蓄電池の悪徳業者の見分けかたは?手口や失敗しない選びかた
2022/08/29
「近所の人が家に突然来た販売業者に蓄電池を勧められた。」、「家に来た販売業者に蓄電池を設置するのは義務って言われたけど本当?」、「売電期間が終わったら売電できなくなるから蓄電池を設置したほうが良いって言われたけど本当?」、「蓄電池を強引に契約させられたけど、契約って解除できるの?」、「良い訪問販売業者と悪徳業者を見極める基準ってあるんですか?」など蓄電池の普及し始めたこともあって蓄電池の販売方法についてのお問い合わせが増えています。
家庭用蓄電池の販売方法は、訪問販売とインターネット販売の2種類があります。
そのなかで家庭用蓄電池の販売でトラブルが多いのが訪問販売です。
家庭用蓄電池の訪問販売業者の多くは、お客様のことを考えて提案しています。
ですが、なかには契約を取ることだけを考えている、悪徳業者がいるのも事実です。
今回は、エコの王様に寄せられた家庭用蓄電池の悪徳業者の手口や悪徳業者を見極める基準、契約してしまったあとの対応などについて分かりやすく説明させて頂きます。
こんな手口は要注意!蓄電池の悪徳業者の常とう手段
独立行政法人国民生活センターが2021(令和3)年に出した資料を見てみると、全国の国民生活センターに寄せられる家庭用蓄電池(据置型蓄電池)に関するトラブルが2009(平成21)年から急激に増えています。
調査を開始した2016(平成18)年の問い合わせ件数が325件だったのに対して、2019(令和元年)には1,000件を超え2020(令和2)年は1,314件でした。
調査を開始した頃と比べると約4倍に増えました。
家庭用蓄電池のトラブルの多くは、訪問販売によるケースです。
訪問販売業者の多くは、お客様のことを考えて提案しています。
ですが、なかには「契約を決める。」ことしか考えていない悪徳業者もいます。
蓄電池の悪徳業者は言葉巧みに契約を迫ります。
国民生活センターに寄せられている蓄電池の悪徳業者の手口は、全部で3つあるのでご紹介します。
蓄電池のトラブルに関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池を導入して後悔するのは本当?その真実や回避方法について解説!
参考資料:国民生活センターHP
蓄電池の導入で絶対に得すると説明
悪徳業者の多くは、「蓄電池を設置することによって儲かります。」と言って契約を迫って来ます。
家庭用蓄電池の知識がない人たちからすると、「蓄電池を設置して儲かるなら設置しよう。」と思って契約してしまいます。
実は、家庭用蓄電池を設置することによって儲かる可能性は極めて低いです。
その理由は、家庭用蓄電池はそもそも貯められた電気を必要に応じて放電することによって電気代の節約や停電時の非常用電源として使えるためです。
そのため、電気代が節約できたとしても儲けにはなりません。
「蓄電池を設置して儲かる。」と言ってと言って契約を迫ってくる業者は、悪徳業者の可能性が高いです。
卒FITにより売電できないと説明
家庭用太陽光発電システムを設置してから10年間は、経済産業省が定めた売電価格で電力会社が電気を買い取ってくれる固定価格買取(FIT)制度があります。
FIT制度が2019(令和元)年の11月頃から終了し始めるご家庭が出始めました。これが卒FITです。
卒FITを迎えると今まで高額だった売電価格が下がり、1kWhあたり7円(税込)~9円(税込)程度にまで下がります。
売電価格が下がると電力会社から買う電気のほうが高くなってしまうため、多くのご家庭で売電をせずに家庭用蓄電池に電気を貯めて自家消費する動きが高まりました。
悪徳業者は売電価格が下がったことを逆手にとって、「卒FITを迎えると売電できなくなるので、蓄電池を設置したほうが良い。」と言って契約を迫って来ます。
「売電ができない」ではなく、「売電はできるけど売電価格が下がっている。」になります。
多くのご家庭では家庭用蓄電池が満充電になった場合、余った電気は売電しています。
「売電ができなくなるため家庭用蓄電池を設置したほうが良い。」と言って契約を迫ってくる業者は、悪徳業者の可能性が高いです。
家庭用太陽光発電システムの売電に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電で売電できるのって本当?買取価格と買取終了後にやるべきこと
蓄電池の設置は義務と説明
悪徳業者は、「太陽光発電を設置している自宅は蓄電池を設置する義務がある。」と言って契約を迫ってくるケースがあります。
全世界で「脱炭素」・「カーボンニュートラルの実現」に向けての動きが高まっています。
そのようなかで、日本も「脱炭素」・「カーボンニュートラルの実現」に向けて、2030(令和12)年に建てる新築戸建て住宅の50%には、家庭用太陽光発電システムと家庭用蓄電池を設置する方針を出しています。
また、家庭用太陽光発電システムと家庭用蓄電池が普及するように、国や各地方自治体が補助金を出しています。
実際には法律で「家庭用蓄電池の設置義務」は、定められていません。
そのため、蓄電池の悪徳業者が言っていることは嘘ということになります。
「蓄電池は設置義務がある。」と言って契約を迫ってくる業者は、悪徳業者の可能性が高いです。
蓄電池の悪徳業者の基準
蓄電池の訪問販業者全てが悪徳業者というわけではありません。
事実として悪徳な販売方法で蓄電池を売りつけている業者がいることも事実です。
良い業者に紛れ込んでいる悪徳業者を見分けるチェックポイントは6つあるのでご紹介します。
名刺がない
悪徳な蓄電池の訪問販売業者は名刺を出さない傾向にあります。
その理由は、商談が終わったあとにインターネットなどで会社名や自分の名前を調べられると困るためです。
どの製品の訪問販売業者でも各ご自宅に回る時は、必ず名刺を持っています。
名刺を差し出さない業者が訪問してきた場合は、「名刺は持っていないんですか?」と聞いて見ると良いでしょう。
聞いてみて思っていない場合は、断って帰ってもらいましょう。
また、会社名・会社の住所・電話番号が書いていない名刺を差し出してきた訪問販売も悪徳業者の可能性が高いため、断って帰ってもらいましょう。
料金の説明がない
2022(令和4)年8月現在、販売されている家庭用蓄電池の販売価格は、容量・性能・メーカーによって多少の違いはありますが、約130万円(税込)~約250万円(税込)です。
家庭用蓄電池の販売価格は、本体代金と工事代金が含まれています。
悪徳業者の場合は、契約だけが取れれば良いので訪問先で十分な情報を与えようとしません。
見積書には本体価格しか書かれていないことが多く、工事当日に高額な工事代金を請求してトラブルになるケースが多いです。
見積りを見た時に工事代金のことが書かれてなかったら、「工事代はいくらですか?」と聞いて見ると良いでしょう。
蓄電池の価格に関する詳しい記事はこちら⇒【2022年最新版】家庭用蓄電池の価格や相場はいくら?少しでも安く購入するための方法
即決を求めてくる
家庭用蓄電池の悪徳業者は、即決を求めるケースが非常に多いです。
悪徳業者が即決を求める時のセリフは次の通りです。
・「今、契約してくれるならこの値段で販売させて頂きます。」
・「この価格は、今日だけです。」
・「契約してくれるまで帰りません。」
家庭用蓄電池を購入する時には、相見積もりを取るのが一般的です。
相見積もりを取らせてくれない訪問販売業者は、悪徳業者とみて間違いないでしょう。
断っているのに帰らない訪問販売業者に関して、警察を呼ぶなどの対応を取ると良いでしょう。
メリットしか言わない
家庭用蓄電池は、電気代の削減や停電時の非常用電源として使えるメリットがあります。
家庭用蓄電池は、メリットだけでなくデメリットもあります。
家庭用蓄電池のデメリットは次の通りです。
・設置スペースが必要
・設置費用が高額
・寿命がある
悪徳業者は契約を取ることだけを考えているのでメリットしか言いません。
メリットしか言わない訪問販売業者が来た場合は、「メリットだけでなくデメリットも教えてもらえますか?」と言ってみましょう。
特に家庭用蓄電池は、設置場所や金額のことでトラブルになることが多いです。
それでも「蓄電池はメリットしかありません。」と言ってくる訪問販売業者は、悪徳業者の可能性が高いです。
家庭用蓄電池のメリット・デメリットに関する詳しい記事はこちら⇒家庭用蓄電池とは?仕組みやメリット・デメリットを初心者向けに解説!
不安をあおる
蓄電池の悪徳業者は、嘘の情報を与えて不安をあおってくるケースがあります。
悪徳業者が不安をあおるセリフは次の通りです。
・「蓄電池を付けないと絶対に損をする。」
・「太陽光発電システムを設置している家は、蓄電池を設置する義務がある。」
・「売電期間が過ぎると売電できなくなるので、蓄電池を設置したほうが良い。」
家庭用蓄電池については、設置することによってメリットが出やすいご家庭が多いですが、電気使用量などの条件によってメリットが出にくいご家庭もあります。
家庭用太陽光発電システムを設置しているご家庭に蓄電池を設置する義務はありませんし、法律もありません。
売電価格は下がりますが、売電もできます。
悪徳業者が言っていることは、全て嘘になりますので鵜呑みにして契約しないようにしましょう。
ありえない値引きをする
蓄電池の悪徳業者は、即日契約を渋る人がいたら大幅ば値引きをして強引に契約を結ぼうとするケースがあります。
人間心理として家庭用蓄電池は高額な買い物になるので、「そこまで値引きをしてくれるなら契約しよう!」と思ってしまいます。
大幅な値引きしたことによって、次のようなトラブルが起こる可能性があります。
・適切な部材が使用されない
・雑な職人が工事する
・型落ち品が使用される
・工事当日に見積書以外の費用を請求される
家庭用蓄電池は以前に比べると設置費用は安くなりました。
蓄電池の悪徳業者のように即日契約を結びたいために大幅な値引きができる製品ではありません。
家庭用蓄電池には、適正価格と言うのがあります。
適正価格よりも高いかったり安かったりする場合は、契約しないほうが良いでしょう。
また、相見積もりをとって自分が提案された製品の価格が合っているのかも見ておいたほうが良いでしょう。
家庭用蓄電池の相見積もりと適正価格に関する詳しい記事はこちら⇒【2022年最新版】家庭用蓄電池を見積りする際の注意事項について徹底解説!
蓄電池の訪問販売は注意しよう
家庭用蓄電池の悪徳業者に騙されないためには、どうすれば良いのでしょうか?
騙されない方法は、全部で5つあるので詳しくお話しします。
いい条件でも即決はしない
家庭用蓄電池を検討されている人の多くが、「少しでもいい条件で購入したい。」と思っているはずです。
家庭用蓄電池は、高い製品になると200万円(税込)以上する可能性もあります。
自分が希望している家庭用蓄電池が思っていた以上に安かったとしてもその場で契約しないようにしましょう。
金額が安過ぎてもトラブルになる可能性もあります。
その日のうちに契約せずに家族で相談したり、相見積もりを取ったりして保証内容なども確認すると悪徳業者に捕まる可能性は低くなります。
不安なら後のことを考え絶対に断る
家庭用蓄電池を設置することによって得られるメリットは多くあります。
メリットがある反面、デメリットもあります。
「本当に蓄電池を設置する意味はあるのか?」、「蓄電池を設置することによって発生するデメリットは?」、「初期費用は回収できるの?」、「自分の家に蓄電池は必要なのか?」などの不安があると思います。
設置することに不安を感じる場合は、設置費用が安いことや大幅な割引など良い条件提示されたしても契約しないで断りましょう。
事前に会社名を聞き実在するのかを調べる
訪問販売業者の商談内容を怪しいと感じたら、即日契約をせずに会社情報をもらうようにしましょう。
会社情報等をもらったあとに、その会社を調べることをおすすめします。
一般的な会社は、名刺や会社のパンフレットなどを提示してから商談します。
そもそも悪徳業者は、名刺や会社のパンフレットを出さないところもあります。
名刺や会社のパンフレットを出す悪徳業者が居たとしても、契約が成立しなかった時は会社情報が書かれている資料は持ち帰ろうとします。
持ち帰る理由は、自分の会社を調べられないようにするためです。
一般的な会社は、会社情報が書かれている資料などはその場に置いて帰りますし、拒んだりすることもありません。
「資料を置いて帰ってもられませんか?」と聞いているのにもかかわらず、「資料を置いて帰るのは規則違反なのでできません。」などと言っている場合は、悪徳業者の可能性が高いです。
また、資料を置いていかない販売業者は、見積書や資料に虚偽の内容が書かれている可能性が高いです。
怪しい業者だと感じた場合は、「一度、調べたいので会社情報が分かる資料を置いて帰ってください。」と言ってみるのも良いでしょう。
会社の評判を調べる
訪問販売業者の商談内容などを聞いて、怪しい業者だと感じたらその場で契約しないで、会社の評判を調べましょう。
会社の評判は、ホームページや口コミなども見てみると良いでしょう。
評判が良い販売業者であればホームページなどに「施工実績」・「お客様の声」などもあります。
もし、調べてもその会社が出てこなかったり施工実績などが無い場合は、評判が悪く完工件数が少ないことが多いので悪徳業者の可能性が高いです。
エコの王様の家庭用蓄電池の施工実績はこちら⇒蓄電池の設置・施工実績
居留守を使う
自分の性格から勧められた商品を断れない人がいます。
そういった人は、家庭用蓄電池の悪徳業者から勧誘を受けると購入してしまう可能性があります。
勧誘を受けて製品を購入してしまいそうな人は、悪徳業者に会わないようにすると良いでしょう。
会わないようにするためには、インターホンが押された段階で画面を見て面識がない人や訪問販売業者だと思ったら居留守を使う方法もあります。
居留守を使う事によって悪徳業者に会わなくて済みます。
インターホンを押した人が見られないようなシステムの場合は、家にチェーンを掛けて家に入らないようにしましょう。
居留守を使っても何度も悪徳業者が訪問するようなことがあれば、警察に相談して対策を講じるのも良いでしょう。
悪徳業者から蓄電池を買ってしまった場合
悪徳業者の営業の中には、「契約するまでは帰りません。」、「この金額は今日だけの価格です。」などと言って契約を迫られる場合があります。
国民生活センターに寄せられるトラブル事例を見ても「訪問販売業者が余りのもしつこいため、契約した。」、「契約するまで帰りませんと言われたので契約した。」などがあります。
では、強引に契約されられた場合は、どうすれば良いでしょうか?
家庭用蓄電池だけでなくどの製品も契約や申し込みを無条件で解除できる仕組みがあります。
無条件で契約を解除できる仕組みのことを「クーリングオフ制度」と言います。
クーリングオフ制度とは、いったん申し込みや契約の締結をした場合でも一定期間であれば無条件で申し込みや契約を解除できる制度を指します。
クーリングオフ制度は、訪問販売(キャッチセール・アポイントメントセールスなど)の場合は申し込みや契約の締結から8日間が原則です。
クーリングオフの方法は次の通りです。
・はがきで通知する
・契約した会社に電話して契約を解除する
・メールやFAXで通知する
クーリングオフ制度は原則として契約日から8日以内が原則ですが、なかには8日以上が経過してから「騙された」と気付く人もいます。
8日以上が経過した人は、契約を解除できないのでしょうか?
訪問販売業者は、嘘をついて契約してしまった場合は契約を無条件で解除できる可能性があります。
次の内容の場合は、8日以上が経過していても契約を解除できる可能性があります。
内容 | 具体例 |
1)不実告知 | 重要な項目について事実と違うことをいう。「必ず儲かる!」といった説明を受けた。 |
2)断定的判断の提供 | 将来の変動が不確実なことを断定的にいう。 |
3)不利益事実の不告知 | 利益になることだけを言って重要な不利益になることを故意に言わない。 |
4)不退去 | 帰って欲しいと言ったのに帰ってくれなかった |
5)退去妨害 | 帰りたいと言ったのに帰らしてくれなかった。 |
6)過量販売 | 通常必要とされる以上の商品を販売された。 |
もし、自分が契約がクーリングオフできるかどうかが分からない時は、自分が住んでいる近くの消費者センターに問い合わせをしてみましょう。
※2021(令和3)年の特定商取引法の改正によって、メールやFAXでもクーリングオフの申請ができるようになりました。
※消費者センターの全国統一電話番号は、188(いやや)です。
蓄電池の悪徳業者のまとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
今回のお話をまとめると、
・蓄電池の悪徳業者は、訪問販売業者が多い!
蓄電池の訪問販売業者の多くは、お客様のことを考えて提案する会社がほとんどです。
・蓄電池の悪徳業者が契約を取るための常とう手段は、全部で3つある!
常とう手段は、「蓄電池を設置する義務がある」・「卒FITを迎えると売電できなくなる」・「蓄電池を設置すると儲かる」などです。
・蓄電池の悪徳業者か良い販売業者かを見極める基準は、全部で6つある!
見極める基準は、「名刺がない」・「即決を求めてくる」・「料金の説明がない」・「メリットしか言わない」・「不安をあおる」・「ありえない値引きをする」です。
・蓄電池の訪問販売は注意したほうがいい!
多くの訪問販売業者は、お客様のことを考えて提案する会社がほとんどですが、なかには契約を取りたいだけの会社もあります。
だまされないためには、「良い条件でも即決しない」・「不安なら契約しない」・「会社名を事前に調べる」・「会社の評判を調べる」・「会わないように居留守を使う」などを徹底すればだまされる可能性が低くなります。
・蓄電池の悪徳業者から購入してしまった場合は、クーリングオフ制度を使えば契約を解除できる!
蓄電池のクーリングオフ期間は、契約から8日以内です。
家庭用蓄電池は、注目され始めてから10年も経っていないこともあって、製品の性能や価格のことなどが世の中に出回っていない現状があります。
多くの蓄電池販売業者は、お客様ひとりひとりのことを考えて製品を提案しています。
契約を取ることだけを考えて強引に製品を売りつける悪徳業者がいることも事実です。
だまされないようにするためには、その場で契約しないことや訪問に来た訪問販売業者のことを調べることが重要です。
エコの王様にも家庭用蓄電池に詳しいスタッフが何人もいますので、悪徳業者から購入を勧められている人はどんな小さいなことでも構いませんので、お問い合わせ下さい。
お客様ひとりひとりにあった家庭用蓄電池を提案させて頂きます!
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