V2Hはテスラに対応している?していない?事実と将来について
2021/10/11
インターネットを見ていると「テスラが日本で電気自動車の販売を開始した。」、「テスラの電気自動車の性能は?」、「テスラの電気自動車はV2H対応なのか?」などの書き込みを良く目にします。
今、全世界で電気自動車の普及が進んでいます。
そのような中で、電気自動車に貯められた電気を自宅で使ったり、自宅で電気自動車を充電したりするために作られたのがV2Hです。
テスラをはじめとする輸入電気自動車は、V2Hに対応しているのでしょうか?
今回は、テスラの電気自動車の性能と海外輸入電気自動車はV2Hに対応しているかなどを詳しくお話します!
目次
テスラの電気自動車とは??
テスラとは、2003(平成20)年に設立された、アメリカのカリフォルニア州に本社を置く自動車メーカーです。電気自動車関連商品等に特化した時代の最先端の製品を作る企業として注目されています。
テスラは、自動車関連事業だけでなくエネルギー分野などさまざまな事業を展開している企業です。
テスラの電気自動車の歴史はまだ浅く、2008(平成20)年にイギリスのスポーツカーメーカー「ロータス・カーズ」の車体に蓄電池を搭載した「テスラ・ロードスター」を発売しました。
その後、研究・開発を繰り返しながら2012(平成24)年にセダンタイプの「テスラ・モデルS」、同じ年にSUVの「テスラ・モデルX」が販売されました。
日本では、2015(平成27)年から「テスラ・モデルX」が販売され、2016(平成28)年に現行モデルの「テスラ・モデル3」が日本でも販売されています。
2019(令和元)年には、新型電気自動車「テスラ・モデルX パフォーマンス」、「テスラ・モデルX ロングレンジ」が販売されました。
電気自動車である「テスラ・モデルX パフォーマンス」、「テスラ・モデルX ロングレンジ」の販売価格は、11,100,000~13,480,000円で販売されています。
他のメーカーの電気自動車と比べると、販売価格が高いのがデメリットです。
テスラ・モデルXパフォーマンスとロングレンジの性能についてご紹介します。
車種名 | テスラ・モデルX パフォーマンス |
バッテリー容量 | 100kWh |
充電時間(200v) | 25時間 |
充電時間(100v) | 62時間30分 |
航続可能距離 | 505km |
【テスラ・モデルX パフォーマンス】
車種名 | テスラ・モデルX ロングレンジ |
バッテリー容量 | 100kWh |
充電時間(200v) | 25時間 |
充電時間(100v) | 62時間30分 |
航続可能距離 | 491km |
【テスラ・モデルX ロングレンジ】
参考資料:テスラ・モーターズ
V2Hはテスラを含む輸入車には対応していない理由
現在、フォード・ジャガー・ランドローバーなど世界を代表する自動車メーカーが、電気自動車を日本でも販売しています。
日本で最も多くV2Hを販売しているニチコンの公式サイト、「EVパワー・ステーション」を見ると、テスラとはじめとする輸入車はV2Hには対応していません。
今、全世界で電気自動車が普及している中で、なぜ輸入車の電気自動車はV2Hに対応していないのでしょうか?
輸入車がV2Hに対応していない理由についてご説明しましょう。
V2Hそのものが日本で普及している技術だから
V2Hとは、Vehice to homeの略称です。日本語訳すると「クルマから家へ」という意味です。
今までは電気自動車を家で充電することはあっても、電気自動車のバッテリーに貯められた電気を自宅で使うことは出来ませんでした。
今、全世界で脱炭素が叫ばれている中で、電気自動車に貯められた電気を自宅で使うために開発されたのがV2Hです。
V2Hは、日本の電子機器メーカーのニチコンが、2012(平成24)年に世界で初めて販売しました。
V2H技術は日本発祥のため、日本の自動車メーカーが作った1部の電気自動車にしか対応していません。
海外の電気自動車は、車側にV2H対応の技術が組み込まれていない現在は、テスラをはじめとする輸入電気自動車はV2Hに対応していません。
V2Hの歴史に関する詳しい記事はこちら⇒V2Hとは?その歴史や基礎知識・メリットなどを一挙公開!
参考資料:ニチコン EVパワー・ステーション
海外ではV2Hのかわりになるものはあるの?
電気自動車が全世界で本格的に電気自動車が販売された2010年の販売台数は、17,000台でした。
その後、順調に販売台数は伸び続け2020年には全世界で1,020万台と1,000万台を大きく超えました。
世界的に脱炭素やカーボンニュートラルが叫ばれていることもあり、電気自動車の販売台数は2030年には全世界で1億4,500万台になる見込みです。
では、世界では日本のV2Hのような設備はあるのでしょうか?
実は海外には、V2Hのような充電設備はありません。
海外では、日本のようにV2Hの技術が進んでいないこともありますが、そもそもの電気自動車に対する考え方が異なります。
日本では、電気自動車に貯められた電気を停電時に使うことを想定していますが、海外では災害が少ないこともあり電気自動車は走行させるだけの物と言う考え方が主流です。
その代わり、海外では急速充電器が普及が進んでいます。
急速充電器とは、V2Hと同様に通常電圧での充電時間の半分で電気自動車が充電出来る機器のことを言います。
世界で最も電気自動車の普及が進んでいる中国では、急速充電器が中国国内で13万1,280個、普通充電器が22万7,775個あります。
中国の次に電気自動車の普及が進むアメリカでは、急速充電器が1万3,920個、普通充電器が4万2,470個です。
ヨーロッパでも、急速充電器の規格が統一されたことを受けて、電気自動車の普及を後押ししています。
V2H技術の進む日本ではありますが、電気自動車の充電設備の普及は他の国と比べると遅いです。
2020年に経済産業者が出した「自動車が取り巻く現状化と電動化の推進について」を見てみると、V2Hを含む急速充電器が7,858台(1,800台がV2H)で通常充電器が22,536件でした。
アメリカや中国と比べると、充電設備の普及が遅れているのが分かります。
参考資料:経済産業省 「自動車が取り巻く現状化と電動化の推進について」
将来的にテスラを含む輸入車はV2Hに対応する?
2021年現在、人気のテスラを含む海外輸入車はV2Hには対応していません。
将来的に輸入電気自動車はV2Hに対応する可能性があるかどうか気になりますよね?
海外では、車側にV2Hの技術が用いられていないため対応していませんが、現在日本でも多くの輸入車や輸入電気自動車が販売されています。
日本の各自動車メーカーも2030~2040年までには、新しく販売する全ての自動車を電気自動車や燃料電池自動車にする計画を打ち出しています。
そのため、海外の輸入自動車も電気自動車や燃料電池自動車に変更される可能性は充分に高いです。
そうなってくると、海外の電気自動車も日本のV2H技術を車側に採用しないと日本での市場が守れません。
今後は海外の電気自動車もV2H対応になる可能性は高いと言えるでしょう。
V2H対応車種に関する詳しい記事はこちら⇒【2021年最新版】V2Hの対応車種を完全網羅!メーカーや車種を解説
V2Hテスラのまとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
今回のお話をまとめると、
・テスラを含む海外の電気自動車がV2Hに対応していないのには、理由がある!
V2Hは日本で開発された技術のため、海外の電気自動車側にその技術が使われていないためです。
・海外にはV2H設備はない!
海外にV2Hはありませんが、日本と比べると急速充電器や普通充電器の設置台数が多いです。
・テスラの電気自動車を含む海外の電気自動車がV2H対応になる可能性は高い!
世界情勢や日本の自動車メーカーの動きを見ていると、今後は海外の電気自動車もV2H対応になる可能性は高いと言えるでしょう。
電気自動車もV2Hも成長段階にある業界と言えます。
2021年現在は、日本を代表する自動車メーカーの電気自動車しかV2Hに対応していません。
将来的には日本で走る車の全てが電気自動車や燃料電池自動車に代わる予定ですので、海外メーカーの電気自動車もV2H対応になる可能性が高いので、今後の動向を注意して見守りましょう。
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