蓄電池はレンタルするべき?購入とどちらがお得なのかを検証
2021/11/22
「蓄電池を導入したいけど初期費用が高いから悩んでいる。」、「できるだけ初期費用を抑えて蓄電池を導入したい。」と思っておられる方も多いのではないでしょうか?
現在、災害対策や電気代節約のために急速に普及しているのが蓄電池です。
以前と比べると蓄電池の販売価格は、安くなったとはいえ100万円以上する製品ばかりです。
現在では、蓄電池を購入して導入する方法以外に蓄電池をレンタルして導入することができます。
そこで今回は、蓄電池のレンタルした時のメリット・デメリット、蓄電池をレンタルした場合と購入した場合にどちらが将来的にお得になるかを詳しくお話します。
目次
蓄電池はレンタルできるサービスがある
蓄電池は以前と比べると安くなったとはいえ、メーカーや蓄電容量に多少の違いはありますが100万円以上する製品ばかりです。
「一度に100万円以上を支払って蓄電池を設置するのは経済的に厳しい。」、「ローンを組んでまで蓄電池を設置するメリットがあるかが分からない。」と感じられている方も多いのでないでしょうか?
そんな方のために現在は蓄電池をレンタルできるサービスがあります。
オリックス・NEC・エプロの3社が共同出資してONEエネルギーという会社が蓄電池のレンタルを行っています。
この他にも関西電力なども蓄電池のレンタルを行っています。
※ONEエネルギー株式会社が行っている蓄電池のレンタルサービスは、東京電力管内のみです。
参考資料:ONEエネルギー株式会社HP
蓄電池をレンタルするメリット
蓄電池をレンタルするメリットは何かがみなさんも気になりますよね?
蓄電池をレンタルするメリットは全部で2つありますので、それぞれご紹介します。
初期費用が発生しない
蓄電池をレンタルするメリットの1つ目は、初期費用が掛からないことです。
蓄電池を購入する際は、蓄電池本体代金と工事代金を合わせて100万円~200万円程度の初期費用が掛かります。
ですが、蓄電池をレンタルする時は、100万円~200万円の初期費用を準備する必要が無くなります。
月々のレンタル料に工事代金も含まれているので、支払いの負担を軽くできます。
メンテナンス費用がかからない
蓄電池をレンタルするメリットの2つ目は、メンテナンス費用が掛からないことです。
テレビや冷蔵庫などの電化製品は、メンテナンスはそこまで必要ではありませんが、蓄電池は定期的なメンテナンスが必要です。
蓄電池のメンテナンスを怠ると過充放電によってリチウムイオン電池がダメージ受けて、蓄電容量が減ったりケーブルに損傷があれば漏電して電気の変換ロスや充分な充電ができなかったりします。
蓄電池をレンタルすることによって、メンテナンス費用もレンタル料に入っていますし、点検の手配なども簡単にできます。
また、蓄電池を取り外すときの廃棄に掛かる手間や費用も発生しません。
蓄電池の種類に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池は種類がたくさんあるって本当?それぞれの特徴について解説!
蓄電池をレンタルするデメリット
初期費用やメンテナンス費用が掛からないのが蓄電池をレンタルするメリットではありますが、その反面デメリットもあります。
蓄電池をレンタルするデメリットは全部で2つあるのでそれぞれご紹介します。
途中解約は違約金発生の可能性があります。
蓄電池をレンタルするデメリットの1つ目は、途中解約した時には違約金が発生することです。
蓄電池をレンタルする時は、10~15年間使うことを前提にレンタル料を決めているため違約金が発生する可能性が高いです。
違約金は、蓄電池のレンタルを行っている企業によって違いますが、契約を破棄した時点のレンタル料の残り、蓄電池本体を撤去する費用などを請求される可能性があります。
蓄電池を設置して「思うようなメリットが得られない。」という場合も途中解約をすると違約金が発生します。
蓄電池をレンタルする場合は、あらかじめ蓄電池を設置してどれくらい電気代が節約できるかを計算しておくと良いでしょう。
また、蓄電池のレンタル料を10年・20年と払ったとしても蓄電池本体が自分の物にならない点にも注意しておきましょう。
メーカーや容量が決められない
蓄電池をレンタルするデメリットの2つ目は、メーカーや容量を決めることができません。
蓄電池は、メーカー・蓄電容量・全負荷型・特定負荷型・ハイブリッド型・単機能型などを選ぶ必要があります。
蓄電池をレンタルするときは、レンタルサービスを行っている企業が持っている蓄電池しか選ぶことができません。
そのため、事前にレンタルを依頼する企業が持っている蓄電池を調べて、自分たちの希望と一致する物があるかどうかを確認しておくことをおすすめします。
蓄電池のレンタル費用
蓄電池のレンタル費用は、一体どれくらい掛かるかが気になりますよね?
蓄電池のレンタル年数は、5・10・15年です。
今回は、分かりやすく「蓄電容量11.1kWh・全負荷対応・ハイブリッド型蓄電池」を200万円(税込)でレンタルした場合の金額でご説明します。
5年間レンタル
200万円(税込)の蓄電池を5年間レンタルした場合に掛かる費用は、次の通りです。
200万円÷5年間=40万円(1年間で支払うレンタル料)
40万円÷12か月=約33,000円(1ヵ月で支払うレンタル料)
10年間レンタル
200万円(税込)の蓄電池を10年間レンタルした場合に掛かる費用は、次の通りです。
200万円÷10年間=20万円(1年間で支払うレンタル料)
20万円÷12か月=約16,600円(1ヵ月で支払うレンタル料)
15年間レンタル
200万円(税込)の蓄電池を15年間レンタルした場合に掛かる費用は、次の通りです。
200万円÷15年間=約133,300円(1年間で支払うレンタル料)
133,300円÷12か月=約11,100円(1ヵ月で支払うレンタル料金)
金額だけを見ると長期間、蓄電池をレンタルする方が1年間の支払いも月々の支払いも安くなることがわかります。
ですが、長期間蓄電池をレンタルすると出てくる問題があります。
それは、蓄電池の寿命と保証です。
蓄電池の寿命は、メーカー・電池の種類・充放電の頻度・設置場所によって変わってきますが、一般的には15~20年ぐらいが寿命と言われています。
蓄電池の寿命が近づいてくると、初期実効容量(実際に使える蓄電池の容量)が減少します。
初期実効容量が減ると使える電気の量も変わってくるので、思っていた経済効果が得られなくなる可能性が高くなります。
蓄電池の保証は、各メーカーのカタログなどを見てみると蓄電池本体保証は10年です。
この間であれば蓄電池が故障した場合、修理や交換を無償でおこないます。この保証は、蓄電池をレンタルした場合にも適用されます。
蓄電池をレンタルして蓄電池本体の交換が必要になった場合、交換費用として20~30万円程度掛かります。
そのため、蓄電池を最初にレンタルした時の金額に交換費用が上乗せされます。
蓄電池を購入した方が安くなることが多いので蓄電池をレンタルする場合は、10年間までにしておく方が良いでしょう。
蓄電池の寿命に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の寿命はどれくらい?少しでも長く使うためにやるべきこと
蓄電池をレンタルするべき人
蓄電池を購入しようとしたときに掛かる費用は、本体代と工事代を合わせると100万円以上する製品ばかりです。蓄電池のメーカーや容量によっては、200万円する製品もあります。
では、蓄電池をレンタルするべき人には、どのような共通点があるのでしょうか?
蓄電池をレンタルするべき人の共通点は次の通りです。
・蓄電池を導入する初期費用を抑えたい
・貯蓄を減らしたくない
・蓄電容量が電力量と合っている
・電気代がレンタル料を上回っている
この4点が当てはまる方は、レンタルで蓄電池を導入した方がいいかもしれません。
逆に蓄電池メーカーや容量や機能などを重視したい人は、レンタルでは蓄電池を購入した方が良いでしょう。
蓄電池を購入するべき人
蓄電池は、メーカー・容量・性能・停電時の動作などを選んで導入します。
ですが、蓄電池をレンタルした場合は、メーカーや容量は選ぶことはできません。
メーカーや容量や性能などを自分でしっかり決めたい方や契約期間や違約金などの縛りが苦手な方は蓄電池を購入することをおすすめします。
蓄電池を10年以上利用される場合は、トータルコストを考えると購入した方がお安くなる可能性が高いです。
蓄電池を購入する時の注意事項
蓄電池を購入する場合は、どうしても初期費用が掛かってしまいます。
蓄電池をレンタルではなく購入すると決めたら、少しでも蓄電池を安く、性能の良い物を購入したいですよね?
安く、性能が良く、安心できる蓄電池の販売店を選ぶ時のポイントが2つあるのでご紹介します。
相見積りを取る
少しでも蓄電池を安く購入するために必要なのが相見積りです。
少なくとも2社以上から相見積もりを取るようにしましょう。
相見積もりを取るべき理由は、蓄電池本体の費用・工事代・保証・アフターサービスを比較するためです。
蓄電池の2021年現在の本体価格は、訪問販売で1kWhあたり金額は25万円前後、ネット販売で1kWhあたり20万円前後です。これ以上安かったり高かったりすると怪しい会社なので、購入を控えておいた方がいいでしょう。
設置費用と工事代が余りにも安い場合は、工事当日に見積り以外の請求をしてきたり、お客様に黙って型落ち品の蓄電池を設置されたりする可能性があります。
保証内容を確認する
蓄電池本体の保証は、各蓄電池メーカーが付けているので大きな差がありません。
各販売店で差が生まれるのが工事保証と定期的なメンテナンスです。
工事保証とは、蓄電池本体以外の施工全体に関する販売店側の保証を指します。
蓄電池本体以外の施工に使用した部材の修理はメーカーでは行ってくれません。そのため、工事保証が付いていない場合ケーブルなどが損傷して漏電が発生したり、充放電ができなくなったりするとその都度、部品代・修理代・交通費が掛かります。修理代金は各販売店や修理箇所によって多少の違いはありますが、約3~5万円程度掛かります。
工事保証が有料にしている販売店もあります。有料であったとしても将来の事を考えて工事保証を付けておいた方が良いです。
定期的なメンテナンスも同様です。「蓄電池はメンテナンスや点検の必要がない!」と考えておられる方も多いと思います。
実は蓄電池は定期的なメンテナンスをしないと寿命より早く蓄電能力が下がってしまいます。
満充電の状態から充電を続ける過充電や、蓄電容量が0に近い状態で放電し続ける過放電を繰り返すと、リチウムイオン電池が大きなダメージを受け蓄電容量が減ります。
ですが、定期的に蓄電池状態を点検・メンテナンスをすることによって、過充電・過放電の状態に早く気付くことができるので蓄電池の寿命を延ばすことができます。
アフターフォローの手厚い販売店から購入するようにしましょう。
蓄電池の見積りに関する詳しい記事はこちら⇒【2021年最新版】家庭用蓄電池を見積りする際の注意事項について徹底解説!
蓄電池のレンタルまとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
今回のお話をまとめると、
・蓄電池をレンタルで設置することができる!
・蓄電池をレンタルするメリットは2つ!
初期費用を抑えることができる、メンテナンス費用が掛からないです。
・蓄電池をレンタルするデメリットは2つ!
途中解約すると違約金が発生することと蓄電池の容量やメーカーなどを決めることができないことです。
・蓄電池をレンタルするべき人と購入した方が良い人がいる!
蓄電池は、以前と比べると安くなったとはいえ本体費用と工事代金を合わせると100万円以上は掛かります。
初期費用やメンテナンス費用をできるだけ抑えたい方は、蓄電池をレンタルするべきです。
蓄電池をレンタルする場合はメーカーや容量などを決めることができないので、皆様のご自宅に合った製品を選ぶことができません。
金額だけを見るとレンタルする方が安いですが、蓄電池を10年以上お使いになられる場合はメンテナンス費用などのトータルコストを考えると、購入する方が安くなることが多いです。
ですが、経済状況や電気使用量は各ご家庭によって違います。
蓄電池をレンタルするにしても購入するにしてもメリット・デメリットがありますので、各ご家庭で良くご相談されて導入することをおすすめします。
⇓⇓⇓蓄電池に関するお問い合わせは下のバナーをクリック!⇓⇓⇓