用することが出来ます。
ここでは、オール電化でちょっとお得で快適な生活を送るための秘訣をお伝えします。
夜間電力をうまく活用する
オール電化向けの電力プランは深夜から早朝にかけての時間帯が一番安いので、その時間帯に電化製品を使う設定にしておくことで、同じように電気を使っても支払う金額は今よりも安くなります。
オール電化にすると「電気の消費量」は増えるのに「電気代」が安くなるのはこれが一番の要因です。
主な活用方法としては・・・
・エコキュートや蓄熱暖房機は深夜の時間帯におこなわれるように設定する
・消費電力の大きい掃除機や、洗濯機、炊飯器などはタイマー機能を活用して安い時間帯に運転するようにする
・充電式の電化製品は夜間に充電しておき、昼間に使うようにする
などの使い方を心がけることで、同じ量を使っても電気代は安く済ませることが出来ます。
オール電化で電気代を節約する方法に関する詳しい記事はこちら⇒オール電化で電気代が超高い!少しでも安くするための方法
季節により給湯器の設定を変更する
エコキュートは基本的には深夜電力を使ってお湯を沸かし、一日の内にそのお湯を使っていくというのが一番の理想です。
しかし、お湯の使い方やタンクの大きさと家族構成が合っていないなどが原因で、シャワーの途中でお湯が足りなくなってしまうことがあります。
これを「お湯切れ」と呼ぶのですが、お湯切れしてしまうと、新たにお湯が沸くまでの間は全くお湯が使えない状態になってしまいます。
お湯切れしてもお湯を新たに沸き増しすれば、もちろんお湯を使えるようにもなります。
しかし、電気の消費量が増えるだけでなく、同じお湯を沸かすのにも単価の高い電気を使うことになりますので、電気代が余計に高くつきます。
ですので、出来る限りエコキュートがお湯切れしないような使い方をするのがベストです。
お湯を使う量を少なくするなど、節水を意識した使い方もお湯切れ対策として有効ですが、それだけでは不十分なこともありますよね。
エコキュートには深夜の沸き増しするお湯の量を設定する機能が付いています。
夏場などお湯を使う量が多くない時期には、エコキュートの「おまかせ」設定で十分なことが多いですが、冬場にお湯が足りなくなってしまう状況が続けば、毎晩の沸き上げを「満タン」まで沸きあげる設定に変更するなどの調整が必要です。
季節の変わり目にはエコキュートの設定を見直すようにして、無駄なく使っていくようにしましょう。
エコキュートのお湯切れ対策に関する詳しい記事はこちら⇒エコキュートはお湯切れするって本当?お湯切れしないための方法
プランの見直しを行う
いくらエコキュートが省エネになったとはいえ、オール電化に切り替えただけでは電気の消費量が増えて、かえって電気代が高くなるだけで終わってしまいます。
オール電化に切り替えると同時に、電気の契約をオール電化向けの電気のプランに変更して初めて光熱費のメリットが出てきます。
これは切り替え工事を行なった施工店が工事後に行ってくれるようになっていますので、切り替え工事と合わせてお願いするようにしましょう。
施工店によって、電力会社への申請費用が有償のところと無償のところがありますので、事前に確認しておきましょう。
オール電化向けの電力プランに関する詳しい記事はこちら⇒オール電化で安い時間帯はあるの?効率よく電気代を下げる方法【関西編】
オール電化のメリットのまとめ
オール電化のメリットに関しての情報をまとめていきました。
オール電化にはメリットももちろんですが、デメリットもあります。生活スタイルや、電気・ガスの利用状況によってはデメリットの部分は大きくてオール電化は向いていないというご家庭様もございます。
「え!そんなの知らなかった!」と後からなるのが一番問題になりますので、気になるところはメモしておくなどして、商談の際にきちんと確認をすることを怠らないようにしましょう。
一度導入するとまたガスに戻したりというのはなかなか難しいですので、事前にご家族ともよくご相談してから決断して下さい。
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