オムロンのV2X KPEP-Aシリーズの特徴や価格・補助金について解説!
2023/07/01
「オムロンが開発したV2Xシステムってどんな製品なの?」、「そもそもV2Xってなに?」、「特徴やメリットが知りたい。」、「販売価格や補助金対象なのかが知りたい。」などオムロンが開発したV2Xシステムに関する問い合わせが増えています。
電気自動車やプラグインハイブリッド車の普及と共に、V2H・V2Xシステムへの注目度が増しています。
そこで今回は、オムロンが開発したV2Xシステムの特徴・メリットだけでなく、販売価格や補助金などについても詳しく説明します!
目次
オムロンV2XシステムKPEP-Aシリーズとは?
V2XのKPEP-Aシリーズとは、オムロンが2023(令和5)年5月から受注を開始したシステムを指します。
V2Xとは、「Vehicle to X」(ビークルトゥエックス)の略称で、車と「何か。」を繋ぐシステムを指します。
「V2H(Vehicle to homeの略称)」や「V2L(Vehicle to Loadの略称)」といった電気自動車やプラグインハイブリッド車と何かを繋ぐシステムと同じです。
2050年カーボンニュートラル実現に向けて、2035(令和17)年までの新車販売台数が電気自動車・プラグインハイブリッド車で100%にすることを政府が目標として掲げています。
そのため、電気自動車やプラグインハイブリッド車の普及が進むと見込まれています。
自然災害が多い日本では、電気自動車やプラグインハイブリッド車に貯められている電気を自家消費用としてだけでなく非常用電源として使う考えも進んでいます。
そのようなこともあって、オムロンが受注を開始したV2Xは注目されています。
※V2Hとは、電気自動車やプラグインハイブリッド車と家を繋ぐシステムを指します。
※V2Lとは、電気自動車やプラグインハイブリッド車に貯められている電気を各電化製品に給電するシステムを指します。
V2Hに関する詳しい記事はこちら⇒V2Hとは?家庭用電気にしてくれるその仕組みについて徹底解説!
V2Lに関する詳しい記事はこちら⇒V2HとV2Lって何?その特徴や違いについてを解説!
オムロンV2XのKPEP-Aシリーズの特徴は?
オムロンが受注を開始したV2XシステムKPEP-Aシリーズには、全部7つの特徴があるので詳しく説明します。
サイズが小さい
オムロンは、家庭用蓄電池の分野でも国内トップクラスのシェアを誇っています。
オムロンの家庭用蓄電池が人気の理由は、「小型軽量化」されていることです。
他社のV2Hシステムは、コンクリートや専用のエコベースで基礎が作られた上に設置されていますが、オムロンのV2XシステムのEVユニットは、壁掛け設置ができます。
そのため、駐車場が狭い所や狭小地域への設置も可能です。
V2Hの施工方法に関する詳しい記事はこちら⇒【2022年最新版】V2Hの施工方法や本体の選びかたについてを詳しく解説!
どのメーカーの太陽光パネルも対応可能
他社のV2H・V2Xシステムは、ハイブリッド型と呼ばれる家庭用太陽光発電システムとV2H・V2Xシステム用のパワーコンディショナーが一体になっている製品が多いため、太陽光パネルメーカーによっては、設置できない可能性もあります。
ハイブリッド型のパワーコンディショナーが太陽光パネルメーカーによって、V2H・V2Xシステムが設置できない理由はPIDです。
PIDとは、電気自動車やプライグインハイブリッド車に貯められている電気が逆流して太陽光パネルを故障させてしまう現象を指します。
それに対してオムロンKPEP-Aシリーズは、単機能型と呼ばれる家庭用太陽光発電システム用とV2Xシステム用のパワーコンディショナーが別々になっているシステムです。
そのため、太陽光パネルメーカーや設置年数・家庭用蓄電池の有無に関係無く設置できます。
オムロンの家庭用蓄電池に関する詳しい記事はこちら⇒オムロン蓄電池の特徴は?相場や口コミを解説!
全負荷型と単機能型の違いに関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の種類は?特徴や用途・家庭用産業用についてを比較!
スマートフォンでモニタリングできる
オムロンKPEP-Aシリーズは、専用のV2X用ゲートウェイを設置してスマートフォンに専用アプリをダウンロードすれば、家の外からモニタリングして電気自動車やプラグインハイブリッド車の充電・放電が可能です。
急用で自家用車が必要になったときに、電気自動車やプラグハイブリッド車の充電ができますし、貯められている電気を必要に応じて放電する指示も遠隔でできます。
また、家の外から充電量も見られるので電気自動車やプラグインハイブリッド車の充電量が足りないと感じたら操作できます。
<充放電モニタリングイメージ>
壁掛け可能
オムロンKPEP-Aシリーズは、EVユニット(V2Xユニット)を壁掛け設置できます。
オムロン以外のV2H・V2Xシステムは、充電ユニットは本体重量が軽い製品でも約60kgあるため基礎を作って設置します。
それに対してKPEP-Aシリーズは、重さが約26kgしか無いため壁掛け設置できます。
軽量化されているため、壁掛け設置しても圧迫感がない設計になっています。
<EVユニット壁掛け設置イメージ>
スタンド取り付け可能
オムロンKPEP-Aシリーズは、EVユニット(V2Xユニット)の設置方法が自由に選べます。
電気自動車やプラグインハイブリッド車を駐車しているところに壁がなければ、別売のEVユニット用自立スタンドに取付できます。
自立用スタンドもスリムに設計されているため設置したとしても、圧迫感もありませんし電気自動車やプラグインハイブリッド車の駐車する時も邪魔にならない設計になっています。
<自立スタンド設置イメージ>
コネクタの位置調整ができる
オムロンKPEP-Aシリーズは、充電コネクタの設置場所を調整できます。
V2H・V2Xシステムは、充電コネクタが本体の右側・左側のどちらかにしか設置できませんでした。
それに対して、KPEP-Aシリーズは本体の右側・左側どちらでも充電コネクタを設置できます。
充電コネクタの設置位置を調整できるため、電気自動車やプラグインハイブリッド車の充電口に合わせて設置できます。
どのような場所でもEVユニットを設置できます。
コネクタの分離ができる
オムロン以外のV2H・V2Xシステムは、本体がある場所からしか充放電できませんでした。
それに対して、オムロンKPEP-Aシリーズは充電コネクタとEVユニットが分離できます。
EVユニットと充電コネクタを分離できるため、身長や電気自動車やプラグインハイブリッド車の駐車場所など各自宅の環境に合わせて「ちょうどいい場所」に設置できます。
オムロンV2XのKPEP-Aシリーズを選ぶメリットは?
オムロンV2XシステムKPEP-Aシリーズを選ぶメリットは、全部で5つあるので詳しく説明します!
コンパクトだから狭い家でも設置ができる
オムロンの家庭用蓄電池は、小型化されているため設置場所を気にすることなく設置できます。
「小型化」という部分は、今回のKPEP-Aシリーズにも活かされています。
KPEP-AシリーズのEVユニットの大きさは、幅546mm×高さ788mm×奥行246mmです。
V2H・V2Xシステムのなかで最も売れているニチコンV2Hシステム「EVパワーステーション」の大きさは、幅809mm×高さ855mm×奥行337mmです。
KPEP-Aシリーズであれば、狭小地域にも対応しているためEVパワーステーションが設置不可の場合でも安心して設置できます。
<EVパワーステーション>
<KPEP-AシリーズEVユニット>
壁掛けに対応しているので邪魔にならない
オムロンKPEP-Aシリーズ以外のV2H・V2Xシステムは、重量があるためコンクリートや専用のエコベースの上に設置します。
そのため、電気自動車やプライグインハイブリッド車を駐車する時に邪魔になったり、通行の邪魔になったりすることがあります。
それに対してオムロンKPEP-Aシリーズは、EVユニット(V2Xユニット)を壁掛け設置できます。
設置後も邪魔になりませんし、狭小地域などに住んでいても設置可能です。
操作性に優れている
オムロンV2XシステムKPEP-Aシリーズは、停電時の操作性に優れています。
KPEP-Aシリーズは以外のV2H・V2Xシステムは、停電が発生するとシステム自体がダウンしてしまいます。(ニチコンプレミアムPlusモデルを除く)
停電が発生すると電気自動車やプラグインハイブリッド車とV2H・V2Xシステムを繋いで給電します。
そこから各電化製品が使えるようになるため、時間が掛かります。
また、メーカーによっては給電開始ボタンなどを押してからでないと、電気が使えないケースもあります。
それに対して、KPEP-Aシリーズは全負荷用分電盤が標準設置されているため、停電発生後数秒で電気が使えるようになります。
停電解消後は自動で通常運転に戻りますし、暗い中で作業がないため安全性も確保できます。
プレミアムPlusモデルに関する詳しい記事はこちら⇒V2Hプレミアムplusの性能や価格は?NEWモデル誕生
10年の長期保証
他のV2H・V2Xシステムの保証期間は、メーカーによって多少の違いはありますが、1年~5年程度です。
それに対して、KPEP-Aシリーズは10年保証が付いています。
保証期間内であれば、製品に不具合が発生したオムロンが無償で修理してくれますし、修理できない場合は製品ごと無料で交換してくれます。
※自然災害が原因で故障した場合は保証対象外になります。
V2H・V2Xシステムの寿命に関する詳しい記事はこちら⇒V2Hの寿命はどれくらい?長期間使い続けるためにやるべきこと
全国140拠点から駆け付ける
オムロンは全国140カ所にサービスセンターがあります。
サービスセンターは、各都道府県にあって北海道や沖縄などの離島や寒冷地にもあるため、トラブルや修理などの問い合わせがあったとしても迅速な対応ができます。
10年の長期保証と合わせてKPEP-Aシリーズのアフターフォローとして注目されています。
オムロンV2XのKPEP-Aシリーズと他社商品のサイズの違いは?
2023(令和5)年7月現在、V2H・V2Xシステムを販売しているメーカーは、「オムロン」、「ニチコン」、「DENSO」、「東光高岳」、「Panasonic」の5社です。
各メーカーのV2H・V2Xシステムのサイズについて詳しく紹介します。
<ニチコン プレミアムモデル>
<DENSOV2Hシステム>
<東光高岳V2Hシステム>
<PanasonicV2Hシステム>
※DENSOのV2Hシステムは、ニチコンのOEM(他社製品を自社ブランドとして製造販売すること)製品として販売されています。
ニチコンのV2Hシステムに関する詳しい記事はこちら⇒ニチコンのV2Hってどう?「EV・パワーステーション」について解説
東光高岳のV2Hシステムに関する詳しい記事はこちら⇒東光高岳のV2Hの特徴は?種類や性能についてを解説!
DENSOのV2Hシステムに関する詳しい記事はこちら⇒V2Hのおすすめメーカー3選!人気売れ筋商品や選びかたを紹介!
PanasonicのV2Hシステムに関する詳しい記事はこちら⇒パナソニックV2Hシステムeneplatとは?特徴やメリットを解説!
オムロンV2XのKPEP-Aシリーズの商品詳細
オムロンV2XシステムのKPEP-Aシリーズは、「V2X用パワーコンディショナー」、「EVユニット(V2Xシステム)」、「V2X用ゲートウェイ」の3つから構成されています。
それぞれの商品詳細について説明します。
V2X用パワーコンディショナー
V2X用パワーコンディショナーとは、簡単にいうと電気の変換器です。
電気自動車・プラグインハイブリッド車に貯められた直流電流を各電化製品で使えるように、交流電流に変換する製品です。
EVユニット(V2Hシステム)で電気自動車やプラグインハイブリッド車を充電する際に、最大6,000Wまで出力できるので充電スタンドのように3,000Wまでしか出力できない製品と比べると半分の時間で充電できます。
停電時にも最大6,000Wまで出力できるのため一度に多くの電化製品が使えますし、全負荷200V対応しておけば家中の電気をバックアップしながらエアコンやIHといった200V電源を必要とする電化製品も使えます。
V2X用パワーコンディショナーの詳細は次の通りです。
<V2X用パワーコンディショナー>
EVユニット(V2Hシステム)
EVユニットは、V2H・V2Xシステム業界では最小最軽量のシステムです。
そのため、小型軽量化されているため壁掛け設置できますし、自立用スタンドもスリム化されているため狭小地域にも設置できます。
また、自宅の立地条件に合わせて充電コネクタを別で設置できますのでさまざな条件に合わせられます。
EVユニットの詳細は次の通りです。
<EVユニット(V2Hシステム)>
V2X用ゲートウェイ
V2X用ゲートウェイは、標準装備されている外部と通信するために必要な機器です。
V2X用ゲートウェイがあれば、自宅外から電気自動車・プラグインハイブリッド車の充放電の指示ができますし、充電量なども見られます。
また、オムロンがV2X用ゲートウェイを通して、各製品に不具合が無いかなどを遠隔でモニタリングしています。
異常があった場合は、オムロンから契約者にメールを送信して異常を知らせます。
V2X用ゲートウェイの詳細は次の通りです。
<V2X用ゲートウェイ>
オムロンV2XのKPEP-Aシリーズの価格は?
オムロンV2XシステムKPEPシリーズは本格的に販売が始まっていないため、どの販売店も価格が決まっていないのが現状です。
カタログを見てみるとV2Xシステムとケーブル等の必要部材を入れると、メーカーの小売希望価格は1,852,400円です。
各販売店とも販売する場合は、小売希望価格よりかは安くなる傾向にあります。
そのため、実際の販売価格は1,250,000円~1,350,000円程度になるのではないかと予想されています。
※塩害地対応の製品を購入する場合は、金額が高くなります。
※税込価格で表記しています。
オムロンV2XのKPEP-Aシリーズの補助金はあるの?
オムロンV2XシステムKPEP-Aシリーズは、各種補助金の対象機種です。
各種補助金のなかで最も受給しやすい一般社団法人次世代自動車振興センター(NeV)が出しているCEV補助金の内容は次の通りです。
本体・・・750,000円(上限)
工事代・・・400,000円(上限)
合計:1,115,000円
KPEP-Aシリーズであれば実質負担額が135,000円~235,000円で済むため、多くの家庭で普及すると見られています。
※2023(令和5)年度CEV補助金は、申請が終了しています。
※工事代金の補助金は、工事内容や設置場所によって変わるため400,000円満額受給できる訳ではありません。
※補助金は、税抜価格で支給されます。
V2Hシステムの補助金に関する詳しい記事はこちら⇒2023年V2Hの補助金はいつからいつまで?申請方法や注意事項を解説!
参考資料:一般社団法人次世代自動車振興センター(NeV)HP
オムロンV2Xのまとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
今回のお話をまとめると、
・KPEP-Aシリーズとは、2023(令和5)年にオムロンが販売を開始したV2Xシステムのこと!
・KPEP-Aシリーズの特徴は、「サイズが小さい。」、「他社太陽光パネルも対応可能。」、「スマートフォンでモニタリングできる。」、「壁掛け設置可能。」、「スタンド取り付け可能。」、「充電コネクタの場所が調整できる。」、「コネクタが分離できる。」の7つ!
・KPEP-Aシリーズのメリットは、「コンパクトだから狭い家にも設置できる。」、「壁掛けに対応しているので邪魔にならない。」、「操作性に優れている。」、「10年の長期保証。」、「全国140拠点から駆け付ける。」の5つ!
・KPEP-Aシリーズは、他社のV2X・V2Hシステムよりも小型軽量化されている!
・KPEP-Aシリーズの販売価格は、1,250,000円~1,350,000円ぐらいになる予想!
・KPEP-Aシリーズは、補助金対象機種!
オムロンが開発したV2XシステムKPEP- Aシリーズは、業界最小最軽量された製品として注目されています。
また、各社の家庭用太陽光発電システム・家庭用蓄電池との相性も抜群です。
電気自動車やプラグインハイブリッド車に貯められている電気を効率良く放電すれば、電気代節約や停電対策製品としても有効です。
エコの王様でもオムロンKPEP-Aシリーズを取り扱っておりますので、検討されている人は是非一度エコの王様に問い合わせ下さい!