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太陽光の売電が始まらないのはなぜ?その理由やスタート方法を解説

2023/05/15

「太陽光発電を設置したのに売電が始まらないって聞いたんですが、本当ですか?」、「太陽光発電の設置と売電を同時期に開始する方法はあるんですか?」、「将来、売電出来なくなるって聞いたけど本当?」、「売電期間が終わってしまったら売電できなくなるんですか?」など、売電全般に関する問い合わせが増えています。

太陽光発電システムで発電した電気を売電するためには、申請が必要だったのはみなさんご存知だったでしょうか?

実は売電申請して認可されるまでには長い時間を要することがあります。

今回は、なぜ太陽光発電システムを設置してすぐに売電が始まらない理由について詳しく説明します!

 

太陽光発電は設置後すぐには始まらない理由

太陽光発電システムを設置したとしても売電がすぐに始まらないといったケースがあります。

「太陽光発電を設置したのになぜ売電がすぐに始まらないの?」と感じている人も多いはずです。

太陽光発電システムを設置してすぐに売電が始まらない理由が、全部で2つあるので詳しく説明します。

 

売電の申請をしないといけない

太陽光発電システムを設置したらすぐに売電が始まると考えている人も多いですが、実際のところはそういう訳ではありません。

売電するためには、固定価格買取(FIT)制度に基づいた申請が必要になります。

申請するためには、多くの証明書・申請書が必要だったり国や電力会社が申請内容に間違いが無いかなどを確認する作業も多いため、申請に時間が掛かります。

一般的には太陽光発電システムの売電申請は、販売店もしくは施工店が行うためスムーズですが、もし自分で申請する場合は事前にどのような書類が必要なのかなどを確かめておきましょう。

 

認定まで時間がかかる

申請が終わったからといってすぐに売電が開始される訳ではありません。

以前から設備認定(事業計画認定)の認可までに1ヵ月~2ヵ月程度掛かるのが問題視されていました。

2023(令和5)年現在では、事業計画認定の認可が下りるまでに3ヵ月~6ヵ月程度掛かるようになりました。

ここで気になるのが「設備認定」と「事業計画認定」だと思います。

設備認定と事業計画認定の違いは次の通りです。

・設備認定・・・太陽光発電システムの「安全性」を主にチェックする

・事業計画認定・・・太陽光発電システムの「安全性」だけでなく「発電量」、「10年以上の稼働可能かどうか」などをチェックする

設備認定だった時は、太陽光発電システムの安全性が確保できていれば認可されていました。

基準も甘かったため特に産業太陽光発電システム(総発電量10kW以上)において採算が取れないような土地への認可が進みました。

その結果、売電が始まっているのにもかかわらず発電していない家庭や事業者が増えてしまい、国が想定していた発電量に到達しないという問題が発生しました。

そのため、審査が厳しくなって時間が掛かるようになりました。

産業用太陽光発電システムに関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電投資は失敗する?リスクやメリットを解説!

 

 

太陽光発電の売電の申請からスタートまでの期間

エコの王様にも「太陽光発電を設置して実際に売電がスタートするまで、どれくらいの期間が掛かるんですか?」という問い合わせが増えています。

太陽光発電システムの売電申請して売電が開始するまでには、いくつかの項目があります。

それぞれの項目にどれくらいの期間が掛かるかを説明します。

 

太陽光売電の契約

太陽光発電システムの契約(購入)は、売電申請をする前に行われます。

太陽光発電システムの契約までの流れは次の通りです。

1.太陽光発電システムの見積依頼

2.現地調査

3.見積り(相見積もりを含む)

4.契約

5.設置工事

太陽光発電システムが本格的に販売され始めた2009(平成21)年頃と比較して見ると、販売価格は半額以下に下がりましたが100万円を超える場合も少なくありません。

設置費用を抑えるために3社以上から相見積もりを取って検討するため、契約までに1週間~2ヵ月程度の時間が掛かるケースがほとんどです。

太陽光発電システムの設置費用に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電の設置費用はいくら?相場感や補助金について解説!

 

申請の届け出

太陽光発電システムの売電が開始されるまでに最も時間が掛かるのが申請の届け出です。

申請内容には、「電力契約」・「事業計画認定」・「竣工登録」の3種類があります。

 

電力契約

電力契約とは、電力会社の電気系統と太陽光発電システム設備とを連携する契約を指します。

太陽光発電システムを設置してから電力契約が完了するまでに約1週間~約2週間程度の時間が掛かります。

なぜ1週間~2週間程度の時間が掛かる理由は、環境整備するためです。

各電力会社は、申請を受けると電力会社は契約住居から電気を買うための環境整備します。

併せて、申請された太陽光発電システムの安全性や供給バランスを確認する必要があります。

電気の供給バランスは住んでいる地域全体に大きな影響を与えるため、慎重に手続きが進められます。

申請の繁忙期を迎えるころは、1ヵ月以上掛かる場合もあるため、設置すると同時に売電を始めたい場合は時間に余裕を見て申請するようにしましょう。

 

事業計画認定

事業計画認定申請は2020(令和2)年までは「設備認定」と呼ばれていました。

そもそも設備認定(事業計画認定)とは、太陽光パネルやパワーコンディショナー・架台といった発電設備が法律(FIT法)を定める要件に適応しているかどうかを経済産業省が確認作業を指します。

また、売電申請すると同時に経済産業省に事業計画認定申請も行う必要があります。

家庭用太陽光発電システム(総発電量10kW未満)の事業計画認定申請に必要な書類は次の通りです。

・登記簿謄本

・建物所有者の同意書

・構造図

・配線図

・接続の同意を証する書類の写し(電力会社から送付されます。)

・委任状および印鑑証明書(本人以外が手続きする場合)

・太陽光発電システムのレイアウト

・電力会社の電力契約書

事業計画認定申請は経済産業省側も確認することが多いため、認可されるまでに1ヵ月~半年程度の時間が掛かります。

また、今までは電力契約と設備認定が同時にできていましたが、事業認定計画になってからは電力契約を先にしないと次の申請ができなくなったため時間がさらに掛かるようになりました。

太陽光発電システムの売電価格の締め切りが近い時期になると、申請数は増えるため認可までに最大半年以上掛かることもあるため、時間に余裕を持って書類の準備などが必要です。

※産業用太陽光発電システム(総発電量10kW以上)を申請する場合は、追加書類が居る可能性があります。

売電の締切期間に関する詳しい記事はこちら⇒2023年最新版!太陽光発電の売電価格は?手続きや終了後にやるべきこと

参考資料:経済産業省HP

 

竣工登録

竣工登録とは、設置工事終了後に施工店・販売店が電力会社に出す申請を指します。

設置工事終了後にしか提出できないため、時間が掛かる可能性があります。

施工店や販売店が竣工登録を提出したあとに各電力会社は、売電するための「売電メーカー」設置する流れになっています。

竣工登録を提出してから電力会社が売電メーターを付けに来るまでの期間は、繁忙期であったとしても1週間~2週間程度です。

売電メーターが取り付けられた日から売電がスタートします。

 

太陽光売電の設置

家庭用太陽光発電システムの設置は、メーカーやパネルの種類によって多少の違いはありますが、納品されるまでに2週間~1ヵ月程度の時間が掛かります。

設置工事に関しては屋根に載せる太陽光パネルの枚数や立地条件・気候によって多少の違いはありますが1日~3日程度で終わります。

 

売電がスタート

太陽光発電システムの売電に関する申請、設置工事が終わって施工店から電力会社に竣工登録を送付すれば売電開始まで約1週間~2週間程度です。

太陽光発電システムの契約から売電開始までに1ヵ月~最大半年以上は掛かる可能性があります。

太陽光発電システムの設置と売電を同時期に行いたい場合は、太陽光発電システムを契約した段階に販売店や施工店に「売電申請の認可が決定してから設置したい。」と申し出るようにしましょう。

そうすれば、施工店や販売店は先に申請しますので、売電申請の認可が下りたと同時に設置工事してくれます。

 

太陽光発電の売電の仕組みについて

太陽光発電システムの売電の仕組みは、家庭用と産業用で違います。

家庭用と産業用の売電の仕組みの違いを説明します。

 

家庭用

家庭用太陽光発電システムとは、総発電量が10kW未満のシステムを指します。

家庭用太陽光発電システムの2023(令和5)年度の売電価格は、1kWhあたり16円で売電期間は10年間です。

また、家庭用太陽光発電システムの売電方法は、「余剰買取」と「全量買取」の2種類があります。

余剰買取とは、太陽光発電システムで発電された電気を自家消費して余った電気を電力会社に買い取ってもらう方法です。

全量買取とは、太陽光発電システムで発電された電気を自家消費せずに全て電力会社に買い取ってもらう方法です。

2023(令和5)年5月現在、全量買取より余剰買取を選んでいる家庭が多いです。

余剰買取の場合は、家にも電気を送電できるため家庭用蓄電池を設置できますが、全量買取は家に電気を送電できないので家庭用蓄電池を設置できないといった違いがあります。

※税込価格で表記しています。

太陽光発電システムと家庭用蓄電池の相性に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電と蓄電池のセットは元が取れる?仕組みや電気の動きについて解説!

 

産業用

産業用太陽光発電システムとは、総発電量が10kWを超えるシステムを指します。

さらに産業用太陽光発電システムは総発電量が10kW~50kW未満、50kW~250kW未満に分けられます。

総発電量によって売電価格も変わります。

・10kW~50kW未満・・・1kWhあたり10円

・50kW~250kW未満・・・1KWhあたり9.5円

売電期間は、20年となっていて家庭用太陽光発電システムよりも長くなっています。

10kW~50kW未満に関しては自家消費を30%しなけれればなりませんが、家庭用太陽光発電システムと同様に余剰買取と全量買取を選べます。

※税込価格で表記しています。

 

太陽光発電で売電ができなくなるとは?

太陽光発電システムを設置してから10年間(産業用は20年間)は、国が定めた売電価格で電気を買い取ってくれる固定価格買取(FIT)制度があります。

売電制度がスタートしたのは、2009(平成21)年からです。

家庭用太陽光発電システムの売電が終わる家庭が2019(令和元)年頃から順次出始めました。

そこで、「太陽光発電の売電は10年経ったら出来なくなる。」という噂が出ました。

実際のところは、売電価格は毎年1円~2円程度下がって来ていますが、売電はできます。

今後も太陽光発電システムの売電価格は下がっていく見通しになっていますが、2024(令和6)年度の売電価格は、今年度と同じ1kWhあたり16円になると通知が来ています。

そのため、今後も太陽光発電システムの売電制度は続くと考えて良いでしょう。

※税込価格で表記しています。

 

卒FITになっても売電はできる?

卒FITとは、家庭用太陽光発電システムで発電された電気を電力会社が買い取ってくれる固定価格買取(FIT)制度が終了して売電価格が下がり始める家庭を指します。

卒FITが出始めたのが、2019(令和元年)の11月からで、「2019年問題」とも呼ばれています。

卒FITを迎えると電力会社によって変わりますが、1kWあたり7円~9円程度にまで下がります。

日本で最も早く売電を開始した自宅の売電価格は、1kWhあたり48円だったので約6分の1程度にまで下がっていることが分かります。

ここで気になるのが「売電価格が下がったことは分かるけど、このまま売電を続けられるのか?」ということだと思います。

売電を続けられるかどうかの答えは、「売電できる。」です。

売電価格は各電力会社によって違います。

卒FIT後の売電価格は次の通りです。

大手電力会社だけでなく新電力を提供する電力会社や企業も卒FIT後の電気を買い取ってくれるところもあります。

売電価格は、電力会社・企業によって違いますが 1kWhあたり11円~22円程度買い取ってくれるところありますので、これから卒FITを迎える自宅は、事前に調べておくと良いでしょう。

卒FIT後の売電に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光の売電は11年目以降どうなる?卒FITの問題や対応について

 

太陽光売電始まらないのまとめ

みなさんいかがだったでしょうか?

今回のお話をまとめると、

・太陽光発電システムを設置してすぐに売電が始まらない理由は、「申請しないと売電できない。」と「認定までに時間が掛かる。」の2つ!

・太陽光発電システムの売電申請をして売電開始までの期間は、3ヵ月~半年程度掛かる!

・太陽光発電システムの売電の仕組みは、家庭用と産業用で違う!

・太陽光発電システムの売電は今後も続く見込み!

・卒FIT後も売電はできる!

太陽光発電システムは発電した電気を売電できるメリットがあります。

売電が開始されるまでには申請しないできないことや認可まで時間が掛かることを知らない人がほとんどです。

ですが、太陽光発電システムの設置と売電を同時期に開始させることは可能です。

エコの王様には、売電申請のスペシャリストが数多く在籍しておりますので、売電のことで分からないことがあればいつでもご相談下さい!

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この記事を書いた人: 清家 和馬
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