家庭用蓄電池とは?仕組みやメリット・デメリットを初心者向けに解説!
2022/07/20
「蓄電池って良く聞くけど、メリット・デメリットは?」、「蓄電池には、どんな種類があるの?」など、家庭用蓄電池の普及と共にエコの王様にも家庭用蓄電池のお問い合わせが増えています。
家庭用蓄電池と一言で言っても、メーカーも種類もたくさんあります。
選び方を間違えると、思った以上のメリットが得られない可能性があります。
今回は、家庭用蓄電池の種類や仕組み・メリット・デメリットについて詳しくお話します!
目次
家庭用蓄電池とは?
家庭用蓄電池とは、太陽光発電システムの余剰電力や電気代の安い深夜電力(23時~翌朝7時)を貯めておくことができて、必要な時に電化製品に電気を給電できる二次電池・バッテリーを指します。
二次電池とは、私たちも一度は使ったことのある乾電池とは違い何度も繰り返し充放電できる電池を指します。
家庭用蓄電池は、2011(平成23)年から販売されました。
資源エネルギー庁が2020(令和2)年に出した、「第1回 定置用蓄電システム普及拡大検討会開催の目的」の資料を見てみると、販売が開始された2011年の販売台数は、約1,940台です。
そこから毎年、販売台数は伸びていき2019(令和元年)には販売台数は約11万台にまで伸びました。
2020(令和2)年には、販売台数が14万台を超えました。
家庭用蓄電池の販売台数が急激に伸びた最大の理由は、家庭用太陽光発電システムの売電価格が下がるためです。
家庭用太陽光発電システムを設置してから10年間は設置年度の売電価格で電気を買い取ってくれる、固定価格価格買取(FIT)制度があります。
FIT制度は、2009(平成21)年から本格的にスタートしました。
2009年度の売電価格は、1kWhあたり48円(税込)と高額だったため、多くのご家庭で家庭用太陽光発電システムが設置されました。
2019年の11月頃から買取期間が終了するご自宅が出始めました。
これが2019年問題です。
FIT制度が終了したご家庭では、電力会社によって多少の違いはありますが売電価格が1KWhあたり7円(税込)~9円(税込)程度にまで下がります。
売電価格が下がると、電力会社から買う電気のほうが高くなってしまうため、買取期間が終わったご家庭は売電するのを止めて、家庭用蓄電池に電気を貯めて自家消費する動きが高まって、販売台数が伸びています。
太陽光発電システムの売電に関する詳しい記事はこちら⇒【2022年】太陽光発電の買取価格はいくらくらい?年々下がり続けている理由について
参考資料:資源エネルギー庁「第1回 定置用蓄電システム普及拡大検討会開催の目的」
蓄電池の仕組みを解説
家庭用蓄電池の基本的な仕組みは、乾電池と同じです。
家庭用蓄電池の-極側には内臓された電解液に溶けやすい金属、+極側には電解液に溶けにくい金属が使われています。
電解液に溶けやすい-極側の金属が電解液に溶け出して電子を発生させます。
発生した電子が+極側に流れ出ることによって、電気が放電される仕組みになっています。
乾電池の場合は、放電し続けると電解液に溶けやすい-極側の金属が無くなると電池交換が必要です。
家庭用蓄電池は、乾電池とは違う素材が使われているため充電を行うことによって、乾電池もより長く使えます。
蓄電池にはいくつかの種類がある?
2022(令和4)年現在、販売されている蓄電池は全部で4種類あります。
それぞれの蓄電池の特徴やメリット・デメリットについて、詳しくご説明します。
鉛蓄電池
鉛蓄電池とは、日本で販売されている蓄電池のなかで最も古い蓄電池です。
鉛蓄電池内には、電解液である希硫酸の中に銅板が入っています。
+極側には二酸化鉛、-極側には海綿状の鉛が使われており希硫酸と鉛の化学反応によって、電圧が発生し電気が蓄えられます。
電解液中の硫酸イオンが+極側・-極側に移動することによって、放電されます。
逆に+極・-極の両方から硫酸イオンが移動することによって、充電されます。
メリット・デメリットは次の通りです。
メリット | デメリット |
・原料である鉛が安いため、購入価格が安い ・高い電圧を取り出すことができる ・蓄電池本体が安定している | ・他の蓄電池よりも高重量で大型 ・過放電が続くと蓄電池の劣化が早まる ・危険な電解液が使われているため、破損した時の危険が高まる |
高重量で大型のため、家庭用蓄電池に不向きで車のバッテリーとして使われていることが多いです。
リチウムイオン電池
2022年現在販売されている家庭用蓄電池のなかで、最も使われている電池がリチウムイオン電池です。
リチウムイオン電池は、鉛蓄電池よりも小型・軽量化で大容量の電気を充放電可能な電池として開発されました。
数百回~数万回の充放電に耐えられるように設計されているため、スマートフォンや携帯電話・デジタルカメラ・パソコンのバッテリーとしても使われていいます。
電気自動車やプラグインハイブリッド車などにもリチウムイオン電池が使われています。
メリット・デメリットは次の通りです。
メリット | デメリット |
・小型・軽量化されている ・劣化しにくい ・数百回~数万回の充放電に耐えられる。 ・寿命が長い(家庭用蓄電池の場合は、6,000サイクル~12,000サイクル) | ・設置費用が高額 ・過放電・過放電をすると蓄電池の劣化が早まる ・温度変化に弱い ・爆発する可能性がある |
ニッケル水素電池
ニッケル水素電池とは、充放電可能な二次電池を指します。
+極側にニッケル酸化化合物を使用し、-極側には水素を含む水素化合物が使われています。
ニッケル水素電池を使った製品のなかで、代表的なのが乾電池です。
乾電池の中でもPanasonicが販売している「EVOLTA」(エボルタ)が有名です。
2022年現在販売されている乾電池は、ほとんどがニッケル水素電池です。
メリット・デメリットは次の通りです。
メリット | デメリット |
・繰り返し充放電できる ・ニカド電池よりも容量が大きい ・安全性が高い | ・電池を使用しなくても自然放電で勝手に容量が減る ・勝手に電圧が下がる ・ニカド電池と比べると危険性が高い |
※ニカド電池とは、ニッケルカドミウム電池の略称でニッケル水素電池よりも早く販売された電池を指します。
NAS電池
NAS電池とは、日本ガイシ株式会社が開発した大型の蓄電池を指します。
NAS電池には-極側にナトリウム、+極側に硫黄が使われています。
ナトリウムと硫黄の化学反応によって、充放電が出来る仕組みになっています。
NAS電池以外の蓄電池の容量は、大きい製品でも20kWhまでなのに対して、NAS電池は1,000kWh以上の超える製品もあります。
蓄電容量が1,000kWhを超えるため大型です。
そのため、NAS電池は学校や官公庁・ビル・マンションなどに導入されています。
火災が起きた時にNAS電池内のナトリウムは、通常の消火方法では消火できないため家庭用蓄電池としては不向きです。
メリット・デメリットは、次の通りです
メリット | デメリット |
・メンテナンスが不要 ・電圧が安定している | ・稼働させるのに300℃以上の高温は維持しなければならない ・ナトリウムや硫黄などの危険物が使われている ・火災が発生した時に、通常の消火方法が取れない ・設備が大型のため、家庭用としては不向き |
蓄電池のタイプは?
2022(令和4)年現在、販売されている家庭用蓄電池は全部で4種類あります。
それぞれの特徴について、詳しくお話します。
単機能型
単機能型とは、家庭用太陽光発電システム用と家庭用蓄電池用のパワーコンディショナーが別々になっている仕組みを指します。
パワーコンディショナーが別々になっているので、家庭用太陽光発電システムの設置年数やメーカーに関係無く、設置が可能です。
また、家庭用太陽光発電システムを設置していないご自宅でも設置できます。
パワーコンディショナーが別々になっているため、家庭用蓄電池に充電する際の変換ロスは大きくなります。
単機能型は、家庭用太陽光発電システムを設置して10年未満のご自宅や家庭用太陽光発電システムを設置していないご家庭向けに開発されています。
家庭用太陽光発電システムを設置して10年間は、売電単価が高いです。
家庭用太陽光発電システムを設置して10年未満のご自宅では、売電するほうが経済的メリットが出やすいです。
単機能型は、家庭用太陽光発電を設置して10年未満のご自宅で、導入することを考えて設計されているため、主な充電先を家庭用太陽光発電システムの余剰電力ではなく、電気代の安い深夜電力(23時~翌朝7時まで)としています。
蓄電池の寿命を示すサイクル数は、3,000回~6,000サイクル程度です。
※サイクル数とは、蓄電池内の充電量が0の状態から満充電になって使い切るまで期間を指します。
※サイクル数は、メーカーや製品によって変わります。
家庭用蓄電池の寿命に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の寿命・耐用年数は?メーカー別・長期間使用するための5つのポイント
ハイブリッド型
ハイブリッド型とは、家庭用太陽光発電システム用と家庭用蓄電池用のパワーコンディショナーが一体になっている仕組みを指します。
パワーコンディショナーが一体になっているため、家庭用太陽光発電システムと家庭用蓄電池を同時に設置されるご自宅や、家庭用太陽光発電システムを設置して10年以上が経過していて、パワーコンディショナーが交換時期に差し掛かっているご自宅におすすめです。
ハイブリッド型の充電先は、太陽光発電システムの余剰電力と電気代の安い深夜電力の両方です。
単機能型は主な充電先を深夜電力としているため、1日1サイクルで設計されています。
それに対して、ハイブリッド型は家庭用太陽光発電システムの余剰電力と深夜電力を主な充電先としているため、1日2サイクルで設計されています。
また、ハイブリッド型は停電時の最大出力が5,900Wまで出力できる製品が多いのに対して、単機能型は最大で3,300Wまでの製品が多いです。
寿命を示すサイクル数は、6,000~12,000サイクル程度です。
家庭用蓄電池の最大出力に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の容量はどれくらいが適切?失敗しない蓄電池の選びかた
トライブリッド型
トライブリッド型とは、家庭用太陽光発電システム・家庭用蓄電池・電気自動車の充放電を1台のパワーコンディショナーでコントロールできるシステムを指します。
トライブリッド型は、1台のパワーコンディショナーで全てを制御できるため、電気の変換ロスが少ないです。
また、家庭用太陽光発電システム・家庭用蓄電池・電気自動車に貯められている電気を一度に使えるため、停電時の最大出力も9,900Wまで出すことも可能性です。
次世代を担う、蓄電システムと言えます。
2022(令和4)年現在、トライブリッド蓄電システムを販売しているのは、ニチコンだけです。
ニチコンはトライブリッド蓄電システムだけでなく、家庭用蓄電池やV2Hシステムの分野でも日本トップシェアを誇ります。
家庭用太陽光発電システムや家庭用蓄電池で有名なシャープ(SHARP)も、2022年4月にトライブリッド蓄電池システムに対応できる、パワーコンディショナーの販売を開始しました。
将来的には、各家庭用蓄電池メーカーもトライブリッド蓄電システムを販売する可能性は高いです。
ニチコントライブリッド蓄電システムに関する詳しい記事はこちら⇒V2Hのトライブリッドとは?すべてをまとめた新しいシステム
シャープの新型パワーコンディショナーに関する詳しい記事はこちら⇒シャープのV2Hってあるの?蓄電池型パワーコンディショナーについて
ポータブル
ポータブル蓄電池とは、持ち運びができる蓄電池を指します。
自宅で充電して持ち出すことによって、照明器具や携帯電話・スマートフォンなどの充電も可能です。
自宅に据え置きしてある家庭用蓄電池とは違い、小型・小型軽量化されているためキャンプ場などにも持っていくことができることから、ここ1年~2年で急速に販売台数が伸びています。
ポータブル蓄電池は、災害時の非常用電源として注目されており、V2Hシステム対応車種と組み合わせてV2L(Vehicle to Load)としても使えます。
V2Lに関する詳しい記事はこちら⇒V2HとV2Lって何?その特徴や違いについてを解説!
蓄電池はどうやって充電するの?
家庭用蓄電池を充電する方法は、2種類あります。
それぞれの充電方法について、詳しくご説明します。
電力会社
家庭用蓄電池の主な充電は、各電力会社から電気を買って充電する方法です。
家庭用蓄電池を充電する中で最も使われているのが、深夜電力です。
深夜電力が使われている理由は、1kWhあたりの価格が安いためです。
関西電力のはぴeタイムRをご利用されている、ご家庭の料金形態はデイタイム(午前10時~午後5時)が1kWhあたり26. 33円(税込)に対して、ナイトタイム(23時~翌朝7時)が15.2円(税込)です。
この約11円(税込)の差額を使って、経済的に家庭用蓄電池の充電できます。
※深夜電力が安くなる料金プランに加入する必要があります。
※中部電力のスマートライフプランの料金形態は、デイタイムが28.52円(税込)、ナイトタイムが16.3円(税込)です。
※関西電力も中部電力も夏季(7月~9月)はデイタイムの金額が変わります。
参考資料:関西電力HP
参考資料;中部電力HP
太陽光発電
家庭用蓄電池の充電先の2つ目は、家庭用太陽光発電システムの余剰電力です。
家庭用太陽光発電システムで発電された電気の約30%は自家消費に使われます。
1日で10kWh発電する家庭用太陽光発電システムを設置しているご自宅の自家消費量は、3kWhです。
残りの7kWhを家庭用蓄電池に充電できます。
家庭用太陽光発電システムの余剰電力は、費用が掛かっていないため深夜電力を使って充電するよりも経済的です。
深夜電力と家庭用太陽光発電システムを組み合わせて充電すれば、深夜電力を電力会社から買う必要がなくなるため、経済的です。
家庭用太陽光発電システムの発電量に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電の発電量について!初心者でも分かる計算方法について
蓄電池のメリット
家庭用蓄電池を設置することによって得られるメリットは、全部で4つあるのでご紹介します。
電気料金の削減
家庭用蓄電池の充電は、電気代の深夜電力(23時~翌朝7時)と家庭用太陽光発電システムの余剰電力を使って行います。
家庭用太陽光発電システムの余剰電力は、電力会社から電気を買っていないため0円です。
深夜電力も関西電力のはぴeタイムRをご利用されているご家庭の場合、デイタイム(午前10時~午後5時)までの電気代が1kWhあたり26. 33円(税込)に対して、ナイトタイム(23時~翌朝)の電気代は、1kWhあたり15.2円(税込)です。
デイタイムとナイトタイムの差額を使って充電することによって、電気代を抑えられます。
安い電気代で充電された家庭用蓄電池の電気を電気使用量の多い時間帯や、家庭用太陽光発電システムが発電しなくなった時間帯に放電することによって、電気代が節約できます。
災害時に活躍
家庭用太陽光発電システムを設置しているご自宅では、停電が発生したとしても発電している日中は、発電された電気を非常用電源として使えますが、発電しなくなった夕方以降は停電状態になります。
また、家庭用太陽光発電システムのパワーコンディショナーの性能上、停電時の最大出力は1,500Wまでです。
一度に多くの電化製品を使うと、ブレーカーが落ちます。
家庭用太陽光発電システムとは違い家庭用蓄電池は、蓄電容量が大きい製品で16.6kWhまでありますし、停電時の最大出力もメーカー蓄電池の性能によって違いはありますが、3,000W~5,900Wまで出せるため、一度に多くの電化製品を使えます。
家庭用太陽光発電システム用のパワーコンディショナーは、100Vの電源を必要とする電化製品しか使えないのに対して、家庭用蓄電池にはエアコンやIHといった200V電源を必要とする電化製品も使えます。
各電化製品の消費電力に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の容量はどれくらいが適切?失敗しない蓄電池の選びかた
太陽光発電と併用
家庭用蓄電池は家庭用太陽光発電システムと併用することによって、持っている力を最大限発揮します。
家庭用太陽光発電システムは発電している間は、昼間の高い電気を電力会社から買う必要がなくなるため、電気代の節約ができます。
発電しなくなった夕方以降は、各電力会社から電気を買う必要があるため電気代は高くなります。
家庭用蓄電池に貯められている電気は、家庭用太陽光発電システムの余剰電力と電気代の安い深夜電力です。
安い電気で貯められた電気を家庭用太陽光発電システムの発電量が不十分になる雨や曇りの日や、発電しなくなった夕方以降に必要に応じて放電することによって、電力会社から買う電気を減らせます。
家庭用蓄電池は家庭用太陽光発電システムのデメリットを補ってくれる製品と言えます。
家庭用太陽光発電システムと家庭用蓄電池の相性に関する詳しい記事はこちら⇒太陽光発電と蓄電池は相性抜群って本当?その理由とメリット・デメリットを公開!
FIT制度の終了で自家消費
家庭用蓄電池が大きく注目され始めたのは、各電力会社が国が定めた売電価格で10年間は電気を買い取ってくれる、固定価格買取(FIT制度)が終了するご家庭が出始めたためです。
FIT制度が終了したご家庭では、電力会社によって多少の違いはありますが、売電価格が1kWhあたり7円(税込)~9円(税込)程度にまで下がります。
売電価格が下がってしまうと、各電力会社から買う電気のほうが高くなります。
FIT制度が終了したご家庭では、安い売電価格で電気を売り続けるか家庭用蓄電池を導入して自家消費するかのどちらかを選ぶ必要が出て来ました。
多くのご家庭では、売電せずに家庭用太陽光発電システムの余剰電力を家庭用蓄電池に貯めて自家消費するようになりました。
蓄電池のデメリット
「電気代の節約」、「災害時の対策」など家庭用蓄電池を設置することに得られるメリットが多い反面、デメリットもあります。
家庭用蓄電池のデメリットは、全部で3つあるのでご紹介します。
初期費用がかかる
家庭用蓄電池のデメリットの1つ目は、初期費用が掛かることです。
2022(令和4)年7月現在販売されている家庭用蓄電池の販売価格は、メーカーや容量・性能によって多少の違いはありますが、工事代を入れて140万(税込)~250万円(税込)程度で販売されています。
テレビや冷蔵庫など比べると初期費用は高いです。
本格的に販売が開始された頃と比べると、安くなったといえ100万円以上する製品を買う人は非常に少ないです。
初期費用を抑えるためには2社以上の販売店から見積りを取ると良いでしょう。
相見積もりを取ることによって、本体価格だけでなく保証内容なども比較して検討できます。
少しでも初期費用を抑えたい人は、相見積もりを取りましょう。
家庭用蓄電池の価格に関する詳しい記事はこちら⇒【2022年最新版】家庭用蓄電池の価格や相場はいくら?少しでも安く購入するための方法
寿命がある
家庭用蓄電池の寿命はサイクル数で表されています。
サイクル数とは、充電量が0の状態から満充電になって使い切るまでの期間を指します。
2022(令和4)年現在販売されている家庭用蓄電池の寿命は、3,000サイクル~12,000サイクルです。
サイクル数を365で割ると実際の使用年数が分かります。
12,000サイクルの家庭用蓄電池を1日1サイクルで稼働させた場合の寿命は、次の通りです。
12,000サイクル÷365日≒約33年
約33年という数字だけを見ると高寿命のように見えますが、1日1サイクルで動いている家庭用蓄電池よりも1日2サイクルで動いている家庭用蓄電池のほうが多いです。
そのため、実際の寿命は約15年~約16年が寿命と考えられています。
15年~16年が寿命と言われている家庭用蓄電池ですが、寿命をさらに縮めてしまう可能性があります。
寿命を縮めてしまう理由は、次の通りです。
・過充電
・過放電
・高温の場所に設置しない
※過充電とは、満充電の状態から充電をし続ける状態を指します。
※過放電とは、充電量が0に近い状態から放電をし続けることを指します。
※メーカーによっては、寿命をサイクル数で記載していないところもあります。
※365という数字は、1日1サイクルで稼働した場合の数字です。1日2サイクルで稼働する場合は、730で計算します。
家庭用蓄電池の寿命に関する詳しい記事はこちら⇒蓄電池の寿命・耐用年数は?メーカー別・長期間使用するための5つのポイント
設置スペースが必要
家庭用蓄電池は、容量が大きければ大きいほど設置スペースが必要になります。
2022(令和4)年現在、最も販売されているリチウムイオン電池は、温度変化に弱いという特性を持っています。
高温になりやすい場所に設置すると、リチウムイオン電池は温度変化によって爆発してしまう可能性があります。
そのため、高温になりやすい場所や一日を通して影にならない場所、風通しが悪い場所には設置はできません。
家庭用蓄電池を設置する時には、高温にならない場所に設置する必要があるため、購入する前にスペースがあるかどうかを確認しておきましょう。
蓄電池とはのまとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
今回のお話をまとめると、
・家庭用蓄電池には、4つの種類がある!
・家庭用蓄電池を充電する方法は、2つある!
・家庭用蓄電池のメリットは、全部で4つある!
・家庭用蓄電池のデメリットは、全部で3つある!
家庭用太陽光発電システムの買取制度が終わる頃から、自家消費や災害対策として注目を集めているのが家庭用蓄電池です。
設置することによって得られるメリットがある反面、デメリットもあります。
これから家庭用蓄電池の導入をご検討されている人は、メリット・デメリットを知っておくと良いでしょう。
エコの王様にも家庭用地蓄電池に詳しいスタッフが数多く在籍しておりますので、分からないことがあればお気軽にお問い合わせ下さい!
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