V2Hのダブル発電って何?基礎知識やメリットデメリットについて公開
2022/01/20
「ダブル発電ってなに?」、「太陽光発電とV2Hを使ってダブル発電した時のメリットってなに?」、「太陽光発電とV2Hを使ってダブル発電した時のデメリットはなに?」などV2Hシステムやダブル発電に関するお問い合わせがエコの王様でも増えています。
電気自動車の普及と共に注目されているのが、電気自動車に貯められた電気を自宅で使えるように開発されたV2Hシステムです。
そこで、今回は太陽光発電システムとV2Hシステムでダブル発電した場合のメリットやデメリット、そもそもダブル発電とは何かをくわしくお話させて頂きます!
目次
V2Hとは?
V2Hとは、「Vehice to home」の略称で直訳すると「クルマから家へ」という意味で、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のバッテリーに貯められた電気を自宅で使うために開発されたシステムのことを指します。
V2Hシステムが開発されるまでは、電気自動車やプラグインハイブリッド車に貯められた電気を自宅で使えませんでしたが、V2Hを設置しているご家庭では、停電時でも電気自動車などに貯められた電気を使えるようになりました。
V2Hシステムを簡単に言うと「電気の変換器」です。
電気自動車やプラグインハイブリッド車に貯められている電気は、太陽光発電システムで発電された電気と同じで直流電流です。
私たちが普段良く使っている電気や交流電流なので、直接各電化製品に使うができません。
V2Hシステムは直流電流を交流電流に変換したり、自宅で電気自動車を充電する時に交流電流を直流電流に変換する役割を担っています。
V2Hシステムの仕組みに関する詳しい記事はこちら⇒V2Hとは?家庭用電気にしてくれるその仕組みについて徹底解説!
V2Hダブル発電の条件とは?
ダブル発電とは、「家庭用太陽光発電システム(総発電量10kWh未満)と「エネファームなどの自家発電設備」を組み合わせることを指します。
自家発電設備には、お湯を沸かしている間に電気を作るエネファームや家庭用蓄電池・電気自動車も該当します。
V2Hシステムには、蓄電機能や発電機能が無いためダブル発電の条件には該当しません。
V2Hシステム対応電気自動車であれば電気自動車とV2Hシステムがダブル発電対象機器になります。
ダブル発電対象となる設備
ダブル発電対象となる自家発電設備は、全部で4つあるのでそれぞれご紹介します。
エコウィル
正式名称は「家庭用コージェネレーションシステム」で愛称がエコウィルと呼ばれています。
都市ガスやLPガスを燃料としてガスエンジンを動かして電気を作り、お湯を作ったときに出る排熱を利用してお湯を沸かしたり、排熱利用することで二酸化炭素の排出量を抑えられる給湯器として注目を集めました。
ガスを使っているときに電気を作る発電設備のため、「お湯を作っているときに電気を作る機械。」と思ってもらえると分かりやすいです。
エコウィルは2003(平成15)年から販売開始されましたが、2017(平成29)年で新規申し込みを中止されており、2019(令和元)年にエコウィルを製造していたメーカーは全て製造を終了しています。
エネファーム
エネファームとは、「エネルギー」と「ファーム=農場」を組み合わせて名付けられた家庭用の燃料電池コージェネレーションシステムです。
燃料電池と給湯器の組み合わせで、「発電」と「給湯」が一台でまかなえる自家発電設備の1つです。
エコウィルと同じような仕組みで電気が作られていますが、エコウィルとは大きな違いがあります。
エコウィルは、お湯を作っている時にしか電気を作ることができないのに対して、エネファームは都市ガスやLPガス内の水素や空気の化学反応で電気を発生させます。
発電機能が付いているため電気代の節約だけできるだけでなく、燃料電池が発電する時に出る熱を使ってお湯を沸かすので、エネルギーを無駄なく使える効率の高い給湯器です。
災害時や停電時でも自立運転を発電した電気を使えるなど、災害時に強いところが評価されています。
エネファームは、2009(平成22)年に販売されてから順調に販売台数を伸ばして、2019(令和元)年には販売台数30万台を超えました。
今後も販売台数は増え見込みの今大注目の自家発電設備です。
エネファームは、自家発電するため災害時に強いことや排熱を利用してお湯を沸かすのでエネルギー効率の高い給湯器として注目されていますがデメリットもあります。
デメリットは、設置費用の高さです。
エネファームは、本体費用と工事代金を含めて150万円(税込)が相場と言われています。
同じガス給湯器であるエコジョーズは、20~40万円(税込)程度で交換できますし、電気代の安い深夜電力でお湯を沸かすエコキュートは40万円~80万円(税込)で設置できます。
また、ガスを使って電気を作るためガス代もエコジョーズよりも高くなります。
他の給湯器と比べるとエネファームは、設置費用が高く、ガス代が高くなることを覚えておきましょう。
電気自動車
電気自動車には、電気だけで動くタイプとエネルギーと電気で走るタイプの2種類があります。
ダブル発電対象となる車種は、V2Hシステム対象になっている電気自動車とプラグインハイブリッド車です。
現在、V2H対応車種は8車種です。
三菱自動車が販売している電気自動車(プラグインハイブリッド車)は、他のメーカーに先行してダブル発電対象にならないような仕様に変更できます。
電気自動車は、他のダブル発電対象自家発電設備よりも費用が高いことやV2H対応車種でないと対象にならないので、導入する場合はV2H対応車種かどうかを確認しておきましょう。
蓄電池
家庭用蓄電池は、太陽光発電システムで発電された電気を自家消費したあとに余った電気を効率良く貯められます。
太陽光発電システムは、発電できても電気を貯められないため蓄電池が必要です。
家庭用蓄電池は、太陽光発電システムを設置して10年以上が経過すると、各電力会社が高額な売電価格で電気を買い取ってくれる固定価格買取(FIT)制度が終わった方が発電した電気を売電せずに自家消費するために開発されました。
太陽光発電システムで発電された電気だけでなく、電気代の安くなった深夜電力も貯められるので1日中電気を自家消費できるため、電気代を節約できます。
V2Hシステム対応車種に関する詳しい記事はこちら⇒【2021年最新版】V2Hの対応車種を完全網羅!メーカーや車種を解説
エネファームに関する詳しい記事はこちら⇒エネファームの評判って良い?悪い?その真実について徹底検証!
蓄電池と太陽光発電システムとの相性に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電と蓄電池は相性抜群って本当?その理由とメリット・デメリットを公開!
V2Hのダブル発電のメリット
家庭用太陽光発電システムとV2Hシステムのダブル発電によって得られるメリットは、全部で3つありますのでそれぞれご紹介します。
売電収入が増加
売電収入とは、太陽光発電システムが発電した電気を自家消費して余った電気を各電力会社に売ることによって得られる収入を指します。
2019(令和元)年までは、V2Hシステムをはじめとする自家発電設備を使ったダブル発電した場合の買い取ってくれる1kWhあたりの売電価格は、太陽光発電システム単体で発電するよりも売電価格が下がります。
ダブル発電制度が始まった2012(平成24)年は、太陽光発電システムだけで売電した場合の1kWhあたりの売電価格は34円(税込)に対して、ダブル発電を行った場合の売電価格は、1kWhあたり34円(税込)にまで下がります。
2019(令和元)年からは、ダブル発電を行った場合でも売電価格は太陽光発電システムだけで売電した場合と同じ売電金額になりました。
年度 | 太陽光発電のみ | ダブル発電 |
2012 | 42円/1kWh | 34円/1kWh |
2013 | 38円/1kWh | 31円/1kWh |
2014 | 37円/1kWh | 30円/1kWh |
2015 | 33円/1kWh | 27円/1kWh |
2016 | 31円/1kWh | 25円/1kWh |
2017 | 28円/1kWh | 25円/1kWh |
2018 | 26円/1kWh | 25円/1kWh |
2019 | 24円/1kWh | 24円/1kWh |
2020 | 21円/1kWh | 21円/1kWh |
売電価格が統一されたことによって、ダブル発電をしていたご家庭では今まで以上に売電価格を得られるようになりました。
太陽光発電システムを使われているご自宅の年間自家消費量は30%と言われています。
年間発電量が6,000kWh発電するご自宅の場合の年間自家消費量は、1,800kWhです。
6,000KWhから1,800kWhを引くと残りは、4,200kWhです。
4,200KWhに2021年の売電価格1kWhあたり17円を掛けると年間の売電収入は、71,400円(税込)です。
ダブル発電を使うことによって電力会社から買う電力量を減らせますので、売電収入は太陽光発電システムのみで売電するよりも増えます。
電気代が下がる
V2Hシステムを使うことによって毎日の電気代を節約できます。
太陽光発電システムが発電している日中は、電力会社から電気を買う必要が無くなるので電気代を節約できます。
発電しなくなった夕方以降は電力会社から電気を買う必要あるので電気代が高くなります。
太陽光発電システムが連動しているV2Hシステム(系統連系)タイプであれば、電気自動車の充電に電気代は掛かりませんし、夕方以降に必要に応じて放電することによって電気代を削減できます。
電気自動車を使用しないときは、電気の使用量が最も多い昼間に貯められた電気を使えば、ピークカットができるので電気代が節約できます。
また、電気自動車の充電を太陽光発電システムで発電された電気ではなく、電気代の安い深夜電力で充電することによっても電気代の節約できます。
天候に影響されない
V2Hシステムは、天候に左右されることなくダブル発電できます。
太陽光発電システムは、雨や曇り・積雪によって発電量が大きく変わります。
V2Hシステム対応電気自動車に貯められている電気は、天候によってバッテリーは減ることはありませんし、家庭用蓄電池のように気温の変化によって容量が減ることもありません。
太陽光発電システムの発電量が不十分なときは、電気自動車に貯められた電気を必要に応じて放電することによって電気代を抑えられます。
太陽光発電システムの売電に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電で売電できるのって本当?買取価格と買取終了後にやるべきこと
V2Hのダブル発電のデメリット
売電収入増加や電気代が節約できるなどメリットの多いV2Hシステムのダブル発電ですが、その反面デメリットもあります。
V2Hシステムのダブル発電のデメリットについてご説明します。
初期費用が高い
V2Hシステムは、設置費用がまだまだ高い状態です。
太陽光発電システムが設置されている場合の金額は、本体費用が性能や販売店によって多少の違いはありますが日本で最も販売されているニチコンV2H「EVパワー・ステーション」で見てみると、440,000円(税込)~880,000円(税込)です。
工事代金は300,000円(税込)~400,000円(税込)が相場と言われています。
合計金額は、74万円(税込)~128万円(税込)です。
太陽光発電システムと同時に設置する場合は、V2Hシステム設置費用と太陽光発電システムの設置費用が掛かります。
太陽光発電システムの発電量によって合計金額は変わりますが、約180万円(税込)~200万円(税込)以上掛かります。
設置場所が必要
V2Hシステムを設置するためには設置場所が必要です。
V2Hシステムは電気自動車を充電したり電気自動車に貯められた電気を自宅で使ったりするために開発されていますので、電気自動車が停めてある場所に設置する必要です。
家の設計上、駐車場に設置できないこともありますが、充電ケーブル(3.7m~7.5m)が届く範囲であれば設置可能です。
サイズも小さい物ではなく、ニチコンV2Hシステム「EVパワー・ステーション」であれば幅809mm×高さ855mm×奥行337mm(突起物を除く)あるので、駐車場周辺に設置する場所が必要です。
V2Hシステムの設置費用に関する詳しい記事はこちら⇒V2Hの価格はどれくらい?設置費用について徹底解説!
V2Hシステムの種類に関する詳しい記事はこちら⇒V2Hの機器はいくつあるの?詳しい種類について徹底解説!
V2Hのダブル発電のまとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
今回のお話をまとめると、
・V2Hシステムでダブル発電するためには、V2Hシステム対応電気自動車が必要!
・ダブル発電対象の自家発電設備は、V2Hシステム以外に3つある!
エコウィル・エネファーム・家庭用蓄電池です。
・V2Hシステムでダブル発電した場合のメリットは、全部で3つある!
売電収入の増加・電気代の節約・天候に左右されないです!
・V2Hシステムでダブル発電した場合のデメリットは、全部で2つある!
設置費用が高い・設置場所が必要です。
全世界で脱炭素と叫ばれているなかで、注目されているのが太陽光発電システムをはじめとした再生可能エネルギーや二酸化炭素を出さずに走る電気自動車です。
電気自動車に貯められた電気を自宅で使えるに開発されたV2Hシステムも日本国内で注目されています。
V2Hシステムと太陽光発電システムを同時に使ってダブル発電することによって、電力会社から買う電気量を減らせるで電気代の節約ができますし、売電収入も増えます。
買う電気量が減れば、二酸化炭素の排出量も減らせます。
メリットの多いV2Hシステムを使ったダブル発電ですが、設置費用がまだまだ高いことや設置場所が必要などの課題も残っています。
エコの王様には、V2Hシステムに詳しいスタッフがおりますので、メリット・デメリットについて分かりやすくご説明させて頂いております。
V2Hシステムの導入をご検討されているお客様は、お気軽にエコの王様にお問い合わせ下さい!
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