V2Hの機器はいくつあるの?詳しい種類について徹底解説!
2021/10/29
電気自動車の普及と共に、注目されているのがV2Hです。
V2Hは、電気自動車と家を繋ぐための重要な製品です。
まだ、V2Hは発売されて間もないこともあり詳しい情報が出回っていないのも事実です。
そこで今回は、V2Hの種類と製造しているメーカー、選ぶ時のポイントについて詳しくお話します!
目次
V2Hの機器の種類について
V2Hとは、「Vehicle to home」(ビークル トゥ ホーム)の略称で日本語訳すると「クルマから家へ」という意味で、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)に貯められた電気を自宅に給電できるシステムのことを言います。
V2Hは、大きく分けるとV2H充放電器とV2H対応電気自動車の2つに分けることができます。
それぞれについて詳しくお話します。
V2H充放電器
V2H充放電器は、電気自動車と各自宅にある分電盤を繋ぎ、電気をやり取り行うために必要な機器で、別名「電気自動車(EV)用パワーコンディショナー」と呼ばれています。
V2H充放電器は、電気自動車に貯められている直流電流を自宅で使えるように交流電流に変換する役割を担っています。
それと同時に家庭用の交流電流を電気自動車で使えるように直流電流に変換してくれる役目も担っています。
太陽光発電システムや蓄電システムのパワーコンディショナーも同じ動きをしています。
V2H充放電器は、電気自動車を蓄電池として使用する目的で開発されているため、V2H充放電器には蓄電機能はありません。
※現在、蓄電池機能を搭載したV2H充放電器も販売されています。
V2H対応電気自動車
V2H充放電器に対応している、電気自動車やプラグインハイブリッド車(PHEV)が必要です。
2021年10月現在、V2H対応の電気自動車とプラグインハイブリッド車(PHEV)は全部で8車種です。
V2H対応車種に関する詳しい記事はこちら⇒【2021年最新版】V2Hの対応車種を完全網羅!メーカーや車種を解説
V2Hの仕組みに関する詳しい記事はこちら⇒V2Hとは?家庭用電気にしてくれるその仕組みについて徹底解説!
V2Hを扱っているメーカー
2021年現在、V2Hを製造・販売しているのは、ニチコン・デンソー(DENSO)・東光高岳の3社です。
三菱電機もV2Hを販売していましたが、2021年3月に撤退しています。
ニチコン・デンソー・東光高岳のV2Hシステムについて詳しくお話します。
ニチコン
ニチコンは2012(平成24)年に、V2HシステムEVパワー・ステーションとして世界で初めて販売を開始しました。
EVパワー・ステーションは、スタンダードモデル2種類とプレミアムモデル1種類が販売されています。
販売価格は、スタンダードモデルで約430,000円(税込)~500,000円、プレミアムモデルで約880,000円(税込)です。
スタンダードモデルとプレミアムモデルの違いは次の通りです。
モデル名 | ケーブルの長さ | 停電時の動作 | 電気自動車の充電 | スマホ操作 | 保証期間 |
スタンダードモデル | 3.7m | 特定負荷 | 停電時はできない | × | 2年 |
プレミアムモデル | 7.5m | 全負荷200v対応 | 停電時も充電可 | 〇 | 5年 |
※特定負荷とは、停電時にあらかじめ決められた部屋の電気をバックアップできます。
※全負荷対応とは、停電時に家中の電気がバックアップできます。
※200v対応とは、停電時に200vの電源を必要とするエアコンやIHクッキングヒーターが使えます。
引用:ニチコン 『EVパワー・ステーション』
デンソー
デンソー(DENSO)は、愛知県刈谷市に本社を置く日本最大手の自動車部品メーカーです。また、デンソーは世界で初めてエコキュートを開発してメーカーでもあります。
デンソーが製造・販売しているV2Hシステムは、ニチコンのEVパワー・ステーションのOEM製品です。
デンソーのV2Hシステムは、ニチコンEVパワー・ステーションのプレミアムモデルと同等品です。
販売価格はオープン価格となっていますので、詳しいことは各販売店にお問い合わせ下さい。
デンソーV2Hシステムの特徴は、次の通りです。
モデル名 | ケーブルの長さ | 停電時の動作 | 電気自動車の充電 | スマホ操作 | 保証期間 |
DNEVC-D6075 | 7.5m | 全負荷200v対応 | 停電時でも充電可 | 〇 | 5年 |
※OEMとは、他社製品を製造することを指します。
引用:デンソーHP
東光高岳
東光高岳は、東京都江東区に本社を置く電子機器メーカーです。
東光高岳が販売しているV2Hシステムは、ニチコンやデンソーとは違い停電時に電気自動車へ充電する場合、給電ケーブルが必要です。
東光高岳のV2Hシステムの販売価格はオープン価格になっていますので、詳しいことは各販売店にお問い合わせ下さい。
東光高岳のV2Hシステムの特徴は、次の通りです。
モデル名 | ケーブルの長さ | 停電時の動作 | 電気自動車の充電 | スマホ操作 | 保証 |
SmanecoV2H | 3.7m | 全負荷200v対応 | 停電時はできない | 〇 | 3年 |
引用:東光高岳HP
V2H機器を選ぶ際のポイント
V2H機器を選ぶ時のポイントは、全部で4つありますのでそれぞれご説明します。
系統
私たちが家庭で使用できる電力は、各電力会社から送られてくる電気と、太陽光発電システムで発電された電気、蓄電池に貯められた電気の3種類です。
V2H機器には、同時に1つの電力しか使えない非・系統連系とすべての電気を同時に使える系統連系の2種類があります。
電気自動車のバッテリーの蓄電容量が大きいため系統連系が付いたV2H機器を選ぶと良いでしょう。
電力供給
V2Hにおける電力供給には、停電時に家中の電気をバックアップできる全負荷型とあらかじめ決めらた部屋の電気しかバックアップできない特定負荷型の2種類があります。
全負荷対応のV2Hシステムはほとんど機種で200v対応になっているので、200vの電源を必要とするエアコンやIHクッキングヒーターなども動かすことができます。
電気自動車のバッテリー容量も大きいため、選ぶなら全負荷対応のV2Hを選ぶ方が良いでしょう。
定格出力
定格出力とは、一度に出力できる電力量を指します。
現在販売されているV2Hシステムの定格出力は、3,000~6,000wです。数字が大きくなればなるほど一度に使える電化製品の数も増えます。
一度に多くの電化製品を使うことによって、電気自動車のバッテリーに貯められた電気の減りも早くなるので定格出力が大きいからといって電化製品を使わない方が良いでしょう。
全負荷型・単機能型に関する詳しい記事はこちら⇒【2021年最新版】蓄電池とは?仕組みや種類メリットデメリットを徹底解説!
各電化製品の消費電力に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の容量はどれくらいが適切?失敗しない蓄電池の選びかた
倍速充電
V2Hを導入するメリットは、電気自動車を家庭用蓄電池にして使えるようになることと電気自動車の充電時間を従来の半分でできることです。
分かりやすく説明すると、日産リーフe+(バッテリー容量62kWh)を通常のコンセントを使って充電した場合の時間は、約25時間です。
V2Hの急速充電を使って充電した場合の時間は約12.5時間です。
現在、販売されているV2Hは全機種で急速充電が付いていますので、従来の半分で満充電にすることが可能です。
電気自動車の充電を自宅ですることを考えておられる方は、通常の充電スタンドではなくV2Hを導入された方が良いでしょう。
V2Hの充電時間に関する詳しい記事はこちら⇒【2021年最新版】V2Hの対応車種を完全網羅!メーカーや車種を解説
V2Hの機器のまとめ
みなさんいかだったでしょうか?
今回のお話をまとめると、
・V2Hシステムは、V2H充放電器とV2H対応車種で構成されている!
・2021年現在、日本でV2Hシステムを販売しているのは、ニチコン・デンソー・東光高岳の3社!
・V2Hシステムを選ぶ時のポイントは、全部で4つ!
系統・電力供給・定格出力・倍速充電です。
V2Hは、電気自動車と家を繋ぐ重要な製品です。
販売されて間もない商品なので、V2Hの仕組みやメリットなどを知った上で導入されるのが良いでしょう!
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