パナソニックV2Hシステムeneplatとは?特徴やメリットを解説!
2023/06/24
「eneplatって最近聞くようになったけど、どんな製品なの?」、「eneplatの特徴やメリットが知りたい。」、「HEMSと併用して使えばもっと効果が上がるって聞いたけどなんで?」など、eneplatへの注目が集まっています。
eneplatの性能は非常に高く、災害時や電気の自家消費するために、最も有効な製品として注文が殺到している現状です。
そこで今回はeneplatの特徴やメリット、おすすめの使い方・各製品の仕様について詳しく説明します!
目次
パナソニックeneplat(エネプラット)とは?
eneplant(エネプラット)とは、パナソニック(Panasonic)が2023(令和5)年2月21日から受注を開始した、家庭用太陽光発電システム・V2Hシステム・家庭用蓄電池を1台のパワーステーション(他社ではパワーコンディショナー)で制御できるシステムを指します。
eneplatは、家庭用太陽光発電システムで発電された電気を自給自足できるように、後付けできる家庭用蓄電池とV2Hシステムに特化したシステムでもあります。
eneplatは、ニチコンが販売している「トライブリッド蓄電システム」と同じ性能のため、ニチコンの独壇場だったトライブリッド市場に新しい風を吹き込んだとのことで現在注目を集めています。
V2Hシステムに関する詳しい記事はこちら⇒V2Hとは?家庭用電気にしてくれるその仕組みについて徹底解説!
トライブリッド蓄電システムに関する詳しい記事はこちら⇒V2Hのトライブリッドとは?すべてをまとめた新しいシステム
パナソニックeneplatの特徴について
eneplatの特徴は全部で3つあるので詳しく説明します。
電気自動車と蓄電池の同時充電・放電
eneplatは、トライブリッド業界ではじめて電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)と家庭用蓄電池の同時充放電ができる製品として開発されました。
トライブリッド蓄電システムの場合、家庭用太陽光発電システムで発電された余剰電力を使って電気自動車やプラグインハイブリッド車を充電すると、家庭用蓄電池の充電ができませんでした。
そのため、家庭用蓄電池は電気代の安い深夜電力(23時~翌朝7時)を使って充電していました。
深夜電力が昼間の電気代よりも安いですが、買い続けると電気代は高くなります。
eneplatは、同時充放電できるように専用コンバータが付いているため、家庭用太陽光発電システムの余剰電力を同時に蓄電ユニットと電気自動車・プライグインハイブリッド車の充電に使えます。
電気自動車・プラグインハイブリッド車・蓄電ユニットに貯められている電気を同時に放電もできます。
家庭用太陽光発電システムで発電された電気を同時充電できるため、深夜電力の買電量が減り電気代節約ができますし、電気自動車やプラグインハイブリッド車・蓄電ユニットに貯められている電気も同時に放電でき、発電しなくなった夕方以降に効率良く使えば一日を通して電気の自給自足ができます。
蓄電ユニットに貯められている電気を電気自動車・プラグインハイブリッド車に充電できますし、電気自動車やプラグインハイブリッド車に貯められている電気を蓄電ユニットへの充電にも使えます。
eneplatの充放電が行われる順番は次の通りです。
1家庭用太陽光発電システムで発電した電気を自家消費する
2家庭用太陽光発電システムの余剰電力を使って蓄電ユニット・電気自動車・プラグインハイブリッド車の充電をする
3余剰電力が余れば売電する
4夕方以降は蓄電ユニット・電気自動車・プラグインハイブリッド車に貯められている電気を同時に放電
<同時充放電のイメージ>
※蓄電ユニットか電気自動車のどちらを優先的に充電するかは付属の表示ユニットでできます。
引用画像:eneplatHP
ブレーカー落ち防止対応
電気自動車・プラグインハイブリッド車の充電と電化製品の使い方によって変わりますが、電気使用量が増え主幹ブレーカーの容量を超えてブレーカーが落ちてしまい停電になってしまう可能性があります。
eneplatは、各家庭の主幹ブレーカー容量・契約容量を超えないように電気自動車・プラグインハイブリッド車の充電電力を調整して、電気が遮断されないようにします。
2023(令和5)年6月現在、販売されている家庭用蓄電池やトライブリッド蓄電システムの主幹ブレーカー容量は75Aまでが最大ですが、エネプラットは100Aまで対応できる主幹ブレーカーが用意されているので停電する可能性が低くくなります。
停電しても問題ない
eneplatは、停電時でも蓄電ユニット・電気自動車・プラグインハイブリッド車の電気を同時に使えるので、家庭用蓄電池単体よりも長い時間貯められている電気を使えます。
設置段階で停電時にあらかじめ決められた部屋の電気しか使えない「特定負荷型」と、家中の電気をバックアップできる「全負荷型」を選択できます。
特定負荷型にすれば、全負荷型よりも電気が使える場所が限定されているため、貯められている電気を長い時間使えます。
全負荷型にすれば、停電時に家中の電気をバックアップしながらエアコンやIHといった200V電源を必要とする電化製品も使えます。
また、全負荷対応家庭用蓄電池単体でエコキュートにも給電すると、貯められている電気がすぐになくなってしまうため接続されていないケースが見られました。
eneplatは、蓄電ユニット・電気自動車・プラグインハイブリッド車を合わせると蓄電容量も増え、電気を同時放電できるためエコキュートと接続する家庭が増えています。
家庭用蓄電池の種類に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の種類は?特徴や用途・家庭用産業用についてを比較!
パナソニックeneplatのメリット
eneplatは、蓄電ユニット・電気自動車・プライグインハイブリッド車の同時充放電ができたり、ブレーカーが落ちること防いだり、停電時でも安心して電気が使えたりする特徴があります。
さらにeneplatを設置することによって得られるメリットは、全部で7つあるので詳しく説明します!
設置しやすくなった
eneplatと同じ仕組みのニチコントライブリッド蓄電システムよりも設置しやすくなります。
設置しやすくなった理由は、各パーツのサイズです。
eneplatとニチコントライブリッドシステムのサイズは次の通りです。
ニチコントライブリッド蓄電システムと比べると全ての製品でサイズ・重量ともエネプラットのほうが小型軽量化されています。
そのため、家庭用蓄電池やV2Hシステムを設置できなかった自宅でも、エネプラットなら設置できる可能性が高くなったため多くの家庭で設置が進んでいます。
また、ニチコントライブリッド蓄電システムは、蓄電ユニットは屋内の壁掛けタイプが主流ですが、eneplantが壁掛けタイプだけでなく、床置可能なシリーズもあるので壁などを傷つけたくない人にも人気です。
家庭用蓄電池の大きさに関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の大きさはどれくらいが理想?目安についてを解説!
参考資料:ニチコントライブリッド蓄電システムHP
参考資料:eneplatHP
高出力・高容量
eneplatは、高出力・高容量のため注目を集めています。
eneplatは、蓄電容量の最大で13.4kWhなので家庭用太陽光発電システムの余剰電力や電気代の安い深夜電力(23時~翌朝7時)をしっかり貯められます。
また、蓄電容量が増えれば増えるほど停電時の最大出力も上がります。
蓄電容量が12.6kWhと13.4kWhになると、停電時の最大出力が6,000Wになるため一度に多くの電化製品が使えます。
私たち普段使っている電化製品の消費電力は、次の通りです。
・冷蔵庫(450L)・・・250W
・炊飯器・・・1,300W
・電子レンジ・・・500W~1,500W
・IHクッキングヒーター・・・2,000W~3,000W
・液晶テレビ・・・210W
・照明器具(LED)・・・10W
・掃除機・・・200W(弱) 1,000W(強)
・携帯電話・スマートフォンの充電・・・10W
家庭用蓄電池の容量と出力に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の容量はどれくらいが適切?失敗しない蓄電池の選びかた
蓄電池ユニットの組みわせ多数
パナソニックの家庭用蓄電池は、小型化・多くのラインナップがあるため、同社の家庭用太陽光発電システムユーザーに人気です。
その技術は、enplatにも活かされています。
eneplatの蓄電ユニットは、3.5kWh~6.7kWhの中から選べて、組み合わせも自由です。
蓄電ユニットの組み合わせは次の通りです。
・6.7kWh×2台=13.4kWh
・6.3kWh×2台=12.6kWh
・6.7kWh+3.5kWh=10.2kWh
・6.3kWh+3.5kWh=9.8kWh
・3.5kWh×2台=7.0kWh
組み合わせが自由なため、家庭用太陽光発電システム搭載容量・電気自動車やプラグインハイブリッド車のバッテリー容量など各自宅の設備に合わせて選べます。
Panasonicの家庭用蓄電池に関する詳しい記事はこちら⇒パナソニックの蓄電池ってどうなの?特徴や選ばれる理由について解説
3つの運転モードあり
eneplatには、「自家消費モード(売電時間設定あり)」、「自家消費モード(売電時間設定なし)」、「タイマーモード」と呼ばれる3つの運転モードがあります。
自家消費モード(売電時間設定あり)とは、家庭用太陽光発電システムの余剰電力と電気代の安い深夜電力(23時~翌朝7時)を使って、蓄電ユニットや電気自動車・プラグインハイブリッド車を充電して、必要に応じて放電することによって1日を通して自家消費できるモードです。
自家消費モード(売電時間設定なし)とは、家庭用太陽光発電システムで発電された余剰電力を売電せずに自家消費に回すモードです。
余剰電力を売電せずに蓄電ユニットや電気自動車・プラグインハイブリッド車の充電に使って、深夜電力を買わないようにすることによって、電気代節約ができます。
このモードは、家庭用太陽光発電システムを設置して10年以上が経過していて、売電価格が下がっている自宅におすすめです。
タイマーモードとは、家庭用太陽光発電システムの余剰電力よりも電気代の安い深夜電力を使って充電するモードです。
このモードは、家庭用太陽光発電システムを設置して10年未満の自宅におすすめです。
おすすめする理由は、売電価格が高いためです。
家庭用太陽光発電システムを設置して10年未満の自宅の場合は、売電価格が高いため自家消費するよりも売電するほうが経済効果を得られやすいためです。
家庭用太陽光発電システムの売電に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光の売電は11年目以降どうなる?卒FITの問題や対応について
参考資料:eneplantHP
充電ケーブルの収納場所が選べる
eneplatの充電ケーブルは、収納場所を選択できます。
eneplatが販売されるまでの充電スタンドやV2Hシステムの充電ケーブルは、収納場所が1カ所に固定されていました。
そのため、電気自動車やプラグインハイブリッド車の充電口によってV2Hシステムの設置場所を考える必要がありました。
eneplatは、充電ケーブルの収納場所を本体の右側・左側どちらでも設置できるため、自分たちの使いやすい場所にV2Hシステムを設置できます。
放充電を短縮できる
eneplatを使って電気自動車やプラグインハイブリッド車の充電すれば充電時間を短縮できます。
例えば、40kWhのバッテリーを塔載している電気自動車を充電スタンドで充電した場合に掛かる時間は、約16時間掛かります。
それに対して、V2Hシステムを使って充電した場合に掛かる時間は、約8時間です。
ここで気になるのが、なぜ充電時間に違いが出るかです。
充電スタンドは、電気の出力が最大で3,000Wまでしかできないため、満充電になるまでの時間が掛かります。
それに対してeneplantのV2Hシステムは、最大で6,000W出力できるため充電時間は半分で済みます。
eneplatの後付け工事に対応している
eneplatは後付け工事ができます。
家庭用太陽光発電システムを設置してから数年後に蓄電ユニットだけを設置したり、電気自動車やプラグインハイブリッド車を購入する時期にV2Hシステムを設置できたりします。
後付けできる理由は、パワーステーション(他社では、パワーコンディショナー)1台で家庭用太陽光発電システム・蓄電ユニット・V2Hシステムを制御できるためです。
各家庭の生活変化に合わせて、蓄電ユニットの増設・V2Hシステムを後付けできるのがメリットです。
パナソニックeneplantとHEMSの連携がおすすめ
eneplantは、パナソニックが販売しているHEMS(AiSEG2)と連携して使うことおすすめします。
おすすめポイントは全部で3つあるので詳しく説明します。
※HEMSとは、「HomeEnegyManagimentSystem」(ホームエネルギーマネージメントシステム)の略称で、電気の「見える化」ができる機器を指します。
※HEMSとeneplatの連携開始は2023(令和5)年夏頃からの予定です。
AIに対応している
パナソニックHEMS「AiSEG2」には、AI(人工知能)が搭載されています。
インターネット回線を通じて翌日の天気予報をもとに、蓄電ユニットや電気自動車・プラグインハイブリッド車の充電量を調整します。
晴予報が出てる場合は、家庭用太陽光発電システムでの充電量を増やして、深夜電力の充電量を減らします。
雨や曇予報が出ている場合は深夜電力の充電量を増やして、家庭用太陽光発電システムの充電量を減らすようにします。
また、外出中に気象警報が発令された場合は、昼間の電気を買って万が一の災害に備えようともします。
HEMSとneplantを併用して使用すれば、家庭用太陽光発電システムの余剰電力・蓄電ユニット・電気自動車・プラグインハイブリッド車に貯められた電気を効率良く使えるようになるため、一日を通して電気の自家消費ができます。
V2HシステムとHEMSの連携に関する詳しい記事はこちら⇒V2HとHEMSって何?関連性や特徴についてを解説
蓄電残量が見える
HEMSがあれば、蓄電ユニットに貯められている蓄電残量を見れます。
HEMSは、蓄電ユニットの蓄電残量が見れるだけでなく家中の電気使用量・充放電量も一度にリアルタイムで確認できるため「節電」を意識付けできます。
停電時は自動設定をしてくれる
HEMSがあれば停電時に自動設定してくれます。
eneplatは、蓄電ユニット・電気自動車やプラグインハイブリッド車に貯められている電気量が家庭用蓄電池単体よりも多いため、エコキュートにも給電できる家庭が多いです。
エコキュートは、他の電化製品よりも消費電力が多いため貯められている電気がすぐに無くなります。
HEMSとeneplatを併用して使えばHEMSの機能で停電が発生した場合、自動でエコキュートの沸き上げを中止させて電気の無駄遣いを防ぎます。
また、停電時もAIが家庭用太陽光発電システムの余剰電力での充電量を自動で増やしてくれます。
暗闇で作業が無くなるため、安全も確保できます。
<AiSEG2>
参考資料:PanasonicHP
パナソニックeneplatの仕様について
eneplatは、パワーステーション(パワーコンディショナー)・蓄電ユニット・V2Hシステム・蓄電池コンバータで構成されています。
それぞれの仕様について詳しく紹介します。
パワーステーション
パワーステーションは、電気の変換器であるパワーコンディショナーと同じ性能です。
パワーステーションの仕様は、次の通りです。
<パワーステーション>
蓄電ユニット
eneplatの蓄電ユニットは、3.5kWh・6.3kWh・6.7kWhの3種類から選択できて必要に応じて増設できます。
増設の組み合わせで多いのが、「6.7kWh+3.5kWh」・「6.3kWh×2台」・「6.7kWh×2台」です。
蓄電容量が10kWhを超えると停電時の最大出力が5,000W~6,000Wになるので、一度に多くの電化製品が使えます。
今回は、ベースとなる3.5kWh・6.3kWh・6.7kWhの仕様を紹介します。
蓄電池用コンバータ
蓄電池用コンバータは、蓄電池用のパワーコンディショナーです。
家庭用太陽光発電システムで発電された電気は直流電流なのに対して、私たちが普段使っている電気は交流電流のため発電された電気を直接各電化製品に使えません。
家庭用太陽光発電システム用のパワーステーション(他社ではパワーコンディショナー)は、発電された直流電流を交流電流に変換して各電化製品で使えるようにします。
蓄電ユニットに貯められている電気は直流電流のため自家消費して余った交流電流を、蓄電池用コンバータ経由で直流電流に変換します。
蓄電ユニットに貯められている直流電流を各電化製品で使えるように交流電流に変換するのも蓄電池用コンバータの役割です。
蓄電池用コンバータの仕様は次の通りです。
<蓄電池用コンバータ>
V2Hスタンド
eneplatのV2Hスタンドは、他社V2Hシステムと比べると薄型でコンパクトですし、本体の右側・左側のどちらにも充電ケーブル設置・収納ができるためさまざまな場所に設置できます。
また、最大出力が6,000Wまで出せるので、一度に多くの電化製品を使えますし停電時に家中の電気をバックアップしながらエアコンやIHといった200V電源を必要とする電化製品も使えるので普段と変わらない生活を送れます。
V2Hスタンドの仕様は次の通りです。
<V2Hスタンド>
まとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
今回のお話をまとめると、
・eneplatとは、家庭用太陽光発電システム・蓄電ユニット・V2Hシステムを1台のパワーコンディショナーで制御できるシステムのこと!
・eneplatの特徴は、「蓄電ユニット・電気自動車やプラグインハイブリッド車への同時充電・放電ができる。」・「ブレーカー落ちが防止対応」・「停電しても問題がない。」の3つ!
・eneplatのメリットは、「設置しやすくなった。」・「高容量・高出力」・「蓄電池の組み合わせがたくさんある。」・「3つの運転モードがある。」・「充電ケーブルの収納場所が選べる。」・「後付け工事ができる。」の6つ!
・eneplatとHEMSの併用がおすすめされている理由は、「AIに対応している。」・「蓄電残量が見える。」・「停電時は自動設定してくれる。」の3つ!
日本国内で電気自動車やプラグインハイブリッド車が普及し始めた同時に電気代高騰が私たちの生活を圧迫するようになりました。
そのようななかで注目されているのが、Panasonicが開発したeneplantです。
eneplatは、業界初となる蓄電ユニット・電気自動車やプラグハイブリッド車への同時充電・放電が可能なシステムのため、停電時でも普段と変わらない生活が送れます。
また、HEMSと併用して使用すれば、さらに力を発揮してくれます。
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