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太陽光パネルの廃棄はどうやってするの?正しい廃棄方法について

2021/11/08

「太陽光パネルって廃棄する製品なの?」、「太陽光パネルを廃棄する時の費用はいくらぐらいなの?」などインターネットで良く見かけます。

実は、2030年代には太陽光パネルは大量廃棄の時代を迎えると言われています。

太陽光パネルは、テレビや冷蔵庫などと一緒で電化製品なので寿命はあります。

太陽光パネルは他の電化製品とは違い高寿命の製品ではありますが、場合によっては廃棄しなければならないこともあります。

そこで今回は、太陽光パネルの正しい廃棄方法について詳しくお話します。

 

太陽光パネルの廃棄による問題

太陽光パネルは、1度設置すると約20~30年の付き合いになる製品なので取り外すことはありません。

ですが最近、固定価格買取(FIT)制度が終了して太陽光発電システムを取り外すご家庭が増えています。

太陽光パネルを取り外すご家庭が増えてきたことによってさまざまな問題が発生し始めています。

太陽光パネルの廃棄で起こっている問題についてご紹介します。

 

不法投棄

太陽光パネルの廃棄問題の1つ目は不法投棄です。

家庭用太陽光発電システムは、建物を取り壊す時に一緒に廃棄されるのが一般的です。

廃棄費用が高額なことが多いため、費用を浮かせることを目的に不法投棄するケースが増えてきています。

不法投棄は、「廃棄物処理法第16条」によって厳しく罰せられます。内容は、「何人(なんびと)もみだりに廃棄物を捨ててはならない。」と規定されており、同法律の25条によって「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金」と定められています。

太陽光発電システムのみならず、粗大ごみなども不法投棄すると罰せられますのでご注意下さい。

 

放置

太陽光パネルの廃棄問題の2つ目は放置です。

太陽光パネルの放置が良く見られるケースは、産業用太陽光発電システムです。

借地で行われる産業用太陽光発電システムは、借地期間終了の際に原状復帰が法律によって義務付けられているので放置することは考えにくい状態です。

太陽光パネルの放置で問題になるのが、事業者が所有地で行う産業用太陽光発電システムです。

産業用太陽光発電システムの買取期間は、20年間と決められているため設置してから20年を経過した場合、事業者がコストの掛かる廃棄費用を浮かせるために、有価物(価値のある商品)である太陽光パネルを放置しているケースがあります。

太陽光パネルは、放置すると劣化が進み架台が歪んでしまって太陽光パネルが倒壊したり、台風や強風・積雪などで太陽光パネルが割れてしまってそのまま放置していると有害物質が流れ出てしまうことがあります。

有害物質が流れ出ると人体だけでなく環境にも大きな影響を与えることがあります。

 

有害物質の発生

太陽光パネルの中には、鉛やセレン・カドミウムなどの人体・環境に大きな影響を与える有害物質が含まれています。

特にカドミウムは、イタイイタイ病といった公害を引き起こした物質です。そのため、太陽光パネルを放置や不法投棄をすると割れた箇所から有害物質が流れ出て、土壌や水質を汚染するが可能性があります。

なぜ、有害物質であるカドミウムが太陽光パネルが使われているのでしょうか?

その答えは、太陽光パネルの費用を抑えるためです。

カドミウムは、太陽光を吸収しやすい特徴があるため海外ではカドミウムを使った太陽光発電システムが設置されています。

日本では、公害を引き起こした歴史があるためカドミウムを使った太陽光パネルの製造は許可されていません。

ですが、鉛もセレンも有害物質には違いありませんので、廃棄する時は手順を踏んで廃棄するようにしましょう。

 

処分場のひっ迫

太陽光パネルは、電極やシリコンを何層に重ねて強固に接着してできているため、分解してリサイクルすることができません。

一般的には、産業廃棄物として処分されます。2021年現在、太陽光パネルだけでなくさまざまな産業廃棄物を処理する最終処理場がひっ迫しているため、太陽光パネルの処理は進んでいない状態です。

最終処理場のひっ迫も問題になっていますが、今問題になりつつあるのが太陽光パネルの大量廃棄の時代を迎えることです。

環境省が作成した「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第一版)」によるとピークを迎える2038~2040年頃には、太陽光パネルの廃棄量だけで年間約800,000トンの太陽光パネルは廃棄されると見込まれており、産業廃棄物の最終処理量の約6%になるという試算もされています。

現在は、最終処理場のひっ迫を回避するために太陽光パネルをリサイクルするための技術開発が進められています。

太陽光発電システムの売電に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電で売電できるのって本当?買取価格と買取終了後にやるべきこと

参考資料:環境省 太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第一版)

 

太陽光パネルは燃えるゴミで処分できる?

太陽光パネルは、燃えるゴミとして処分できるかが気になりますよね?

その答えは、燃えるゴミとしては処分できません。また、電化製品や布団などと同じ粗大ごみとして処理することもできません。

その理由は、太陽光パネルに有害物質が含まれていることやリサイクルが難しいためです。

また、太陽光パネルは廃棄するときに粉砕します。通常のゴミ処理場では粉砕する工程を行っていないため燃えるゴミや粗大ゴミとして処理することはできません。

そういったことから太陽光パネルは、産業廃棄物として処理するのが一般的です。

産業廃棄物の処理は、各地方自治体や国からの認可を受けた専門業者が行います。もし、太陽光発電システムを廃棄する場合は、お住まいの市役所や区役所に問い合わせるのが一番良いでしょう。

 

太陽光パネルを廃棄する方法

太陽光パネルやパワーコンディショナー(10~15年で1度交換)は、1度設置すると20~30年の付き合いになる製品ではありますが、場合によっては廃棄しなければならないケースもあります。

太陽光発電システムの廃棄するケースと廃棄方法についてご紹介します。

 

寿命や故障により廃棄

太陽光発電を廃棄するケースの1つ目は、寿命や故障です。

太陽光発電システムは、1度設置すると約20~30年の付き合いになる製品ではありますが、テレビや冷蔵庫、洗濯機と同じ電化製品であるため必ず寿命は来ます。

寿命が来たとしても太陽光パネルは発電を続けます。

現在でも北海道で設置してから30年が経過しても故障もせず発電を続けているケースもあります。

寿命が来たからといって取り外さないことをおすすめします。

太陽光パネルの故障で取り外すケースもありますが、太陽光発電システムの故障に関しては各太陽光パネルメーカーが長期保証を出しているので、保証期間内であれば無償で太陽光パネルやパワーコンディショナーを交換してくれます。

保証期間が切れると有償になります。そのため保証期間が終わったタイミングで太陽光発電システムを廃棄しようと考えている方もいるのではないでしょうか?

故障や寿命で太陽光発電システムを廃棄する方法は、家庭用・産業用関係なくまずは設置した施工店・販売店・ハウスメーカー・工務店に連絡し、撤去を依頼しましょう。

設置した施工店などが撤去を行い、その後産業廃棄物処理業者が最終処分を行います。

転居で太陽光発電システムを廃棄する時も同様の手順です。

 

リフォームによる廃棄

太陽光発電を廃棄するケースの2つ目は、家の建て替え・リフォームによる廃棄です。

家の建て替え・リフォームで太陽光発電システムを廃棄する方が多いです。

このケースで廃棄する方法は、あらかじめリフォーム業者との打ち合わせが必要です。

リフォーム業者は太陽光発電システムを撤去して排出者(ゴミを出す人)になるため、撤去後の産業廃棄物処理業者とやり取りをして処分を行います。

 

災害による廃棄

太陽光発電を廃棄するケースの3つ目は、災害です。

近年、災害の強大化によって太陽光パネルが破損したり落下したりして太陽光発電システムを廃棄する方が増えています。

基本的に太陽光発電システムが自然災害で破損・落下して故障した場合は、自然災害補償に入っていれば無償で交換・修理をしてくれます。

ですが、自然災害補償に入っていない方は有償になってしまうので、廃棄されている方もおられます。

災害によって太陽光発電システムの廃棄は、今までの2つとは事情が異なります。

太陽光パネルが破損して廃棄する場合は、「寿命や故障による廃棄」と同じですが、太陽光パネルが地上に落下した場合は所有者が排出者(ゴミ出す人)になります。

太陽光パネルが完全に落下した場合は法律上、産業廃棄物ではなく一般廃棄物(燃えるゴミ・燃えないゴミ・粗大ゴミなどと同じ)として扱われます。

この場合は、廃棄方法は各自治体によって違うため、まずは住んでいる市区町村の廃棄物担当窓口に相談して、その後に指示を受けましょう。

ただし、太陽光パネルは粗大ゴミなどとして回収してもらえません。通常は、「使用済み太陽光パネルの回収・再資源化」を行っている専門業者に依頼することが多いです。

太陽光パネルは故障しているように見えても電気が通っていることもあるので、気軽に触ってしまうと感電や怪我をしてしまう危険性があります。

その場から撤去する際も自分自身で行うのではなく、施工会社など太陽光発電設備を取り扱っている業者に依頼すると良いでしょう。

太陽光発電システムの保証に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光パネルの寿命はどれくらい?少しでも長く使い続けるためには

 

太陽光パネルを廃棄する際の費用について

太陽光パネルは1度設置すると取り外さない製品ではありますが、廃棄しなくてはならないケースもあります。

太陽光パネルを廃棄するのに掛かる費用がどれくらいなのかが気になりますよね?

太陽光パネルを廃棄するために掛かる費用についてご説明します。

 

撤去費

太陽光パネルを撤去するために掛かる費用の中には、作業費・人件費・足場代が含まれます。

作業費は、太陽光パネルを取り外して屋根から下ろす費用で、人件費は作業員に掛かる費用です。

作業費と人件費を合わせて10万円と考えておくと良いでしょう。

足場代の相場は1平方メートルあたり700円~1,000円です。30坪で2階建ての家であれば約15万円~20万円です。

作業費と足場代を入れると、20~30万円ぐらいが撤去費用になると考えておくと良いでしょう。

また、太陽光パネルの撤去が終了したあとに、屋根の葺き替えなどを行うと100万円を超えるケースもあります。

※撤去費用は、あくまでも平均的な金額であり、解体業者や施工店などによって金額は前後します。

※足場代は、足場が必要なご自宅と必要でないご自宅があります。解体業者や施工店にはよっては足場を使わないで撤去する場合もあります。

 

運搬費

太陽光パネルを撤去費用の中に、運搬費用は含まれていません。

運搬してくれる業者によって費用は違います。

例えば、使用済み太陽光パネルの回収・再資源化を行っている専門業者に運搬や処分を依頼した場合、単結晶の太陽光パネルで19kg以下にあれば1枚1,200円で処分してくれます。

太陽光パネルを10枚を運搬・処分した場合に掛かる費用は12,000円です。

※業者によっては、運搬・処理費用は変わります。

※運搬費用は、処理場までの距離によって変わります。

太陽光パネルの種類に関する詳しい記事はこちら⇒【2021年】太陽光パネルのメーカーについて!おすすめできるメーカーを公開

 

太陽光パネルは廃棄ではなく買取ってくれる?

太陽光パネルは、廃棄する方法以外に買い取ってもらう方法があります。

現在、コロナ禍で安定した収入得るために中古の太陽光発電システムの販売が今進んでいます。

太陽光パネル買い取り方法には、2種類あるのでご紹介します。

 

買取

ここで言う買取は、自分で買取業者を探して直接太陽光発電システムを売却することを指します。

自分で直接買取業者に太陽光発電システムを売却する時には、メリット・デメリットがありますのでそれぞれご紹介します。

メリットデメリット

・すぐに現金化できる

・買取業者を探すのに時間が掛かる

・手続きがお互いに大変

・買取金額が安くなる

・売却したあとに買主とトラブルになることがある。

 

仲介

仲介による買取は、買取とは違い売り手と買い手との間に仲介業者が入って太陽光発電システムを売却する方法です。

買取と同様に仲介で太陽光発電システムを売却にもメリット・デメリットがあるのでご紹介します。

メリットデメリット

・買い手との手続きが簡単

・売却が終わったあとに買主とのトラブルがなくなる

・自分で思った金額で太陽光パネルを売却できる

・売却に時間が掛かる

・手数料が掛かる

太陽光パネルの売却は、よっぽどのことがない限りは個人で売却するよりも仲介業者に入ってもらって太陽光パネルを売却することをおすすめします。

 

太陽光パネルを廃棄する際の注意事項

太陽光パネルの廃棄する時の注意点は、以下の通りです。

・太陽光発電システムのメーカーや型番を記載すること

・廃棄は、専門業者に依頼すること

・日本太陽光発電協会(JPEA)が作成した「使用済太陽電池モジュールの適正処理に資する情報提供のガイドライン」に基づいて有害物質の情報を共有すること

参考資料:太陽光発電設備を廃棄処理する際の留意点について

 

太陽光パネルの廃棄のまとめ

みなさんいかがだったでしょうか?

今回のお話をまとめると、

太陽光パネルの廃棄には4つ問題がある!

太陽光パネルは燃えるゴミではなく産業廃棄物として処分する!

太陽光パネルを廃棄する方法は全部で3つ!

太陽光パネルの廃棄費用は約10~20万円で、運搬費用はパネル枚数によって変わります。

太陽光パネルの売却方法は、買取と仲介の2種類がある!

基本的には、仲介による売却がおすすめです。

太陽光発電システムは1度設置すると取り外さない製品ではあるのですが、さまざまな理由で取り外さなければならないこともあります。

ですが、太陽光パネルには有害物質が含まれていることやリサイクルできないこともあるので廃棄に関しては専門業者に依頼するのが1番です。

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この記事を書いた人: 清家 和馬
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