【2022年最新版】家庭用蓄電池とは?メリットやデメリットを完全網羅!
2022/02/23
「蓄電池が良いって聞くけどそもそも蓄電池ってなに?」、「蓄電池にはどんな種類があるの?」、「なぜ今、蓄電池が必要とされているの?」など2022年に入ってから家庭用蓄電池に関するお問い合わせが増えています。
家庭用蓄電池は、製造しているメーカーもたくさんあります。
容量や性能などもたくさんあるので皆さんのご自宅に合った、家庭用蓄電池が合っているかが分からないのが現状です。
今回は、「家庭用蓄電池とはなにか。」や「蓄電池の種類」などについて詳しくお話します!
目次
蓄電池とは?
充電や放電を何度も繰り返して使える電池のことを蓄電池や二次電池と言います。
携帯電話やスマートフォン・ノートパソコン・デジタルカメラのバッテリーなどにも使われています。
今、注目されているのが携帯電話やスマートフォン・ノートパソコンのバッテリーよりも大きく停電時に家中の電気をバックアップできる容量の電池を家庭用蓄電池と言います。
蓄電池が必要な理由について
今、なぜ家庭用蓄電池が必要とされているのでしょうか?
日本では、太陽光発電システムを設置してから10年間は国が定めた売電価格で各電力会社が買い取ってくれる、固定価格買取(FIT)制度が、2009(平成21)年からスタートしました。
固定価格買取(FIT)制度が始まった2009(平成21)年の売電価格は、1kWhあたり48円(税込)でした。
高額な売電価格で買い取ってくれるということあって、日本国内で急激に太陽光発電システムの設置件数が増えました。
固定価格買取(FIT)制度がスタートしてから10年経った、2019(令和元)年11月頃から売電価格が安くなるご家庭が出始めました。
これが良く言われる「2019年問題」です。
売電価格が下がると、各電力会社によって多少の違いはありますが1kWhあたり8円(税込)~10円(税込)程度にまで下がります。2009年と比べると約8分の1程度になります。
売電価格が各電力会社から買う電気よりも安くなってしまうので、買取期間が終わったご家庭では太陽光発電システムで発電した電気を売電せずに蓄電池に貯めて、自家消費する動きが高まったため蓄電池が必要とされました。
自家消費するためだけでなく、災害の強大化によって起こる停電時の対策としても家庭用蓄電池は必要とされています。
停電時でも太陽光発電システムが稼働している日中は電気を使えますが、発電しなくなった夕方以降は停電状態になりますし、発電した電気はパワーコンディショナー(電気の変換器)の性能上、1,500wまでしか出力できないので一度に多くの電化製品をつかうとブレーカーが落ちます。
家庭用蓄電池があれば、太陽光発電システムで発電された電気や電気代の安い深夜電力を貯められるので夕方以降も電気が使えます。
最大出力も3,000w~5,900wまで出せるので、多くの電化製品を長い時間使えます。
停電時の対策としても蓄電池は必要とされています。
太陽光発電システムのパワーコンディショナーに関する詳しい記事はこちら⇒【2021年】太陽光発電にデメリット・メリットはある?設置するべき?その真実に迫る!
蓄電池のタイプについて
2022年(令和4)年現在、販売されている家庭用蓄電池には4つのタイプがあります。
各ご家庭の太陽光発電システムの設置年数や停電時にどの場所で電気が使いたいかによって、蓄電池のタイプが変わりますので特徴とメリット・デメリットについてご説明します。
単機能型
単機能型とは、太陽光発電システム用と蓄電池用パワーコンディショナーが別々になっているため、太陽光パネルメーカーを気にすることなく設置できます。
単機能型は、太陽光発電システムを設置して10年未満のご自宅や太陽光発電システムを設置していないご自宅で多く設置されています。
設置費用は、ハイブリッド型蓄電池と比べても安いので、蓄電池の設置費用を抑えられます。
太陽光発電システム用パワーコンディショナーと蓄電池用パワーコンディショナーが別々になっているので、電気を変換する際の変換ロスが多いです。
ハイブリッド型蓄電池と比べると、充電時間が倍以上の時間が掛かり停電時の出力が小さいため、多くの電化製品を1度に使えません。
単機能型は、設計段階から主な充電先を深夜電力にしているため、寿命がハイブリッド型よりも短いです。
メリット | デメリット |
・太陽光パネルメーカーに関係なく設置できる ・太陽光発電システムを設置していないご家庭でも設置できる ・ハイブリッド型蓄電池と比べて設置費用を抑えられる | ・電気の変換ロスが多い ・ハイブリッド型と比べると停電時の出力が低い ・ハイブリッド型と比べると充電に時間が掛かる ・パワーコンディショナーの設置場所が必要
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ハイブリッド型
ハイブリッド型とは、太陽光発電システム用パワーコンディショナーと蓄電池用パワーコンディショナーが一体になったシステムを指します。
ハイブリッド型蓄電池は、今から太陽光発電システムと蓄電池を一緒に設置されるご家庭や太陽光発電システムを設置して10年以上が経過したご家庭におすすめです。
太陽光発電システム用パワーコンディショナーは、太陽光パネルと並んで重要な製品です。
パワーコンディショナーは、太陽光発電システムで発電された直流電流を各電化製品に使えるように交流電流に変換する役割を担っています。
余剰電力を売電する時は、パワーコンディショナー側の電圧を電線側の電圧よりも高くする逆潮流を起こす役割も担っています。
太陽光パネルよりも役割の多いパワーコンディショナーの寿命は、10~15年と言われています。
パワーコンディショナーの交換時期に、ハイブリッド型蓄電池を設置することによって古いパワーコンディショナーが撤去できて新しくできます。
パワーコンディショナーを2つにする必要が無いので、将来的な費用を削減できます。
単機能型のように、パワーコンディショナーが別々になっていないので、蓄電池に充電する際の変換ロスを抑えられます。
メリット | デメリット |
・単機能型と比べると、電気の変換ロスが少ない ・単機能型と比べると、停電時の出力が高い ・単機能型と比べると、充電時間が短い | ・単機能型と比べると、設置費用が高額 ・太陽光パネルメーカーによっては、設置できないことがある ・太陽光パネルの保証が切れることがある |
トライブリッド型
トライブリッド蓄電システムとは、ニチコンが2018(平成30)年に販売した太陽光発電システム・家庭用蓄電池・電気自動車のバッテリーの3つの電池を、各ご家庭の生活リズムや電気の使用状況に合わせて連携するシステムを指します。
電気自動車の充電は、家のコンセントを使って充電するか太陽光発電システムで発電された電気をV2Hシステムを通して充電するかのどちらかです。
ガソリン車と比べて、燃料費が安い電気ではありますが一般の電源を使って充電をすると電気代掛かったり、太陽光発電システムから直接充電する場合は、発電しなくなった夕方以降は充電できなかったりといったデメリットがありました。
トライブリッド蓄電池システムを使えば、電気自動車に関する課題を全て解決できます。
太陽光発電システムが稼働している間にできた電気を蓄電池に充電して、夜間でも太陽光発電システムで発電された電気を使って電気自動車の充電ができるようになるので、電気代0円にすることも可能です。
太陽光発電システムで発電された電気を蓄電池や電気自動車などに充電する場合は、少しずつ変換ロスが起きますが、パワーコンディショナー・家庭用蓄電池・V2Hシステムが一体となったトライブリッド蓄電システムを使うことによって、電気自動車に充電する際の変換ロスを抑えられます。
メリット | デメリット |
・電気代0円で電気自動車の充電ができる ・電気の変換ロスが少ない ・V2Hシステムよりも電気自動車の充電時間が短い ・蓄電容量が選べる ※最大14.8kWh(7.4kWh×2)まで | ・設置費用が高額 ・トライブリッド蓄電システム対応車種少ない ※2022(令和4)年現在、対応車種は4車種。 |
スタンドアロン型
スタンドアロン型とは、英語表記に直すとStand aloneになり自立・独立・単独といった意味を持ちます。
家庭用蓄電池との違いは、パワーコンディショナーが無いことです。
パワーコンディショナーが無いため太陽光発電システムとは連携できないかわりに工事も簡単です。
配線としては、通常のコンセントから充電して各電化製品使う時に分電盤に繋ぐだけで良いので使い勝手が蓄電池と言えます。
スタンドアロン型蓄電池の代表的な製品が、キャンプなどでも良く使われる「ポータブル(移動式)蓄電池」です。
使用する前にコンセントから充電して、持っていくことによって証明やスマートフォンの充電などができます。
蓄電容量としては、2kWh~3.5kWhまでの製品があり各ご自宅の蓄電池の使用方法によって容量を選べます。
蓄電池全体の大きさもコンパクトになっているので、室内で使用する場合も設置場所を考える必要が無いといったメリットもあります。
使い方や出力などの性能は、パワーコンディショナーがあるタイプの蓄電池と比べると劣るといったデメリットがあります。
メリット | デメリット |
・持ち運びできる ・設置場所を気にする必要が無い ・設置費用を安く抑えられる ・マンションにも設置できる | ・太陽光発電システムからの充電ができない ・蓄電容量が少ない ・停電時の出力が小さい |
蓄電池の性能に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池は種類がたくさんあるって本当?それぞれの特徴について解説!
蓄電池の全負荷タイプと特定負荷タイプの違い
2022(令和4)年現在販売されている家庭用蓄電池には、全負荷型と特定負荷型の2つに分類できます。
家庭用蓄電池の全負荷型と特定負荷型では、停電時の機能も違いますし、販売価格も大きく違います。
全負荷型と特定負荷型の特徴とメリット・デメリットについて詳しくお話します!
全負荷型
全負荷型とは、停電時に家中の電気を蓄電池に貯められた電気でバックアップできるシステムを指します。
小さいなお子様やお年寄りが居られるご家庭では、停電時でも家中の電気が使えるので安心できます。
2022(令和4)年現在販売されている全負荷型蓄電池の多くは、200V対応になっている家庭用蓄電池が多いです。
200V対応とは、200V電源を必要とするエアコンやIHクッキングヒーターなども停電時でも使えるようになっています。
停電時の対策として有効な全負荷型蓄電池ですが、停電時に家中の電気をバックアップできたり、200V電源を必要とするエアコンやIHクッキングーヒーターなども使ったりできるため、蓄電池に貯められた電気を早く使い切ってしまうケースがあります。
停電時で少しでも長く蓄電池に貯められた電気を使うためには、あらかじめ使う電化製品を決めておいたほうが良いでしょう。
特定負荷型と比べても設置費用が高くなるというデメリットもあります。
全負荷型蓄電池が向いているご家庭は次の通りです。
・オール電化住宅のご家庭
・広めの2世帯住宅にお住まいの住宅
・ペットや小さなお子様・高齢者の方とお住まいのご家庭
・全館空調をご利用されているご家庭
メリット | デメリット |
・停電時に家中の電気をバックアップできる ・200V電源を必要とする電化製品も使える ・停電時にどの部屋の電気を使うかを悩まなくていい | ・特定負荷型と比べると設置費用が高額 ・家中の電気をバックアップできるため、蓄電池の充電が早く無くなる |
特定負荷型
特定負荷型とは、停電時にあらかじめ決められた部屋のコンセントからしか電気が使えないシステムを指します。
特定負荷型蓄電池は、停電時にあらかじめ決められた部屋の電気しか使えないため、使える電化製品を限定されます。
そのため、全負荷型蓄電池よりも蓄電池に貯められた電気を長く使えます。
特定負荷型蓄電池は、全負荷型蓄電池比べてラインナップも豊富なため各ご家庭にあった蓄電池を選べますし、製造する際の技術も高くないため設置費用を抑えられます。
特定負荷型蓄電池は、全負荷対応蓄電池と違い200V電源を必要とするエアコンやIHを使える対応ではないので、夏の暑い時期や冬の寒い時期に停電すると温度が調節が難しくなります。
特定負荷型が向いているご家庭は次の通りです。
・蓄電池の設置費用を抑えたいご家庭
・停電時は最低限の電気が使えれば良いご家庭
・1世帯家族
・ガスを併用しているご家庭
・ペットを飼っていないご家庭
メリット | デメリット |
・全負荷型と比べると設置費用を抑えられる ・停電時に電気を使い過ぎる心配が無い ・商品のラインナップが豊富
| ・停電時にあらかじめ決められた場所でしか電気が使えない ・使える電化製品が限られている ・エアコンやIHが使えない |
蓄電池のタイプに関する詳しい記事はこちら⇒【2021年最新版】蓄電池とは?仕組みや種類メリットデメリットを徹底解説!
蓄電池のメリット
太陽光発電システムの2019年問題以降、注目を集めている家庭用蓄電池ですが実際にどのようなメリットが得られるかが気になりますよね?
蓄電池を設置した時に得られるメリットは、全部で3つあるので詳しくお話します!
災害時に活躍する
家庭用蓄電池のメリットの1つ目は、災害時に活躍することです。
太陽光発電システムが発電している間は、災害が発生して停電になったとしても電気を使えます。
発電しなくなった夕方以降は、停電状態になるため電気が使えなくなります。
太陽光発電システムで発電された電気は、パワーコンディショナーの性能上1,500wまでしか出力できません。
そのため、一度に多くの電化製品を使うとブレーカーが落ちてしまいます。
家庭用蓄電池のメーカーや性能によって多少の違いはありますが、太陽光発電システムや電気代の安い深夜電力を貯めておけるので停電時であっても多くの電化製品を使えます。
電気代を削減できる
家庭用蓄電池のメリットの2つ目は、電気代が削減できることです。
家庭用蓄電池は、太陽光発電システムで発電された電気と電気代の安い深夜電力(23時~翌朝7時)を貯められるので、毎日の電気代を節約できます。
太陽光発電システムで発電された電気は、電力会社から電気を買っていないので電気代0円です。
日中と比べると深夜電力(23時~翌朝7時)が安い料金プランをご利用されているご家庭では、深夜の安い電気を使って蓄電池を充電して、太陽光発電システムの発電量が不十分な時や発電していない夕方以降に放電することによって、電力会社から電気を買う必要が無くなるため電気代の節約ができます。
太陽光との組み合わせで効果が発揮できる
家庭用蓄電池のメリットの3つ目は、太陽光発電システムと組み合わせることで効果を発揮することです。
太陽光発電システムは発電できても電気を太陽光パネルやパワーコンディショナーに貯められません。
家庭用蓄電池があれば、太陽光発電システムで発電して余った電気を貯めておけるので、発電した電気を無駄なく使えます。
曇りや雨の日が続くと太陽光発電システムの発電量が落ちるので、昼間の高い電気を電力会社から買う必要がありますが、家庭用蓄電池があれば事前に貯められていた電気を必要に応じて、放電することによって電気代の節約ができます。
太陽光発電システムの発電量が安定しないというデメリットを消してくれるのが家庭用蓄電池です。
太陽光発電システムと家庭用蓄電池との相性に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電と蓄電池は相性抜群って本当?その理由とメリット・デメリットを公開!
蓄電池のデメリット
電気代の節約や停電時に有効だというメリットがある家庭用蓄電池ですが、もちろんデメリットもあります。
家庭用蓄電池を設置するデメリットは全部で3つあるので、それぞれ詳しくお話します!
ある程度の費用はかかる
蓄電池のデメリットの1つ目は、費用が掛かることです。
家庭用蓄電池は、メーカー・容量・性能によって多少の違いはありますが、工事代込で100万円(税込)~200万円(税込)以上します。
メーカーによっては、商品の延長保証や自然災害補償が有償になっているところもあるため、本体価格に追加で5万円(税込)~10万円(税込)掛かることもあります。
「それだったら少しでも安い蓄電池にすればいいじゃないか!」と思われる人もいるはずです。
少しでも安く性能が良い蓄電池を買いたいと思いますよね?
価格が高過ぎたり安過ぎたりしても問題があります。
蓄電池には、1kWhあたりの適正価格があります。
2021(令和3)年~2022(令和4)年2月現在の1kWhあたりの適正価格は、訪問販売で25万円(税込)前後、ネット販売で20万円(税込)前後です。
適正価格よりも高い販売店や企業からどんな割引があったとしても購入しない方が良いでしょう。
1kWhあたり販売価格が10万円(税込)以下で提案してくる販売店から購入しないことおすすめします。
その理由は、お客様に黙って型落ち品や中古品を設置する可能性があったり、工事当日に追加料金を請求してきてトラブルになる可能性があるためです。
みなさんが自分でできる蓄電池の適正価格の求め方は次の通りです。
蓄電池の販売価格(税込)÷蓄電容量(kWh)=1kWhあたりの価格(税込)
いつかは寿命がくる
家庭蓄電池のデメリットの2つ目は、寿命です。
家庭用蓄電池の寿命とは、テレビや冷蔵庫のように壊れて使えなくなるのではなく、「蓄電容量の減少」を指します。
蓄電池に内蔵されているリチウムイオン電池は、何千回もの充放電に耐えられるように設計されています。
充放電を繰り返すことによってリチウムイオン電池がダメージを少しずつ受けて蓄電容量が減っていきます。
通常の充放電であれば、リチウムイオン電池のダメージもそれほど大きくないですが、過充電・過放電を繰り返すと大きなダメージを受けて蓄電容量が早く減る原因になります。
少しでも蓄電池の寿命を延ばすためには、充放電の回数や過充電・過放電になっていないかを確認しておくと良いでしょう。
設置スペースの問題
家庭用蓄電池のデメリットの3つ目は、設置スペースが必要なことです。
2022(令和4)年現在販売されている蓄電池はメーカーや容量によって多少の違いはありますが、エアコンの室外機ぐらいの大きさがあって重さも約100kg~約240kgあります。
重量があってサイズが大きいため、屋外に設置する蓄電池ばかりです。
自宅の周りにエアコンの室外機を設置するスペースが無ければ、蓄電池を設置できません。
家庭用蓄電池を購入する場合、訪問販売やネット販売で購入しますが商談しているときに価格や性能ばかりに目が行ってしまい、設置スペースのことをお客様も営業担当も忘れてしまうケースあるので、蓄電池の商談の前に必ず設置スペースを確認しておきましょう!
蓄電池の寿命に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の寿命はどれくらい?少しでも長く使うためにやるべきこと
蓄電池の適正価格に関する詳しい記事はこちら⇒【2021年最新版】家庭用蓄電池を見積りする際の注意事項について徹底解説!
蓄電池を設置した場合の電力が貯まる仕組み
家庭用蓄電池は、電気を貯めておけるので電気代の節約や停電時対策として有効とされています。
「蓄電池は電気が貯められるのは、分かったけど実際どのようにして電気が貯められているの?」と思う方もいるはずです。
家庭用蓄電池に電気が貯まる原理と電気を貯める方法についてご説明します。
仕組み
家庭用蓄電池の内部は、2つの電極と電解液によって構成されています。
2つの電極は性質が大きく違います。
正極(+極)は、電解液に溶けにくく、負極(-極)は電解液に溶けやすいという性質を持っています。
放電する場合は、負極(-極)側の金属が電解液に溶け出すことで、電子が負極側から正極(+極)側に流れていくことが放電です。
通常の乾電池も家庭用蓄電池と同じ仕組みですが、負極側の金属が電解液に溶け出さなくなると放電終了になります。
家庭用蓄電池は、放電と逆の方向に電気を流すことで電気を貯められる仕組みになっています。
電気を貯める方法
家庭用蓄電池に貯められている電気は、太陽光発電システムで発電された電気と同じ直流電流です。
太陽光発電システムで発電された電気は、各電化製品で使えるようにパワーコンディショナーを経由して交流電流に変換されます。
余剰電力(自家消費をして余った電気)も交流電流のため、蓄電池用パワーコンディショナーを経由して直流電流にして蓄電池に充電する方法です。
家庭用蓄電池は、太陽光発電システムで発電された電気と電気代の安い深夜電力を使って充電します。
太陽光発電システムの発電量を多いご家庭では、深夜電力の充電が減ります。
太陽光発電システムは、気候や季節によって発電量は安定しないという弱点がありますが、2022(令和4)年現在販売されている家庭用蓄電池には、AI(人工知能)が搭載されているため効率良く電気が貯められるようになっています。
AIは気象情報と連動して充電量を調整します。
天気予報が晴れの場合、深夜電力の充電量を減らして太陽光発電システムで発電された電気で充電を賄うようにします。
天気予報が曇りや雨などの場合、太陽光発電システムの発電量が確保できないため、深夜電力での充電量を増やします。
台風や気象警報が発令された場合、万が一に備えて満充電にする動きをします。
蓄電池のQ&A
2022(令和4)年に入り家庭用蓄電池のお問い合わせが毎日ようにきております。
そのなかで多くお客様から頂くご質問についてQ&A方式でお答えします。
Q蓄電池があればどれくらい電気を使えるの?
A 家庭用蓄電池のメーカーの容量や性能によって、多少の違いはありますが2~3日程度の電気を賄えます。
全負荷・特定負荷にもよって日数は変わりますし、停電時に使う電化製品の消費電力によっても使える日数は変わります。
Q蓄電池の容量はどれくらいが良いの?
A 家庭用蓄電池の容量は、太陽光発電システムの発電量によって決めると良いでしょう。
例えば、1年間で4,000KWhの発電する太陽光発電システムを塔載しているご家庭の場合、1日の自家消費量が各ご家庭によって多少の違いはありますが、約30%と言われています。
4,000kWhのうち1,200kWhが自家消費量です。
残りの2,800kWhは余剰電力になります。
1日あたりの余剰電力に直すと、約8kWhです。
蓄電池の容量は、8kWhあれば充分です。
Q蓄電池はどこに設置するのがベスト?
A 家庭用蓄電池に内蔵されているリチウムイオン電池は、高温に弱い特性があるため高温になりにくい北側に設置するのがベストです。
家の北側に設置できないご家庭の場合は、一日を通して影にならない場所や影になる時間が短い場所には設置しない方が良いでしょう。
Q豪雪地帯や海の近くでも設置は可能?
A 豪雪地帯にも海の近く、高温になる地域にも設置可能です。
気温に関しては、各蓄電池メーカーも約-20℃~約40℃まで動作温度としているので北海道や東北地方のように寒い地域にも設置できますし、沖縄地方のように高温地域にも設置可能です。
重塩害(海岸線より500m以内)地域・塩害(500m~2km以内)地域にも設置できますが、メーカーはオムロンに限られているので重塩害地域・塩害地域にご自宅があって蓄電池の設置をご検討されている人は、オムロンの蓄電池を選ぶと良いでしょう。
蓄電池の容量・各電化製品の消費電力に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の容量はどれくらいが適切?失敗しない蓄電池の選びかた
オムロン蓄電池に関する詳しい記事はこちら⇒オムロンの蓄電池は超優秀!?その特徴や人気の理由についてご紹介
蓄電池とは?のまとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
今回のお話をまとめると、
・2022(令和4)年現在、蓄電池が必要とされているのには理由がある!
・家庭用蓄電池には、4つのタイプがある!
ハイブリッド型・単機能型・トライブリッド型・スタンドアロン型です。
・全負荷型、特定負荷型の違いは、停電時に使える電気の場所が違う!
全負荷型は、停電時に家中の電気がバックアップできます。
特定負荷型は、停電時にあらかじめ決められた場所のコンセントからしか電気が使えないです。
2019(令和元)年11月頃から始まった、固定価格買取制度が終了して売電価格が下がる2019年問題や、近年の災害の大規模化によって起きる停電時の対策として注目されているのが家庭用蓄電池です。
家庭用蓄電池は、メーカー・容量や停電時の動作・パワーコンディショナーの種別によって価格が大きく変わります。
家庭用蓄電池のメーカーや性能を聞いただけではどれを選べば良いかが分からないですよね。。。
ご自分で調べるのには、限界があるので家庭用蓄電池を選ぶ時は、知識や情報を持っている専門店に相談するのが一番です。
エコの王様にも、家庭用蓄電池に詳しいスタッフがおりますので、どんな小さいなことでもお気軽にご相談下さい!
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