蓄電池の交換費用はどれくらい?交換時期や長く使うための方法
2023/08/03
「蓄電池っていつかは交換しないといけないって聞いたけど本当?」、「交換時期はいつ?」、「どれくらい費用が掛かるの?」、「交換する時に補助金は使えるの?」など家庭用蓄電池の交換に関する問い合わせが増えています。
家庭用蓄電池が本格的に販売され始めてから10年も経っていないので、現状では交換を検討している人は少ないです。
ですが、家庭用蓄電池も電化製品なのでいつかは故障して動かなくなる時期が来ます。
そこで今回は、家庭用蓄電池の交換時期や交換費用、補助金について詳しく説明します。
目次
蓄電池の交換時期はいつ?
家庭用蓄電池は、テレビや冷蔵庫と同じ電化製品のためいつかは交換時期がきます。
家庭用蓄電池には2つ交換時期があるので詳しく説明します。
蓄電池の故障
故障のなかで最も多いのが「蓄電池の停止」です。
蓄電池が停止する主な原因は次の通りです。
・電圧低下
・停電
・自然災害
・初期不良
・ショート
家庭用蓄電池が何かの理由で停止したとしても自然に運転再開されていれば問題はありません。
ですが、家庭用蓄電池が停止していたとしても「停止していることに気づかない」ケースが非常に多いです。
なかには停止していることを数日後に気づくいったケースも報告されています。
そのため、修理しても停止状態が続くようであれば蓄電ユニットの交換しなければなりません。
保証期間内であれば無償で交換してくれますが、保証期間外になれば費用が掛かります。
ですが、現状では家庭用蓄電池の本体が故障して交換したという報告は少ないです。
蓄電池の寿命
家庭用蓄電池の寿命はサイクル数で表記されている事が多いです。
サイクル数とは、充電量0の状態から満充電になって使い切るまで期間を1サイクルとしています。
2023(令和5)年8月現在販売されている家庭用蓄電池の寿命サイクル数は、メーカーや性能によって違いはありますが6,000サイクル~12,000サイクルです。
ここで気になるのが「寿命サイクル数は何年なの?」だと思います。
寿命サイクル数は、寿命年数に表し直せます。
寿命年数=寿命サイクル数÷365(1日1サイクルで稼働)
寿命年数=寿命サイクル数÷730(1日2サイクルで稼働)
寿命サイクル数が12,000サイクルの家庭用蓄電池を1日2サイクルで稼働した場合の寿命年数は、
12,000サイクル÷730=約16年
家庭用蓄電池の寿命は、故障して使えなくなるのではなく「蓄電能力の低下」を指します。
家庭用蓄電池に最も多く使われているリチウムイオン電池は、充放電を繰り返すと経年劣化する特性を持っています。
そのため、設置後毎年数%ずつ経年劣化し、蓄電能力が少しずつ低下します。
家庭用蓄電池が本格的に販売され始めて5年程度しか経っていないため、寿命が来たから交換したという事案は上がっていません。
ですが、貯められている電気が明らかに早く無くなるようであれば寿命を疑ったほうが良いでしょう。
家庭用蓄電池の寿命に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の寿命・耐用年数は?メーカー別・長期間使用するための5つのポイント
蓄電池を長く使うためには?
家庭用蓄電池は設置するのに安い製品でも1,300,000円以上の費用が掛かります。
そのため少しでも長く使いたいとみなさん思っているはずです。
少しでも長く使うための方法は、全部で2つあるので詳しく説明します。
むやみに充放電はしない
家庭用蓄電池の過度な充放電を繰り返すと寿命を縮めてしまう可能性があります。
内蔵されているリチウムイオン電池は、過放電・過充電の影響を受けやすい特徴を持っています。
充電量ゼロを続けると過放電になり電圧が下がって劣化の原因になるため、常に充電することをおすすめします。
ですが、満充電になっているのもかかわらず充電を続ける過充電も劣化の原因になります。
過充電を続けると蓄電池内が高温なってさらに劣化してしまうので注意が必要です。
2023(令和5)年7月現在販売されている家庭用蓄電池には、満充電になると充電を止める機能が付いていますが、念のため満充電のまま放置しないことをおすすめします。
家庭用蓄電池の種類に関する詳しい記事はこちら⇒家庭用蓄電池とは?その仕組みやメリット・デメリットを解説!
直射日光が当たらない場所に設置する
家庭用蓄電池に使われているリチウムイオン電池は、高温多湿な場所に設置して充放電すると劣化スピードが速くなります。
高温多湿になる場所に設置すると蓄電池内が高温になって最悪の場合、爆発する可能性があります。
また、多湿になると蓄電池が錆びて寿命を縮めてしまう可能性もあります。
そのため家庭用蓄電池は、「風通しが良い場所」、「1日を通して影になる時間が長い場所」、「家の北面」に設置する場所が望ましいです。
蓄電池メーカーのなかには、日よけプレートを販売しているところもあるので住宅環境などによって、設置場所を選べない時は上手く活用すると良いでしょう。
蓄電池の交換から設置後の費用
多くの人が気になっているのが、「交換にどれだけの費用が掛かるの?」という点だと思います。
蓄電池の交換に掛かる費用と設置後に掛かる費用について詳しく説明します。
蓄電池
家庭用蓄電池の交換費用のなかで一番大きなウェイトを占めているのが本体価格です。
交換する場合に掛かる費用は、保証期間内であれば無償で交換してくれますが保証期間外になるとメーカーや容量によって違いはありますが、770,000円~2,200,000円程度の費用が掛かります。
設置して10年以上が経過すると、蓄電ユニットだけでなく電気を変換してくれるパワーコンディショナーや充電量や放電量を確認するモニター、各種ケーブルなども寿命の可能性があります。
全ての部品を交換する場合は、本体価格にいくらかの費用が加算されます。
蓄電池の設置・工事費用
家庭用蓄電池の交換費用で本体価格の次に大きなウェイトを占めているのが工事費用です。
家庭用蓄電池の工事費用は大きく分けると、
・設置工事・・・家庭用蓄電池を設置する上で必要な工事(基礎作り、蓄電池の固定、運搬など)
・電気工事・・・電力会社の送電網や自宅内の分電盤と蓄電池を繋ぐ工事
初めて家庭用蓄電池を設置する場合の設置・工事費用は、各販売店・容量・重量によって違いはありますが220,000円~330,000円程度の費用が掛かります。
交換の場合は、基礎工事代金と電気工事が終わっているため、最初に家庭用蓄電池を設置する場合の工事代金よりも55,000円~110,000円程度安くなる可能性があります。
家庭用工事代金を交換する場合は、工事代金も大事ですが工事保証が充実しているかも見ておく必要があります。
工事保証は、本体以外の施工に使用した部材に関する販売店側の保証です。
配線が緩んで充電や放電が不十分になったり漏電したりといった、不具合に関してはメーカーではなく販売店対応になります。
工事に使用した部材の影響で家庭用蓄電池に不具合が起きた時は、販売店側が修理修繕を行います。
工事保証が付いていない場合は、一回の修理修繕で交通費・技術料を入れて不具合の場所や程度にもよりますが、55,000円~88,000円程度の費用が掛かります。
工事保証が付いていないもしくは、年数が短い販売で交換すると修理代金で大きな費用が掛かってしまう可能性があります。
そのため、家庭用蓄電池を交換する場合は長期の工事保証が付いている販売店で購入することをおすすめします。
エコの王様では、無償で10年間工事保証を付けておりますので、アフターフォローの事を気にされている人は一度問い合わせください!
※税込価格で表記しています。
メンテナンス費用
家庭用蓄電池は、屋外に設置されていることが多く雨や直射日光に当たることが多いため、長期間設置していると経年劣化と腐食、錆びなどの影響でダメージを受けます。
そのため、定期的にメンテナンスしないと寿命を縮めたり故障してしまったり可能性があります。
家庭用蓄電池を購入・設置するとメーカーの保証を受けられます。
保証内容によっては、メンテナンスが有償なのか無償なのかもメーカーによって違うため事前に確認しておく必要があります。
蓄電池メーカーや販売店によっては、有償で保証を15年に延長しているところもあるためメンテナンスを重視されたい人は保証を延長するのも良いでしょう。
蓄電池の交換費用を抑えるには補助金の導入を
家庭用蓄電池を交換する場合は、工事代込で990,000円~2,400,000円程度の費用が掛かります。
「交換でこんなに費用が掛かるんだったら交換するのを辞めておこうかな。」と感じている人も多いはずです。
家庭用蓄電池を少しでも安く購入するために最も有効なのが補助金の活用です。
2023(令和5)年8月現在、出されている家庭用蓄電池の補助金は、DR補助金とDER補助金、地方自治体の補助金です。
それぞれの補助金のついて説明します。
※税込価格で表記しています。
DR補助金
DRとは、「Demand Response(ディマンドレスポンス)」の略称で、日本語訳すると「需要応答」です。
電力というのは使用量と発電量が同じ時に同じ量であることが求められます。
需要と供給のバランスが崩れると電気の周波数が乱れてしまい、電気の供給が上手くできないことがあります。
そういった事態を未然に防ぐために発電所だけに電力の調整を任せるのではなく、需要側の家庭用太陽光発電システム・家庭用蓄電池・電気自動車やプラグインハイブリッド車に貯められている電気を活用して、需要と供給のバランスをコントロールする考え方がDRです。
DR補助金の詳細は次の通りです。
DR補助金の場合は、需給ひっ迫注意報・警報が出た場合、意図しないところで家庭用蓄電池の充放電が行われるため電気代が高くなる可能性があります。
需給ひっ迫注意報・・・電力供給の予備率が3%未満
需給ひっ迫警報・・・電力供給の予備率が5%未満
ですが、需給ひっ迫注意報・警報が頻繁に発令される可能性は極めて低く、経済的な損失よりが出る可能性は皆無です。
DR補助金は、DER補助金よりも受給額が高いため自分の意図しないところで充放電されたとてもDR補助金を受給したほうが良いでしょう。
※需給ひっ迫注意報・警報とは、2012(平成24)年に制定された電気の基準を指します。
DER補助金
DERとは、「分散型エネルギーリソース(Distributed Energy Resources)」の略称で、家庭用太陽光発電システム・家庭用蓄電池・電気自動車やプラグインハイブリッド車などで、発電・蓄電された電力をアグリゲーター(エネルギーを管理するサービスの総称)が効率良く管理・運用するシステムです。
太陽光発電システムは、季節や時間によって発電量が大きく変わります。
太陽光発電システムが発電しなくなった夕方以降は、家族が帰宅する時間になり電力需給のピークを迎えます。
そのため、夕方以降は火力発電などの大規模発電所で作られた電気を買う必要があります。
DERは、家庭用太陽光発電システムで発電された電気を無駄にせず、大規模発電所で発電された電気への依存を減らすための取り組みです。
DER補助金の詳細は次の通りです。
DER補助金も多くの補助金が出る可能性がありますが、2022(令和4)年度は大幅に予算が削減されてすぐに予算額に達したという経緯があります。
今年度DER補助金を使って家庭用蓄電池を購入したい場合は早めの検討をおすすめします。
参考資料:一般社団法人環境共創イニシアチブHP
地方自治体
住んでいる地域の自治体によっては、家庭用蓄電池の補助金を受給できる可能性があります。
各自治体の補助金のメリットは、国のDR補助金やDER補助金と併用して受給できることです。
今回は補助額が大きい東京都を例に紹介します。
国・お住まいの都道府県・市町村の補助金を受給出来れば、1,000,000円を超える製品でも数十万円程度の費用で購入できる可能性があります。
交換する場合も積極的に補助金を活用すると良いでしょう。
エコの王様では、国・全国に補助金の代理申請やお手伝いしていますので、補助金を使って家庭用蓄電池の購入・交換を検討している場合は気軽に相談下さい!
参考資料:クールネット東京HP
蓄電池交換まとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
家庭用蓄電池が本格的に販売され始めて10年経過していないため、現状では「寿命が来たから交換した。」や「故障して修理できなかったから交換した。」といった情報はほとんどありません。
ですが、寿命サイクル数が来たり故障して動かなくなったりした場合は交換しなければなりません。
メーカーの保証期間内であれば無償もしくは格安で交換してくれますが、保証期間外であれば1,000,000円以上の費用が掛かる可能性があります。
1,000,000円以上の費用が掛かるのあれば、「交換しないでおこう。」と考える人も少なくないと思います。
電気代高騰や自然災害の影響で起きる停電が毎年増えています。
そんな時に役立つのが家庭用蓄電池なので、交換時期になったら交換をしたほうがいいです。
交換費用を抑えるをためには補助金を活用するのが良いです。
いつかは交換しなければならない製品のため、今から交換費用のことを知っておいたほうがいざという時に困りません。
エコの王様では、各メーカーの家庭用蓄電池を取り扱っていますし補助金に詳しいスタッフも数多く在籍していますので、分からないことがあれば気軽に問い合わせ下さい!
エコの王様 カスタマーサポートセンター
オール電化・太陽光発電・蓄電池の専門スタッフが24時間対応いたします!