蓄電池の工事費用は?手順や時間・業者選びについて解説!
2022/10/10
「蓄電池の見積書を見てみると工事代金と書かれているけど実際の内訳はどうなの?」、「蓄電池を設置するまでに掛かる時間は?」、「蓄電池の販売業者選びのポイントはなんですか?」など、家庭用蓄電池の工事代や設置までに掛かる時間や販売業者選びについての問い合わせが増えています。
今回は、家庭用蓄電池の工事費用の内訳や設置まで掛かる時間、安心できる販売業者選びのポイントについて詳しくお話しします。
目次
蓄電池の工事費用はどれくらい?
家庭用蓄電池の販売価格は、本体代金と工事代金を合わせた価格で見積りされています。
本体価格は本体や施工に必要なケーブルなどが詳しく見積書に書かれています。
それに対して、工事代金の内訳は書かれていないことが多いです。
家庭用蓄電池の工事代金の内訳は、大きく分けると3つあるのでそれぞれ説明します。
家庭用蓄電池の本体価格に関する詳しい記事はこちら⇒家庭用蓄電池とは?価格やおすすめメーカー・補助金についてを解説!
基礎工事
家庭用蓄電池は、メーカーや容量によって多少の違いはありますが、100kg~200kg以上する製品があります。
そのため、家庭用蓄電池を設置する場合は基礎工事が必要となります。
家庭用蓄電池の基礎工事は、「コンクリートの基礎を作る。」、「メーカー指定の基礎及びコンクリートブロックで基礎を作る。」のかのどちらかです。
コンクリートで基礎を作る場合とメーカー指定の基礎及びコンクリートブロックで基礎を作る場合の費用について説明します。
コンクリート
コンクリートで基礎を作る場合は費用が掛かります。
コンクリートで基礎を作る場合は、家庭用蓄電池の大きさや基礎の面積によって多少の違いはありますが、77,000円(税込)~88,000円(税込)程度の費用が掛かります。
また、コンクリートのなかにワイヤーメッシュと呼ばれる基礎のひび割れ防止素材を使うと基礎工事代金にプラスされます。
安全性の面ではコンクリートで基礎を作るのが一番です。
基本工事代金とワイヤーメッシュを入れると総額で110,000円(税込)程度の費用が掛かります。
メーカー指定の基礎及びコンクリートブロック
メーカー指定の基礎及びコンクリートブロックを使って基礎を作った場合は、コンクリートで基礎を作るよりも工事費用を抑えられます。
メーカー指定の基礎で高くて33,000円(税込)~55,000円(税込)程度の費用が掛かります。
コンクリートブロックを使って基礎を作った場合は、5,500円(税込)~8,800円(税込)程度の費用が掛かります。
コンクリートブロックを使って基礎を作るほうが、工事代金は抑えられますが安全性で考えるとメーカー指定の基礎を使うほうがいいです。
設置
家庭用蓄電池を設置する場合に掛かる費用は、メーカーや容量によって違いますが、88,000円(税込)~110,000円(税込)程度の費用が掛かります。
メーカーによっては工事当日にメーカーから家庭用地蓄電池が直送されてきて設置する場合もあります。
メーカーから直送される場合は、曜日によって配送料が変わったり、クレーンなどを使うと配送料が変わります。
屋外設置や屋内設置によっても設置費用は変わります。
配線やその他
配線工事には、電気工事費と部材費があります。
電気工事は、家庭用蓄電池に貯められた電気を各電化製品で使えるように分電盤を配線工事します。
通常は、配線工事は2人~3人程度で約半日程度の時間が掛かります。
そのため、33,000円(税込)~55,000円(税込)の人件費が掛かっています。
家庭用太陽光発電システムとの接続や家庭用蓄電池から分電盤までの距離が遠かったりすると作業時間が丸1日掛かることもあります。
丸1日掛かる場合は、人件費と工具代などを合わせると電気工事代金で100,000円(税込)程度の費用が掛かります。
部材費とは、基礎工事の材料や家庭用蓄電池を壁掛け設置するための金具が必要です。
金具や基礎工事の材料はそこまで高い物ではないので、材料費だけみると11,000円(税込)~22,000円(税込)程度です。
ですが、特殊な架台や部材を使うと部材費用は高くなります。
蓄電池の工事前に知っておくといいこと
実は家庭用蓄電池の設置工事をする前に知っておいたほうがいいことがいくつもあります。
今回は、家庭用蓄電池を設置する前に特に知っておいたほうがいいことを4つ紹介します。
設置場所
家庭用蓄電池は、大きさがエアコンの室外機1台分から2台分程度の大きさがあって、重さもメーカーや容量によって多少の違いありますが、約120kg~約220kg程度があります。
そのため、多くのメーカーの家庭用蓄電池は屋外設置が基本です。
屋外に設置できるスペースがあったとしても家の周りどこでも設置できるわけではありません。
家の周りどこでもできない理由は、家庭用蓄電池に使われているリチウムイオン電池の特性です。
リチウムイオン電池は、温度変化や高温に弱いという特性を持っています。
そのため、家庭用蓄電池は高温になりやすい場所や風通しが悪い場所には設置できません。
家庭用蓄電池の適切な設置場所は次の通りです。
・家の北面
・一日を通して影になる時間が長いところ
・風通しの良い場所
2022(令和4)年現在販売されている家庭用蓄電池のなかには、屋内設置できる製品もあります。
家庭用蓄電池は、電気を変換する時に音が発生するため屋内設置する場合は、寝室や勉強部屋といった静かな場所には設置しないほうは良いでしょう。
家庭用蓄電池を導入前は、あらかじめ設置場所を見ておくとよいでしょう。
家庭用蓄電池の設置場所に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の大きさはどれくらいが理想?目安についてを解説!
蓄電池の種類
2022(令和4)年10月現在販売されている家庭用蓄電池は、大きく分けると4種類あります。
4種類の家庭用蓄電池について説明します。
ハイブリッド型
ハイブリッド型とは、家庭用太陽光発電システムと家庭用蓄電池のパワーコンディショナーが一体になったシステムを指します。
パワーコンディショナーが一体になったシステムのため、家庭用太陽光発電システムと家庭用蓄電池を同時に設置される人や家庭用太陽光発電システムを設置して10年以上が経過した自宅におすすめです。
また、パワーコンディショナーが一体になっているため、家庭用蓄電池に充電する時の変換ロスは少ないです。
パワーコンディショナーの性能が高いため、設置費用は高くなります。
単機能型
単機能型とは、家庭用太陽光発電システムと家庭用蓄電池用のパワーコンディショナーが別々になったシステムを指します。
パワーコンディショナーが別々になっているため、家庭用太陽光発電システムの設置年数や太陽光パネルメーカーを気にすることなく設置できますし、家庭用太陽光発電システムを設置していない自宅でも設置可能です。
設置費用は、ハイブリッド型よりも抑えられます。
パワーコンディショナーが別々になっているため、家庭用蓄電池に充電するときの変換ロスは大きいです。
全負荷型と比べると単機能型のほうが設置費用を抑えられます。
全負荷型
全負荷型とは、停電時に家中の電気をバックアップできるシステムを指します。
全負荷型の家庭用蓄電池の多くは、エアコンやIHといった200V電源を必要とする電化製品も使えます。
高出力製品も多いため、停電時に一度に多くの電化製品が使えます。
停電時でも普段と変わらない生活を送りたい人や、高齢者や小さなお子さんと一緒に住まれている人におすすめです。
家中の電気がバックアップできたり200V電源を必要とする電化製品が使えたり高出力のため、家庭用蓄電池内に貯められた電気が早く無くなってしまいます。
性能が高いため設置費用は高くなります。
特定負荷型
特定負荷型とは、停電時にあらかじめ決められた場所の電気しか使えないシステムを指します。
全負荷型のように家中の電気がバックアップできませんし、停電時の最大出力も大きくないため使える電化製品が限られます。
使える電化製品やあらかじめ決められた場所の電気しか使えないため、家庭用蓄電池に貯められた電気を長く使えます。
停電時に必要最低限の電化製品が使えればいい人や、1人~2人家族におすすめです。
全負荷型の家庭用蓄電池よりも特定負荷型の家庭用蓄電池のほうが費用を抑えられます。
蓄電池の種類に関する詳しい記事はこちら⇒【2022年最新版】家庭用蓄電池とは?メリットやデメリットを完全網羅!
材料
家庭用蓄電池の設置工事を行う時に使う材料は、屋内と屋外によって使う材料が違います。
家庭用蓄電池の工事を行う際に屋内と屋外に使う材料について紹介します。
屋外
・PF管・・・、PlasticFlexible(軟質プラスチック)の頭文字を取ったもので、「パワーコンディショナーから蓄電池」・「蓄電池からパワーコンディショナー」へ配線を引き込む時に使用します。
色はアイボリーとブラックの2種類があって外壁の色によって選べます。
・サドル・・・PF管を外壁などに固定する時に使用します。
・防水コネクタ・・・PF管と家庭用蓄電池・パワーコンディショナー・プルボックスを繋ぐ時に使用します。
防水機能が備わっていて、耐候性があります。
・プロボックス・・・屋外から電線やケーブルを引き込む時に、主に外壁に取り付けて使用します。
・パテ・・・家庭用蓄電池やパワーコンディショナーに水や虫が入り込まないに開口部を塞ぐ時に使用します。
屋内
・フリーボックス・・・屋内に新しくブレーカーなど抑えるために使用します。基本的に既設の分電盤の近くに設置します。
・CVケーブル・・・耐候性が高く屋外で配線を露出させるときに使用します。「家庭太陽光発電システム用ブレーカーからパワーコンディショナー」・「パワーコンディショナーから家庭用蓄電池」などの配線に使います。
・CVTケーブル・・・単線のCVケーブル3本を寄り合わせたケーブルです。CVTケーブルは主に全負荷型家庭用蓄電池で使用します。
・分電盤・・・全負荷型と特定負荷型の2種類があります。それぞれの仕様によって価格も違います。
家庭用蓄電池の価格に関する詳しい記事はこちら⇒【2022年最新版】家庭用蓄電池の価格や相場はいくら?少しでも安く購入するための方法
蓄電池の工事の手順と時間について
家庭用蓄電池を設置するまでの手順と時間が次の通りです。
1 現地調査
現地調査は施工業者が購入者と一緒に希望している家庭用蓄電池を設置するためのスペースがあるかを確認します。
その後、家庭用太陽光発電システムのパワーコンディショナーの型番・太陽光パネルの枚数・回路数・家庭用蓄電池用の分電盤をどこに設置するかや工事当日に使うケーブルの長さなども調べます。
現地調査終了後、販売店が各家庭用蓄電池メーカーに希望している家庭用蓄電池が、既設に太陽光パネルに適応しているかなどを確認します。
現地調査から最終の見積書が完成するまでの時間は、2日~1週間程度です。
2 基礎工事
家庭用蓄電池を設置するための基礎をコンクリートで作るかメーカー指定の基礎を使うかコンクリートブロックの上に設置するかによって時間が変わります。
コンクリートで基礎を作る場合は、コンクリートで基礎を作りで半日、コンクリ―トが固まるまでに3日~4日掛かります。
コンクリートで基礎を作って家庭用蓄電池を設置する場合は、設置完了までに1週間程度に時間が掛かります。
メーカー指定の基礎やコンクリートブロックの上に家庭用蓄電池を設置する場合は、工事当日に行うため時間は1日で終わります。
3 設置・配線工事
家庭用蓄電池の設置工事当日は、基礎の上に家庭用蓄電池本体を設置するところから始まります。
家庭用蓄電池本体の設置が終われば、パワーコンディショナーなどの周辺機器の設置を行います。
家庭用蓄電池本体とパワーコンディショナーなどの周辺機器の設置に掛かる時間は、1時間~2時間程度です。
家庭用蓄電池工事で最も時間が掛かるのが配線工事です。
配線工事の順番としては、蓄電池本体⇒パワーコンディショナー⇒分電盤⇒全負荷分電盤(特定負荷型)になります。
家庭用太陽光発電システムを設置していて家庭用蓄電池を設置する場合は、家庭用太陽光発電システム用と家庭用蓄電池用のパワーコンディショナーの接続工事を行います。
ハイブリッド型家庭用蓄電池を設置する場合は、既設のパワーコンディショナーを取り外して、ハイブリッド対応パワーコンディショナーを設置します。
全ての配線工事が終わってHEMSなどの周辺機器などあれば設置して接続します。
配線工事で2時間~3時間程度です。
4 最終確認
全ての設置・配線工事が終われば家庭用蓄電池の運転モードの設定や表示ユニットが動作しているかなど確認します。
また、充電が正常にされているかどうかや電圧が正しく出ているかや漏電がないなどを確認します。
家庭用蓄電池の設置工事は、約4時間~約5時間程度で終わります。
※家庭用太陽光発電システムとセットで家庭用蓄電池を導入する場合は、工事時間は伸びます。
蓄電池の工事は自分でできる?
家庭用蓄電池の工事を自分できるかどうかと聞かれると、「絶対にできないです。」と答えます。
その理由は、工事には専門的な知識と技術が必要なためです。
家庭用蓄電池だけでなくエコキュート・IHクッキングヒーター・家庭用太陽光発電システムを施工する場合には、第1種電気工事士もしくは第2種電気工事士などの国家資格が必要です。
国家資格が必要な理由は、電気工事中に感電などの事故が起きる可能性があったり設置方法を間違えると違法行為なったりする可能性もあるため国家資格が必要です。
また、家庭用蓄電池を設置する工事業者は、各メーカーの施工研修を受けて施工IDを取得しています。
施工IDを取得していない個人だけでなく販売店が施工した場合は、家庭用蓄電池が故障した時の保証は下りません。
家庭用蓄電池が故障した時の修理代金は、メーカーや性能によって多少の違いはありますが55,000円(税込)~110,000円(税込)程度の費用が必要です。
家庭用蓄電池の工事には多くの配線工事がありますので、専門知識と施工IDを持った専門業者に任せるのが一番です。
家庭用蓄電池の工事が自分でできない理由についての詳しい記事はこちら⇒V2Hの設置はDIYで可能?プロに任せるべき理由について
蓄電池工事の業者の選びかた
家庭用蓄電池への注目が集まるなかで多くの人たちが「どこの施工業者に工事を頼めば良いかが分からない。」と思っているはずです。
家庭用蓄電池の施工業者選びのポイントは全部で4つあるのでそれぞれ説明します。
経験や実績がある
家庭用蓄電池の施工業者選びで一番大切なことは、「その販売業者の実績」だと思います。
家庭用蓄電池の施工業者の実績を調べるのに最も分かりやすいのが、「施工実績」を見ると良いでしょう。
施工実績が多い販売業者は、多くの工事しており多くの契約があることになります。
まずは、各販売店の施工実績を見てみると良いでしょう。
設置・工事実績のページはこちら⇒蓄電池の設置・工事実績
指定工事業者
指定工事業者とは、各家庭用蓄電池メーカーや販売会社などの資格や工事技術の基準をクリアした業者を指します。
指定工事業者であれば施工IDを持っていますし、メンテナンスやアフターサービスも充実しており保証を受けやすいというメリットがあります。
指定工事業者であれば万が一、家庭用蓄電池が壊れた場合でもメーカーからの保証が受けられるため安心です。
不明点を解決してくれる
家庭用蓄電池は、購入するとなるとメーカーや容量などによって多少の違いはありますが、約1,300,000円(税込)~約2,800,000円(税込)程度の費用が掛かります。
そのため、不明な点は1つでも少ないほうがいいです。
購入する人たちの不明点を解決してくれる販売業者から購入するほうがいいです。
不明点を解決してくれる販売店は、営業担当者の家庭用蓄電池の商品と工事に関する知識だけなく、施工担当者が現地調査に行った時の態度や対応などを見て判断すると良いでしょう。
商談中や現地調査の時に、家庭用蓄電池を購入しようと思っている人たちからの不明点を答えられないような施工業者からは購入しないほうがいいでしょう。
料金が明確
家庭用蓄電池を購入する時は、訪問販売でもネット販売でも相見積もりを取るのが基本です。
現地調査終了後の相見積もりを見て本体価格や工事代金が曖昧な書き方をしているところから購入しないほうがいいです。
金額が曖昧な施工業者は、工事当日に見積書以外の工事代金を請求してきたり、黙って型落ち品の家庭用蓄電池を設置したりするなどのトラブルが実際に起きています。
相見積もりを2社以上から取って金額が明確に書かれている販売業者から購入すると良いでしょう。
曖昧な金額を書いているところが怪しい販売業者の可能性もあります。
家庭用蓄電池の相見積もりに関する詳しい記事はこちら⇒【2022年最新版】家庭用蓄電池を見積りする際の注意事項について徹底解説!
家庭用蓄電池の悪徳業者に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の悪徳業者の見分けかたは?手口や失敗しない選びかた
蓄電池の工事のまとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
今回のお話をまとめると、
・家庭用蓄電池の工事代金は、大きく分けると3種類ある!
・家庭用蓄電池を設置する前に知っておいたほうがいいことは全部で3つある!
・家庭用蓄電池を設置するために必要な時間は、1日~1週間程度!
・家庭用蓄電池の工事は自分ではできない!
・家庭用蓄電池の施工業者選びのポイントは、全部で4つある!
家庭用蓄電池工事代金と言っても詳しく見てみると、いくつもの項目があります。
各項目によって金額も時間も違います。
また、購入する人たちも知っておいたほうがいいこともあります。
家庭用蓄電池は注目され始めて10年も経っていない状況です。
そのため、購入する人たちが自分で工事代金について調べるのには限界があります。
分からないことは専門のアドバイザーがいる販売業者に、任せるのが一番です!
また、専門業者のなかでも各メーカーの施工IDを持ったところから購入するのが良いです。
エコの王様には、各家庭用蓄電池メーカーの施工IDを持った職人が数多く在籍しております。
家庭用蓄電池のことで分からないことがあれば、いつでもエコの王様にご連絡下さい!
⇓⇓⇓蓄電池に関するお問い合わせは下のバナーをクリック!⇓⇓⇓